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ブサメンに三次元美少女たちが話しかけてくるなんてあり得ないでござる!

みくりや

アイドルの本当の顔





 デュフフ。まだ今日。
 美月ちゃんがなかなか帰ってくれない。このままではみくちゃんと鉢合わせしてしまう。でもこのべっだり引っ付いた状況を見られたら、きっとハイオークがオークジェネラルへとクラスチェンジしてしまうのでござる。
 何を言ってるのかわからないかもしれないけれど、ボクもよくわからない。




「美月ちゃん?そ、そろそろ離れてほしいでござる」
「なによぉ。美少女にくっつかれて嫌わなけ?」
「自分でそれをいったらダメでござる」
「いい加減に2次元から目を覚ましてほしいの!」
「嫌でござるよ?」




バチン!!




「ブヒィイイ!」


「ねぇ?あの時、何があったの?」
「ひっぱたいておいて、普通に話を進めないでほしいでござる」


 あの時とは、父親が再婚したときのことをいってると思う。ボクが2次元へとドットチェンジした時期だから。
 でもあれはちょっと言えないのでござる。今はもう平穏?になったのだからそっとしておいてほしいのでござる。


「たくみは一生、2次元にいる気?」
「その予定でござるよ?」
「ちょっと!悩む場面でしょう今の!」




バチン!!




「ブヒィイ!!」


 勝手な物差しで測らないでほしいでござる。ボクの常識、世間の非常識かもしれないけれど、マニちゃんが可愛すぎるのがいけないのでござる!
 デュフフ。きっと美月ちゃんもマニちゃんを見ればきっとボクの気持がわかってくれるだろう。だって実はマニちゃん猫耳スーツを手に入れたんだからね!!!


 デュフフウゥ!このあざと可愛さはみくちゃんの比で――




バチーーン!!




「ブヒィイイ!」
「お願い!こっちをみてよ!!」




 なぜか美月ちゃんは涙目になって完全にラブコメモードだ。ひっぱたいた手をそのまま頬において、潤んだ瞳でボクを見つめている。


 はっきりいってボクはこの空気は苦手。それに思考を中断させるほどに切羽詰まった彼女をこれ以上悲しませるのもいかがなものかと。




「美月ちゃん。ボクは平――




ピンポーン




 ブヒヒィイイイ!や、ヤバい!おそらくみくちゃんでござる!!美月ちゃんをみて服の乱れがないか、ボクの乱れがないかチェックする。なぜならば、もう事案間近の状態だった。
 いやそんな見えを張っている場合じゃない。実際はハイオークが美少女を食すシーンでござる。




「美月ちゃんは待っているでござる」
「うん……だれ?」
「わからないでござるよ」




 玄関を開けると、そこには見知らぬ女の子がいた。
 ブヒィイイ!しかも黒髪ロングのメカクレゴスロリ美少女!!??どれだけ盛ってきたんだというくらいの二次元要素たっぷりの娘でござるぅうう!!!




 デュフフウゥウウ!これにはボクは傾倒せずにはいられない!しかし初めて出会った美少女にいきなり話しかけようものなら、「オークジェネラルに食べられちゃう!」と叫ばれてしまうのでござる!


 どう考えても、もうアパートにはいられなくなるのでござる!それだけは避けたいのでござる!




「……ぐひひ……き、きちゃった。……た、たくみ」




 ブヒィイイイ!!!!かんわうぃうぃ~~~!!!!これはダメでござる!さすがに美少女美月ちゃんの猛攻にも耐えきったオークジェネラルでもこれは負けちゃうのでござる!!




ぴとっ




「……い、いこ?」


 プギャァアアア!!ボクのボンレスハムにくっついて上目遣いで誘っているのでござるぅうう!!!
 しかし一体だれ……あ!!!!




「も、もしかして……みくちゃん?」




「……や、やっと……気づいてくれた……んひひひひ」




 ブヒィイイ!?何この子?ヤンデレ要素もあるの?森杉でしょ?もしかしてこれが、みくちゃんの普段の様子?学校やテレビのあけすけであざと可愛い様子はすべて演技!?




「それが素でござるか?」




「……ぶ、ぶさいく……で、ででしょ?……こ、これならバレない」
「デュフフゥ!!逆でござるぅうう!可愛いすぎて、ハイオークがオークジェネラルへと変貌を遂げてしまったのでござるぅうう!!」


「……うへ?……か、かわ……かわ……いい?……うそ」




 デュフフゥ!!何でござるか?この狙ったような可愛さは!あの作ったようなあざとさではなく、自然体の人見知りの子が見せる赤らめた純真な乙女の仕草でござるぅ!!!
 これこそボクが求めていたものではござらんか!?


「ちょっと、たくみ!何を玄関で騒いでいるの!」




ドガン!!!




「ブヒィイイ!!」


 完全に玄関をふさいでいたボクの巨体を後ろから、蹴りを食らってしまった。はっきり言ってこのアパートは狭い。ボクが廊下に立つと、左右のスペースは5cm未満。
 このスペースではサイドミラーを折りたたまないと、とおりぬけられないし、すれ違いなんてもってのほかでござる。


 当然美月ちゃんからは、みくちゃんは見えないし、みくちゃんからも美月ちゃんはみえない。でも声は聞こえてしまっている。




「……だれ……か……きているの?」
「ちょっと誰?どきなさいよ!!」




 いやみっちりつまっていて動けませんよ?
 前門のゴスロリみくちゃん、後門のドS美少女美月ちゃん。中央に糞詰まりしているオークジェネラル。
 いったいボクはどうすればいいのだろう?


「ご、ご近所迷惑だから、いったん中に入るでござる。ちょっとバックオーライでござる!」
「わ、わかったわよ……」


 美月ちゃんは最近本当に、ボクの話をちゃんと聞いてくれる。この程度の低いハイオークのお願いなのだけれど、その程度すら聞いてくれるヒューマンは今までいなかったのである。




 押し問答の末、ボク、美月ちゃん、みくちゃん、おつきの黒服女性が2名いて、もうぎゅうぎゅう詰めの6畳リビング。


「この子だれよ!?」
「……うひぅ!」


「みくちゃんでござる……これが素のようなので、突っ込まないで上げてほしいのでござる」
「……なんで……如……月さん……ここに?」
「あたしは停学になったたくみがし、しんぱい……いやひっぱたいて唾を吐きかけたくて来たのよ!!」
「そ、それは苦しいのでござ――




バチン!!




「ブヒィイイ!!」
「ほらこんな感じ」
「……そ、そう……よかった」


 ぜんぜん良くないのでござる!




「それよりこの子がアイドルのmiku?学校とも全然違うんだけど!」
「……ほ、本当のあたし……誰もしらない……だからないしょ」
「ブヒィイイ!!かわういぃ――




ギャキン!!!!!




「お嬢様を貶めると、ボンレスハムよろしく刻むぞ」




「ブヒィイイイ!!」




 彼女の護衛らしき女性がボクに、ジャマダハルを突き付けている。そんなマニアックな武器をよく持っていたでござる!!これでは本当にハイオークを討伐するアサシンでござる!!




「それから、このことはトップシークレットでございます。もし外部に漏れたら、ブッサイクなハイオークの標本ができあがります」
「この人たちこわいでござるよ!!!!」
「なんでアイドルやってるの?」


「……自分を……変えたかった」
「確かに表面上は180度かわったわね」
「でも家ではまったく治ってなかったと……」




 デュフゥ!mikuちゃんとはバレないけれど、護衛付きゴスロリ美少女では目立ちすぎるのでござる。
 結局、ボクと美月ちゃんは連行される形で、みくちゃんのお宅へお邪魔することになった。
 なし崩し的に美月ちゃんも道連れにできたことは良かった。こんな状態でボク一人で連れていかれたら、本当にボンレスハムにされてしまいそうでござる。




 デュフフゥ!もうマニちゃんデーや美月ちゃんデーどころか、すべてみくちゃんに持っていかれたでござる!!









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