仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

エトワール学園に通い始めて―1

 エミールたち7人は、ザッパムーン星のザガントリア王立学院に入学した後、スキカの勧めもあって、宇宙の学校であるエトワール学院にも入学した。

 ザッパムーン星とエトワール学院は時間の流れが独立しており、ザガントリア王立学院から帰って来てからエトワール学院に行って、みっちりと授業を受けたとしても、エトワール学院から帰って来た時間はザッパムーン星では出かけた時間から1分っていない。

 おまけにエトワール学院校内ではやしの魔法がかかっているらしく、疲労しない。エトワール学院に行くのはザガントリア王立学院から帰った後なので、いつもそれなりに疲労していたのだが、エトワール学院にるうちに疲労がやされて、逆に帰る頃には大抵たいていすっかり疲労感がなくなっているのである。



 エトワール学院は宇宙の学校。スキカが言うにはこの銀河の学校だそうだ。

 この宇宙の、この銀河のどこにあるのかはエミールたちは知らない。

 しかし、入学してみて、というより、入学式で初めてこの学校に訪れたときから生徒の見た目、人種の豊富さから、ここはザッパムーン星や地球とは違うことをまざまざと見せつけられたのだった。

 ドワーフに獣人にエルフに魔物に魔族などのファンタジー作品でよく登場するような人種もれば、人魚や半魚人、タコやイカに似た人種など、海洋生物が人化したような人種もたり、グレイや火星人風の人種など、SF寄りの人種もいっぱいるし、地球人の想像を遙かに超えた人種もたまにたりする。それに天使や神様の子供までる。ここはアメリカ以上に人種のるつぼであった。


 姿形、人種が違えば当然話す言語も違ってくる。

 しかし、エミールたち7人は、スキカから神代魔法を勉強するように言われてそれを習得した。その中には魂言語という生き物共通の言葉もあり、当然エミールたち7人は魂言語で会話できるし読み書きもできる。

 エトワール学院の生徒や先生、職員など学院内の人間はみな魂言語を習得している。

 魂言語はエトワール学園での共通語であり、授業でも、各種手続きでも、生徒同士の雑談でもそれは使われるのであった。




 エトワール学園の入学式は粛々しゅくしゅくと行なわれた。

 直前で素早く決めたのであろう順番で新入生が入場していき、決められた席に座らされ、決められたスケジュールを粛々しゅくしゅくとこなし、そして決められたスケジュールを消化すると順番に会場から退場した。

 そして職員の案内で教室に入った。

 エミールたちが案内されたのは早めだったようで生徒は少なかった。席が決められていたのでその席に大人しく座っていたのだが、徐々に生徒が入ってきて、始めはエミールたちのように大人しくしていたのだが、同じ星から来た者同士なのだろうか、担任のブリュノ・オランド先生が教室に入ってくるまで雑談をしていたのだった。

 始めはホームルームだった。まずは1人1人に学生証が配られ、登下校の仕方しかた、授業の受け方、学園のシステムなどの学園生活を過ごすために必要な事柄が説明され、ホームルームは終了となった。

 その日の授業はそれまで。もう帰って良いことになった。


 下校時間になってからも、まだ話し足りないのかブリュノ先生が来るまで雑談していた生徒たちは雑談を再開したが、エミールたちは還る場所は同じである。帰ってからでも会えるし話もできるので、早々にザガントリアシティの王城へと帰るのであった。

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