ブサメンに三次元美少女たちが話しかけてくるなんてあり得ないでござる!
女の子の気持ち
デュフフゥ!次の日。
今日はすこし寝不足だったけれど、しっかりミルちゃんのログインボーナスは忘れない。
「……おはよ。その顔、大丈夫?」
それに今朝は新しいコスが手に入る大型アップデートがあったのだ。ボクは重課金をして、ガチャを引きまくった。
「……あんた噂になってるけど平気?」
なんとたった1万で、お目当ての巫女さんSSRコスが手に入ったのでござるぅ!!
デュフフウゥ!!!
「……おい!」
昨日は散々な目にあったけれど、機嫌がいいのはこのためだ。コスを着せてあげるのは時間切れだから、残念ながらお昼休みまでお預けでござる。
「このブタオ!!!!」
バチーーン!!!
「ブヒィイイイ!!」
怪我していても容赦がない美月ちゃん。そういえば昨日委員長から、彼女がクソビッチ女であることを聞いてしまった。でもそれは隠しているようだったし、触れてやると山根氏との恋もうまくいかなくなる可能性がある。
山根氏は童貞チェリーボーイだから、そんな話をきいたら引いてしまうこと請け合い。むしろすでに引きまくっているから、何とかしてあげないと美月ちゃんはまた酷い目にあってしまう。
できれば身持ちの固い山根氏に受け止めてもらって、美月ちゃんも身を固めたほうが良いのでござる。
「怪我、増えてるじゃない?」
「たった今、増えたでござる」
「うっさい!」
バチン!!
「ブヒィイイ!」
「……その、怪我……またあたしの所為……かな?」
ボクの入院が、美月ちゃん自身の影響だということを自覚していたようだ。でも今回は関係ないし、跡目を感じてボクにかまっていると、いつまでたっても山根氏との恋が進まないでござる。
「先日のも今回のも美つ――如月氏とは関係ないでござるよ?それにこれぐらいはボクの神装バリアで無傷でござる!」
そういって、右目をパーで隠してポーズを取る。決まったでござる!
「……えっ」
「そんなことより、如月氏は早く山根氏とくっつくでござる。ボクが陰ながら応援するのでござるよ」
いい加減殴られて話が進まないから、あえて美月ちゃんとは呼ばなかった。それにいい加減幼馴染面されるのも嫌がるだろう。
「え……あ……う、うん」
どうしたことか、あまり乗り気ではないようだ。それどころか顔をあかくして、涙ぐんで俯いてしまっている。
ブヒィイイ!これは不味い!朝っぱらからボクが強姦した図ができあがってしまっているではないか!
だ、誰か助けてほしいでござる!!
「あやや!光圀氏そのポーズはもしや、神装バリア!?すでにその域に達しているとはさすがですぞ!!!」
「おお、これがわかるとはさすがは山根氏!わが最大の好敵手!!」
「おや?如月氏は、泣いているのですかな?」
「な!!??何でもないよわっ!!!!」
ばちーん!!
「ブヒィイイイ!!!」
なぜボクをぶったでござるか!?気まずくなったのか、走ってどこかへ行ってしまった。山根氏も唖然としている。いつもと若干ちがう光景に周囲も騒めいている。
「それより光圀氏。ヤバいかもしれぬですぞ……?」
「山根氏?なにがヤバいでござる?」
何やらスマホの記事を取り出してるときに何時ものサッカー部エースの陣内くんがサッカーボールキックをしにやってきた。
「てめぇ!今日こそのその性根を叩き治してやる」
ドガッ!!
「ブヒィイイイ!!!」
いつもと威力が違うサッカーボールキックの違和感を覚える。今日こそということは、それに関する何かきっかけがあったのだろうか。
「おまえ!mikuちゃんに何しやがった!!」
ドガッ!!
「ブヒィイイイ!!!」
みくちゃんにしたことと言えば、スイーツ店にいっただけでござる。いやそのあと騒ぎになって、警察のご厄介になったのでござるが。
あまりいつもと変わらないように感じるけれど、少しだけクラスの雰囲気が悪かったのはそれに関係することかもしれない。
「やめなさい!陣内くんに光圀くん!」
「だってよぉ~委員長!」
「光圀くん?まさか、実際にそんなことはしないと思ってたし、最近はキミの紳士ぶりも見直していたんだ!だというのに……みそこなったわ!!」
ドガッ!!
「ブヒィイイイ!!!」
今度は委員長がサッカーボールキックをしてきた。今日は何回サッカーボールキックと言わなければならないのか、先が思いやられるでござる。
「な、なんのことかな?」
「み、光圀氏……これをみるのですぞ……」
ボクの旧知の好敵手、山根氏が丁寧にスマホで調べてくれていたようだ。やはり周囲が引いている状況ですら、彼はボクの味方のようだ。
差し出されたスマホをみると、dufooo! ニュースの記事が表示されている。
『人気アイドルグループ shake!48の今季センターmiku、ハイオークに襲われる!!』
ブヒィイイイ!!ハイオークってもしかしてボクの事ぉ?しかもハイオークって種族限定するのやめてほしいでござる!!!
せめて怪物とかモンスターとか豚とかあるでしょ!?いやそれでもダメなんだけれども。
「写真まででてるんだから、さすがに言い逃れはできないわ!」
「ご、誤解でござる!」
「問答無用!最低だわ!!!このキモデブ!!」
ドガッ!!
「ブヒィイイイ!!!」
痛い!
思った以上に痛い。委員長はなにか格闘技をやっているのではないかと言うぐらいに的確に急所を狙ってクリーンヒットさせてくる。
「い、委員長やりすぎじゃ……」
「そうですぞ!!いくら光圀氏が神装バリアの持ち主でも、これは防げないですぞ!」
「ふん!ペッ!」
べちゃ
委員長はボクに唾を吹きかけて、ドカドカと大股で去って行った。よほど憤慨していたようだ。それにこれがミルちゃんだったら唾を吐きかけられるなんてご褒美じゃないか!?デュフフゥウ!!
しかし、委員長のあまりの形相に、先陣を切ってサッカーボールキックをしていた陣内くんもボクに同情しているではないか。
「デュフフゥ!なかなかの難敵でござった!しかしやはり神装バリアをもってすれば、かろうじて防ぐことが出来たでござる!!!」
「おおお!光圀氏!さっすがですぞ!!」
「お、おい本当に平気なのか?」
一難去ったらまた一難。うわさのみくちゃんが登校してきた。周囲でも噂になっているようで、ざわざわと不穏なざわめきが起きる。
「……」
ボクの顔をみると、嫌な顔をしてそのまま去って行った。
昨日のあの騒ぎを起こしてしまったから、さぞがっかりしただろう。せっかくのデートなのに警察沙汰はなかったでござる。
あの日みくちゃんは本当に楽しそうにしていた。ブサメン、キモデブのボクなんかでも、彼女のような女子を楽しませることができると、自分でも驚いていたでござる。しかし結果がこれでは彼女も冷めてしまう。
嫌われてしまったが、これで良かったのでござる。このままハイオークをテイムしたままじゃあ、出かける度にニュースになってしまうのでござる。
ニュースになれば彼女の努力を汚してしまう。ボクが嫌だと思うのはそこだけだ。
デュフフゥ!それにこれからいつもの日常に戻れば、ボクがミルちゃんへの愛を注ぐ時間が作れるというもの!
ボクはmikuちゃんの邪魔をしないように、休み時間やお昼休みに屋上に行くのはやめて、Wi-Fiの使える職員室裏に定住することにする。
ブヒィイイイイ!巫女ふくのミルちゃんが可愛すぎる!!!!さっすがにこれはmikuちゃんのあざとさを凌駕するのではないでござろう?
デュフフウゥウイ!やはりボクにはこれが一番だっていってるでしょうが!!!!
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