貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします
第35話待ち伏せ
馬を休ませて王宮へと戻ろうとする帰り道…
「あらぁ~ロイ王子殿下!カイル様!偶然ですねぇ!」
馬の道を塞ぐように馬車に乗ったご令嬢達が従者をゾロゾロと引き連れて待っていた…。
「げっ…」
「はぁ…」
二人は一瞬顔を顰めると…
「これは…ジュリア嬢、待ち伏せですか?」
ロイが笑顔で聞くと
「まさか!偶然ですわ、私達ちょうど散歩に行こうと思ってて…そしたらお二人のお姿が見えましたので…よろしければすぐそこでお茶をしますの…御一緒にいかがでしょうか?」
ジュリアが品を作って上目遣いに聞く。
「お招き感謝しますが、馬もいますし我々はもう戻らないといけないので…失礼します」
ロイが横を通り抜けようとすると…
「きゃっ!」
ジュリアがロイに近づこうとして急に転びだした。
ロイはため息をつくと…仕方なさそうに馬から降りてジュリアを立たせる。
その様子にもう一人の令嬢もいきなり転んでカイルを見つめた。
ビクッ…
カイルはサッと顔を逸らしてギュッと轡を握りしめた。
その様子を後ろから見ていたローズは…
「カイル様?」
馬を寄せて顔を覗くとカイルの顔が青く染まり強ばっていた…
ローズはその様子に馬をサッと降りると、転んだ令嬢の手を取って立たせてあげた。
「大丈夫ですか?」
微笑んで令嬢のドレスについた土埃を優しくはらうと…
「せっかくの綺麗なドレスが台無しですね…怪我があるといけない、今日はこのまま帰られた方がよろしかと…」
にっこりと微笑んで令嬢を見つめる。
手を取られた令嬢が頬を染めてローズを見つめ返すと
「あ、ありがとうございます…あなたは…」
令嬢は初めてみる人にロイとカイルを見ながらローズに聞いた。
「これは失礼致しました、皆さんの綺麗なお姿に見とれて自己紹介が遅れました…」
「お、おい!」
ロイが止めようとするが…ローズは構わずに…
「わたくし、タウンゼント男爵家のローズと申します…」
「ロ、ローズ?女性みたいなお名前ですね…」
「ええ、よく言われます」
ローズがはにかんだように笑い、流し目を送った。
「きゃあ!」
「素敵ね…」
令嬢から黄色い悲鳴がおきた。
「ロイ王子こちらの方は?初めて見ますが…」
ジュリアがロイにローズの事を聞くと…
「えっ…と」
ロイが言葉を濁すと
「ロイ王子とカイル様の友人です。ねっ?」
ローズがカイルに笑いかけると…
「ああ…」
カイルがホッとしたように笑顔を見せた。
その姿に…
「きゃあ!カイル様が笑ったわ!」
「私達に笑って下さったわ!」
令嬢達が騒ぎ出す、するとカイルがさらに身を固くしてしまった。
「すみませんがロイ王子とカイル様はこの後ご予定がございます…申し訳ありませんがこの辺で失礼させていただきますね」
ローズが令嬢の手をそっとあげると…
「また…」
そう言って軽く手の甲に口付けた。
ボッーとする令嬢をしり目にローズは馬に飛び乗ると…
「ロイ様!カイル様!」
カイルの馬しりを軽く叩き馬を走らせる!
唖然としていたロイもすぐ様馬に乗り
「では…」
軽く挨拶をしてローズ達の後を追った!
令嬢達が見えなくなると馬のスピードを落として止まると…
「申し訳ございません!」
ローズは馬から降りて二人に謝った。
「どうした?いきなり」
ロイが首を傾げると
「誤魔化すためとはいえ…王子とカイル様をご友人と言ってしまいました…」
ローズがずっと頭を下げ続けていると
「顔をあげろローズ!」
ロイが強い口調で命令する!
ローズがそっと顔をあげる
「何故あんな事をした?」
ロイがローズに問い詰め出した…
「あらぁ~ロイ王子殿下!カイル様!偶然ですねぇ!」
馬の道を塞ぐように馬車に乗ったご令嬢達が従者をゾロゾロと引き連れて待っていた…。
「げっ…」
「はぁ…」
二人は一瞬顔を顰めると…
「これは…ジュリア嬢、待ち伏せですか?」
ロイが笑顔で聞くと
「まさか!偶然ですわ、私達ちょうど散歩に行こうと思ってて…そしたらお二人のお姿が見えましたので…よろしければすぐそこでお茶をしますの…御一緒にいかがでしょうか?」
ジュリアが品を作って上目遣いに聞く。
「お招き感謝しますが、馬もいますし我々はもう戻らないといけないので…失礼します」
ロイが横を通り抜けようとすると…
「きゃっ!」
ジュリアがロイに近づこうとして急に転びだした。
ロイはため息をつくと…仕方なさそうに馬から降りてジュリアを立たせる。
その様子にもう一人の令嬢もいきなり転んでカイルを見つめた。
ビクッ…
カイルはサッと顔を逸らしてギュッと轡を握りしめた。
その様子を後ろから見ていたローズは…
「カイル様?」
馬を寄せて顔を覗くとカイルの顔が青く染まり強ばっていた…
ローズはその様子に馬をサッと降りると、転んだ令嬢の手を取って立たせてあげた。
「大丈夫ですか?」
微笑んで令嬢のドレスについた土埃を優しくはらうと…
「せっかくの綺麗なドレスが台無しですね…怪我があるといけない、今日はこのまま帰られた方がよろしかと…」
にっこりと微笑んで令嬢を見つめる。
手を取られた令嬢が頬を染めてローズを見つめ返すと
「あ、ありがとうございます…あなたは…」
令嬢は初めてみる人にロイとカイルを見ながらローズに聞いた。
「これは失礼致しました、皆さんの綺麗なお姿に見とれて自己紹介が遅れました…」
「お、おい!」
ロイが止めようとするが…ローズは構わずに…
「わたくし、タウンゼント男爵家のローズと申します…」
「ロ、ローズ?女性みたいなお名前ですね…」
「ええ、よく言われます」
ローズがはにかんだように笑い、流し目を送った。
「きゃあ!」
「素敵ね…」
令嬢から黄色い悲鳴がおきた。
「ロイ王子こちらの方は?初めて見ますが…」
ジュリアがロイにローズの事を聞くと…
「えっ…と」
ロイが言葉を濁すと
「ロイ王子とカイル様の友人です。ねっ?」
ローズがカイルに笑いかけると…
「ああ…」
カイルがホッとしたように笑顔を見せた。
その姿に…
「きゃあ!カイル様が笑ったわ!」
「私達に笑って下さったわ!」
令嬢達が騒ぎ出す、するとカイルがさらに身を固くしてしまった。
「すみませんがロイ王子とカイル様はこの後ご予定がございます…申し訳ありませんがこの辺で失礼させていただきますね」
ローズが令嬢の手をそっとあげると…
「また…」
そう言って軽く手の甲に口付けた。
ボッーとする令嬢をしり目にローズは馬に飛び乗ると…
「ロイ様!カイル様!」
カイルの馬しりを軽く叩き馬を走らせる!
唖然としていたロイもすぐ様馬に乗り
「では…」
軽く挨拶をしてローズ達の後を追った!
令嬢達が見えなくなると馬のスピードを落として止まると…
「申し訳ございません!」
ローズは馬から降りて二人に謝った。
「どうした?いきなり」
ロイが首を傾げると
「誤魔化すためとはいえ…王子とカイル様をご友人と言ってしまいました…」
ローズがずっと頭を下げ続けていると
「顔をあげろローズ!」
ロイが強い口調で命令する!
ローズがそっと顔をあげる
「何故あんな事をした?」
ロイがローズに問い詰め出した…
コメント