仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
シンドーフ大陸の教区長
「私、マームダラ教の巫女をしておりますアボシー・ミニガムスと申します」
道中名前を教えてもらって一瞬、気落ちしたような顔になるものの、笑顔に戻り、
「本当は王都のナムシロン大神殿の所属なんですけど、教区長のお供でやって来て、今帰りなんですよ」
「そうなんですね」
と、話していると、
「着きました。今、教区長のいらっしゃるアブシロン神殿です」
そう言うと、アボシーはどんどんと神殿の中へと入っていく。
付いて来いと言われているので、エミールもヘクディーもどんどんと中へと入って行く。
そして、
「ミリナシア教区長、いらっしゃいますか?」
「はーい。ちょっと待って下さいね」
ドアが開き、
「はい。どなた?あぁ、アボシーちゃん、そちらは?」
「やっと見つけました!エミールさんです。『御使い様』のエミール・ザガントリアさんです!あと、こちらも『御使い様』で、奥さんのヘクディーさん」
「へ?エミール様にヘクディー様まで?」
「エミール・ザガントリアです。宜しくお願いします」
「妻のヘクディーです。宜しくお願いします」
「あ、シンドーフ大陸全土の教区を預かっております教区長のミリナシア・ムクテディスと申します。立ち話も何ですし、どうぞ入って」
「失礼します」
「失礼します」
そして、部屋の中で話されることになった。
「ようこそお越し下さいました」
「いえいえ。で、つかぬ事をお聞きしますが、我々はこの大陸で顔が割れているんですか?」
「いえいえ、バーハーグト大陸から絵姿が回ってきまして、マームダラ教の出家者は、お見かけしたら、私の所に来るか、私が出向くことになっていましたが、一般の者は、お2人の名前は知っていると思いますが、お顔までは広まっていないと思いますよ」
エミールはホッとして、
「そうですか」
と、言うのであった。
でも、ふと、疑問に思った。
「バーハーグト大陸から回ってきた絵姿って確か、エミール・アソウの名前で回ってきたと思いますが、何故、私共が結婚をして、苗字が変わったこと、ヘクディーの名前をご存じなのですか?」
「それは…」
アボシーが言い淀んでいると、
「アボシーちゃん、このお2人には全部言っちゃっていいわよ。アボシーちゃんは、神託の巫女でして、神からお告げがあったんです」
アボシーが話し出す。
「はい。オービム神からのご神託を述べます」
――バーハーグト大陸より妻のヘクディーと伴って、エミール・ザガントリア来たり。
この夫婦、共に神界からの使命を持つ御使いなり。
彼は、我が大陸のみならず、この世界の王となる。
行動を阻害せず、尊重し、助けよ。
その行動を妨げる者は、我々と敵対する者と見なす。
彼には重婚を許す。
信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ。
彼が惚れた者、彼を惚れた者の恋路や婚姻を邪魔することを禁ずる。
若年でも婚姻と子作りを認めよ。
彼とその家族、仲間はこの大陸に大いなる恵みをもたらすだろう
「以上です」
一拍おき、ミリナシアが口を開く。
「と、いうわけで、アボシーちゃん、エミール様の奥さんになりなさい」
トンデモ発言出た!
「ふぇっ?な、な、な、何ですかぁ---?」
アボシーが慌てふためいている。
「あなた、自分で言ったじゃない。”信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ”って。この場合の”力”って腕力とかの力じゃない。あなたが一番”力”があるのよ?ねえ、分かる?」
「ふ、ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ、私がエミール様の奥さん!?」
アボシーは真っ赤になって黙ってしまった。
「エミール様、結局この娘を娶ることになると思うのだけれど、検討してもらえますか?」
「私の一存では決められませんので、持ち帰り、検討します」
「その際は、アボシーちゃんをどこへなりとも連れて行っていいですからね。どうせ、あなたの妻になる娘ですもの」
アボシーは真っ赤になって黙って俯いたまま、他の反応を示さない。もう、話しには入って来ないであろう。
「大事なことは伝えましたから、他の話しをしましょう。お2人はバーハーグト大陸に住んでいると思うのだけれど、この大陸に来るのは何度目?」
「初めてですわ。初めて入った街で、アボシーに出会って、それで、今、ここに居るのですわ」
「それじゃぁこの大陸のことはほとんど知らないわけ?」
「はい」
「それじゃぁ、最初から、教えていくわね」
それからミリナシアから、この大陸のことを聞いた。
大陸の名はシンドーフ。
この大陸の地図、国の名前や王都、大都市から中規模の都市まで載った地図を、ミリナシアは広げ、説明していくのであった。
<i61621630713>
この大陸にはテンジャオ王国と、ハンローシン王国、そしてスーロージャオ王国の3つの国があり、今居るのはテンジャオ王国で、ミリナシアやアボシーたちの居るナムシロン大神殿も、テンジャオ王国にあるらしい。
その後、大まかな説明を受けた後、
「ダダグッドの総本山が認めていることだし、このシンドーフ大陸でも正式にあなたたち2人は『御使い様』と、認めるわ。私が保証するわ」
ミリナシアはそう言ってくれた。
「それで、エミール様、あなたがニムテズ大陸からバーハーグト大陸に移ったときにもしていると思うのだけれども、2人にはこの大陸の国王に会ってもらうことになります」
あーやっぱり、と、エミールは思った。
「話が終わったらすぐに私は3カ国の国王宛に手紙を書くから、あなたたちは王都のナムシロンにあるナムシロン大神殿に来てちょうだい。返事が来ていたら一緒に会いに行ってあげるわ」
「分かりました」
そうしてミリナシアとの会談が終わる頃には日は大分傾いており、2人は家路に就くのであった。
道中名前を教えてもらって一瞬、気落ちしたような顔になるものの、笑顔に戻り、
「本当は王都のナムシロン大神殿の所属なんですけど、教区長のお供でやって来て、今帰りなんですよ」
「そうなんですね」
と、話していると、
「着きました。今、教区長のいらっしゃるアブシロン神殿です」
そう言うと、アボシーはどんどんと神殿の中へと入っていく。
付いて来いと言われているので、エミールもヘクディーもどんどんと中へと入って行く。
そして、
「ミリナシア教区長、いらっしゃいますか?」
「はーい。ちょっと待って下さいね」
ドアが開き、
「はい。どなた?あぁ、アボシーちゃん、そちらは?」
「やっと見つけました!エミールさんです。『御使い様』のエミール・ザガントリアさんです!あと、こちらも『御使い様』で、奥さんのヘクディーさん」
「へ?エミール様にヘクディー様まで?」
「エミール・ザガントリアです。宜しくお願いします」
「妻のヘクディーです。宜しくお願いします」
「あ、シンドーフ大陸全土の教区を預かっております教区長のミリナシア・ムクテディスと申します。立ち話も何ですし、どうぞ入って」
「失礼します」
「失礼します」
そして、部屋の中で話されることになった。
「ようこそお越し下さいました」
「いえいえ。で、つかぬ事をお聞きしますが、我々はこの大陸で顔が割れているんですか?」
「いえいえ、バーハーグト大陸から絵姿が回ってきまして、マームダラ教の出家者は、お見かけしたら、私の所に来るか、私が出向くことになっていましたが、一般の者は、お2人の名前は知っていると思いますが、お顔までは広まっていないと思いますよ」
エミールはホッとして、
「そうですか」
と、言うのであった。
でも、ふと、疑問に思った。
「バーハーグト大陸から回ってきた絵姿って確か、エミール・アソウの名前で回ってきたと思いますが、何故、私共が結婚をして、苗字が変わったこと、ヘクディーの名前をご存じなのですか?」
「それは…」
アボシーが言い淀んでいると、
「アボシーちゃん、このお2人には全部言っちゃっていいわよ。アボシーちゃんは、神託の巫女でして、神からお告げがあったんです」
アボシーが話し出す。
「はい。オービム神からのご神託を述べます」
――バーハーグト大陸より妻のヘクディーと伴って、エミール・ザガントリア来たり。
この夫婦、共に神界からの使命を持つ御使いなり。
彼は、我が大陸のみならず、この世界の王となる。
行動を阻害せず、尊重し、助けよ。
その行動を妨げる者は、我々と敵対する者と見なす。
彼には重婚を許す。
信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ。
彼が惚れた者、彼を惚れた者の恋路や婚姻を邪魔することを禁ずる。
若年でも婚姻と子作りを認めよ。
彼とその家族、仲間はこの大陸に大いなる恵みをもたらすだろう
「以上です」
一拍おき、ミリナシアが口を開く。
「と、いうわけで、アボシーちゃん、エミール様の奥さんになりなさい」
トンデモ発言出た!
「ふぇっ?な、な、な、何ですかぁ---?」
アボシーが慌てふためいている。
「あなた、自分で言ったじゃない。”信徒より、力の最も強い者を彼の妻に捧げよ”って。この場合の”力”って腕力とかの力じゃない。あなたが一番”力”があるのよ?ねえ、分かる?」
「ふ、ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ、私がエミール様の奥さん!?」
アボシーは真っ赤になって黙ってしまった。
「エミール様、結局この娘を娶ることになると思うのだけれど、検討してもらえますか?」
「私の一存では決められませんので、持ち帰り、検討します」
「その際は、アボシーちゃんをどこへなりとも連れて行っていいですからね。どうせ、あなたの妻になる娘ですもの」
アボシーは真っ赤になって黙って俯いたまま、他の反応を示さない。もう、話しには入って来ないであろう。
「大事なことは伝えましたから、他の話しをしましょう。お2人はバーハーグト大陸に住んでいると思うのだけれど、この大陸に来るのは何度目?」
「初めてですわ。初めて入った街で、アボシーに出会って、それで、今、ここに居るのですわ」
「それじゃぁこの大陸のことはほとんど知らないわけ?」
「はい」
「それじゃぁ、最初から、教えていくわね」
それからミリナシアから、この大陸のことを聞いた。
大陸の名はシンドーフ。
この大陸の地図、国の名前や王都、大都市から中規模の都市まで載った地図を、ミリナシアは広げ、説明していくのであった。
<i61621630713>
この大陸にはテンジャオ王国と、ハンローシン王国、そしてスーロージャオ王国の3つの国があり、今居るのはテンジャオ王国で、ミリナシアやアボシーたちの居るナムシロン大神殿も、テンジャオ王国にあるらしい。
その後、大まかな説明を受けた後、
「ダダグッドの総本山が認めていることだし、このシンドーフ大陸でも正式にあなたたち2人は『御使い様』と、認めるわ。私が保証するわ」
ミリナシアはそう言ってくれた。
「それで、エミール様、あなたがニムテズ大陸からバーハーグト大陸に移ったときにもしていると思うのだけれども、2人にはこの大陸の国王に会ってもらうことになります」
あーやっぱり、と、エミールは思った。
「話が終わったらすぐに私は3カ国の国王宛に手紙を書くから、あなたたちは王都のナムシロンにあるナムシロン大神殿に来てちょうだい。返事が来ていたら一緒に会いに行ってあげるわ」
「分かりました」
そうしてミリナシアとの会談が終わる頃には日は大分傾いており、2人は家路に就くのであった。
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