仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

エミールとヘクディーの続・受験勉強

ストックをそこそこ作ったので今週から数週間、土曜日にも更新して週3話にします。



 チュンチュン

「く、今日も苦しい」


  朝、エミールは自分のベッドで目が覚めた。体が何かで縛られたような圧迫感。そして、耳から首までが、べっとりねちゃねちゃとしていた。しかし、昨日ほど苦しくない。エミールが寝姿勢を変え、いろいろと工夫した成果である。


「すーすー。ぺろぺろ。エミール様、美味おいしいですわ♡やはり最高の美味びみですわ♡わたくしのものですわ。たまりませんわ♡もっと♡もっと♡」

(何でこんな事に頭を使わなきゃならないんだろう)


 ごもっともである。

 しかし、身動きが取れないことには変わりはなかった。


「@*&%&%」


 エミールは暇なので神代魔法を唱えた。


----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+

ヘクディー・ザガントリア Lv.1



HP:35/35

MP:110/110

エミール分:4151/10201



<剣術 Lv.1>

<炎魔法 Lv.1><水魔法 Lv.1><風魔法 Lv.1><土魔法 Lv.1><無属性魔法 Lv.1>

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+


 ヘクディーのレベルが見えた。

 『エミール分』の数値が大幅にアップしていた。

 限界値も少しアップしている。


 ぺろっ


----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+

ヘクディー・ザガントリア Lv.1



HP:35/35

MP:110/110

エミール分:4152/10201



<剣術 Lv.1>

<炎魔法 Lv.1><水魔法 Lv.1><風魔法 Lv.1><土魔法 Lv.1><無属性魔法 Lv.1>

----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+


 められると上がるようだ。


「やっぱり分かんないや」


 エミールは、ステータス画面を消し、ヘクディーが起きるのを待った。


 そして10分後、


「あ。エミール様、お早うございます」

「お早う」


 ヘクディーが起き出した。

 今日も1日が始まるのであった。


 勉強の時間。ヘクディーは少し離れたところで別の家庭教師と勉強している。

 その途中で、


「そう言えば、ザガントリア王立学院には行かれましたか?」

「はい。勉強するには素晴らしいところだと思います」

「そうですかそうですか。それではこれからもっと勉強に身を入れて… 随時特別入試?何ですのそれは? はい。 さすがにそれは無謀むぼうというものですわ!」


 さすがに心配した家庭教師のマヤは、現実を見させて受験を取り下げさせようと、ヘクディーの家庭教師のミラ・アマインと話しをして、急遽きゅうきょ、2人にテストを出した。


「これを解いて、現実を見て下さいませ。それではよーい、始め!」


 テストを開始した。10分ほどして2人は提出してきた。


「降参しましたか。これで目が覚めたでしょう。それでは採点を。解けてる。これも解けてる。これも。これも。 … 100点、満点ですわ!」


 その後もテストは続けられた。

 手持ちのテストがきるほどに。

 筆記試験は全て満点であったが、実技の礼儀作法は満点とはいかなかったがかなりの上位レベルなのはうかがえた。

 しかし、ミラ、マヤの2人の家庭教師はまだ不安であった。


「明日またテストをします。それで全部満点を取れればその随時特別入試とやらを受けてもよろししいですわよ」


 2人の家庭教師は片付け、足早に帰っていく。まだ授業終了の時間にはなっていないのに。


「授業の終わりということで、部屋に戻ろうか」

「はい!そうですわね!」


 そして2人はそれぞれの部屋に一旦戻り、エミールの部屋に集まった。

 2人はベッドに腰をかけ、


「それでは今日も始めるよ」

「「+*@#$#」」


 2人は呪文を唱えて精神世界へ。

 2人はスキカから言われている。スキカからもらった本を勉強し、ヘクディーを、エミールに追い付かせなさいと。

 2人はあれから何度かスキカに呼び出され、神代魔法中級編、神代魔法の高等編、魔道具学の初級編、錬金術の初級編と、エミールの持っている本は全てもらっている。


「本の内容は全て入っているね。それじゃぁこの前の続きから」

「はい」


 2人はもう何度か精神世界で勉強している。

 この精神世界、座学だけでなく、魔法も使える。


「ここまでできたらそれじゃぁ次に進もうか」

「はい」


 ヘクディーはこの空間が好きだった。

 誰にも邪魔されずに長い時間エミールと2人きりだから。

 そして、ヘクディーはエミールに追い付き、2人は先の勉強へと進む。


「区切りのいいところまで勉強したら、一旦現実世界で魔法、試そうか。感覚が違うとか、何か差異さいがあったら戸惑うし」

「そうですわね」


 今日はいつもよりも時間はある。

 夕食までの間、2人は勉強を続けるのであった。



 次の日。


「テストでございます!」


 勉強の時間。しょっぱなからテストであった。

 家庭教師2人の顔色は悪かった。あまり寝ていないのであろうか?

 全てのテストを受けた。

 筆記試験は全て満点であったが実技の満点は取れなかった。


「筆記試験はもう教えることはありません。適度に予習をして忘れないようにすれば、入試にも通ることでしょう」

「しかし、実技はまだ教える余地がありますわ。今日からは実技中心で指導してし上げますわ」


 そして、その日から実技中心の勉強になった。

 実技で満点を取れるまで。


 でも、それも、そう遠くない日のことであった。

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