仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
エミール、ヘクディーと婚約する
(エミール様、エミール様、エミール様、エミール様、エミール様、エミール様ぁ~♡)
ヘクディーは、幸せであった。
大好きなエミールに毎日会える。
頭の中は、エミールでいっぱいだった。
「キリがいいのでここまでにしましょうか」
「はい。ありがとうございました」
その日の勉強も終わり、家庭教師が自室から出て行き、しばらくして、
「(コンコン)エミールです。入ってもよろしいでしょうか?」
「(エミール様だぁ)お入りになって」
そして始まるよもやま話。
いつの間にか、椅子の上ではなくベッドの端に並んで話すようになった。
そして、ヘクディーから、エミールへのスキンシップも段々と多くなっていった。
そして、あっという間に過ぎる2人きりの時間。
「あ、もう時間だ。そろそろ行くね」
「あぁ、話し足りないですわ。もっとお姿を見ていたいですわ。もっと触れ合いたいですわ」
「(ヘクディーも外見を取り繕わなくなってきたなぁ)また明日来るから。それじゃぁね」
「はい。本当に来て下さいね」
ヘクディーと、エミールは、手を振り合いながら別れた。
「エミール様との時間、全然足りませんわ」
ヘクディーは不満であった。
何故、エミールと会う時間が、1日1時間だけなのか。
どうしたら、もっといっぱい一緒に居られるのか。
そして、
「そうだわ!」
「ヘクディー様、お夕食の時間です」
「はーい」
そして、意を決して、夕食へ向かうのであった。
夕食は家族と食べる。
それは、父であるオーマーダム国王が余程忙しいときでなければいつものことであった。
食事中、
「お父様」
「何だね?ヘクディー」
「私、結婚します」
オーマーダム国王は、耳を疑った。
「ヘクディー、今、結婚と聞こえたのだが、違うよね?」
「いえ。結婚と言いました」
国王は混乱した。
「そりゃ、いつかは結婚するだろうね。しかし、今、相手は居ないだろう?」
「居ますわ」
国王はますます混乱した。
「ほぉ。相手は居るのか。誰だね?」
「アハントルト王国のエミール・アソウ様ですわ」
「エミール君とは会ったことがないだろう?どうして結婚することになるんだね?」
「会ってますわ。部屋に誘ってお話ししますの」
衝撃の事実。娘が男を自室に誘っていた!
「ヘイドリック!」
「はい。陛下」
「私は聞いていないのだが。エミール君が、娘の部屋を訪ねたなんて。いつのことだ?」
「週明けから毎日でございます。ヘクディー様の勉強が終わってから、1時間ほど部屋でお話しなさっています」
国王の心には、怒りがふつふつと湧いていた。
「何故私に報告しなかった」
「エミール様から止められていました。スキカ様から国王には知られるなと。そして、可能な限り、ヘクディー様の好きなようにさせなさいと指示をもらっているそうで」
「スキカ様が?」
「はい。そう仰っていました」
国王は怒っていた。
神託を笠に着て、娘を、ヘクディーを奪おうとしているのではないかと。
次の日。国王の執務室。
「陛下、ダダグッド聖神国、バービニス大神殿、エリーカ・ホーラル教皇からお手紙です」
「あぁ」
国王は、封蝋の紋章を確認してから封を開け、手紙を読み始めた。
――ご無沙汰しております。マームダラ教教皇エリーカ・ホーラルでございます。
本日、スキカ神から神託がありましたので、その内容をお知らせします。
アハントルト王国のエミール・アソウは、バーハーグト大陸の各国に降りかかる災難を排除し、この大陸のみならず、この世界の王となる。彼は我々が直接に神託を授け、行動を代行する者。その行動を妨げる者は、我々と敵対する者と見なす。行動を阻害せず、尊重し、助けよ。彼には重婚を許す。彼が惚れた者、彼を惚れた者の恋路や婚姻を邪魔することを禁ずる。若年じゃくねんでも婚姻と子作りを認めよ。ザガントリア王国国王、オーマーダム・ザガントリアよ、エミールとヘクディーの結婚を許してやれ。エミールとその家族、仲間はこの大陸に大いなる恵みをもたらすだろう。
エミール様とヘクディー王女が結婚なさるのですか?
その際は式に、出席したく思いますので、決まりましたらお知らせ下さい。
なお、このご神託は、アハントルト王国のアソウ家にもお知らせ致します。
マームダラ教教皇エリーカ・ホーラル――
負けた。
オーマーダム国王はそう思った。
後日、オーマーダム国王と、二郎との間で、何度か話し合いが行なわれ、いきなり結婚させるわけにもいかないため、エミール・アソウと、ヘクディー・ザガントリアの婚約、という形にすることに決着した。
その数日後、オーマーダム国王は、エミール・アソウと、ヘクディー・ザガントリアの婚約を、大々的に発表するのであった。
「エミール君、娘と自由に会うことを許そう。しかし、娘にも教育は必要だし、家族との時間も要る。節度のある付き合いを願う」
「ヘクディー陛下、かしこまりました」
そうして、ヘクディーは、エミールと自由に会う権利を得たのである。
「もう婚約しましたのよ?もっと会いに来て下さいませ。もっとお時間を増やして下さいませ」
「陛下からも節度のあるお付き合いをお願いされましたので、これ以上はムリです」
「いやだぁー。もっとエミール様と一緒に居たいですぅー」
エミールは少し考え、
「それでは今度の休みには1日、一緒に居ましょう。お出かけでもしましょう」
「本当ですか?大好きです。エミール様♡」
「ちょっと、ヘクディー様、抱きつかないで下さい!」
そうしてヘクティーとエミールは、イチャイチャするのであった。
お読み下さりありがとうございます。
今日、この、「仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ」も、「小説家になろう」にて、10万PVを超えました。
ありがとうございます。
ヘクディーは、幸せであった。
大好きなエミールに毎日会える。
頭の中は、エミールでいっぱいだった。
「キリがいいのでここまでにしましょうか」
「はい。ありがとうございました」
その日の勉強も終わり、家庭教師が自室から出て行き、しばらくして、
「(コンコン)エミールです。入ってもよろしいでしょうか?」
「(エミール様だぁ)お入りになって」
そして始まるよもやま話。
いつの間にか、椅子の上ではなくベッドの端に並んで話すようになった。
そして、ヘクディーから、エミールへのスキンシップも段々と多くなっていった。
そして、あっという間に過ぎる2人きりの時間。
「あ、もう時間だ。そろそろ行くね」
「あぁ、話し足りないですわ。もっとお姿を見ていたいですわ。もっと触れ合いたいですわ」
「(ヘクディーも外見を取り繕わなくなってきたなぁ)また明日来るから。それじゃぁね」
「はい。本当に来て下さいね」
ヘクディーと、エミールは、手を振り合いながら別れた。
「エミール様との時間、全然足りませんわ」
ヘクディーは不満であった。
何故、エミールと会う時間が、1日1時間だけなのか。
どうしたら、もっといっぱい一緒に居られるのか。
そして、
「そうだわ!」
「ヘクディー様、お夕食の時間です」
「はーい」
そして、意を決して、夕食へ向かうのであった。
夕食は家族と食べる。
それは、父であるオーマーダム国王が余程忙しいときでなければいつものことであった。
食事中、
「お父様」
「何だね?ヘクディー」
「私、結婚します」
オーマーダム国王は、耳を疑った。
「ヘクディー、今、結婚と聞こえたのだが、違うよね?」
「いえ。結婚と言いました」
国王は混乱した。
「そりゃ、いつかは結婚するだろうね。しかし、今、相手は居ないだろう?」
「居ますわ」
国王はますます混乱した。
「ほぉ。相手は居るのか。誰だね?」
「アハントルト王国のエミール・アソウ様ですわ」
「エミール君とは会ったことがないだろう?どうして結婚することになるんだね?」
「会ってますわ。部屋に誘ってお話ししますの」
衝撃の事実。娘が男を自室に誘っていた!
「ヘイドリック!」
「はい。陛下」
「私は聞いていないのだが。エミール君が、娘の部屋を訪ねたなんて。いつのことだ?」
「週明けから毎日でございます。ヘクディー様の勉強が終わってから、1時間ほど部屋でお話しなさっています」
国王の心には、怒りがふつふつと湧いていた。
「何故私に報告しなかった」
「エミール様から止められていました。スキカ様から国王には知られるなと。そして、可能な限り、ヘクディー様の好きなようにさせなさいと指示をもらっているそうで」
「スキカ様が?」
「はい。そう仰っていました」
国王は怒っていた。
神託を笠に着て、娘を、ヘクディーを奪おうとしているのではないかと。
次の日。国王の執務室。
「陛下、ダダグッド聖神国、バービニス大神殿、エリーカ・ホーラル教皇からお手紙です」
「あぁ」
国王は、封蝋の紋章を確認してから封を開け、手紙を読み始めた。
――ご無沙汰しております。マームダラ教教皇エリーカ・ホーラルでございます。
本日、スキカ神から神託がありましたので、その内容をお知らせします。
アハントルト王国のエミール・アソウは、バーハーグト大陸の各国に降りかかる災難を排除し、この大陸のみならず、この世界の王となる。彼は我々が直接に神託を授け、行動を代行する者。その行動を妨げる者は、我々と敵対する者と見なす。行動を阻害せず、尊重し、助けよ。彼には重婚を許す。彼が惚れた者、彼を惚れた者の恋路や婚姻を邪魔することを禁ずる。若年じゃくねんでも婚姻と子作りを認めよ。ザガントリア王国国王、オーマーダム・ザガントリアよ、エミールとヘクディーの結婚を許してやれ。エミールとその家族、仲間はこの大陸に大いなる恵みをもたらすだろう。
エミール様とヘクディー王女が結婚なさるのですか?
その際は式に、出席したく思いますので、決まりましたらお知らせ下さい。
なお、このご神託は、アハントルト王国のアソウ家にもお知らせ致します。
マームダラ教教皇エリーカ・ホーラル――
負けた。
オーマーダム国王はそう思った。
後日、オーマーダム国王と、二郎との間で、何度か話し合いが行なわれ、いきなり結婚させるわけにもいかないため、エミール・アソウと、ヘクディー・ザガントリアの婚約、という形にすることに決着した。
その数日後、オーマーダム国王は、エミール・アソウと、ヘクディー・ザガントリアの婚約を、大々的に発表するのであった。
「エミール君、娘と自由に会うことを許そう。しかし、娘にも教育は必要だし、家族との時間も要る。節度のある付き合いを願う」
「ヘクディー陛下、かしこまりました」
そうして、ヘクディーは、エミールと自由に会う権利を得たのである。
「もう婚約しましたのよ?もっと会いに来て下さいませ。もっとお時間を増やして下さいませ」
「陛下からも節度のあるお付き合いをお願いされましたので、これ以上はムリです」
「いやだぁー。もっとエミール様と一緒に居たいですぅー」
エミールは少し考え、
「それでは今度の休みには1日、一緒に居ましょう。お出かけでもしましょう」
「本当ですか?大好きです。エミール様♡」
「ちょっと、ヘクディー様、抱きつかないで下さい!」
そうしてヘクティーとエミールは、イチャイチャするのであった。
お読み下さりありがとうございます。
今日、この、「仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ」も、「小説家になろう」にて、10万PVを超えました。
ありがとうございます。
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