貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

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第25話クレア


「おはようございます!」

サー!

カーテンが開かれる音と共に明るい日差しがローズの顔に降り注いだ。

「うう…ん、クリスもう少し寝かせて…」

ローズは弟に起こされたと思い布団を被ろうとする。

「いけません!ローズ様起きてください」

聞いたことない女性の声にローズは布団を剥がされた!

「ああ…」

温かい布団を奪われると…そこには弟のクリスでは無く初めて見る女性が立っていた…

「えっ…ここ…」

部屋を見ると見た事も無い豪華な部屋であきらかに自分の住んでいた部屋とは違う…すると昨日の記憶を思い出してきた…

「そうか…夢じゃないのね…」

ローズはガックリと肩を落とした。

「ローズ様、この度貴方様のお世話係を務めさせて頂くことになりました。クレアと申します、よろしくお願いします」

クレアさんが頭を下げると、ローズは慌ててベッドから起きて

「ローズと申します。よろしくお願いします」

一緒になって頭を下げた、すると…

「いけません!ローズ様主人がメイドに頭を下げるなど!」

クレアがビシッと注意する!

「す、すみません…」

「ですから謝らないと…」

クレアさんがシュンとしたローズに苦笑する。

「まぁ、そこはおいおい慣れていってくださいね」

「あ、あの…クレアさん…一体あなたは…」

ローズがおずおずと聞くとクレアさんが驚いて

「えっ?ロイ坊ちゃんから何も聞いて居ないんですか?」

「はい…何も…」

ローズが申し訳なさそうにすると

「全く!坊ちゃんときたら女性に何も説明も無しにこんな事を!後できつく言っておかないと行けませんね!」

クレアさんがぷりぷりと怒っている。

「では、私が知っている範囲でお話をしますね…とりあえずお風呂にでも入りながら」

クレアさんが優しく笑うとローズをお風呂へと案内した…

そこにはローズの部屋がすっぽりと入りそうなほど広いお風呂場があった…純白な浴槽に真っ赤な薔薇がぷかぷかとお風呂に浮いているのを唖然と見ていると…

「失礼します」

クレアさんがローズの服を脱がしだした。

「なっ!何を!」

ローズが思わず逃げると

「何ってお風呂に入れますので服を脱がせます。ローズ様は服ごとお風呂に入るのですか?」

「い、いえ…自分で脱げますから」

「いけません!坊っちゃまの婚約者候補ともなろうお方が自分で服を脱ぐなど!」

クレアさんはサッとローズを捕まえるとバッバッと服を瞬時に脱がせてしまう!

「いいですか?これからは自分で何かするのは禁止ですから全て私がやりますのでローズ様は大人しくされるがままになっていてください」

「えっ…」

ローズはお風呂に浸からされると…

「失礼します…」

後ろから優しく髪を洗われる。

「なんか…申し訳無いです…」

ローズが初めての事に固まってしまった。

「それで私達メイドはお給金を貰えるのです気にせずゆっくりとしていればいいんですよ」

「はい…」

「ローズ様は少し痩せすぎですね…今日から食事のメニューは少し多めにしてもらいましょう」

「食事…」

ぐうぅぅ…

食事と聞いて腹の虫がなってしまった。

「す、すみません…」

ローズは恥ずかしそうに湯に顔を沈めると…

「ふふ…正直なお腹ですね、少しと言わずたっぷりと多めにしておきますね」

クレアは優しく笑ってローズの髪を流していった…。

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