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妹が『俺依存症』を患った件

ラムダックス

第39話 ゲームコーナーにて


「このゲーム難しいな……」

「こっちも……」

横にずらり並んだアーケードの筐体を、俺と泰斗はそれぞれプレイする。
対戦格闘ゲームだが、俺はあまりこの手のゲームはしないので、苦戦しているのだ。
泰斗も同じようだが、後ろから霞がめちゃくちゃイチャイチャしてきているので早く爆発して欲しい。

「泰斗、泰斗っ。一回勝つごとにキス30秒ですよ! 向けたら私もできないんですから頑張ってっ!」

うん、末長く爆発して欲しい。

「うぉ、勝てたー!」

「おおおおお、すごい、泰斗すごいっ!」

「おお、すごい、なっと」

俺もギリギリまで敵を追い詰める。

「あれっ、あーあ駄目か……」

むむむ、そろそろ違うゲームをしてこようかな。

「よっしゃ次の敵も……あれ、乱入者が現れました?」

ん?

「ふっふっふ、伊勢川先輩、にっくきリア充は私が成敗して差し上げますよ!」

ビシ! と指を指したのは理瑠だった。泰斗を挟んで向こう側の筐体からチャレンジ機能を用いて挑戦してきたようだ。

「というわけで阿玉先輩、覚悟です!」

「おお、いいぜ」

「泰斗、ファイトっ!」

「よし、俺も観戦するか」

座っていた筐体を離れ、泰斗と理瑠の間に少し離れて立つ。

「ほほう、そうきましたか」

「少し慣れてきたからな! 三住さんはこういうのよくやるのか?」

「まあまあですかねー。バレーの練習もあるので余りやれる日はないですけど、その分やるときは長時間やり込む方なので」

へえ、そうなのか。意外だな。

「あっ、泰斗、そこです! そうそう」

「おう!」

霞は泰斗にのしかかるように画面に向かって指示を出す。
だが泰斗の顔を見ていると、俺はあることに気がついた。
胸が当たっているのだ……! 指示を出すのに夢中なのか、泰斗の右頬に自らの胸が当たっていることに気づいていない様子。泰斗はそれをいいことに感触を楽しんでいるのだ。

おのれ外道め……!

「理瑠、やってしまえ。勝てたら昼食は俺のパスでおごってやるぞ」

「本当ですか!? よーし、先輩、ここからは本気で行きますからね!」

「え、今の本気じゃなかったの……?」

そして宣言通り、泰斗は二タテされてゲームは終了した。

「くうう〜〜、悔しいな。でも楽しかったぜ!」

「私も、久々に対戦したので楽しかったです! というわけでお兄さん、おごってくださいね?」

「おっけーおっけー」

「あ、じゃあちょっと……」

と霞が泰斗の腕をとる。

「え?」

「約束、したからっ。あと、慰めてあげるね?」

まさか、ここでするのか……

「ちょ、ちょっと言ってくるわ!」

そうして二人は多目的トイレに向かって行った。嘘だろおーい……

「……お兄さん」

「何もいうな」

俺たちは何も知らないことにして、真奈達のもとへ向かう。

「はっはっ、先輩やりますね!」

「真奈ちゃんも、なかなか!」

真奈と流湖は、足を使いリズムに合わせて曲を演奏するゲームをしていた。

流湖はまだしも、真奈はミニスカートなのでチラチラと見えている気がするのだが……

ほら、隣で別の音ゲーをしている奴がニヤニヤした顔で見ているぞ。俺はそいつと真奈の間に立ちはだかることにした。
舌打ちされても見せられないものは見せないぞ?

「お兄さん流石ですね、カッコイイです」

「何がだ、これくらい普通だ。真奈が俺に積極的だろうがなかろうが、悪い虫を追い払うのは兄の役目だからな」

「はーあ、私もお兄さんの妹だったらなあ……」

本気か冗談か、理瑠はそんなことを言う。

「もしそうだとしても、きっと真奈と俺を取り合って喧嘩していただろうな」

「え? お兄さんって、意外とナルシスト……?」

「なんでだよ! 一応、その、俺のこと好きって言い張ってるもの同士なんだから」

「ああそういうー。確かにそうかもしれませんね。私としては、真奈とだったら全然半分こしてもいいんですけど。あっちはそれは嫌みたいですから」

そりゃ、普通は好きな人を二人でシェアしましょうなんて受け入れられないだろう。

「こんなこと聞くものあれだが、理瑠ちゃんはなんで俺のこと好きなんだ?」

「あれ? 言いませんでしたっけ? 一目惚れですよ?」

「それはわかってるんだが、本当にそんなことあるのかなと疑問に思ってな。俺って自分で言うと悲しくなるが、そんなに顔はいい方じゃないだろ?」

「そうですかね? 強いて言えば、中の上? 言うほど悪くないと思いますよ」

「そうか?」

まあ顔がいいと言われて嫌な気分はしないので、素直に受け取っておくこととしよう。

「あ、お兄ちゃん、お待たせ」

「はあ、はあ、結構疲れるね〜」

真奈と流湖が汗を拭う。その仕草が少し色っぽく見えてしまう。

「どっちが勝ったんだ?」

「お兄ちゃん、私だよ! ご褒美は?」

「ご褒美?」

「むむむ、ずるいな〜」

と流湖が片頬を膨らませる。いや、俺から貰ってもそんな嬉しいか? 真奈が特殊なだけだと思うぞ。

「じゃあ、頭撫で撫でとか……? うおっ」

「はやくっ、はやくっ♡」

シュバババッ! 妹が一瞬で俺の方へ寄ってきた。ちょっとびっくりしたじゃないか、瞬間移動かと思ったわ。

「じゃあ、少しだけだぞ?」

余り撫ですぎてトリップされても困るからな。

「きゃあ〜♡♡♡♡♡♡♡」

頭をゆっくりと掌で擦ってやると、ツインテールがびゅんびゅんと高速回転し始める。だからそれどういう原理なんだよ……

「あれ、泰斗くん達は?」

「確かに、増田先輩達がいません」

「ああ、あの二人は……」

どうしよう、そのまま伝えるべきだろうか? 撫でながら思案していると。

「今頃ズッコンバッコンじゃないですかー?」

理瑠が、両手の指を使い卑猥なジェスチャーをしながらとんでもないことを口にした。

「えっ!?!?」

「嘘、こんなところで?」

俺の手から離れた真奈といつの間にか買ってきた飲み物を飲む流湖の二人は、共に顔を真っ赤っかにする。

「おい、何言ってんだよ、ちげーよ!」

だが、ちょうど戻ってきた泰斗がその予想をすぐさま否定した。

「そ、そこまではしてないからっ!」

「そこまで……ふーん、そこまでですかー」

理瑠がニヤニヤと笑う。この娘は結構性的な事柄に対して奔放なようだな。普通なら恥じらうようなことも平気で言うし。まあ女子だからと言って絶対に性的なことを恥ずかしがらないといけないということはないし、こういうキャラクターがいても別におかしくはない。

「まあいいだろう? 次どうするよ」

「そうだな」

時計を見ると、10時半過ぎだ。

「ボウリングはどうだ?」

と提案する。

「ボウリングか〜、やったことないんだよね〜」

「私は何回かあるっ」

「俺も中学3年に何回か。最近は行ってないけど」

「私はちょっとは出来ますよー、自画自賛するほどじゃありませんけど」

「俺と真奈も中学以来か」

「そうだね、お兄ちゃんの受験が終わったくらいに行ったきりかな」

「じゃあ折角だし、一人ずつで得点競おうぜ!」

泰斗が提案する。

「そうしようか。ビリの人に何かさせる?」

「カラオケでダンスとか?」

流湖が言う。

「それいいかもっ」

霞は結構乗り気のようだ。その格好で踊るとヒップホップダンサーみたいになりそうだ。

「内緒でフリードリンク全部混ぜ!」

理瑠が子供っぽい悪戯を提案する。

「言ったら内緒じゃないだろ」

「あ、そっかー、てへぺろ」

「まあ細かくは終わった後で。とりあえず行こうか」

          

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