仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
麻宗家と、ダダグッド聖神国の大統領と上院議長との会談
「この国でも”歓迎!御使い様”と幟があちこちに出てますねぇ」
「いやぁーエミールは有名人だなぁー」
「これだけ人々に愛されているなんて母はあなたを誇りに思います」
エミールは複雑な顔をして、
「何か成した後でそう言われるなら誇らしいのですが…」
そう、他愛のない話しを続けていると、御者台の方から、
「着きましてございます」
とある大きな建物の前で馬車は止まった。
御者が馬車のドアを開け、二郎、二郎に手を取られたミランダ、そしてエミールの順で馬車を降りる。
”パパパパーン”
降りたところから建物まで赤いカーペットが敷かれており、その両脇には楽団が並び、演奏を始めた。
二郎たちはレッドカーペットの上を通り、建物の中へ。すると、男性2人が待ち受けていた。
「ようこそ。お待ちしておりました。私、ダダグッド聖神国の大統領をしておりますアーノルド・オピニオンと申します」
「お待ちしておりました。議会を代表してやって参りました上院議員議長のスイソン・アンカーベルと申します」
「私はエミールの父で、ニムテズ大陸にあるアハントルト王国の公爵、ジロウ・アソウと申します。以後お見知りおきを」
「妻のミランダと申します」
「息子のエミールです。以後、よろしくお願いします」
一通り挨拶が済んで、案内されたのは、大きな部屋だった。
「ささ、遠慮なく座って下さい」
アーノルド大統領とスイソン議長が座るのを確認すると、二郎たちも着席した。
ニムテズ大陸がどんなところなのか聞かれたため、エミールが地図を出し、主に二郎がどんなところか説明し、反対にエミールがバーハーグト大陸がどんなところかを聞き、アーノルド大統領とスイソン議長が答えた。
次にエミールが、ダダグッド聖神国がどんなところかを聞くと、
「マームダラ教の総本山であるバービニス大神殿がある国のため、国内にある教会も、他国の教会よりも聖典に根ざした行動や考え方をする傾向が強いとされています。国民の性質も同様です」
「バービニス大神殿がある国のため、信仰深い人が他国からやって来たり、先祖が信仰深かったけれども今代の者はそうでもないといった方々が、他の国に移住するなんて話しもあります」
アーノルド大統領が、思いついたような顔をして、
「あぁ、そう言えば、『御使い様』にしか聞けないことがありました。今代の最高神はどなたが勤めていらっしゃるのでしょう?ガリャクシール様でしょうか?シャームンドム様?はたまたフィリフレネシアか…」
エミールが答える。
「私も神々には詳しくないのです。いつも神託をいただく神は、スキカ様と名乗っていました」
「おぉ。スキカ様ですか。教典にも載っている神ですね」
そしてマームダラ教関連の話も終わり、お互いの国のことを雑談していると、
「…と、いうわけで、事務作業に、計算にと活躍していたコンピューターという古代から使っている道具が年を経て1台、また1台と動かなくなり、もう残すところ数台しか稼働していない状況なのです」
アーノルド大統領がそうこぼすと、二郎、ミランダ、エミールは顔を見合わせ、
「「「花菜香、風雅案件だ!」」」
いきなり麻宗家家族が大声を出すのでぎょっとするアーノルド大統領にスイソン議長。構わず二郎は、
「そういった話なら息子の風雅が詳しいのですが、呼んでもよろしいでしょうか?」
「あ、え?呼ぶ?こちらにおいでになるのですか?」
「はい。時間はかかりません」
「分かりました。お呼びになって下さい」
二郎はゲートでサガンガ王国サガンガニアの麻宗邸に行き、風雅を連れて来た。
「初めまして。麻宗家の長男、フウガ・アソウと申します」
「本当にすぐにやって来ましたな。ダダグッド聖神国の大統領、アーノルド・オピニオンと申します」
「上院議員の議長をしておりますスイソン・アンカーベルと申します」
互いに挨拶をして、その動かなくなったというコンピューターを見せてもらうことに。
「OMT4700シリーズのコンピューターですか。アハントルト王国で現在生産されているのと同じシリーズのコンピューターですね」
「生産?このコンピューターをまだ生産しているのですか?」
「はい。状態の良い稼働休止をした工場が見つかりまして、私と姉の花菜香が再稼働させました。なのでアハントルト王国では新品が手に入ります」
「おぉ!そうですか!それではアハントルト王国側と話をして手に入れねば!」
「その前に、このコンピューターの中を見させていただけますか?」
「それは構いませんが?」
風雅は手際よくコンピューターのフタを開け、
「結構ほこりが溜まってますね。掃除をして… ここか。魔力供給ラインの魔法陣が消えかかってますね。一部は消えています」
と風雅は言うと、アイテムボックスからインク壺とつけペンを取り出し、綺麗に魔法陣を書いていく。
そして、フタを閉じ、キーボード、マウス、ディスプレイを繋ぎ、魔力供給。スイッチを入れてみると、コンピューターは再び起動しだした。
「どうやら無事、起動するみたいですね。あまり壊れていなくて良かったです」
すると、アーノルド大統領とスイソン議長は驚き、
「おぉ。古代文明の道具を修理できるのですか!」
「まぁ、簡単なものでしたら」
「おぉ。これはすごい!壊れたコンピューターをもっと持って参れ!」
アーノルド大統領がそう言うと、次々にコンピューターが運び込まれてきた。
風雅は部屋の一角を修理済みゾーンと決め、運ばれてきたコンピューターのフタを開け、ほこりを払い、故障箇所を見つけ、修理し、起動するか確かめた。
10台ほど修理したところで、
「もう、これ以上はムリです。ちょっと休ませて下さい」
「おぉ。すみません。もう動かないものと諦めていた物が動き出したもので」
「また、日にちを決めて来ますから。今日はこの辺りで勘弁して下さい」
「分かりました。今日は助かりました。動くものもあると分かっただけで、大収穫です」
それから風雅は、他国の者が立ち入っていい範囲であちこち案内され、二郎に挨拶をしてサガンガ王国へ帰って行くのであった。
「お騒がせ致しました。何の話しでしたっけ?おお、そうそう!」
麻宗家の3人は、脱線した話を戻され、しばらくアーノルド大統領とスイソン議長と話すのであった。
そして、地図を用意してもらってエミールは自分の地図に、地名などを描き写させてもらって、
「お話しは尽きないのですが、もうお昼になる頃ですな。食事をご用意していますので召し上がっていって下さい」
「分かりました。ご馳走になります」
「それからこの後、馬車で送らせますのでバービニス大神殿に寄ってもらいたいのです。神殿側でも『御使い様』との会談を心待ちにしておりましてな。少々待たせすぎてしまいました。同じ街の中なのですぐですよ」
「分かりました。後ほど伺いましょう」
こうして、麻宗家と、ダダグッド聖神国の大統領、上院議長との会談は終わるのであった。
「いやぁーエミールは有名人だなぁー」
「これだけ人々に愛されているなんて母はあなたを誇りに思います」
エミールは複雑な顔をして、
「何か成した後でそう言われるなら誇らしいのですが…」
そう、他愛のない話しを続けていると、御者台の方から、
「着きましてございます」
とある大きな建物の前で馬車は止まった。
御者が馬車のドアを開け、二郎、二郎に手を取られたミランダ、そしてエミールの順で馬車を降りる。
”パパパパーン”
降りたところから建物まで赤いカーペットが敷かれており、その両脇には楽団が並び、演奏を始めた。
二郎たちはレッドカーペットの上を通り、建物の中へ。すると、男性2人が待ち受けていた。
「ようこそ。お待ちしておりました。私、ダダグッド聖神国の大統領をしておりますアーノルド・オピニオンと申します」
「お待ちしておりました。議会を代表してやって参りました上院議員議長のスイソン・アンカーベルと申します」
「私はエミールの父で、ニムテズ大陸にあるアハントルト王国の公爵、ジロウ・アソウと申します。以後お見知りおきを」
「妻のミランダと申します」
「息子のエミールです。以後、よろしくお願いします」
一通り挨拶が済んで、案内されたのは、大きな部屋だった。
「ささ、遠慮なく座って下さい」
アーノルド大統領とスイソン議長が座るのを確認すると、二郎たちも着席した。
ニムテズ大陸がどんなところなのか聞かれたため、エミールが地図を出し、主に二郎がどんなところか説明し、反対にエミールがバーハーグト大陸がどんなところかを聞き、アーノルド大統領とスイソン議長が答えた。
次にエミールが、ダダグッド聖神国がどんなところかを聞くと、
「マームダラ教の総本山であるバービニス大神殿がある国のため、国内にある教会も、他国の教会よりも聖典に根ざした行動や考え方をする傾向が強いとされています。国民の性質も同様です」
「バービニス大神殿がある国のため、信仰深い人が他国からやって来たり、先祖が信仰深かったけれども今代の者はそうでもないといった方々が、他の国に移住するなんて話しもあります」
アーノルド大統領が、思いついたような顔をして、
「あぁ、そう言えば、『御使い様』にしか聞けないことがありました。今代の最高神はどなたが勤めていらっしゃるのでしょう?ガリャクシール様でしょうか?シャームンドム様?はたまたフィリフレネシアか…」
エミールが答える。
「私も神々には詳しくないのです。いつも神託をいただく神は、スキカ様と名乗っていました」
「おぉ。スキカ様ですか。教典にも載っている神ですね」
そしてマームダラ教関連の話も終わり、お互いの国のことを雑談していると、
「…と、いうわけで、事務作業に、計算にと活躍していたコンピューターという古代から使っている道具が年を経て1台、また1台と動かなくなり、もう残すところ数台しか稼働していない状況なのです」
アーノルド大統領がそうこぼすと、二郎、ミランダ、エミールは顔を見合わせ、
「「「花菜香、風雅案件だ!」」」
いきなり麻宗家家族が大声を出すのでぎょっとするアーノルド大統領にスイソン議長。構わず二郎は、
「そういった話なら息子の風雅が詳しいのですが、呼んでもよろしいでしょうか?」
「あ、え?呼ぶ?こちらにおいでになるのですか?」
「はい。時間はかかりません」
「分かりました。お呼びになって下さい」
二郎はゲートでサガンガ王国サガンガニアの麻宗邸に行き、風雅を連れて来た。
「初めまして。麻宗家の長男、フウガ・アソウと申します」
「本当にすぐにやって来ましたな。ダダグッド聖神国の大統領、アーノルド・オピニオンと申します」
「上院議員の議長をしておりますスイソン・アンカーベルと申します」
互いに挨拶をして、その動かなくなったというコンピューターを見せてもらうことに。
「OMT4700シリーズのコンピューターですか。アハントルト王国で現在生産されているのと同じシリーズのコンピューターですね」
「生産?このコンピューターをまだ生産しているのですか?」
「はい。状態の良い稼働休止をした工場が見つかりまして、私と姉の花菜香が再稼働させました。なのでアハントルト王国では新品が手に入ります」
「おぉ!そうですか!それではアハントルト王国側と話をして手に入れねば!」
「その前に、このコンピューターの中を見させていただけますか?」
「それは構いませんが?」
風雅は手際よくコンピューターのフタを開け、
「結構ほこりが溜まってますね。掃除をして… ここか。魔力供給ラインの魔法陣が消えかかってますね。一部は消えています」
と風雅は言うと、アイテムボックスからインク壺とつけペンを取り出し、綺麗に魔法陣を書いていく。
そして、フタを閉じ、キーボード、マウス、ディスプレイを繋ぎ、魔力供給。スイッチを入れてみると、コンピューターは再び起動しだした。
「どうやら無事、起動するみたいですね。あまり壊れていなくて良かったです」
すると、アーノルド大統領とスイソン議長は驚き、
「おぉ。古代文明の道具を修理できるのですか!」
「まぁ、簡単なものでしたら」
「おぉ。これはすごい!壊れたコンピューターをもっと持って参れ!」
アーノルド大統領がそう言うと、次々にコンピューターが運び込まれてきた。
風雅は部屋の一角を修理済みゾーンと決め、運ばれてきたコンピューターのフタを開け、ほこりを払い、故障箇所を見つけ、修理し、起動するか確かめた。
10台ほど修理したところで、
「もう、これ以上はムリです。ちょっと休ませて下さい」
「おぉ。すみません。もう動かないものと諦めていた物が動き出したもので」
「また、日にちを決めて来ますから。今日はこの辺りで勘弁して下さい」
「分かりました。今日は助かりました。動くものもあると分かっただけで、大収穫です」
それから風雅は、他国の者が立ち入っていい範囲であちこち案内され、二郎に挨拶をしてサガンガ王国へ帰って行くのであった。
「お騒がせ致しました。何の話しでしたっけ?おお、そうそう!」
麻宗家の3人は、脱線した話を戻され、しばらくアーノルド大統領とスイソン議長と話すのであった。
そして、地図を用意してもらってエミールは自分の地図に、地名などを描き写させてもらって、
「お話しは尽きないのですが、もうお昼になる頃ですな。食事をご用意していますので召し上がっていって下さい」
「分かりました。ご馳走になります」
「それからこの後、馬車で送らせますのでバービニス大神殿に寄ってもらいたいのです。神殿側でも『御使い様』との会談を心待ちにしておりましてな。少々待たせすぎてしまいました。同じ街の中なのですぐですよ」
「分かりました。後ほど伺いましょう」
こうして、麻宗家と、ダダグッド聖神国の大統領、上院議長との会談は終わるのであった。
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