仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

先制攻撃

 ンバディス星第8艦隊が、光学的にザッパムーン星を捕らえ、それを大型スクリーンで確認したところ、ザッパムーン星には40かんもの戦艦が待ち構えていた。


「将軍、敵艦は戦艦が40。駆逐艦は見当たりません」

「何?戦艦が40かんだと!?」


 この場の最高指揮官であるンバディス星第8艦隊将軍、ガロル・ギガンディスを始め、艦橋に詰めている人員は驚愕きょうがくした。そこに、


「将軍、チャネル38よりエミール・ザガントリア星王より通信が入っております!」


 通信兵長はそのようにガルロ将軍に伝えると、


「そ、そうか。しばし待て」


 ガルロ将軍は短時間で驚愕きょうがくと共に出たふるえをおさえ、形を余裕綽々よゆうしゃくしゃくに見えるよう、取り繕いながら、


「わ、分かった、つなげ」

「はっ!」


 すると、艦橋の巨大スクリーンにエミールがうつし出された。


「やぁ、お久しぶり。ガロル・ギガンディス将軍」

「ふん、エミール・ザガントリア星王か」


 互いに余裕があるように演技しながら通信が始まるのであった。


「して、何用だ?星王」

「うちの戦艦は見えていると思います。戦力差は歴然。今ならまだ無かったことにできますが、いかがなさいます?」


 ガルロ将軍は、さっきまでふるえていたことも忘れ、馬鹿にされたと感じ、


「ふん、ぬかせ!未開のサルごときが。見栄みばえだけはとととのえたようだな。しかし、所詮しょせんはサルよ!我が軍の敵ではない。逆に問おう。降伏の意思は本当に無いのか?」


 不敵に笑うガルロ将軍。エミールはいかにも残念そうに、


「撤退の意思がないのは残念です。まことに残念です。それでは戦争を開始しようじゃないですか」


 エミールとの通信が終わるやいなや、爆音がひびき渡った。


「将軍!第7、第8艦隊の通信が途絶えました!」


 ガルロ将軍は鬼の形相ぎょうそうに変わり、


「観測長、どうなっておる!」


 すると、観測長は顔を青ざめ、


「申し上げます。近距離に突如とつじょ現われたミサイルにより、回避不能。第7、第8艦隊は全艦撃沈げきちんされました」

「何だと!」


 そう報告を受けている間にも、またもや爆音がひびき渡った。


「第3、第4艦隊の通信が途絶しました」


 その通信兵長の言葉を受け、ガルロ将軍は、


ただちに全艦転移阻害フィールドを展開せよ!急げ!」


 そう言っているそばからまたもや爆音がひびき渡り、


「第5、第6艦隊の通信が途絶しました!」


 ンバディス星第8艦隊が、やっとのことで転移阻害フィールドを展開すると、それ以上は爆音がすることはなくなった。



「観測長、状況報告をせよ」


 観測長は顔を青ざめ、


「敵の攻撃により、第3、第4、第5、第6艦隊も、第7、第8艦隊と同じく回避不能の至近距離からミサイルを受け、全艦撃沈げきちんされました」


 ンディバス星側は、一瞬にして6割の戦力を失ったのだった。


「全艦進行をめ停止!隊全域に防御魔法を張れ!撃沈げきちんされた船の乗組員の救助を!」

駄目だめです。余程よほど高性能のミサイルを使ったのか、攻撃を受けた全艦、ちりになりました。生存者どころか服の切れはしさえ残っているかどうか」


 ガルロ将軍は、またもや鬼の形相ぎょうそうに変わり、


「それでも探せ!」


 ガルロ将軍率いるンバディス星第8艦隊は大きな痛手をこうむるのであった。

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