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ぷい16

アハントルト王国での入学試験

 花菜香はなか風雅ふうががアハントルト王国の首都のペンテレストロフにある学校で勉強することに家族会議で決まり、本人たちも了承したので、学校見学をすることにした二郎と花菜香はなか風雅ふうが。屋敷から学校までの馬車で向かっている間に、執事のアブラージモから学校の説明があった。


「侯爵のお子さんということで、それに見合う学校を3つ紹介したいと思います」


 アブラージモの説明によると、最初に向かうのはアハントルト王立魔法学校。この学校国内最高峰の学問が学べる学校であり、入学試験が困難。それに、定期試験で悪い成績を取ると良くて留年。悪くすると退学になる極めて難しい学校だそうな。

 次、2番目に行く学校はペンテレストロフ公立魔法学校。ここは首都、ペンテレストロフが運営する魔法学校で、入学試験は比較的簡単だが、王立魔法学校のように定期試験で悪い成績を取ると良くて留年。悪くすると退学になる極めて難しい学校だそうな。

 その次、3番目に向かう学校はサンザティーヌ私立魔法学校。前の2校に比べて入学試験も定期試験も比較的簡単だが、私立とあって学費が高い。試験が手ぬるいとあって、前の2校と比べてブランド力は落ちるがる。

 3校に共通する話としては、格式を重んじ、学生はほぼ貴族で、貴族としての立ち居振る舞いを徹底的に学べる学校らしい。あと、初等部、中等部、高等部があり、アハントルト王立魔法学校だけは、日本では大学院に当たる学術院があるらしい。


 そうこう説明を受けている間に最初の目的地、アハントルト王立魔法学校に到着した。学校の職員が迎えに来てくれた。その職員から学校のパンフレットをもらい、敷地内に入った。まず最初に思ったのは、建物が大きい。そしてその大きな建物が何棟も建っている。そして、だだっ広い魔法第1訓練場と、第1よりは小さいながらもかなり広々とした第2、第3訓練場があり、第2、第3訓練場よりは狭いが運動場もあった。
 一通り施設を回ったところで何が学べるのか、簡単な授業の説明を受け、見学は終わった。


 次の学校はペンテレストロフ公立魔法学校。建物や訓練場は、アハントルト王立魔法学校よりは若干規模が負けるもののかなり大きかった。
 施設の見学が終わり、授業内容の話では、アハントルト王立魔法学校から少し専門性を削った内容という印象を受けた。やはりアハントルト王立魔法学校の方がレベルが高い印象であった。


 最後に向かうのは、サンザティーヌ私立魔法学校。建物や施設はアハントルト王立魔法学校並。ただ、アハントルト王立魔法学校に比べて生徒数が多いからこの規模になっているらしい。
 室内に入り授業内容の話を聞くと、ペンテレストロフ公立魔法学校より質が落ちるらしい。


 学校見学が終わり、馬車の中で花菜香はなか風雅ふうがにどこの学校に入りたいか聞くと、2人ともアハントルト王立魔法学校に入りたいという返事が返ってきた。しかし、うまい具合にと言うか何というか3校とも入学試験の日にちがずれている。受験は3校とも受けるらしい。途中、本屋に寄り、学校1校に焦点を絞った問題集、日本流に言うと赤本を3校分、2人それぞれが買ったので6冊の教材を買った。


 学校見学が終わり、馬車で屋敷へ帰り、そこからゲートでザガンガ王国王都の屋敷に戻ると、2人とも早速、買って来た問題集を解き始めた。勉強の意欲が上がるのは良いことだ。


 それから2人は勉強漬けの日々を送った。

 その間、慶事があった。ミランダが出産したのである。
 子供は女の子でミラダリーナと名付けた。

 そして、ザガンガ王国王太子夫妻にも子供が生まれた。
 子供は男の子でエンゲディオスと名付けられた。


 そんなめでたいこともある中、花菜香はなか風雅ふうがは必死に勉強し、入学試験の時期がやって来た。

 最初の試験はアハントルト王立魔法学校。

 試験から帰った2人に感想を聞くと、


「精一杯やったから悔い無し」

「なかなかいい線いったと思います」


 どうやら2人ともやり切ったようだ。


 そして、ペンテレストロフ公立魔法学校、サンザティーヌ私立魔法学校の試験も受けた。


 そして、それから数日が経ち、最初のアハントルト王立魔法学校の合格発表の日。合格者の名前が校内に張り出される。アハントルト王立魔法学校に向かい、2人が掲示板を凝視すると、


「やった!僕の名前、あった!」

「私の名前もありましたわ」


 2人とも合格したようだ。


 2人とも、ペンテレストロフ公立魔法学校、サンザティーヌ私立魔法学校に、他校で合格したから入学しないむねの手紙を書き、速達で送った。


 その後、アハントルト王立魔法学校の入学手続きをした。


「これで晴れて入学することができるようになりましたわ」

「ふぅー。やっと肩の荷が下りた」


 難しい試験をくぐり抜け、第一志望の学校に入学できることになった2人を見て、家族は喜ばしいと共に、張り詰めた緊張感をほぐすのであった。

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