仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
アボシーのお別れ
「ばっかもーーーん!!!」
シンドーフ大陸での出来事をオーマーダム国王と、ビーリヒム王妃に話すと、国王は烈火の如く怒った。
「貴様には、どんな思いでヘクディーをやったと思っとる!それを舌の根も乾かぬうちにまた婚約だ?結婚だ?フザケルな!」
オーマーダム国王には怒りを発散してもらい、ちょっと落ち着いたところで手紙を渡す。
「あ゛、手紙?話に出たミリナシア教区長にホーラル教皇から?どれ、見せてみよ」
アボシーの話しのときに、ミリナシア教区長に、エリーカ教皇宛てとオーマーダム国王宛に、手紙を書いてもらった。
そして帰りに、ダダグッド聖神国のエリーカ教皇に会い、手紙を渡すと共に、オーマーダム国王宛に手紙を書いてもらったのだ。
なので、オーマーダム国王の手には、ミリナシア教区長からの手紙と、エリーカ教皇からの手紙が握られている。
バービニス大神殿でエリーカ教皇に会ったとき、エミールは、
「あなたも大変ねぇ。この件とは別に、近々もう1人、嫁にもらうことになるわよ」
と、不吉な言葉をもらい、震えたものだ。
オーマーダム国王は、手紙を読み進めるうちに顔を真っ赤にして歯ぎしりをしだし、読み終えると、机を”ドンッ”と、一発叩いて、
「クソッ!」
と、一声悪態をつき、ビーリヒム王妃が手紙を読み終わるのを見計らって、
「とりあえず、その娘を連れて来い。話しはそれからだ。分かったら戻れ」
と、エミールは国王と王妃から解放されるのであった。
そして、エミールとヘクディーの2人だけの時間となり、
「アボシーとはもっと落ち着いて、時間をかけて話し合わなければなりませんわ。あの短い時間じゃ人となりは分かりませんもの」
と、ヘクディーは言った。
一時期は互いに意識し合い、会うと赤面して手も触れられなくなっていた2人であったが、
「はい、このお話は終わり。せっかく2人きりだもの。甘えさせてもらうわ」
顔が赤くなることも、極度に恥ずかしくなることもなくなり、ヘクディーはエミールに甘えるのであった。
まだミリナシア教区長もアボシーも王都のナムシロン大神殿に着くまでには日があった。
エミールとヘクディーは、ニムテズ大陸の周囲にある有人島、バーハーグト大陸の周囲にある有人島、インダスニカル大陸の周囲にある有人島に出向き、話しをして、その島の村長よりも位の高い指導権を獲得した。
またある日は家庭教師の詰めている部屋や、精神世界で受験勉強をした。
そして、ニムテズ大陸の、西方諸国連合軍が発足当初に初めて合同練習をした荒野へ出向き、魔法の練習や剣の練習をする日もあった。
そうして日々は過ぎていくのであった。
そして数日が経ち、ミリナシア教区長もアボシーも、ナムシロン大神殿に着く頃合いの日を迎えた。
エミールとヘクディーは、午後にナムシロン大神殿に訪れた。
「まぁまぁいらっしゃい、エミール様にヘクディー様。さぁ中に入って座って座って」
ミリナシア教区長の執務室に通されるのであった。
「教区長、お呼びですか?アボシーが参りました」
「来たのね。入って入って」
アボシーがドアを開け、エミールやヘクディーを目にすると、アボシーは固まった。
顔を真っ赤にしてぎこちない仕草で席に着くアボシー。
「3国の国王からはお返事はまだよ」
「分かりました。それから、それとは別に、アボシーを連れて行けないかと思いまして」
「結婚に向けての説得なり挨拶ね。分かりました。連れて行っても構わないのだけれどもちょっと待ってね。この教会の者たちに、あなた方2人の紹介と、あと、アボシーに挨拶をさせるから」
と、話し合っていると、ドアの向こうから、
「ミリナシア教区長、全員集合しました」
「分かりました。今行きます。さ、行くわよ」
ミリナシア教区長に付いて行く3人。
程なくして大広間に着き、
「帰って来て早々に集合をかけてごめんなさいね。でも、どうしても紹介したい人がちょうど来てるの。それじゃぁアボシーちゃん、まずはご神託から」
そして、アボシーはエミールに関する神託を話し始める。そして、
「それで、こちらがそのご神託にあったエミール・ザガントリア様」
「エミールです。宜しくお願いします」
「そして、奥さんのヘクディー・ザガントリア様」
「ヘクディーです。宜しくお願いします」
エミールとヘクディーは簡単に挨拶をした。
「そして、ご神託にあった”信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ”の1文ね。私はアボシーちゃんを選んだわ」
一同にざわめきが起こる。ざわめきが収まるのを待って、
「それではアボシーちゃん、ご挨拶なさい」
そしてアボシーの口から話される別れの挨拶。
挨拶が終わり、拍手が巻き起こる。
やがて、拍手も収まり、
「アボシーちゃんにはケジメとしてお別れの挨拶をしてもらったけれども近々、何回かは戻って来ると思うわ。それに、今生の別れではないと思うの。またこの娘が会いに来たときには温かく迎えてあげてね」
そうミリナシア教区長は締めくくり、解散となった。
その後、4人は執務室に戻り、少し話しをしたあと、ヘクディーがアボシーと一緒にアボシーの私室に行き、アボシーの私物をヘクディーのアイテムボックスにしまい、部屋を空にし、アボシー自身はカバン一つで2人は部屋から出てきた。
「それじゃぁアボシーちゃん、いつかまた、会いましょうね」
「ミリナシア様、ありがとうございました」
そうしてエミールとヘクディーは、アボシーを連れて、教会を後にするのであった。
シンドーフ大陸での出来事をオーマーダム国王と、ビーリヒム王妃に話すと、国王は烈火の如く怒った。
「貴様には、どんな思いでヘクディーをやったと思っとる!それを舌の根も乾かぬうちにまた婚約だ?結婚だ?フザケルな!」
オーマーダム国王には怒りを発散してもらい、ちょっと落ち着いたところで手紙を渡す。
「あ゛、手紙?話に出たミリナシア教区長にホーラル教皇から?どれ、見せてみよ」
アボシーの話しのときに、ミリナシア教区長に、エリーカ教皇宛てとオーマーダム国王宛に、手紙を書いてもらった。
そして帰りに、ダダグッド聖神国のエリーカ教皇に会い、手紙を渡すと共に、オーマーダム国王宛に手紙を書いてもらったのだ。
なので、オーマーダム国王の手には、ミリナシア教区長からの手紙と、エリーカ教皇からの手紙が握られている。
バービニス大神殿でエリーカ教皇に会ったとき、エミールは、
「あなたも大変ねぇ。この件とは別に、近々もう1人、嫁にもらうことになるわよ」
と、不吉な言葉をもらい、震えたものだ。
オーマーダム国王は、手紙を読み進めるうちに顔を真っ赤にして歯ぎしりをしだし、読み終えると、机を”ドンッ”と、一発叩いて、
「クソッ!」
と、一声悪態をつき、ビーリヒム王妃が手紙を読み終わるのを見計らって、
「とりあえず、その娘を連れて来い。話しはそれからだ。分かったら戻れ」
と、エミールは国王と王妃から解放されるのであった。
そして、エミールとヘクディーの2人だけの時間となり、
「アボシーとはもっと落ち着いて、時間をかけて話し合わなければなりませんわ。あの短い時間じゃ人となりは分かりませんもの」
と、ヘクディーは言った。
一時期は互いに意識し合い、会うと赤面して手も触れられなくなっていた2人であったが、
「はい、このお話は終わり。せっかく2人きりだもの。甘えさせてもらうわ」
顔が赤くなることも、極度に恥ずかしくなることもなくなり、ヘクディーはエミールに甘えるのであった。
まだミリナシア教区長もアボシーも王都のナムシロン大神殿に着くまでには日があった。
エミールとヘクディーは、ニムテズ大陸の周囲にある有人島、バーハーグト大陸の周囲にある有人島、インダスニカル大陸の周囲にある有人島に出向き、話しをして、その島の村長よりも位の高い指導権を獲得した。
またある日は家庭教師の詰めている部屋や、精神世界で受験勉強をした。
そして、ニムテズ大陸の、西方諸国連合軍が発足当初に初めて合同練習をした荒野へ出向き、魔法の練習や剣の練習をする日もあった。
そうして日々は過ぎていくのであった。
そして数日が経ち、ミリナシア教区長もアボシーも、ナムシロン大神殿に着く頃合いの日を迎えた。
エミールとヘクディーは、午後にナムシロン大神殿に訪れた。
「まぁまぁいらっしゃい、エミール様にヘクディー様。さぁ中に入って座って座って」
ミリナシア教区長の執務室に通されるのであった。
「教区長、お呼びですか?アボシーが参りました」
「来たのね。入って入って」
アボシーがドアを開け、エミールやヘクディーを目にすると、アボシーは固まった。
顔を真っ赤にしてぎこちない仕草で席に着くアボシー。
「3国の国王からはお返事はまだよ」
「分かりました。それから、それとは別に、アボシーを連れて行けないかと思いまして」
「結婚に向けての説得なり挨拶ね。分かりました。連れて行っても構わないのだけれどもちょっと待ってね。この教会の者たちに、あなた方2人の紹介と、あと、アボシーに挨拶をさせるから」
と、話し合っていると、ドアの向こうから、
「ミリナシア教区長、全員集合しました」
「分かりました。今行きます。さ、行くわよ」
ミリナシア教区長に付いて行く3人。
程なくして大広間に着き、
「帰って来て早々に集合をかけてごめんなさいね。でも、どうしても紹介したい人がちょうど来てるの。それじゃぁアボシーちゃん、まずはご神託から」
そして、アボシーはエミールに関する神託を話し始める。そして、
「それで、こちらがそのご神託にあったエミール・ザガントリア様」
「エミールです。宜しくお願いします」
「そして、奥さんのヘクディー・ザガントリア様」
「ヘクディーです。宜しくお願いします」
エミールとヘクディーは簡単に挨拶をした。
「そして、ご神託にあった”信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ”の1文ね。私はアボシーちゃんを選んだわ」
一同にざわめきが起こる。ざわめきが収まるのを待って、
「それではアボシーちゃん、ご挨拶なさい」
そしてアボシーの口から話される別れの挨拶。
挨拶が終わり、拍手が巻き起こる。
やがて、拍手も収まり、
「アボシーちゃんにはケジメとしてお別れの挨拶をしてもらったけれども近々、何回かは戻って来ると思うわ。それに、今生の別れではないと思うの。またこの娘が会いに来たときには温かく迎えてあげてね」
そうミリナシア教区長は締めくくり、解散となった。
その後、4人は執務室に戻り、少し話しをしたあと、ヘクディーがアボシーと一緒にアボシーの私室に行き、アボシーの私物をヘクディーのアイテムボックスにしまい、部屋を空にし、アボシー自身はカバン一つで2人は部屋から出てきた。
「それじゃぁアボシーちゃん、いつかまた、会いましょうね」
「ミリナシア様、ありがとうございました」
そうしてエミールとヘクディーは、アボシーを連れて、教会を後にするのであった。
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