仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ

ぷい16

花菜香と風雅と古代施設 4

 花菜香はなか風雅ふうがも、予定がない日は古代施設にこもって施設を調べていた。

 調べていくうちに、この施設の名前がメクルローサ中央交換局というのが分かった。

 ちなみにメクルローサというのは、アハントルト王国が建国される前のこの地にあった国の名前である。


 施設をある程度制御できるようになったところで新学期となった。

 花菜香はなか風雅ふうがは、魔道具学の教授と、魔法発掘学の教授に話しを通して魔法発掘学の生徒をメクルローサ中央交換局の案内をした。

 簡単に各階の案内をして、地下1階で、コンピュータの使い方を教える。


「今研究していることを検索したら、古い論文が出てきたわ」

「コンピュータを触っていたら、昔の記録映像が出てきた。昔の人の暮らしは進んでいるな」

「ここの施設のことをもっと知りたい。教授に相談して、ここの施設の研究を論文にして、それで卒業できないか後で聞いてみよう」


 いろいろな感想が出た。


「ここの施設は素晴らしい。ここの施設を使ったら研究がはかどりそうだ」


 みな、ここの施設に好印象なようだ。

 幸い、学校の研究室にも電話線が通っているようだ。


「研究室に電話線が通っているようですけど、コンピュータ、置きますか?」


 そう聞くと、みな、置いてほしいという。


「それでは教授にお願いしてみて下さい」


 その頃、花菜香はなか風雅ふうがは何をしていたかというと、このコンピュータで、今のアーメイヤス語が使えないかいろいろと調べているのである。

 検索しているうちに方法が見つかった。花菜香はなか風雅ふうがは手分けして、今のアーメイヤス語の実装に着手するのであった。


 数日後、魔法発掘学の研究室に、コンピュータの設置許可が下りたので、花菜香はなか風雅ふうがは設置に行った。3台のコンピュータを研究室に置いた。研究室のみなは嬉しそうであった。


 1ヶ月ってようやく今のアーメイヤス語の実装ができた。花菜香はなか風雅ふうがはテストを重ねた。うまくいっているようなのでアップデートとしてサーバに置くことにした。


 ここのネットワークは継続的に使いたいのでまず2人は二郎に相談。二郎は理解はしてくれたが、「国を動かすならよほどプレゼンテーションをうまくしないと人員をいてくれないのではないか?」ときびしめの感想。

 とにかくプレゼンテーションの場は作ってくれるようだ。

 花菜香はなか風雅ふうがは前向きに対処してくれるようプレゼンテーション用の資料作りと、発表の練習をするのであった。


 そしてプレゼンテーション当日。王城の会議室にコンピュータと大型スクリーンを設置。

 関係者が集まってくる。

 集まったところで資料を配る。

 プレゼンテーションが始まる。

 ここ何十年とプレゼンテーションソフトを使ってのプレゼンテーションなんてされていないからみな、珍しがっていた。

 結果、電話とコンピュータを試してみて、便利だったら予算と人員を割くことに決まった。


 実地試験ということで、王城各所に電話が配置された。コンピュータも電話ほどではないが配置された。

 最初はおっかなびっくり使っていた電話も、1週間もすると気軽に使われ始めた。

 コンピュータの方は、蓄積がないためメリットがなく、あまり使われていないようだ。こちらはこれからだろう。


 ネットワーク網が使えると分かったら、予算と人員が付いた。花菜香はなか風雅ふうがは数日にかけて施設の説明をした。


「分からなかったらマニュアルがありますので適宜てきぎ、マニュアルを読むようにして下さい」

「「「いや、この言葉、読めないですから!」」」


 この頃、ミランダさんが出産した。男の子でエミールと名付けられ、大切に育てられた。


 王城で使った電話が便利だったので、王城勤めの貴族を中心に、自宅に電話を持ちたいと依頼が殺到しているらしいが、在庫が少なくなってきている。

 ネットで検索したら、電話の工場が見つかった。王城に立ち入り許可を申請している。


 数日がち、立ち入り許可が下りた。花菜香はなか風雅ふうがはメクルローサ中央交換局のときのように調べて回った。

 調べ回って、少し稼働してみると、稼働に問題はなく、そのことを王城に報告。するとまた工場にも人員をいてくれることになった。


「説明は以上です。分からなかったらマニュアルがありますので適宜てきぎ、マニュアルを読むようにして下さい」

「「「いや、この言葉、読めないですから!」」」


 お決まりのやり取りの後、工場を引き渡した。


 それから花菜香はなか風雅ふうがは王城と連絡を取りながら、今度は地方局を復活させていった。地方局もメクルローサ中央交換局と、設備はほとんど同じだったので、それほどなんもなく立ち上げることができた。

 地方局にも電話機やコンピュータの在庫が山ほどあった。しかし在庫をどこを優先に配るかは、やって来た役人次第だろう。


 そうしてアハントルト王国全土のネットワーク網を復活させると、学校の後期も終わり、もうすぐ卒業シーズンとなる。

 一度学校に戻り、卒業式がどうなっているか、確認することにした。事務棟の窓口で聞くと、


「学術院は基本的に卒業する時期がバラバラなので、卒業式は特にやっていないですね」


 との返事だった。


「あっ。まだ高等部の卒業式に出られていませんでしたね。もしよろしければそちらに出られるか確認を取ってみますが」

「よろしくお願いします」


 しばらくち、


「高等部の卒業式には出席可能だそうです。参加されますか?」

「「はい」」

「それでは事前に卒業証書を持って来て下さい」


 卒業証書はアイテムボックスに入れてあったので、それを渡す。


「確かにお預かりしました。式の練習がありますのでそれには参加して下さいね」


 そして家族に見守られ、卒業式を無事終えるのであった。

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