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やりきれない夜に

神紫月あゆ

愛の地獄 無人駅

あの頃
なぜあんなに怯えていたのか

貶められて
自分に火箸を当てていた

なぜ
私は無能だったのか…

あの世界の常識を守れなかったから?

どうして
地獄で褒められたかったのか?


地獄でまともな幸せをさがしていたのか

鬼火に焼かれ 般若の亡霊と化していた私


自ら清らかな微笑をたたえたつもりが
実は魑魅魍魎(ちみもうりょう)に
無理やり笑みを作らされていた

すれ違う人々は
異様さを感じていただろう

流れが止まらぬ血を隠し
せき止められた本流に気づかず
焦がれて己を捧げたあのひとが作った泥川で泳ぎ続ける

「お前のため」という名の清めの水を
飲み続ける

実はただの泥水に
怒りのミミズ腫れを見つけても

あの世界で昇格するために
平気で善良なひとを蹴落とす

そうまでして
愛されたかったのか

私に刻み込まれた地獄は
愛にかえりたがっている

愛という地獄は無人駅になっても
帰り人を待っている




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