貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします
第23話契約
「良かった、これからは僕らはパートナーだよ」
「仕事の為の契約の関係ですよね」
ローズがニコッと笑う。
「でも、全てを王子様にお話すべき話かどうかは私の判断に任せて頂きたいです」
ローズが真剣にロイに向き合う。
「そうだね…僕らもローズ嬢に無理を言っている自覚はあるからね…そこは善処しよう」
ローズがホッと胸をなで下ろした。
「じゃあこれからはローズ…って呼ばせて貰うね」
「うっ…はい」
「あと、その僕を見る時に顔を顰めるは止めてね、そんな女性なかなか居ないから目立つよ」
「す、すみません、つい本心が…」
ローズが顔を隠すように触ると…
「ぶっ!」
カイルが顔を背けて吹き出した。
「ローズは本当にハッキリと言うね…まぁいいや…それとこれからはこのカイルもなるべく君のそばに居るようにするから」
「カイル様が?」
ローズがカイルを見つめると、カイルがふいっと顔を逸らした…
(嫌われてる?)
表情を固めて顔をそらされたローズは顔を顰める。
その様子にロイはため息をついた。
「ローズは、従者やお手伝いメイドなんかはいないの?」
「そんな人雇えたら貧乏なんてしていません」
「そっか…そこら辺はこちらで用意しておこう…さすがに誰も居ないのは不味いからね…」
「えっ…いいですよ…」
ローズが断ると
「それが良くないんだよ…一週間後に開かれる婚約者候補の催事だけどね…婚約者候補達による審査会なんだよ」
「審査?」
「そう、知らされるのはこれからだけどね」
ロイが疲れた様な顔を見せる。
「令嬢達は各々自分達が用意したお茶とお菓子で王子である僕をもてなすんだ…」
「へー」
ローズが興味無さげに答えると…
「へーって…君もそれに参加するんだからね!」
「えっ?王子様の権限でどうにか出来ないんですか?」
「それなんだけど…僕が手を出せる事は少しだけなんだよ。審査には大臣や王宮内の選ばれた20名が審査員として令嬢達をチェックするんだ…」
「20名…」
「その中には僕やカイルも含まれているそこで半数以上の票を集めないと10名には選ばれない…」
「申し訳ございませんでした」
ローズはロイに頭を下げた…
「それってどういう意味?」
「そんなの絶対に無理です!私が選ばれわけありませよね!見てくださいよこの格好!って言わせないで!」
ローズがふんと鼻息を荒くしていると…
「そのままでも…素敵だと思う…」
カイルがボソッと呟いた。
「なんて?」
ローズがキッ!っとカイルを思わず睨む。
「ふふ…まぁ落ち着いてよローズ。そこは僕にも考えがあるから…とりあえず今日は疲れたでしょ?部屋を用意しておいたからゆっくりと休んで明日からまた頑張ってよ」
ロイがローズをまぁまぁと落ち着かせる。
「…分かりました…無理だとは思いますが…確かにもう疲れました…では今日はこれで…」
ローズも何だかどっと疲れが押し寄せて来た…
「カイルに部屋まで案内させるから…じゃあまたね」
ロイはローズの手を取って甲にキスを落とすと…カイルにウインクをして部屋を出ていってしまった…。
「…では案内する」
カイルがサッと立ち上がるがローズから返事が無い…
カイルは後ろを振り返ると、そこにはソファーに持たれて眠っているローズの姿があった。
「嘘だろ…」
カイルはローズを起こそうと肩をそっと揺らすが起きる気配が無い。
(どうする…置いていくか…いや、さすがに不味い…しかし抱き上げる?)
カイルはローズを不安そうに見つめる。
ここ数年いや、生まれてこの方女性を抱き上げるなんてした事もなかった…触れる事さえもなかなか出来ずにいた女性を抱き上げるなど俺に出来るのか…?
カイルは、覚悟を決めるとローズを優しく抱き上げた。
初めて抱いた女性は思いの外軽く…柔らかかった…
コテン…
頭がカイルの胸の方に倒れると、その拍子に何とも言えない香りがした…
女性特有の香水臭い匂いで無く…まるで太陽の日差しの様な温かい落ち着く香り
カイルはローズを起こさないように優しくゆっくりと部屋まで運んで行った…。
「仕事の為の契約の関係ですよね」
ローズがニコッと笑う。
「でも、全てを王子様にお話すべき話かどうかは私の判断に任せて頂きたいです」
ローズが真剣にロイに向き合う。
「そうだね…僕らもローズ嬢に無理を言っている自覚はあるからね…そこは善処しよう」
ローズがホッと胸をなで下ろした。
「じゃあこれからはローズ…って呼ばせて貰うね」
「うっ…はい」
「あと、その僕を見る時に顔を顰めるは止めてね、そんな女性なかなか居ないから目立つよ」
「す、すみません、つい本心が…」
ローズが顔を隠すように触ると…
「ぶっ!」
カイルが顔を背けて吹き出した。
「ローズは本当にハッキリと言うね…まぁいいや…それとこれからはこのカイルもなるべく君のそばに居るようにするから」
「カイル様が?」
ローズがカイルを見つめると、カイルがふいっと顔を逸らした…
(嫌われてる?)
表情を固めて顔をそらされたローズは顔を顰める。
その様子にロイはため息をついた。
「ローズは、従者やお手伝いメイドなんかはいないの?」
「そんな人雇えたら貧乏なんてしていません」
「そっか…そこら辺はこちらで用意しておこう…さすがに誰も居ないのは不味いからね…」
「えっ…いいですよ…」
ローズが断ると
「それが良くないんだよ…一週間後に開かれる婚約者候補の催事だけどね…婚約者候補達による審査会なんだよ」
「審査?」
「そう、知らされるのはこれからだけどね」
ロイが疲れた様な顔を見せる。
「令嬢達は各々自分達が用意したお茶とお菓子で王子である僕をもてなすんだ…」
「へー」
ローズが興味無さげに答えると…
「へーって…君もそれに参加するんだからね!」
「えっ?王子様の権限でどうにか出来ないんですか?」
「それなんだけど…僕が手を出せる事は少しだけなんだよ。審査には大臣や王宮内の選ばれた20名が審査員として令嬢達をチェックするんだ…」
「20名…」
「その中には僕やカイルも含まれているそこで半数以上の票を集めないと10名には選ばれない…」
「申し訳ございませんでした」
ローズはロイに頭を下げた…
「それってどういう意味?」
「そんなの絶対に無理です!私が選ばれわけありませよね!見てくださいよこの格好!って言わせないで!」
ローズがふんと鼻息を荒くしていると…
「そのままでも…素敵だと思う…」
カイルがボソッと呟いた。
「なんて?」
ローズがキッ!っとカイルを思わず睨む。
「ふふ…まぁ落ち着いてよローズ。そこは僕にも考えがあるから…とりあえず今日は疲れたでしょ?部屋を用意しておいたからゆっくりと休んで明日からまた頑張ってよ」
ロイがローズをまぁまぁと落ち着かせる。
「…分かりました…無理だとは思いますが…確かにもう疲れました…では今日はこれで…」
ローズも何だかどっと疲れが押し寄せて来た…
「カイルに部屋まで案内させるから…じゃあまたね」
ロイはローズの手を取って甲にキスを落とすと…カイルにウインクをして部屋を出ていってしまった…。
「…では案内する」
カイルがサッと立ち上がるがローズから返事が無い…
カイルは後ろを振り返ると、そこにはソファーに持たれて眠っているローズの姿があった。
「嘘だろ…」
カイルはローズを起こそうと肩をそっと揺らすが起きる気配が無い。
(どうする…置いていくか…いや、さすがに不味い…しかし抱き上げる?)
カイルはローズを不安そうに見つめる。
ここ数年いや、生まれてこの方女性を抱き上げるなんてした事もなかった…触れる事さえもなかなか出来ずにいた女性を抱き上げるなど俺に出来るのか…?
カイルは、覚悟を決めるとローズを優しく抱き上げた。
初めて抱いた女性は思いの外軽く…柔らかかった…
コテン…
頭がカイルの胸の方に倒れると、その拍子に何とも言えない香りがした…
女性特有の香水臭い匂いで無く…まるで太陽の日差しの様な温かい落ち着く香り
カイルはローズを起こさないように優しくゆっくりと部屋まで運んで行った…。
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