貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第49話試験結果

「それでは結果を発表致します…今回のテストですが1位の方は三名いらっしゃいました…」

「「「えっ!」」」

令嬢達が息を飲む。

「まずはアイリック侯爵家キャシー様」

パチパチパチ!

令嬢達から溢れんばかりの拍手がおきる!

「さすがキャシー様ですね!」

キャシーが呼ばれた事にローズも顔を明るくして

「キャシー凄い!おめでとう!」

笑顔を向ける。

「ありがとうございます」

キャシーはローズにだけはにかむような笑顔で返事を返した。

「続いてアンダーソン伯爵家ジュリア様」

「やっぱり!」

「そうだと思いましたわ!」

ジュリアの取り巻き達がジュリアを持ち上げる。

「大したことありませんわ、伯爵家の令嬢として当然です」

ジュリアは得意げに微笑んでいた。

「続きまして…タウンゼント男爵家…ローズ様」

「えっ?私?」

ローズが驚いて自分を指さすと…

「ローズ!さすがだわ!」

キャシーがローズに拍手を送ると…他の人達もパチパチとまばらに手を叩いていた…。

その後の合格者がすべて発表されると…

「ちょっとお待ち下さい!その結果は本当ですの?」

落ちた令嬢が納得いかないと大臣に詰め寄る。

「はい、間違いございません。何度も確認を致しました」

大臣が頷くと

「受かった方の殆どは皆様優秀なご令嬢ですから納得出来ますが…タウンゼント様は…」

言いずらそうにチラッとローズを見る、その目線に大臣もローズに目を向けると

「タウンゼント様は…唯一この中で一般常識で満点を取っております…皆様ここで躓いた方が多いようでした」

「まぁ…あれがわかったの?」

「私…一問も自信ありませんでした…」

令嬢達がザワつく。

「逆にあれが1番簡単でしたが…」

ローズが苦笑すると…

「ま、まぁ…タウンゼント様は優秀なのですね…」

ジュリアが笑いながら言うが…

(目が笑ってない~)

あまりの怖さに一歩引いてしまう。

「ですので採点に不正はございません…そもそも王子の婚約者候補を決めるテストでその様な不正があれば大問題です…今後その様な発言はご注意ください」

合格発表をした大臣が令嬢達を見ると皆目を逸らした…。

「他にご意見がなければこれで終わりに致します。合格された方はそのまま王宮に残って頂き他の方は申し訳ありませんが明日までにおかえり頂きますようよろしくお願い致します」

「「「えっ!」」」

「もう帰らなければいけないのですか?」

「まだ来て1ヶ月も経っていないのに…」

「もう少し王宮を堪能したいわ…王子様とは無理でも誰か他の方とお話くらいしたいわ…」

チラッとカイトや他の近衛兵達に目を向ける。

「明日までにおかえりいただけなかった方は契約違反で罰則がありますので…」

「契約違反!?ま、まさか冗談ですよね」

令嬢が笑って聞くが大臣は一切笑わずに

「いえ…お渡しした書面にてそう書いてあるはずです。まぁありえないとは思いますがもし期限を過ぎても残っていた場合はそれなりの覚悟をしておいて下さい」

令嬢達は言い返すことなくすごすごと部屋を後にした。


          

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