悪役令嬢をすくい散らかす、日本の高校生に転生した最強神!
45話 圧倒的善意!
45話 圧倒的善意!
「トコ! 罪華! マナミ! 戦闘準備!」
真剣な目で、
そう叫ぶ紅院。
もはや、頭の中に、センのことなどみじんもない。
と、そこで、南雲ナオが、
震えながら、
トコに、
「あ、あの……じょ、じょーいの、じーおーおーって何? さっきの話でも、ちょいちょい出ていたけど……」
「メッチャ強い敵や。あたしらでも勝てるかどうか微妙の、最悪な相手」
「そ、そんなのが、今、近くにいるっていうの? ……う、うそ……」
そこで、紅院が、ドンと見栄を張って、
「そんなに心配しなくてもいいわ。ここには、私という、最強の『神話狩り』がいるのだから。私ほどじゃないにしても、近い実力者のトコもいるし、学美や罪華だって、先の『同時五体召喚GOO大戦』を生き抜いた歴戦の神話殺し。どんな強敵だろうと、いつも通り……サクっと殺してやるわ」
そう言い切った。
が、別に、本気で『サクっと殺せる』と思っているワケではない。
GOO大戦の時だって『先輩たちに守ってもらえた』から、どうにかこうにか生き残っただけ。
実のところ、勝てる保証など、どこにもない。
しかし、紅院は、神話生物対策委員会のリーダーとして、
『よれた姿』を見せるわけにはいかないから、
必死になって、虚勢を張っている。
――本当は、戦いたくない。
当たり前の話。
紅院は、戦闘狂ではなく、ただのお嬢様。
生まれつき『勝気(かちき)』で『気合の入った性格』をしているが、
しかし、所詮は、それだけの『お嬢様』でしかない。
だから、本当は怖い。
逃げ出したい。
けれど、彼女は、
「どんなGOOだろうと……必ず殺してやる……」
狂気を詠(うた)う。
そうでなければ、
きっと、折れてしまうから。
そのことを理解しているトコは、
紅院の肩にポンと手をあてて、
「死ぬ気で援護したる。頼んだで、リーダー」
と、熱いエールを送っている横で、
茶柱罪華が、アクビをしながら、
「そろそろ眠たくなってきたから、かえっていいかにゃぁ?」
「ええワケないやろ、ぼけぇ!」
「別に罪華さんがいたところで、結果に大した違いはないにゃぁ。どうせ、罪華さんなんて、この中で『最強かつ最高の完璧美少女』ってだけにゃんだからぁ」
「……自分の言葉が錯綜(さくそう)しとることに、なんで、気付けへんの? まず、ほんまに最強なんやったら、おってくれな話にならんし、そもそも、あんたは最強やないし、なによりも、どこっちゃ完璧やないしぃ!」
イライラが止まらないトコに、
茶柱は、アクビをしながら、
「明日、日直で朝早いから、かえりたいにゃぁ。罪華さんは、責任感の塊みたいな子だから――」
「責任感の塊は、この状況で、親友に背を向けたりせん! というか、おどれ、生まれてこのかた、日直の仕事なんか、一度たりとも、したことないやろぉ! 毎度、毎度、ペアのヤツに、なにもかも全部押し付けやがって!」
「向こうが『やりたい』って顔をしている『気がする』から任せてあげているだけだにゃ! 直接言われたことはないけど、彼らの表情は、そう物語っている気がしてならないにゃ! だから、そう、つまり、これは善意! 圧倒的善意!」
「トコ! 罪華! マナミ! 戦闘準備!」
真剣な目で、
そう叫ぶ紅院。
もはや、頭の中に、センのことなどみじんもない。
と、そこで、南雲ナオが、
震えながら、
トコに、
「あ、あの……じょ、じょーいの、じーおーおーって何? さっきの話でも、ちょいちょい出ていたけど……」
「メッチャ強い敵や。あたしらでも勝てるかどうか微妙の、最悪な相手」
「そ、そんなのが、今、近くにいるっていうの? ……う、うそ……」
そこで、紅院が、ドンと見栄を張って、
「そんなに心配しなくてもいいわ。ここには、私という、最強の『神話狩り』がいるのだから。私ほどじゃないにしても、近い実力者のトコもいるし、学美や罪華だって、先の『同時五体召喚GOO大戦』を生き抜いた歴戦の神話殺し。どんな強敵だろうと、いつも通り……サクっと殺してやるわ」
そう言い切った。
が、別に、本気で『サクっと殺せる』と思っているワケではない。
GOO大戦の時だって『先輩たちに守ってもらえた』から、どうにかこうにか生き残っただけ。
実のところ、勝てる保証など、どこにもない。
しかし、紅院は、神話生物対策委員会のリーダーとして、
『よれた姿』を見せるわけにはいかないから、
必死になって、虚勢を張っている。
――本当は、戦いたくない。
当たり前の話。
紅院は、戦闘狂ではなく、ただのお嬢様。
生まれつき『勝気(かちき)』で『気合の入った性格』をしているが、
しかし、所詮は、それだけの『お嬢様』でしかない。
だから、本当は怖い。
逃げ出したい。
けれど、彼女は、
「どんなGOOだろうと……必ず殺してやる……」
狂気を詠(うた)う。
そうでなければ、
きっと、折れてしまうから。
そのことを理解しているトコは、
紅院の肩にポンと手をあてて、
「死ぬ気で援護したる。頼んだで、リーダー」
と、熱いエールを送っている横で、
茶柱罪華が、アクビをしながら、
「そろそろ眠たくなってきたから、かえっていいかにゃぁ?」
「ええワケないやろ、ぼけぇ!」
「別に罪華さんがいたところで、結果に大した違いはないにゃぁ。どうせ、罪華さんなんて、この中で『最強かつ最高の完璧美少女』ってだけにゃんだからぁ」
「……自分の言葉が錯綜(さくそう)しとることに、なんで、気付けへんの? まず、ほんまに最強なんやったら、おってくれな話にならんし、そもそも、あんたは最強やないし、なによりも、どこっちゃ完璧やないしぃ!」
イライラが止まらないトコに、
茶柱は、アクビをしながら、
「明日、日直で朝早いから、かえりたいにゃぁ。罪華さんは、責任感の塊みたいな子だから――」
「責任感の塊は、この状況で、親友に背を向けたりせん! というか、おどれ、生まれてこのかた、日直の仕事なんか、一度たりとも、したことないやろぉ! 毎度、毎度、ペアのヤツに、なにもかも全部押し付けやがって!」
「向こうが『やりたい』って顔をしている『気がする』から任せてあげているだけだにゃ! 直接言われたことはないけど、彼らの表情は、そう物語っている気がしてならないにゃ! だから、そう、つまり、これは善意! 圧倒的善意!」
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