仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
神たちの攻勢―3と、ザガントリア王国とスペニシア王国への訪問
「それでは査読会を始めます」
ここはアハントルト王国にある麻宗邸の食堂。
ここに、二郎、二郎の妻7人、ダダグッド聖神国からの宣教師12人、そしてキモーラが集まっていた。
「それではアーメイヤス語の通常版からお渡しします。ページ数も書いていますので、何か気になることがあればページ数と気になった点をメモしておいて、読み終わったらそれについて話し合いましょう」
反対意見や質問も無いようなので、綴じられた翻訳案と、筆記用具が配られ、
「それでは読み始めましょうか」
一斉に読み始めるのであった。
通常版と子供向けのジュニア版、それぞれにアーメイヤス語版とガカスドロフ語版、計4種類あるため、査読と話し合いだけで2日、修正したものをもう一度査読と話し合って2日、計4日かかって原稿が出来上がった。
「まだまだ不満もありましょうが、とりあえずこれで本の試し刷りを依頼します」
宣教師たちは、自分たちで本にするつもりだったため、
「印刷と製本って、かなりの出費になるんじゃ?本国と掛け合いましょうか?」
しかし、二郎は涼しい顔で、
「それには及びません。近々バーハーグト大陸に渡る用事がありますので、そのときにでもバービニス大神殿に掛け合います」
宣教師たちは恐縮して、
「ご苦労をお掛けします」
「ご神託を賜ったのは、我々も同じですから」
宣教師たちは信頼して、
「それではお任せします」
そう言うのであった。
*
次の休みの日、二郎とミランダとエミールは、ザガントリア王国の王都、ザガントリアシティに来ていた。
「平民用はあっちだ」
「こちらでダメならあちらに並びます」
ダダグッド聖神国の首都のマーマーダラのときのようなやり取りを経て、用意してくれていた馬車で王城へ。
この国でも”歓迎!御使い様”という横断幕を見つけてしまったが、顔に出すと家族からツッコまれるので平気な顔をしてやり過ごした。
一目『御使い様』を見ようと人が集まるのも同じだったが、エミールは、外の様子をじっと眺めるしかできなかった。
王城の中、一瞬だけエミールの顔を見た少女は、
(まぁ、なんてカッコイイ方なの?)
と、一瞬で恋に落ちたのだが、エミールを始め、麻宗家の面々は知る由もなかった。
「なんだ。ガキじゃないか」
互いに挨拶を済ませ、ザガントリア王国国王、オーマーダム・ザガントリアが発した最初の言葉はこれであった。
「『御使い様』が来るなんて言われて、大層な聖職者が来るものとばかり思っておったが、来てみればガキか」
「陛下!失礼ですぞ!」
宰相にたしなめられるも オーマーダム陛下はどこ吹く風、
「ガキにガキと言って何が悪い。まぁ、ニムテズ大陸というところにも興味はあるし、大人も来ていることだし話しはするがな」
それから二郎がニムテズ大陸の話しをし、オーマーダムと宰相が、バーハーグト大陸と、ザガントリア王国の話しをし、エミールが自分の地図に新たな書き込みをして、
「本人はガキだが良い家族じゃないか。困ったことがあれば遠慮なく立ち寄るが良い。力になろう」
印象も上方修正できたようなので、その日の会談はお開きとなった。
その後、『御使い様』の姿絵の余ったものを、一人娘のヘクディー・ザガントリアが大事に自室に持ち帰り、毎日眺めては、頬を赤らめているのにオーマーダム陛下が気付くのは、それから随分と経った後なのであった。
一方、二郎たちはダダグッド聖神国のバービニス大神殿に寄って、エリーカ教皇に翻訳版聖典の種類と各部数、料金を伝え、いくらか負担してもらえないか相談したところ、
「その部数でこの値段ですか。え?4種類合計で?安い!全額バービニス大神殿で負担致しましょう。それくらいなら今お渡しできるわ。この値段ならこちらのペリヒッピ語版も、アソウ家に頼みたいくらいだわ」
交渉はうまくいったようである。
それから2日後、
「それでは本日の査読会を始めます」
本の試し刷りができあがったのである。
「それではアーメイヤス語の通常版からお渡しします。前回と同様、ページ数も書いていますので、何か気になることがあればページ数と気になった点をメモしておいて、読み終わったらそれについて話し合いましょう」
「「「「「「はい」」」」」」
査読後、話し合いが行なわれ、目立った問題もなかったため、このままで印刷・製本を依頼するのであった。
次の休みの日、二郎とミランダとエミールは、スペニシア王国の王都、スペニシアに来ていた。
「平民用はあっちだ」
「こちらでダメならあちらに並びます」
ダダグッド聖神国の首都のマーマーダラや、ザガントリア王国の首都、ザガントリアシティのときのようなやり取りを経て、用意してくれていた馬車で王城へ。
この国でも”歓迎!御使い様”という横断幕を見つけてしまったが、もう慣れた。
一目『御使い様』を見ようと人が集まるのも同じだったが、慣れてきて、手を振る余裕が出てきた。
王城、謁見の間にて、互いに挨拶を済ませ、
「遠くからわざわざ来て下さってありがとうございます。本日の会談が実りあるものになりますよう」
ナサスティア王国やダダグッド聖神国の様な熱烈歓迎という雰囲気ではなく、さりとてザガントリア王国の様に横柄にされるわけでもなく、他国の公爵一家というくくりでいうところの普通の対応がなされた。
それから二郎がニムテズ大陸の話しをし、ダンクヘルム・スペシニア国王と宰相が、バーハーグト大陸と、スペニシア王国の話しをし、エミールが自分の地図に新たな書き込みをして、
「良い縁ができました。困ったことがあればお力になれると思いますので、お気軽にお寄り下され」
一貫して他国の上位貴族の扱いにホッとしたまま、その日の会談はお開きとなったのであった。
ここはアハントルト王国にある麻宗邸の食堂。
ここに、二郎、二郎の妻7人、ダダグッド聖神国からの宣教師12人、そしてキモーラが集まっていた。
「それではアーメイヤス語の通常版からお渡しします。ページ数も書いていますので、何か気になることがあればページ数と気になった点をメモしておいて、読み終わったらそれについて話し合いましょう」
反対意見や質問も無いようなので、綴じられた翻訳案と、筆記用具が配られ、
「それでは読み始めましょうか」
一斉に読み始めるのであった。
通常版と子供向けのジュニア版、それぞれにアーメイヤス語版とガカスドロフ語版、計4種類あるため、査読と話し合いだけで2日、修正したものをもう一度査読と話し合って2日、計4日かかって原稿が出来上がった。
「まだまだ不満もありましょうが、とりあえずこれで本の試し刷りを依頼します」
宣教師たちは、自分たちで本にするつもりだったため、
「印刷と製本って、かなりの出費になるんじゃ?本国と掛け合いましょうか?」
しかし、二郎は涼しい顔で、
「それには及びません。近々バーハーグト大陸に渡る用事がありますので、そのときにでもバービニス大神殿に掛け合います」
宣教師たちは恐縮して、
「ご苦労をお掛けします」
「ご神託を賜ったのは、我々も同じですから」
宣教師たちは信頼して、
「それではお任せします」
そう言うのであった。
*
次の休みの日、二郎とミランダとエミールは、ザガントリア王国の王都、ザガントリアシティに来ていた。
「平民用はあっちだ」
「こちらでダメならあちらに並びます」
ダダグッド聖神国の首都のマーマーダラのときのようなやり取りを経て、用意してくれていた馬車で王城へ。
この国でも”歓迎!御使い様”という横断幕を見つけてしまったが、顔に出すと家族からツッコまれるので平気な顔をしてやり過ごした。
一目『御使い様』を見ようと人が集まるのも同じだったが、エミールは、外の様子をじっと眺めるしかできなかった。
王城の中、一瞬だけエミールの顔を見た少女は、
(まぁ、なんてカッコイイ方なの?)
と、一瞬で恋に落ちたのだが、エミールを始め、麻宗家の面々は知る由もなかった。
「なんだ。ガキじゃないか」
互いに挨拶を済ませ、ザガントリア王国国王、オーマーダム・ザガントリアが発した最初の言葉はこれであった。
「『御使い様』が来るなんて言われて、大層な聖職者が来るものとばかり思っておったが、来てみればガキか」
「陛下!失礼ですぞ!」
宰相にたしなめられるも オーマーダム陛下はどこ吹く風、
「ガキにガキと言って何が悪い。まぁ、ニムテズ大陸というところにも興味はあるし、大人も来ていることだし話しはするがな」
それから二郎がニムテズ大陸の話しをし、オーマーダムと宰相が、バーハーグト大陸と、ザガントリア王国の話しをし、エミールが自分の地図に新たな書き込みをして、
「本人はガキだが良い家族じゃないか。困ったことがあれば遠慮なく立ち寄るが良い。力になろう」
印象も上方修正できたようなので、その日の会談はお開きとなった。
その後、『御使い様』の姿絵の余ったものを、一人娘のヘクディー・ザガントリアが大事に自室に持ち帰り、毎日眺めては、頬を赤らめているのにオーマーダム陛下が気付くのは、それから随分と経った後なのであった。
一方、二郎たちはダダグッド聖神国のバービニス大神殿に寄って、エリーカ教皇に翻訳版聖典の種類と各部数、料金を伝え、いくらか負担してもらえないか相談したところ、
「その部数でこの値段ですか。え?4種類合計で?安い!全額バービニス大神殿で負担致しましょう。それくらいなら今お渡しできるわ。この値段ならこちらのペリヒッピ語版も、アソウ家に頼みたいくらいだわ」
交渉はうまくいったようである。
それから2日後、
「それでは本日の査読会を始めます」
本の試し刷りができあがったのである。
「それではアーメイヤス語の通常版からお渡しします。前回と同様、ページ数も書いていますので、何か気になることがあればページ数と気になった点をメモしておいて、読み終わったらそれについて話し合いましょう」
「「「「「「はい」」」」」」
査読後、話し合いが行なわれ、目立った問題もなかったため、このままで印刷・製本を依頼するのであった。
次の休みの日、二郎とミランダとエミールは、スペニシア王国の王都、スペニシアに来ていた。
「平民用はあっちだ」
「こちらでダメならあちらに並びます」
ダダグッド聖神国の首都のマーマーダラや、ザガントリア王国の首都、ザガントリアシティのときのようなやり取りを経て、用意してくれていた馬車で王城へ。
この国でも”歓迎!御使い様”という横断幕を見つけてしまったが、もう慣れた。
一目『御使い様』を見ようと人が集まるのも同じだったが、慣れてきて、手を振る余裕が出てきた。
王城、謁見の間にて、互いに挨拶を済ませ、
「遠くからわざわざ来て下さってありがとうございます。本日の会談が実りあるものになりますよう」
ナサスティア王国やダダグッド聖神国の様な熱烈歓迎という雰囲気ではなく、さりとてザガントリア王国の様に横柄にされるわけでもなく、他国の公爵一家というくくりでいうところの普通の対応がなされた。
それから二郎がニムテズ大陸の話しをし、ダンクヘルム・スペシニア国王と宰相が、バーハーグト大陸と、スペニシア王国の話しをし、エミールが自分の地図に新たな書き込みをして、
「良い縁ができました。困ったことがあればお力になれると思いますので、お気軽にお寄り下され」
一貫して他国の上位貴族の扱いにホッとしたまま、その日の会談はお開きとなったのであった。
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