仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
麻宗家の複雑な家庭事情を聞かされ顔が青くなった伯爵
私はエドガー・フリーテージ。フリーテージ伯爵である。
今日は王城の一室を借りて、身内だけで夜会が開かれるのである。
「ステファニー、カイル、今日は粗相のないようにな」
「「はい」」
私の家族を紹介しよう。妻のケイトに長女のステファニー、長男のカイルだ。
私たちが到着した頃、もう一団が到着した。リーガンズ伯爵家だ。
ジェームス・リーガンズ伯爵に、奥さんのハレッタ婦人、息子で跡取りのジョージア君だ。
「リーガンズ伯爵、こんばんは」
「フリーテージ伯爵、良い夜だな」
従者の案内で、広間に通された。
「リーガンズ伯爵、フリーテージ伯爵。ようこそいらっしゃいました」
「アソウ伯爵、今日は呼んでいただき、感謝する」
「アソウ伯爵、夜会と聞いて、かけ参じましたぞ」
アソウ家の面々も、まだ家族で固まっている。ジロウ・アソウ公爵に、第1夫人のカオルさん、第2夫人のミネルバ様、第3夫人のカッテリーナ様、第4夫人のエテラーシアさん、第5夫人のヨーネスティンさん、第6夫人のミランダさんに、長女のハナカさん、そして、娘と婚約した長男のフウガ君だ。
聞くところによると、第2夫人以下のお子さんはまだ小さく、本日の夜会には不参加だそうだ。
今日は家族の顔見せだと聞く。まだ家族で固まっていた方がいいであろう。
アソウ公爵とリーガンズ伯爵と談笑していると、扉が開いた。バ、バ、バーンクリット公爵家の面々だ。
バーンクリット公爵を先頭に、ブレンナ夫人、長男で跡取りのチャールズさんに、その妻のアイノスティンさん、その後ろに国王やバーンクリット公爵の弟のシンロブモント様まで。
「アソウ公爵、身内だけでと聞いていたのだが、バーンクリット公爵とはどういった関係なんだい?」
「あぁ。花菜香や風雅の実母の薫は、昔の名前をエリアリアーナ・バーンクリットと言いまして、バーンクリット公爵の娘なんですよ」
「おぉ。あの、一時長い間行方不明になっていたという、あのエリアリアーナ様か」
「秀才エリアリアーナ・バーンクリット…」
「あぁ。秀才エリアリアーナ・バーンクリット。妻はよくそう言われますね。小さい頃に異世界に飛ばされて、私と一緒になり、花菜香や風雅を産んでから勇者召喚の異世界転移で偶然、元いた世界に戻ってきたわけです」
「異世界に、勇者召喚の儀ですか。では、アソウ公爵は異世界人な訳ですか?」
「そうです。異世界生まれで異世界育ちですよ。花菜香や風雅にしたってそうですが」
「おぉ。それは想像も出来ないですな」
それから私とリーガンズ伯爵は、バーンクリット公爵に家族の紹介をすると、それからはバーンクリット公爵からありがたい話を聞かされることになるのであった。
そして、しばらくそうしていると、
「おぉ。待たせたな」
「こ、国王!?」
「おぉ!アバン。よく来た!」
入ってきたのは国王一家であった。アバン国王にパトリシア王妃、パーサー王太子にその妻のアヴァリン王太子妃だった。
「ア、アソウ公爵、これは、貴殿がミネルバ様とカッテリーナ様を妻にしたからか?」
アソウ公爵と言えば、行きおくれと言われていたミネルバ王女とカッテリーナ王女を妻として迎えたのが有名だ。そして、2人に、それぞれ2人ずつの子供を産ませたという。陰では行き遅れ王女たちを優しく受け入れ、子供も設けた大英雄と名高い。声を大にしては言えんが。
しかし、王家の血を引く妻が3人か…。それぞれに子供を産ませてアソウ公爵は王族の血を引くものをどれだけ量産するんだろうか…。
「それもあるでしょうし、妻の薫はアヴァリン王太子妃の姉ですから」
「なるほど。そこでも血縁で繋がっているのですね」
アヴァリン王太子妃はバーンクリット公爵の娘。そこでも繋がっているということなんですね。
「ルイジアンヌ国王、ご機嫌麗しゅう」
「ルイジアンヌ国王、こうして身近に話す機会を与えて下さりありがとうございます」
「フリーテージ伯爵、リーガンズ伯爵、そう堅苦しくするでない。今日は身内の集まりなのだから」
そして家族を紹介し、家族もバラけて歓談となった。国王はバーンクリット公爵とシンブロモント様と楽しそうに話している。今は我々はアソウ公爵とリーガンズ伯爵と一緒に居る。
「ところでアソウ公爵、第4夫人、第5夫人、第6夫人はどうも見覚えがないのですが、どこの家からもらったんですか?」
「あぁ。皆外国から連れて来たのです。エテラーシアはタンザナティア王国の王家から、ヨーネスティンはジルベチア王国の王家から、ミランダはアハンハルト王国の王家から嫁いできました」
「「まさかのカオル様以外全員王女!」」
私は娘をとんでもない家庭に嫁に出すことになったのではないかと心の中で冷や汗をかいた。この王女孕ませ野郎が!リーガンズ伯爵も同じことを思ったのか少し顔色が悪い。
「と、言うわけで、息子さんや娘さんは、西方諸国連合の王族の血を受け継ぐ者と義理の兄姉になりますのでよろしく!」
アソウ公爵は軽くそんなことを言った。確かに今日聞いた話を合わせると、アソウ公爵は西方諸国連合各国の王族から嫁をもらっていて、我が娘はその嫁の子供、つまりは西方諸国連合各国の王族の血を受け継いだものたちの義理の姉になることになる。
考えれば考えるほど頭が痛い。
こんな頭の痛い話を聞かされるくらいなら、今日は都合が付かなかったと欠席した方が良かったのではなかろうか?
いや、知らずに行動するのは危ないので、今聞けたのは幸いか?
その後、我々のグループは国王兄弟のグループと合流し、かなり国の上層部の話を聞かされた。一介の伯爵がそんな国の内部事情を知って大丈夫なのであろうか?
ふとみると、子供たちは集まって、ほろ酔いで楽しそうに会話しているようだ。妻の方を見てみると、あちらも楽しそうだ。私もあんな風に楽しくお酒を飲みたかった。
「お、もうこんな時間か。時間の経つのは早いな。そろそろお開きにするか」
…やっと終わった。長かった。内容の濃い、インパクトのある夜会であった。
「今日は楽しかった。またこのメンバーで集まろうではないか」
そして家族が集まり、会場を退出することになった。帰りがリーガンズ伯爵家と一緒になったので、
「リーガンズ伯爵、今日のうちに、忘れないうちにアソウ家の濃いさを家族と共有しておいた方がいいぞ」
「そうだな。帰ったらアソウ公爵から聞いた話を家族に話す」
今日は酔わなかった。いや、衝撃の事実の連続で酔えなかった。果たして娘をあの家に入れて、娘は幸せになれるのだろうか?心配だ。
今日は王城の一室を借りて、身内だけで夜会が開かれるのである。
「ステファニー、カイル、今日は粗相のないようにな」
「「はい」」
私の家族を紹介しよう。妻のケイトに長女のステファニー、長男のカイルだ。
私たちが到着した頃、もう一団が到着した。リーガンズ伯爵家だ。
ジェームス・リーガンズ伯爵に、奥さんのハレッタ婦人、息子で跡取りのジョージア君だ。
「リーガンズ伯爵、こんばんは」
「フリーテージ伯爵、良い夜だな」
従者の案内で、広間に通された。
「リーガンズ伯爵、フリーテージ伯爵。ようこそいらっしゃいました」
「アソウ伯爵、今日は呼んでいただき、感謝する」
「アソウ伯爵、夜会と聞いて、かけ参じましたぞ」
アソウ家の面々も、まだ家族で固まっている。ジロウ・アソウ公爵に、第1夫人のカオルさん、第2夫人のミネルバ様、第3夫人のカッテリーナ様、第4夫人のエテラーシアさん、第5夫人のヨーネスティンさん、第6夫人のミランダさんに、長女のハナカさん、そして、娘と婚約した長男のフウガ君だ。
聞くところによると、第2夫人以下のお子さんはまだ小さく、本日の夜会には不参加だそうだ。
今日は家族の顔見せだと聞く。まだ家族で固まっていた方がいいであろう。
アソウ公爵とリーガンズ伯爵と談笑していると、扉が開いた。バ、バ、バーンクリット公爵家の面々だ。
バーンクリット公爵を先頭に、ブレンナ夫人、長男で跡取りのチャールズさんに、その妻のアイノスティンさん、その後ろに国王やバーンクリット公爵の弟のシンロブモント様まで。
「アソウ公爵、身内だけでと聞いていたのだが、バーンクリット公爵とはどういった関係なんだい?」
「あぁ。花菜香や風雅の実母の薫は、昔の名前をエリアリアーナ・バーンクリットと言いまして、バーンクリット公爵の娘なんですよ」
「おぉ。あの、一時長い間行方不明になっていたという、あのエリアリアーナ様か」
「秀才エリアリアーナ・バーンクリット…」
「あぁ。秀才エリアリアーナ・バーンクリット。妻はよくそう言われますね。小さい頃に異世界に飛ばされて、私と一緒になり、花菜香や風雅を産んでから勇者召喚の異世界転移で偶然、元いた世界に戻ってきたわけです」
「異世界に、勇者召喚の儀ですか。では、アソウ公爵は異世界人な訳ですか?」
「そうです。異世界生まれで異世界育ちですよ。花菜香や風雅にしたってそうですが」
「おぉ。それは想像も出来ないですな」
それから私とリーガンズ伯爵は、バーンクリット公爵に家族の紹介をすると、それからはバーンクリット公爵からありがたい話を聞かされることになるのであった。
そして、しばらくそうしていると、
「おぉ。待たせたな」
「こ、国王!?」
「おぉ!アバン。よく来た!」
入ってきたのは国王一家であった。アバン国王にパトリシア王妃、パーサー王太子にその妻のアヴァリン王太子妃だった。
「ア、アソウ公爵、これは、貴殿がミネルバ様とカッテリーナ様を妻にしたからか?」
アソウ公爵と言えば、行きおくれと言われていたミネルバ王女とカッテリーナ王女を妻として迎えたのが有名だ。そして、2人に、それぞれ2人ずつの子供を産ませたという。陰では行き遅れ王女たちを優しく受け入れ、子供も設けた大英雄と名高い。声を大にしては言えんが。
しかし、王家の血を引く妻が3人か…。それぞれに子供を産ませてアソウ公爵は王族の血を引くものをどれだけ量産するんだろうか…。
「それもあるでしょうし、妻の薫はアヴァリン王太子妃の姉ですから」
「なるほど。そこでも血縁で繋がっているのですね」
アヴァリン王太子妃はバーンクリット公爵の娘。そこでも繋がっているということなんですね。
「ルイジアンヌ国王、ご機嫌麗しゅう」
「ルイジアンヌ国王、こうして身近に話す機会を与えて下さりありがとうございます」
「フリーテージ伯爵、リーガンズ伯爵、そう堅苦しくするでない。今日は身内の集まりなのだから」
そして家族を紹介し、家族もバラけて歓談となった。国王はバーンクリット公爵とシンブロモント様と楽しそうに話している。今は我々はアソウ公爵とリーガンズ伯爵と一緒に居る。
「ところでアソウ公爵、第4夫人、第5夫人、第6夫人はどうも見覚えがないのですが、どこの家からもらったんですか?」
「あぁ。皆外国から連れて来たのです。エテラーシアはタンザナティア王国の王家から、ヨーネスティンはジルベチア王国の王家から、ミランダはアハンハルト王国の王家から嫁いできました」
「「まさかのカオル様以外全員王女!」」
私は娘をとんでもない家庭に嫁に出すことになったのではないかと心の中で冷や汗をかいた。この王女孕ませ野郎が!リーガンズ伯爵も同じことを思ったのか少し顔色が悪い。
「と、言うわけで、息子さんや娘さんは、西方諸国連合の王族の血を受け継ぐ者と義理の兄姉になりますのでよろしく!」
アソウ公爵は軽くそんなことを言った。確かに今日聞いた話を合わせると、アソウ公爵は西方諸国連合各国の王族から嫁をもらっていて、我が娘はその嫁の子供、つまりは西方諸国連合各国の王族の血を受け継いだものたちの義理の姉になることになる。
考えれば考えるほど頭が痛い。
こんな頭の痛い話を聞かされるくらいなら、今日は都合が付かなかったと欠席した方が良かったのではなかろうか?
いや、知らずに行動するのは危ないので、今聞けたのは幸いか?
その後、我々のグループは国王兄弟のグループと合流し、かなり国の上層部の話を聞かされた。一介の伯爵がそんな国の内部事情を知って大丈夫なのであろうか?
ふとみると、子供たちは集まって、ほろ酔いで楽しそうに会話しているようだ。妻の方を見てみると、あちらも楽しそうだ。私もあんな風に楽しくお酒を飲みたかった。
「お、もうこんな時間か。時間の経つのは早いな。そろそろお開きにするか」
…やっと終わった。長かった。内容の濃い、インパクトのある夜会であった。
「今日は楽しかった。またこのメンバーで集まろうではないか」
そして家族が集まり、会場を退出することになった。帰りがリーガンズ伯爵家と一緒になったので、
「リーガンズ伯爵、今日のうちに、忘れないうちにアソウ家の濃いさを家族と共有しておいた方がいいぞ」
「そうだな。帰ったらアソウ公爵から聞いた話を家族に話す」
今日は酔わなかった。いや、衝撃の事実の連続で酔えなかった。果たして娘をあの家に入れて、娘は幸せになれるのだろうか?心配だ。
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