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妹が『俺依存症』を患った件

ラムダックス

第35話 アパート初日の夜、妹と…… その2


「お兄ちゃん、もう既にちょっとてるかも……」

と、甘い吐息を吐きながら妹は言う。

「なら辞めるか?」

「い、いやっ、もうちょっと……」

「仕方ないな」

ベッドの端に腰掛ける。

「むふう」

妹は起き上がり、俺の背中に抱きついてきた。

「ふぐふぐ、くんかくんか、はすはす」

「口に出して言う必要あるかそれ? くすぐったいんだが」

「ある。もぐもぐ」

「もぐもぐってなんだよ、何を食べる気だ?」

「そんなのお兄ちゃんに決まってるじゃん」

こら、俺は食料じゃねーぞ!

「ふざけた事言ってないで、早く補充してくれ。俺にはどういう感覚かわからんのだからな」

実際に吸収するとどう変わるのか、勿論俺に理解できるわけはない。だが幸せそうな顔や声の妹を見ていると、薬物でよく聞くような、脳が幸せを感じる状態になっているのだろう。

「はうぅ、お兄ちゃんしゅごい〜」

「なっっっ、ちょ!」

妹は自らの胸を俺の背中に擦り付けてくる。
以前あったシチュエーションだ。

「やめなさい、はしたないっ」

俺は慌てて立ち上がる。と、真奈はどさりとベッドの上に尻餅をついた。

「いてて、えぇ〜なんでダメなの?」

「当たり前だろ、それで痛い目見たの忘れたのか?」

と俺は、曖昧なままいつの間にかなかったことをなっていたことを蒸し返してしまう。
前は裸だったので少し違うところはあるが、どちらにしても押し付けてくるな、と言いたい。

「あ、あれは……お兄ちゃんが興奮してフェロモンだしたから私もおかしくなっちゃったんだもの。お兄ちゃんのせいでもあるんだよ?」

「それを言われると……妹に興奮した俺も悪かったな」

いくらショッピングモールで下着(ただし色々と見えていたが)の妹と密着し、俺の部屋で"お披露目会"まだやったと言っても、妹は妹、家族なのだ。それに欲情してしまった俺が悪い、頑張って自制するべきだったのだ。
あの夜は疲れていたから、と言い訳をしていたが、流石に嘘だとバレていたようだ。

偉そうに言っていても、結局下着や裸の女子が(それも贔屓目ながら美人)いれば、少しムラムラしてしまうのが男のサガ。妹にばかりやめなさいと言っていても、こちらがそうなってしまっては意味がない。

「でも、こうしたほうがお兄ちゃんのことを全身に感じられるし、早く吸収出来るんだよ?」

「え、そうなのか?」

「うん、特に胸の先から--」

「そ、それ以上は言わなくていい!」

「もももももももっ!」

アブないことを口にしようとした妹の口を慌てて押さえる。
どこかで聞いたような作品の名前に聴こえたが気のせいか?

「わかったわかった。とにかく俺に抱きついたら摂取しやすくなるんだな」

つまり接触する面積が広く、かつ敏感な部分・・・・・からの方が俺のことを感じやすく脳も満たされやすいということだな。

また、肌を晒していた方がより効率的に摂取できるとも考えられる。
その行為の良し悪しは置いておいて、下着のまま俺に接触した妹はトリップしてしまっていた。
あの時は大分積極的に向こうが迫ってきたし、さらに、キキ、キスまでしてしまったから、あの状態になったからという確証はないが。

あと、自分で言うのもおかしいが、この前もいまさっきも、興奮した俺から強いフェロモンを感じると言っていた。

「あの、今更だけど……勝手にファーストキスを奪っちゃって、ごめんなさい……舌まで入れてしまって……あれは完全に私が悪かったの、調子に乗っちゃって」

と真奈はシュンとする。

「なんでファーストキスって知っているのかはわからないが、まあちょっとショックではあったぞ」

「お兄ちゃんのことならなんでも知ってるよ?」

「いやいや、何でもは言いすぎだろ」

「本当だもんっ」

俺はため息を吐く。やれやれ、困った妹様だ。
まあ、兄妹仲がいいのは、俺としても嬉しいことだが。結婚やお付き合いはあり得ないが、いつまでもこうして馬鹿なことを言い合える関係ではありたいと思う。



さて、ここまでの真奈の話や実体験を踏まえ、総合すると。

○摂取し続けるとトリップ状態になる

○布が少ない方が摂取効率がいい

○同時に、俺への密着度が高いほど効率がいい

○俺が興奮するとフェロモンを感じやすくなる

○一定量を経た摂取の効果は大体20〜24時間くらい

○摂取の量が多いと翌日は身体が異常に元気になってしまう

と言うのが主な情報だろうか。
これをもとに、少しずつ効率の良い治療法を見つけていければ良い。
とりあえず、余りトリップはさせないようにしないと、どんどんと『伊導お兄ちゃんのことが好き好きすぎて脳がアヘアヘしちゃうのおおおおお病』が深まって行ってしまうからな。
俺も鋼の意思で、真奈が迫ってきても興奮せずに冷静に断らないと。



「今日はもう大丈夫か? さっきひっついた分で明日まで持つといいが」

明日は今日のメンツで朝からお出かけの予定だ。途中で倒れたらまた大変だし。

「うーん、もうちょっと欲しい、かも?」

「余り接触しすぎたら、また身体が元気になりすぎて反動が大きいぞ」

だからこうしてベッドも仕切りで隔離しているのだから。

「わかってるよ。私も明日楽しみだもん。空振らないようにしなきゃだし、またしんどくなると私も辛いから」

「まあわかってるなら良いんだ」

「じゃ、そゆことで」

妹は再び、俺に抱きついてくる

「んふ〜、これこれ〜」

「なんかおっさんくさいぞ」

「ええ〜、そんなことないよ〜」

と、流湖のように語尾を流すような喋り方をする。

「ふにゃあああああ♡♡♡♡」

「猫かっ」

「ゴロゴロにゃあ〜♡♡♡♡」

真奈がふざけて、俺にお尻を擦り付けてくる……!?

「いやいや、だからなあ」

「むふふ、隙あらばサラダバー」

俺から離れ、ベッドの上で尻をフリフリフリフリ。

「そんなことしても欲情しないぞ」

「ええー。実はなんだけど、あの時のお兄ちゃんのフェロモン、濃いとか量が多いとかだけじゃなく、なんて言うか、美味しかったんだよね

「はあ?」

お尻を振り続けながら言う。

「いつもと脳の感じ方が違ったっていうのかな。あ、これはもっと欲しいやつだって本能的に思っちゃったの」

「ふうむ、なるほど」

もしかすると、俺の気持ち、というのか男としての本能というのかが、真奈に向けられていたのが関係しているのかも?
あの時は確かに、真奈に対して少し欲情してしまっていた事実があるし。

「でもそれを取りすぎると、余計と依存症が悪化するんじゃない?」

「それはそうかもしれないけど……忘れられなくて……」

じゅるり、とよだれを垂らす真奈。

「俺って一体なんなんだ、麻薬であり、状態によって味の変わる料理でもあるのか?」

「私なら、逆にお兄ちゃんに料理されたいけど?」

「馬鹿なことを言うな」

すると、妹のパジャマのズボンがずり下がってきた……ってえっ!?

「お、おいっ、見えてるっ」

「え? あっ……でも下着くらい、今更少しくらい良いよ? むしろこれでお兄ちゃんが」

「違うっ、その、アレがだよっ」

必死に顔を背け、慌てて指摘する。

「アレ……ひゃあああああっ」

真奈はベッドから慌てて飛び降り、シュバババっと四つ足で隣のベッドへ走りカーテンを閉めてしまった。まさにこっちの方が猫のようだ。

「なんでそんなの着てるんだよ、また誘惑するつもりだったとかじゃないよな?」

そう、パジャマの下に履いていた下着は、あの時ランジェリーショップでどうやらこっそりと買っていたらしい『夜の下着』だったのだ。

そしてズボンがずり下がったせいで、その……つまり真奈のお尻が丸見えだったと言うわけだ。これ以上は言わせないでくれ、18禁だぞ良い子の諸君!

「ちちちちがうもんっ! 今日は本当にそんなつもりじゃなかったもん! 間違えて他の下着全部洗濯してしまってて、それでこれしかなくて……」

「そ、そうなのか? なら仕方ないが……というか今日以外もそんなつもりじゃない状態でいて欲しいものだが」

「それとこれとは話が別っ」

「いやなんでやねん」

「とにかく寝る! おやすみ!」

と、真奈はそのまま黙りこくってしまった。
まあ今日はもうこれくらいで大丈夫だろう、今回もこの一時間弱で散々騒いだんだからこちらとしても勘弁して欲しい。

「はいはい、おやすみ」

そうして電気を消し、ようやくアパート暮らし1日目が終わった。

          

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