仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
魔力タンク検査
「ニムテズ大陸の、他の国々について、ご報告があります」
「申してみよ」
この手の報告はもう聞き飽きている。内容が無いのに報告の回数は多い。ハンシオーガ王国国王、ジャスパー・ウォムスレーが、先を促す。
「はっ。アハントルト王国から返事がありまして、前向きに検討するとのことです」
「それではナターリアをアハントルトに向けて出発させる。準備をいたせ」
部屋がざわめく。
「アハントルト王国からは、まだ、前向きに検討するという言葉だけですが、姫様を向かわせるのですか?」
「あぁ。ワシももうしびれを切らせた。こちらからも積極的に動く」
国王は部屋を見渡し、
「して、アソウ家はどのようになっている?」
との国王の問いに、
「今回は、ご報告できるものがありません」
すると、国王は、
「アメリアをアソウ家に向かわせる」
部屋の中は一層ざわめいた。
「お言葉ですが、アソウ家にはまだコンタクトを取っていませんが」
「話の分かっている者を共につけさせればいいであろう」
官僚はつばを飲み、
「本気ですか?」
「ああ、本気だ」
官僚は諦め、
「分かりました。私が行って参ります」
「ああ。頼む」
*
とある日の放課後、
「今日は魔法の練習をしに行こうぜ」
アハントルト王立魔法学校では魔法学校というだけあって、魔法の実技がある。そのための魔法の練習である。
10人は、また、例の荒野へと向かった。
魔法の練習は上位5人から1人、下位5人から1人の2人1組のペアで行なわれ、上位5人のメンバーが、下位5人メンバーに教える形で行なわれる。
「シェリル、もう少し狙いを定めて」
「はい」
「ダニー、もうちょっと威力を上げてみようか」
「はい」
下位5人のメンバーも、練習を重ね、それなりに実力を付けてきているのだが、まだ、上位5人の方が腕が上なのである。
練習が終わり、皆、一旦麻宗家に帰る。
「みんな、お久しぶりね。あら、見慣れない子もいっぱい居るわね」
そこには薫が居た。
「「「「「薫お母さんこんばんは」」」」」
上位5人メンバーは一斉に挨拶。
「こんばんは」
子供たちはこそこそと、
「あれ、誰だよ」
「例の便利魔法を発掘した一番上のお母さんだよ」
「へぇー」
薫は、そんな子供たちの様子を見ながら、
「君たちは、そろそろかなって思ったのよ」
子供たち10人は、1列に並ばされた。そこに薫が、
「フーエルレムナント」
薫は、子供の顔をじっと見て、
「この子は持ってるわね」
次々とフーレムレムナントをかけていく。
上位5人が終わり、次は、
「一緒に並んでるし、ついでに見るわね。フーエルレムナント」
薫はクリフの顔をじっと見て、
「驚いた。あなたも一本だけだけど持っているわね」
薫は、下位5人の子供たちにも次々とフーエルレムナントをかけていく。
「驚いた。10人全員持っていたわ」
そこで二郎が呼ばれ、
「あなた。10人全員持っていたわ。でも、花菜香や風雅みたいに詰まっているの。魔力を込めていってやってくれるかしら?手加減間違えないでね♪」
「分かった」
そして、今度は二郎が1人1人子供たちの前に立ち、
「ふん!」
「ぽん!」
子供たちからは人体からはあり得ない音を立てて、倒れそうになる。二郎がそれを支えて、
「立てるか?」
「はい。大丈夫です」
そして、二郎が10人全員回ったところで、
「はいはーい、これから、今何をやったかについて説明するわね」
薫の説明が入る。
「まず、人には魔力袋という目に見えない器官があり、そこに魔力を溜めておくのは知っているわね」
「はい」
「これで、普通の人なら話が終わるんだけど、あなたたち10人は、魔力タンクという別の器官でも魔力を溜めていることが今日、分かったの」
「魔力タンクですか?」
薫はにっこり笑い、
「そう。魔力タンク。1個で魔力袋10個分の魔力を溜めておけ、それぞれ回復が付いているの。それで、私が魔力タンクのあるなしを調べて、でも、魔力タンクに問題があったの」
「問題ですか?」
「そう。配管が詰まって機能していなかったの」
そこで二郎が、
「それで俺が君たちに魔力を注ぎ込んで配管の詰まりを取ったわけだ」
「体内の使える魔力が増えたから、魔法、使いたい放題よ♪」
いきなり魔力切れが起こりづらくなることを告げられる10人なのであった。
「申してみよ」
この手の報告はもう聞き飽きている。内容が無いのに報告の回数は多い。ハンシオーガ王国国王、ジャスパー・ウォムスレーが、先を促す。
「はっ。アハントルト王国から返事がありまして、前向きに検討するとのことです」
「それではナターリアをアハントルトに向けて出発させる。準備をいたせ」
部屋がざわめく。
「アハントルト王国からは、まだ、前向きに検討するという言葉だけですが、姫様を向かわせるのですか?」
「あぁ。ワシももうしびれを切らせた。こちらからも積極的に動く」
国王は部屋を見渡し、
「して、アソウ家はどのようになっている?」
との国王の問いに、
「今回は、ご報告できるものがありません」
すると、国王は、
「アメリアをアソウ家に向かわせる」
部屋の中は一層ざわめいた。
「お言葉ですが、アソウ家にはまだコンタクトを取っていませんが」
「話の分かっている者を共につけさせればいいであろう」
官僚はつばを飲み、
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官僚は諦め、
「分かりました。私が行って参ります」
「ああ。頼む」
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「今日は魔法の練習をしに行こうぜ」
アハントルト王立魔法学校では魔法学校というだけあって、魔法の実技がある。そのための魔法の練習である。
10人は、また、例の荒野へと向かった。
魔法の練習は上位5人から1人、下位5人から1人の2人1組のペアで行なわれ、上位5人のメンバーが、下位5人メンバーに教える形で行なわれる。
「シェリル、もう少し狙いを定めて」
「はい」
「ダニー、もうちょっと威力を上げてみようか」
「はい」
下位5人のメンバーも、練習を重ね、それなりに実力を付けてきているのだが、まだ、上位5人の方が腕が上なのである。
練習が終わり、皆、一旦麻宗家に帰る。
「みんな、お久しぶりね。あら、見慣れない子もいっぱい居るわね」
そこには薫が居た。
「「「「「薫お母さんこんばんは」」」」」
上位5人メンバーは一斉に挨拶。
「こんばんは」
子供たちはこそこそと、
「あれ、誰だよ」
「例の便利魔法を発掘した一番上のお母さんだよ」
「へぇー」
薫は、そんな子供たちの様子を見ながら、
「君たちは、そろそろかなって思ったのよ」
子供たち10人は、1列に並ばされた。そこに薫が、
「フーエルレムナント」
薫は、子供の顔をじっと見て、
「この子は持ってるわね」
次々とフーレムレムナントをかけていく。
上位5人が終わり、次は、
「一緒に並んでるし、ついでに見るわね。フーエルレムナント」
薫はクリフの顔をじっと見て、
「驚いた。あなたも一本だけだけど持っているわね」
薫は、下位5人の子供たちにも次々とフーエルレムナントをかけていく。
「驚いた。10人全員持っていたわ」
そこで二郎が呼ばれ、
「あなた。10人全員持っていたわ。でも、花菜香や風雅みたいに詰まっているの。魔力を込めていってやってくれるかしら?手加減間違えないでね♪」
「分かった」
そして、今度は二郎が1人1人子供たちの前に立ち、
「ふん!」
「ぽん!」
子供たちからは人体からはあり得ない音を立てて、倒れそうになる。二郎がそれを支えて、
「立てるか?」
「はい。大丈夫です」
そして、二郎が10人全員回ったところで、
「はいはーい、これから、今何をやったかについて説明するわね」
薫の説明が入る。
「まず、人には魔力袋という目に見えない器官があり、そこに魔力を溜めておくのは知っているわね」
「はい」
「これで、普通の人なら話が終わるんだけど、あなたたち10人は、魔力タンクという別の器官でも魔力を溜めていることが今日、分かったの」
「魔力タンクですか?」
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「そう。魔力タンク。1個で魔力袋10個分の魔力を溜めておけ、それぞれ回復が付いているの。それで、私が魔力タンクのあるなしを調べて、でも、魔力タンクに問題があったの」
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