貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします
第19話ロイ視点
クロフォード国の二男として生まれ、優しい両親、少し歳の離れた兄上、同じ歳の親友、僕は楽しい幼少時代を過ごしていた。
あの日までは…
あの日は兄上の誕生祭のパーティーでのこと…気持ち悪い笑顔でじっと親友のカイルを見つめていた何処かの伯爵令嬢の母親がカイルを誘拐しようとしたのだ
僕がこのつまらないパーティーを抜けて遊ぼうなんて誘ったから…
あの日の事を今でもずっと後悔している。
カイルは助けを呼んできた僕に感謝を述べ前と変わらずに僕を親友と呼んでくれている
そんな資格は無いのに…
カイルはその見た目から過剰に女性に好意を寄せられていた、それは過ぎるほどの好意を…
カイルが受けた女性からの好意…あれを好意と呼ぶ事を僕は受け入れ難い。
ある時にはあまりにもデートに誘ってくる執拗い令嬢に一回きりでいいからと出かけることを了承していた
僕は嫌な予感に護衛にカイルの様子を見張るように命令した、その予感は見事に当たってしまった…
カイルはより一層女性に嫌悪感を持つようになってしまった。
しかしその思いと同じ様に周りの好意も加速していく…カイルの容姿が益々男らしく美しくなってきたからだ。
カイルは益々女性を遠ざけるようになってしまった…
そんな時に僕に婚約者候補をみつける話が出てきた、しかもとばっちりでカイルも共に…
王子の隣を狙う女狐のようなやつに目をつけられたらそれこそ本当にカイルは女性に失望してしまうかも知れない…
僕はそんなカイルを一人にはしておけない
しかし打開策がある訳でもなくカイルの女嫌いは酷くなる一方だった…
そんな時にカイルが城外の用から戻ってくると様子がおかしくなった
らしくないミスをするし、心ここに在らず…そんな感じだった
時折ため息を着いては窓を見つめている。
まるでカイルに恋をした令嬢の様だった…いや…まさかカイルに限ってそんなことは無いだろう…
僕はカイルに相手が現れない限り恋をするつもりは無い
今回の婚約者探しも悪巧みを企む大臣の炙り出しに使おうと思っていた…
そんな大臣達が送り込んできたご令嬢が今日も橋を渡ってやってくる。
その様子にカイルのため息が移り窓を曇らせた。
しかしあれ?なんかおかしいと気がつく…令嬢が一人で歩いて来るか?
しかもよく見ればドレスの様な物を着ているが、どう見ても色合いが地味だった…
その様子をボソッと呟くと覇気がなかったカイルの瞳に力がこもった
「彼女だ!」
そう言って叫ぶと仕事をほっぽり出して部屋を出ていった…僕はその様子を唖然と見つめていた…
門番と何か話していたカイルは紙を握りしめて戻ってきた。
大事そうに握りしめている紙を奪うと…それは婚約者候補に配られた書状だった…
「タウンゼント男爵家ローズ・タウンゼント?何処ら辺の領主だ?聞き覚えが無いな」
カイルが書状を奪おうとするのをサッと避けると…
「どういう事か説明願おうか?」
僕はカイルに笑いかけた。
          
あの日までは…
あの日は兄上の誕生祭のパーティーでのこと…気持ち悪い笑顔でじっと親友のカイルを見つめていた何処かの伯爵令嬢の母親がカイルを誘拐しようとしたのだ
僕がこのつまらないパーティーを抜けて遊ぼうなんて誘ったから…
あの日の事を今でもずっと後悔している。
カイルは助けを呼んできた僕に感謝を述べ前と変わらずに僕を親友と呼んでくれている
そんな資格は無いのに…
カイルはその見た目から過剰に女性に好意を寄せられていた、それは過ぎるほどの好意を…
カイルが受けた女性からの好意…あれを好意と呼ぶ事を僕は受け入れ難い。
ある時にはあまりにもデートに誘ってくる執拗い令嬢に一回きりでいいからと出かけることを了承していた
僕は嫌な予感に護衛にカイルの様子を見張るように命令した、その予感は見事に当たってしまった…
カイルはより一層女性に嫌悪感を持つようになってしまった。
しかしその思いと同じ様に周りの好意も加速していく…カイルの容姿が益々男らしく美しくなってきたからだ。
カイルは益々女性を遠ざけるようになってしまった…
そんな時に僕に婚約者候補をみつける話が出てきた、しかもとばっちりでカイルも共に…
王子の隣を狙う女狐のようなやつに目をつけられたらそれこそ本当にカイルは女性に失望してしまうかも知れない…
僕はそんなカイルを一人にはしておけない
しかし打開策がある訳でもなくカイルの女嫌いは酷くなる一方だった…
そんな時にカイルが城外の用から戻ってくると様子がおかしくなった
らしくないミスをするし、心ここに在らず…そんな感じだった
時折ため息を着いては窓を見つめている。
まるでカイルに恋をした令嬢の様だった…いや…まさかカイルに限ってそんなことは無いだろう…
僕はカイルに相手が現れない限り恋をするつもりは無い
今回の婚約者探しも悪巧みを企む大臣の炙り出しに使おうと思っていた…
そんな大臣達が送り込んできたご令嬢が今日も橋を渡ってやってくる。
その様子にカイルのため息が移り窓を曇らせた。
しかしあれ?なんかおかしいと気がつく…令嬢が一人で歩いて来るか?
しかもよく見ればドレスの様な物を着ているが、どう見ても色合いが地味だった…
その様子をボソッと呟くと覇気がなかったカイルの瞳に力がこもった
「彼女だ!」
そう言って叫ぶと仕事をほっぽり出して部屋を出ていった…僕はその様子を唖然と見つめていた…
門番と何か話していたカイルは紙を握りしめて戻ってきた。
大事そうに握りしめている紙を奪うと…それは婚約者候補に配られた書状だった…
「タウンゼント男爵家ローズ・タウンゼント?何処ら辺の領主だ?聞き覚えが無いな」
カイルが書状を奪おうとするのをサッと避けると…
「どういう事か説明願おうか?」
僕はカイルに笑いかけた。
          
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