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妹が『俺依存症』を患った件

ラムダックス

第17話 お買い物タイム


先ほどの宣言通り、俺と真奈、流湖の三人はハンバーグを頼み。母さんはというと、オムライスにコンソメスープだった。

食べている途中、真奈が俺にいわゆる「あーん」をしてきたら、させようとしたり。それを見た流湖が何故か不機嫌になったりしたものの、かねがね順調に昼食を終えた。

「真奈、二人暮らしをするんだから、女の子に必要なものもあるでしょう。お母さんと見に行きましょう?」

「えっ? お兄ちゃん……と流湖先輩は?」

「いいじゃない、たまにはお母さんともお買い物しましょうの?」

「え〜〜」

母さんが諭すように真奈に話しかける。

「じゃあ私たちは、二人でどこかに行く? ちょっと相談したいこともあるし」

「ん? そうだなあ……じゃあ、そうしようかな。母さん、真奈、2時間後くらいに合流するってことでいい?」

「むぅぅぅぅ」

妹は唇を突き出し、触ってもいないツインテールをプロペラのようにグルグルと回転させる。一体どういう仕組みなんだそれは……

「ほら、行くわよ」

「はーい」

真奈は母さんに手を繋がれ二人で何処かへと歩いて行った。

「じゃあ、私たちは三階にいきましょう〜。服屋さんがたくさんあるんだ」

「ん、わかった」

服か。どうせなら俺も何か買うかな。必要なものがあれば買いなさいとお小遣いも貰っていることだし。




「ところで、伊導くんって好きな子いるの?」

「え? なんだ急に」

エスカレーターに乗り上へ向かっていると、流湖がそう訊ねてきた。

「いや、単純に気になって。霞は、泰斗くんのことが好きじゃん? で、泰斗くんは私のことが好き」

「ああ、そうだな。でもうまくいくのかなあ。だって、泰斗の奴結構ガツガツしてるし、増田さんだって見ていたらちょっと複雑な気分になってしまうんじゃないか?」

この件に関しては、未だ平行線で、まだなにも成し遂げられていない。

「見てたらわかるよ、露骨だもん。それに私、他にも似たような感じで告白されたことあるんだよね。ほら、自分で言うのもなんだけど、私ってランキング入るくらい人気らしいし?」

「な、なるほど」

確かに流湖は美人さんだ。校内美人&可愛い子ランキングベスト10に入っているらしく、俺の友達である泰斗が懸想する相手でもある。
泰斗は初対面時にすげなく振られたわけだが、その後も好きあらばアピールしており、諦めの悪い奴だと呆れながらも、俺もちゃっかり応援してやってたりする。

しかし、その泰斗のことを好きなのが、俺の横に並ぶ流湖の友達である、増田霞だ。霞は泰斗のことを中学校の時から気になっているらしく、先日一緒に昼食を食べてから、ちょくちょくアピールし始めるようになっている。
だが、泰斗は霞のことは友達程度に思っているらしく、やはり眼中にいるのは流湖ひとりだ。

では、当のおれはどうなのか、というのが流湖は気になっているのだろう。

「だから霞も泰斗くんの好きな人が私だってことはわかってやってると思う。あの娘、意外とハートは強いんだ。彼もいつか、身近に自分のことを好きな女子がいること気づいてくれるといいんだけどね。勿論出来れば早めにだけど?」

なるほど、流湖は霞のことをそう評価しているのか。おれよりも付き合いは長いし、互いのことを理解しているからこそ、あのようにアタックし続けているのだな。

「で、肝心の君はどうなんだろうって思ってね〜」

と彼女はいつものように少しゆったりした語尾で問いただしてくる。

「まあ、そうだな…………今のところはいないな。まずは、妹のことを優先しないとだし。あ、ついたぞ」

と、三階のファッションフロアへ到着する。

「へえ、いないんだ〜。いいこと聞いちゃった」

「ん? なんでいいことなんだ?」

「いやいや、こっちの話だよ〜」

と、流湖は人差し指を自分の口元に当てウィンクする。

「この話はここで終わり! じゃあ、まずはあそこのお店から行かない?」

「ん、いいぞ……だが今更だが、二人きりでああいうお店に入るのか? 勘違いされそうだな」

今さっきそういう話をしていたため、カップルと思われるかもと考えると少し恥ずかしくなる。

「別にいいんじゃない?」

「でも、折原も好きな人いるだろ。そういうの、気にしないのか?」

「え? 別に? それに伊導くんとなら別に勘違いされてもいいかな〜なんて」

「えっ」

それってどういうことだ……?

「あはは、なに、ドキッとした? ウブだね〜」

「なんだよ、からかってるだけか。全く、ほら行こうぜ」

「はいはい」

そうして二人で色々とお店を見て回る。





❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎






「お母さん、なんでお兄ちゃん達のことわざと二人きりにしたの?」

私たちは二人で、一回の雑貨フロアを見て回っている。

「あら、バレちゃった?」

「分かり易すぎるよ! 私も一緒に買い物したかったのに……」

さっきの母さんは、あからさまにそうなるよう誘導していた。
先輩と二人きりにするだなんて、もし万が一にも、お兄ちゃんのことは信じているしそんなこと絶対に起きないし起きたら私にメロメロになるまで誰にも絶対に邪魔されない場所に監禁して更生してあげるけど、いい雰囲気になったりしたらどうするの!

「駄目よ、せっかく伊導に春が来るかもしれないのに。それに貴方達、何度も言うようだけど近親恋愛はダメなのよ? 真奈にも病気を治した暁には別の好きな人を見つけてもらいたいわ」

「私の好きな人は、一生お兄ちゃんだけだもん……」

今更別の人を好きになれって言われても、やっぱり無理だ。だって生まれてから死ぬまで、お兄ちゃんと私は添い遂げる運命って決まってるんだよ? 神様だって変えられない不変の理なんだよ?

「はいはい。二人暮らしさせるのは、あなたたちの関係を少しでも兄妹らしくするためなんだからね。荒治療も時には必要なのよ」

と、お母さんは店頭に置いてある品物をいじりながらいう。

「ねえ、疑問なんだけど。お母さん達は、二人きりにして何か起こるかもって心配したりしないの?」

「そうねえ、普通ならそういう心配するわよね。でも、伊導のことは信用しているし、貴方の病気のこともある。それに、あのアパートは折原さん達の持ち物なんだから、当然流湖ちゃんも自然と生活空間に一緒になる。あちらのお父様にも様子を見るように頼んであるし、今のところは心配していないわね」

「でも、邪魔が入ったとしても、私の気持ちを変えることはできないと思うけど?」

と、ドヤ顔で言ってのける。

「あのね。それに、二人暮らしって大変なのよ。相手の今まで見えてなかった嫌な部分もしっかり見えてくる、いいえ、嫌でも目に入るのだから。むしろ、伊導に、幻滅しないか心配だわ。私も昔好きだった人と同棲したことがしたことあるけど……」

と、お母さんは一点を見つめ遠い目をしながら何かをしみじみと思い出す。

なるほど、経験談ってわけか……その考え、甘かったってすぐに思い知らせてやるんだから!

「後、貴方達にはまだ話していないとっておきの秘策もあるの。うふふ、楽しみだわ」

「え、秘策?」

私とお兄ちゃんの仲を引き裂くような秘策とは一体点…

「そうよ。とにかく、1年間をかけて真奈の身体について解決の糸口を見つけないといけないわ。ほら、これなんかどう? 可愛いわよ〜」

「あ、ほんとだ!」

私はこれ以上突っ込んでも聞き出せることはなさそうだと一旦諦め、買い物を楽しむことにした。

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