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ブサメンに三次元美少女たちが話しかけてくるなんてあり得ないでござる!

みくりや

みくちゃん宅食事





 デュフフ。いまトイレ。
 正確にはみくちゃんのおうちのトイレを借りている。
 個人宅なのに男女別のトイレがあるなんてびっくりした。ボクの前に住んでいた家も広い方だったけれど、各階にあるだけでござる。
 そしてこれからお風呂とお夕食ということだけれど、ボクの宿泊許可なんて本当に降りるのだろうか?




 そんなことより、デュフフ!マニちゃんの猫耳コスもよかったけれど、なんと次はゴスロリコスでござるぅうう!!これなんというタイミング!絶対にみくちゃんに対抗意識を持っているとしかおもえないのでござる!
 この全面対決にボクは戦々恐々と打ち震えざるを得ない!!!
 さぁこの対決はいったいどちらが勝つのか……ボクはさっきからみくちゃん宅のトイレで必死にコスガチャを引いているのでござる!!!


 なにしているんだという突っ込みもあろうが、もうボクは止まることが出来ないのでござる!だってゴスロリガチャにすでに3万を投入しているのでござるぅ!!!
 できればつぎにみくちゃんを見る前に、ゴスロリマニちゃんを補給したい!でないと、ボクはみくちゃんに寝取られてしまうやもしれぬでござる!!!




こんこん




「……調子がわるいのか?」
「ブヒィイイイ!だ、大丈夫でござる!」




 この野太い声は、先ほどの特殊部隊の男。またボクは拉致されてしまうのでござるか?いやすでにここはみくちゃん宅である。だとすれば今は巡回パトロール中といったところでござろうか?




「ペッ!あやしいハイオークがっ!お嬢様にうまくとりいりやがって……!」




 やとわれの身の癖に、お客であるボクになんたる仕打ち!完全に職務怠慢でござる!!それにみくちゃんのうちなのに唾はいたでござるあの腐れ冒険者め!!


 でもこれにいちいちみくちゃんの手を煩わせていたら、なんのために練習のお手伝いにしに来たのかわからなくなってしまうのでござる。
 ここは我慢でござる……。




ガン!




「はやくしろっ!このブタオークめ!」
「ブヒィイイ!わ、わかったでござる!」


 また連行される形で、移動でござる。本当に広いお屋敷ですでにどこを歩いているのかわからないのでござる。
 だんだんと寂れたような薄暗い場所に移動させられているけれど、ここは……?




ドカッ!


「ブヒィイイ!!」
「てめぇはここだ!」




 どうやら親御さんの許可が下りなかったようだ。ここはみくちゃん宅の納屋。納屋と言ってもボクのアパートよりはるかに広いスペースでござる。


 どうせ何もないでござるから、もうマニちゃんに集中するでござる。しかしこのままだとスマホの電源が切れてしまうのでござる。一週間なんてとてもじゃないけれど、いられたものじゃない。
 あとお腹が空いたでござる。




ゴォオオオオオオ!




 べつにファイアーボールの音などではないのでござる。ボクの腹の音でござる。
 このままでは死んでしまうのでござる。でもみくちゃんの練習を見てあげる約束をしたので、多少は我慢できるのでござる。
 それに今はかばんをもっていないから、メンズボディーシートが無いのでござる。このままではスイカじゃなくて、獣の匂いがするって言われてブサメン、キモデブのハイオークの上にグレートボアなんてあだ名が付いてしまうのでござる!!




ガチャ……




 誰かが来たようでござる。すでに時刻は22時を回っている。こんな時間にくるなんて、見回りぐらいでござるか?




「……なっ!!??納屋になぜハイオークがいるんだ!?」




 なぜ誰もがハイオークと種族限定するのでござるか?いくらなんでも、みんなドラ〇エ好きすぎじゃないでござるか?




「いえ、あれがみく様のご学友でございます」
「な……!?あんなモンスターと付き合いがあるとでもいうのか!?」




 酷い言われようでござる。学校でもこんなにひどい扱いは……いや日常茶飯事でござる。




「おい、貴様」
「……な、なんでござる?」




 そして貴様呼ばわり。現代で貴様呼ばわりされるなんて新鮮すぎるのでござる!なんでござるかこの立派な髭の男爵は!?




「……美紅に近づくとはいい度胸だな!」
「あなたは?」
「私は美紅の父親だ。かわいい娘に虫が付いてると聞きつけて、急遽出張を切り上げて帰って来たのだ!それが、虫どころかモンスター!いやハイオークではないか!」




 いちいちハイオークに言い換えるのは、もう慣れてきたけれど話が進まなくてもどかしいのでござる。




「まぁ……よい。友達一人いなかったみくが、人を……いやハイオークをつれてくるとは……成長したのかもしれない」




 いやそれはハイオークをつれてきたら、成長してるどころか退化してるのでござる!なんかいい話風に語られだしたけれど、ぜんぜんいい話に聞こえないでござる!!!!




「みくちゃ――いえ相川さんはお友達がいないのでござるか?」
「ふん。子供の頃から家に連れてくるような友達は誰一人としていなかった。」




 学校では女子グループがあったはずでござる。でもあれは表面上の付き合いだったということでござるか。




「人見知りの激しい子だったからな。でもアイドルを始めたら変われるなんて、珍しくやる気をだして頑張っていたから応援したのだ」


「相川さんはがんばっているのでござる」


「今やだれもが知るトップアイドルだからな!だが、容姿を変えているとはいえ、愛娘が大衆にさらされているのは気に食わない。それに容姿を変えているときはいいが、家では全く変わらなかった。それに友達を一人もつれてこなかったところを見ると、内面は全くかわっていないのだ」




「だからボクの顔を見に来たのでござるか……」
「そうだ……キミはハイオークの癖に、よく美紅を理解しているようだな。まさか……ストーカーではあるまいな?」


「ブヒィイイ!まったくあらぬ疑いでござる!!どちらかというとお友達・・・でありますが、獣魔契約を結んだテイマーとハイオークの関係でござる!!」


「くくく……実を言うと調査済みだ。キミは面白いやつだ。すべてを信用したわけでもないが、友達・・いやテイムされたハイオークとしてなら認めようじゃないか」




 なんだかんだいって、みくちゃんのお父さんは理解者のようだ。こんな大きな家の当主なのだから、人を見る目が、いやハイオークを見る目があるのかもしれぬでござる!




「おい、この美紅の友人にちゃんと部屋を用意させろ」
「はっ!?いやしかし、このような獰猛なモンスターに屋敷内を歩かれると警備が……」


 いちいちモンスター扱いに引っかかってなかなか話が進まないのは、ボクの人生において仕様でござる。




「私の意見が聞けないと?」
「いえ……か、かしこまりました」




 やっと、普通の部屋に案内された。部屋は20畳ぐらいの広い客室で、清潔なベッドやテーブルなどがしつらえてある。シャワールームもあるから、ボクは汗をながした。


 あとお腹が空いたのでござる。でもボクを案内した使用人は気がきかないのか、寝床を用意したら下がってしまった。




 ご飯は?


……


……


……


ゴォオオオオオ!!








ゴォオオオオオ!!








ゴォオオオオオ!!






 デュフフ。もうすでに早朝。嵐の音ではないのでござる。ボクのお腹の音でござる。
 このままでは神装バリア(脂肪)の肉層壁が破られてしまうのでござる!それにこのままでは寝られないから、もう朝までマニちゃんのガチャを引くことにしたのでござる。


 なかなかゴスロリマニちゃんが出ないのでござる……。









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