貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第42話勝負の日

次の日の朝…

サー!

カーテンが開く音と共に…

「おはようございます!ローズ様さぁいよいよ勝負の日でございますよ!」

クレアさんがいつものように元気よく起こす。

「うーん…クレアさん…もう少し…」

ローズが眩しさから布団を被ると…

「駄目です!さぁお着替えをしますよ!起きて下さい!」

クレアさんはグズるローズの布団を勢いよく剥ぐとローズを起こした!

「ローズ様まずはお風呂です!その後にマッサージ!着替えたら髪を整えますよ」

「えー…今回は試験だけですよね?それなのになんで武装を?」

目を擦りながらクレアに聞くと…

「試験の前からもう戦いは始まっているのです!歩く姿!座る姿勢!話す仕草!そんな所も見られていると思って頭の先から爪の先まで意識して行動するんですよ」

「えー!」

ローズの眠気が一気に吹き飛ぶ!

「最初は試験だけでいいのかと…」

急に不安が押し寄せてきた…所作の方にはあまり自信がなかったからだ…。

「大丈夫です…いつも通りでいいのです」

クレアはローズの頭を優しく洗いながらお湯で流していった。

クレアさんに完璧に武装してもらうと気持ちもしゃんとする!

「ローズ様朝食ですよ」

スチュアートさんが声をかけるが…

「なんだか緊張して…食欲が…」

ローズが軽めでいいと言う。

「そうですが…今日はローズ様の好きなチキンサラダのサンドイッチと具沢山のスープを作って貰いましたが…残念です」

スチュアートが下げようとすると…

ぐうっ!

「待ってください!」

ローズと腹の虫が同時に声をかけた。

「も、勿体ないですからやっぱり食べようかなぁ~」

ローズがチラチラとサンドイッチとスープを見る。

「その方が宜しいと思います。試験中にその可愛らしいお腹が鳴ってもいけませんしね」

スチュアートは笑ってサンドイッチをテーブルに戻した。

ローズは出された料理を綺麗に食べ終わり、食後のお茶も飲み干した。


「では行きましょうか?」

スチュアートさんが手を差し出す…ローズは手を添えて立ち上がる。

「行ってらっしゃいませ」

クレアさんが部屋を出るローズに頭を下げた。

「行ってきます」

ローズはいつも通りの笑顔で試験会場に向かった。


「ではこちらです、私が付き添えるのはここまでです」

スチュアートさんが目の前の扉を開けてくれると…

「美味しいお茶をお入れして待っております」

ローズにそっと声をかけた。

「それは楽しみです!美味しいお茶を飲む為に頑張らないと」

ローズはスチュアートさんにウインクすると部屋へと足を踏み入れた!



部屋の中にはもう既に沢山のご令嬢が話をしながら待っていた。

(凄い…煌びやか…目が眩しい)

テストを受けるのに何故そんな格好を…と思われるようなキラキラと光る令嬢だらけに圧倒されていると…

「ローズ!」

一際豪華な装いのキャシーがローズを見つけてそばに寄ってきた!

「キャシー、ごきげんよう…でいいのかしら」

「ふふ…ローズごきげんよう」

二人で挨拶を返し合い笑っていると…その姿を見ていた令嬢達は…

「あれはアイリック侯爵家のキャシー様…御相手してる方は誰かしら?」

「とても親しそうですね?ご挨拶した方が宜しいかしら…」

キャシーと一緒にいる事で知らずに注目を浴びているとも気が付かずにローズはキャシーと楽しそうにおしゃべりをしていた。

          

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