仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
アボシーとカルラの出産
「はい、時間になりました。問題用紙と解答用紙を回収します」
小教室の1室。
修了試験の終わりを告げる助手の先生。
エミールとヘクディーは、予約を入れていた修了試験を受けていた。
「結果はまた先生の研究室に聞きに来てください。お疲れ様でした」
部屋を出て行く助手の先生。
「テストが続くと疲れますわねエミール様」
「そうだね。簡単な問題だけど、ミスが無いか確認しなきゃならないからね」
2人は勉強はできるがテストは不慣れであった。
問題を解くのはすぐなのだが、何度も何度も間違いが無いか確認する方が長くなる。
見切りを付けて「終わりました」と言って、残り時間を休むという経験も判断も持ち合わせていないのであった。
「合格すればいいのだがなぁ」
「2人には楽勝ですわ」
勉強はできるのに不安がるエミールと堂々としているヘクディー。
勉強とテスト。この繰り返しはしばらく続くのであった。
「はい。時間終了。見せてみて」
帰って来てからもテスト。今度は逆に、エミールとヘクディーは教える側で、生徒はエアハルトである。
「テストは満点だ。よくやったな」
「勉強面白いです。もっといろいろ教えてください」
体は4歳児くらいにまで育ったエアハルト。
彼は知識に貪欲であった。
「そろそろ魔法も教えてやりたいんだがなぁ」
「エアハルトちゃんはまだ本をもらっていないのよね」
そんな話しをしていると頭上から、ゆっくりと光が降りてくる。
その光に3人は向かい合い、ちょうど3人の高さまで降りてくると、
「2人とも息災で何よりである」
「「スキカ様!」」
「え?神様?この方がスキカ神様?」
エアハルトは興味津々であった。
「エアハルトや、初めまして」
「初めまして」
「早速だがエアハルトよ、近う寄れ」
「はい!」
エアハルトはスキカの近くに寄る。
「痛うしたり害することはない故、楽に致せよ」
「はい」
そして、エアハルトは目をつぶり、スキカの手は光を放つ。
やがて光は収まり、
「エアハルトよ、そなたには我との繋がりと念話、それから神代魔法の初級編を授けた。エミールとヘクディーによく習い、身につけるのだぞ」
「はい」
スキカはうんうんと頷き、
「それではエミール、ヘクディー。そなたらはアボシーとカルラもだがエアハルトもよく指導してやるんだぞ」
「「はい」」
「それでは我は行く。また近々続きを授けに来る。またな」
と、言うと、スキカはまた光に戻り、スーッと立ち上って見えなくなっていく。
「さて、エアハルトちゃん、本も手に入れたし、魔法の勉強をしようか」
「はい」
そうしてこの日はエアハルトもエミールとヘクディーから神代魔法初級編を教わるのであった。
アボシーとカルラのお腹はもうずいぶんと大きくなっていた。
「もうすぐ産まれますねー。エアハルトちゃんみたいに可愛い子が生まれますかねー」
アボシーの部屋。ベッドでお腹を撫でながらそんなことを言うアボシーに、
「可愛い子が生まれるよ」
「バカね、エミール様の子よ。可愛い子しか生まれないに決まってるじゃない!」
元気づけるエミールに、無闇に自信満々のヘクディー。
「そうならいいですけどねっ、あっあぁぁぁぁ!」
アボシーが急に痛み出し、
「どうしたアボシー!」
「始まったわ。先生たちを呼んでくる!」
状況を飲み込めていないエミールに部屋を飛び出していくヘクディー。
苦しんでいるアボシー。その傍らでアボシーの手を握り励ますエミール。そんなアボシーの部屋に先生が駆けつけた。
「陣痛が始まったようね。皆、急いで準備して!」
「「「「「「はい」」」」」」
集まった皆は、それぞれ準備に散っていく。
そして痛みが無くなってきたのか、アボシーの様子が穏やかになっていく。
「お父さん、次に来たら例の、お願いします」
「わ、分かった」
そして20分後、
「あっ、あぁぁぁぁ!」
「お父さん、今!」
「%%?*?*」
エミールが呪文を唱えた。
するっ
女医が赤ちゃんを受け止め、口の中身を吸い出す。
「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」
女医が、その後の処理をし、赤ちゃんの体を拭い、
「お父さん、お母さん、元気な男の子ですよ」
エミールが顔を覗き、続いてヘクディー、その次にアボシーが顔を見る。
アボシーは横になったままでにこにことした顔でその赤ちゃんを眺める。
エミールはアボシーの手を握り、
「よく頑張ったな」
「はい。エミール様」
アボシーはその日はベッドから出られなかったが、次の日には立って歩けるまでに回復していた。
アボシーが出産した次の日にはカルラも女の子を出産し、
アボシーの子をエーレンフリート、カルラの子をコルネリアと名付けるのであった。
「弟に続いて妹が生まれたのですね」
エミールとヘクディーも喜んでいたが、エアハルトも弟と妹の誕生を喜んでいた。
「この子たちもエアハルトちゃんみたいにすくすくと育ちますよー」
「皆様に愛してもらえるような子に育てねば」
おめでたいことが続く、幸せいっぱいのエミール一家なのであった。
小教室の1室。
修了試験の終わりを告げる助手の先生。
エミールとヘクディーは、予約を入れていた修了試験を受けていた。
「結果はまた先生の研究室に聞きに来てください。お疲れ様でした」
部屋を出て行く助手の先生。
「テストが続くと疲れますわねエミール様」
「そうだね。簡単な問題だけど、ミスが無いか確認しなきゃならないからね」
2人は勉強はできるがテストは不慣れであった。
問題を解くのはすぐなのだが、何度も何度も間違いが無いか確認する方が長くなる。
見切りを付けて「終わりました」と言って、残り時間を休むという経験も判断も持ち合わせていないのであった。
「合格すればいいのだがなぁ」
「2人には楽勝ですわ」
勉強はできるのに不安がるエミールと堂々としているヘクディー。
勉強とテスト。この繰り返しはしばらく続くのであった。
「はい。時間終了。見せてみて」
帰って来てからもテスト。今度は逆に、エミールとヘクディーは教える側で、生徒はエアハルトである。
「テストは満点だ。よくやったな」
「勉強面白いです。もっといろいろ教えてください」
体は4歳児くらいにまで育ったエアハルト。
彼は知識に貪欲であった。
「そろそろ魔法も教えてやりたいんだがなぁ」
「エアハルトちゃんはまだ本をもらっていないのよね」
そんな話しをしていると頭上から、ゆっくりと光が降りてくる。
その光に3人は向かい合い、ちょうど3人の高さまで降りてくると、
「2人とも息災で何よりである」
「「スキカ様!」」
「え?神様?この方がスキカ神様?」
エアハルトは興味津々であった。
「エアハルトや、初めまして」
「初めまして」
「早速だがエアハルトよ、近う寄れ」
「はい!」
エアハルトはスキカの近くに寄る。
「痛うしたり害することはない故、楽に致せよ」
「はい」
そして、エアハルトは目をつぶり、スキカの手は光を放つ。
やがて光は収まり、
「エアハルトよ、そなたには我との繋がりと念話、それから神代魔法の初級編を授けた。エミールとヘクディーによく習い、身につけるのだぞ」
「はい」
スキカはうんうんと頷き、
「それではエミール、ヘクディー。そなたらはアボシーとカルラもだがエアハルトもよく指導してやるんだぞ」
「「はい」」
「それでは我は行く。また近々続きを授けに来る。またな」
と、言うと、スキカはまた光に戻り、スーッと立ち上って見えなくなっていく。
「さて、エアハルトちゃん、本も手に入れたし、魔法の勉強をしようか」
「はい」
そうしてこの日はエアハルトもエミールとヘクディーから神代魔法初級編を教わるのであった。
アボシーとカルラのお腹はもうずいぶんと大きくなっていた。
「もうすぐ産まれますねー。エアハルトちゃんみたいに可愛い子が生まれますかねー」
アボシーの部屋。ベッドでお腹を撫でながらそんなことを言うアボシーに、
「可愛い子が生まれるよ」
「バカね、エミール様の子よ。可愛い子しか生まれないに決まってるじゃない!」
元気づけるエミールに、無闇に自信満々のヘクディー。
「そうならいいですけどねっ、あっあぁぁぁぁ!」
アボシーが急に痛み出し、
「どうしたアボシー!」
「始まったわ。先生たちを呼んでくる!」
状況を飲み込めていないエミールに部屋を飛び出していくヘクディー。
苦しんでいるアボシー。その傍らでアボシーの手を握り励ますエミール。そんなアボシーの部屋に先生が駆けつけた。
「陣痛が始まったようね。皆、急いで準備して!」
「「「「「「はい」」」」」」
集まった皆は、それぞれ準備に散っていく。
そして痛みが無くなってきたのか、アボシーの様子が穏やかになっていく。
「お父さん、次に来たら例の、お願いします」
「わ、分かった」
そして20分後、
「あっ、あぁぁぁぁ!」
「お父さん、今!」
「%%?*?*」
エミールが呪文を唱えた。
するっ
女医が赤ちゃんを受け止め、口の中身を吸い出す。
「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」
女医が、その後の処理をし、赤ちゃんの体を拭い、
「お父さん、お母さん、元気な男の子ですよ」
エミールが顔を覗き、続いてヘクディー、その次にアボシーが顔を見る。
アボシーは横になったままでにこにことした顔でその赤ちゃんを眺める。
エミールはアボシーの手を握り、
「よく頑張ったな」
「はい。エミール様」
アボシーはその日はベッドから出られなかったが、次の日には立って歩けるまでに回復していた。
アボシーが出産した次の日にはカルラも女の子を出産し、
アボシーの子をエーレンフリート、カルラの子をコルネリアと名付けるのであった。
「弟に続いて妹が生まれたのですね」
エミールとヘクディーも喜んでいたが、エアハルトも弟と妹の誕生を喜んでいた。
「この子たちもエアハルトちゃんみたいにすくすくと育ちますよー」
「皆様に愛してもらえるような子に育てねば」
おめでたいことが続く、幸せいっぱいのエミール一家なのであった。
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