麻宗家一家＋３人の神代魔法の集中講義合宿

　エミール家一家が構築した精神世界に初めて来た麻宗あそう家の面々がエミールに言われた言葉が「この空間に１月程ほど泊まり込んでみっちりと魔法を勉強しよう！」というものであった。


　まずは夜の授業を受けたことがない花菜香はなかと風雅ふうがの対処だ。


「＋＊＠＃＄＃」


　エミールは精神世界の中でもう１度精神世界を開く魔法を唱え、花菜香はなかと風雅ふうがを連れて行くのであった。


　そして、１分もしないうちに何食わぬ顔で現われた３人。エミールは教壇へ、花菜香はなかと風雅ふうがは生徒用の席に着くのであった。


　最初に行なわれたのは、これまで学んだ神代魔法や錬金術のおさらいであった。


「それで、「錬金術の初級編」の途中まで勉強していたんでしたね」

「「「「「「はい」」」」」」

「結構です。花菜香はなか姉さんも風雅ふうが兄さんも皆様に追い付いたことですし、それでは早速、錬金術の初級編の続きを座学からやっていきましょう」


　それから麻宗あそう家の面々は、エミールの講義を受けるのであった。

　エミールが教壇で講義している間、エミール家の他の面々のうち、エアハルト、エーレンフリートにコルネリアは、教室内をゆっくり回り、質問があったら受け答えできるように、心の中では待機しているのであった。


　精神世界では講義が始まった。エミール家の他の人間、ヘクディー、アボシーにカルラは別行動をっていた。


「何ですって？明日から３０名分の食事を朝食昼食晩食夜食を３０日分作ってくれって？」


　ヘクディーが頼んだ相手は、ザガンガ王国王都にある麻宗あそう邸の料理長。麻宗あそう家一家がアハントルト王国に滞在している今、余力があるだろうと思ったからだ。


「まぁ、主家一家がアハントルト王国へ行って、その分手が空いているのは確かにそうなんですが、その分こっちに回される予算が限られていまして。途中で予算が無なくなっちゃいますよ？」

「そこは心配しなくて大丈夫です。麻宗あそう家から予算を回してもらいますし、それで足りなければザガントリア王国から。それでも足りなければエミール様が出しますので。明日にでもお金の一部をお持ちしますわ。エミール様も私財は結構お持ちですよ？」


　料理長はうんうんとヘクディーの話しに頷うなずき、


「必要な予算をもらえるなら構いません。お受けしましょう」

「わぁ、ありがとうございます」


　そして、ヘクディーは、クアレシスの領主邸にも同じような交渉をした。こちらは花菜香はなかと風雅ふうがの予備講習用である。


　そして、それからヘクディー、アボシーにカルラは、これから時空魔法を使いながら麻宗あそう家の面々とエミール家の面々のためにせっせと食料代を料理長に渡したり、できた料理を精神世界へ運んだりと仕事をするのであった。



　そして、麻宗あそう家の面々とエミール家の面々が居いる精神世界で１ヶ月が経たった。


「この合宿で、皆様にはずいぶんと魔法を憶おぼえてもらい、実習もやって来ました。そのお陰でずいぶんと憶おぼえていただきたい魔法も消化できました」

「「「「「「わぁーーパチパチパチパチパチ」」」」」」


　これでやっと終わるのだと安堵から、麻宗あそう家の面々から拍手と歓声が沸き上がるのであった。

　拍手が鳴り止やんでから、エミールは続ける。


「この分ですと、あと、２～３回こういった合宿を行なえば、皆様に憶えていただきたい魔法を消化できるでしょう」

「「「「「「えぇーー！まだやるのかよーーー」」」」」」


　やっと終わったと思った麻宗あそう家の面々は、まだ続きがあることに気分が萎なえた。


「父との協議の上、ザッパムーン星での時間で３日後にまたこのような合宿を、今度は１５日ほど行なう予定にしております。今度は私物の持ち込みを可とします。息抜きをしてモチベーションを上げるため、皆様忘れ物がないようお持ちください。皆様のご参加、心よりお待ちしております」


　そうして、１回目の精神世界での合宿は幕を閉じた。

　エミール家の面々の誘導で、皆は麻宗あそう邸へと戻る。


「それでは３日後また来ます。今は勉強する気が低下した人も回復するといいですね。それでは３日後、また会いましょう！」

「「「「「「エミールお疲れー。待ってるよーー」」」」」」


　麻宗あそう家の面々は気の抜けた顔でエミールたちを送り出すのであった。


　麻宗あそう家の面々はその日はぐっすりと眠り、翌朝には頭をフルに働かせて精神世界でリフレッシュできるものを探し、アイテムボックスの中にしまうのであった。



　そして、合宿２回目の約束の日、

　３日前には集中講義、集中実習で気が萎なえていた麻宗あそう家一家＋３人は、前回集まった人員そのままに、誰も欠けることもなく、麻宗あそう家の夜の授業に使っていた部屋に全員が集まっていた。


「さぁ、どこからでもかかって来い！」


　そんなコンスタンティンが中心となって気合いを入れていたら、


「皆様、お約束通りやって参りました。それでは神代魔法の集中合宿に参りましょう」


「「「「「「＋＊＠＃＄＃」」」」」」


　そして、魔法に吸い込まれるのであった。


　それからは麻宗あそう家一家＋３人も集中講義に気後れすることもなく、４回の収集講義で全員が、エミールの目指した範囲までの学習を終了するのであった。