仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
二郎の魔力量
ザガンガ王国での領地視察を終え、王都の麻宗邸へと戻った二郎。
次はアハントルト王国の領地の視察である。アハントルト王国に出かける前に、自宅で小休憩する二郎であった。
「ミネルバもカッテリーナもお腹が大きくなったね」
「そうですわね。どんな子が産まれるか楽しみですわ」
「次は女の子がいいですわね。男の子もいいですが」
家族が増えるのが楽しみな二郎なのであった。
夕食時、ミネルバが、
「私には転移魔法ができるなんて思えません。この中でも二郎さんと薫さんくらいしか使いこなせている人は居ないと思うのですが、やはり、決め手は魔力量ですか?」
すると薫は、
「魔力量は多くないと1人で転移魔法は苦しいわね。あれって普通、複数人で運用するものだから」
と返した。
「魔力量を見ると、多いのは薫さん、次に二郎さんですものね」
「普通に魔力量を見るとそうよね。でも、それにはカラクリがあって、実はダントツで二郎なのよ」
「え?でも、魔力量を見る限りでは…」
薫は魔力量について話し始めた。
「私は持っていないのだけど、二郎は別に、魔力貯蔵タンクを持っているのよ」
魔力探知系の魔法で見える魔力量の他に、二郎には魔力貯蔵庫がある。それも10個。魔力貯蔵も自然回復があるから滅多なことでは二郎の魔力は無くならないことを薫は家族に話すのであった。
食事を終えても雑談は止まらなかった。
「…それはすごいですわね。それが子供たちに受け継がれていたらさぞ優秀な魔法使いだったでしょうに」
「あ、その可能性があったわね。ちょっと調べてみるか。花菜香、風雅、ちょっとこっちに来なさい」
薫は花菜香と風雅を魔法でくまなく調べ始めた。
「…2人とも、タンク、持っているわね」
「じゃぁ、何故、魔法をいっぱい使ったら魔力切れを起こすのですか?」
「魔力タンクの配管が詰まっている、というか、うまく機能していないのよ。そこが通れば今まで以上に魔力を持てるわよ。これから指導するからその通りにやってね」
花菜香と風雅は薫に言われたとおり、配管の機能回復に取り組んだ。
「花菜香は順調ね。それを続けていけばタンクが使えるわ。風雅、全然進んでないわね」
「お母さんの課題が難しすぎるんだよ」
「仕方がないわね。二郎、風雅にちょっと魔力を流してやって」
「分った」
二郎は風雅に、ちょっとだけ魔力を分けてあげようとしたのだが、
ボン!
風雅は頭から大量に湯気を上げ、そのまま倒れてしまった。
「二郎!もう少し加減しなさいよ!」
薫は風雅をくまなく調べ、
「体には異常は無いわね。ついでに配管の詰まりも取れてる。結果オーライだけど二郎は魔力供給を練習しないとけないわね」
風雅も成長が必要だが、二郎も成長が必要であった。
そして、二郎、出発の日。
「あなたの領地なのだから、しっかり見てきなさいよ」
「あぁ。しっかり見てくるよ」
家族にも守られ、ゲートで王城へ。あれだけ結婚披露宴で通っていたのに二郎は下賜された王都邸も、領地の場所も知らないのであった。
「あぁオカツカ侯爵。いかがなされました?」
「国王に下賜された王都邸と領地を確認しようと思いましてね」
二郎は官僚と話し、領地の名前と王都邸の場所を聞き出し、アハントルト王国の地図をもらった。
「屋敷はここか。デカいな」
その屋敷はサガンガ王国の麻宗邸よりも大きかった。すると門番が、
「ここは侯爵様の屋敷だぞ。侯爵様に何か用か?用がなければ立ち去れ!」
ずいぶんな言いようである。二郎は身分を示すメダルを門番に見せ、
「旦那様でしたか。失礼しました。どうぞお通り下さい」
門から入り、庭を通り屋敷の中へ。するとメイドが
「アブラージモさーん、お客さん来たよー」
「はて。今日は面接も何も無かったはず。まぁいいでしょう。私はここの執事をやっているアブラージモ・デルラだ。で、何の用だ?」
ずいぶんと偉そうだなと二郎は思った。その偉いアブラージモさんに二郎は、
「すみません。ジロウ・アソウというしがない侯爵です。アブラージモ様のように偉い方と話すのは恐縮するのですが…」
とか言いながら、わざと卑屈になり、身分を示すメダルをアブラージモに見せると、アブラージモは顔面蒼白になり、
「ご主人様でしたか!失礼致しました!平に、平にご容赦を!」
アブラージモを許すと、執事、メイドが勢揃い。
「お帰りなさいませご主人様」
やっと主人らしくなるのであった。
次はアハントルト王国の領地の視察である。アハントルト王国に出かける前に、自宅で小休憩する二郎であった。
「ミネルバもカッテリーナもお腹が大きくなったね」
「そうですわね。どんな子が産まれるか楽しみですわ」
「次は女の子がいいですわね。男の子もいいですが」
家族が増えるのが楽しみな二郎なのであった。
夕食時、ミネルバが、
「私には転移魔法ができるなんて思えません。この中でも二郎さんと薫さんくらいしか使いこなせている人は居ないと思うのですが、やはり、決め手は魔力量ですか?」
すると薫は、
「魔力量は多くないと1人で転移魔法は苦しいわね。あれって普通、複数人で運用するものだから」
と返した。
「魔力量を見ると、多いのは薫さん、次に二郎さんですものね」
「普通に魔力量を見るとそうよね。でも、それにはカラクリがあって、実はダントツで二郎なのよ」
「え?でも、魔力量を見る限りでは…」
薫は魔力量について話し始めた。
「私は持っていないのだけど、二郎は別に、魔力貯蔵タンクを持っているのよ」
魔力探知系の魔法で見える魔力量の他に、二郎には魔力貯蔵庫がある。それも10個。魔力貯蔵も自然回復があるから滅多なことでは二郎の魔力は無くならないことを薫は家族に話すのであった。
食事を終えても雑談は止まらなかった。
「…それはすごいですわね。それが子供たちに受け継がれていたらさぞ優秀な魔法使いだったでしょうに」
「あ、その可能性があったわね。ちょっと調べてみるか。花菜香、風雅、ちょっとこっちに来なさい」
薫は花菜香と風雅を魔法でくまなく調べ始めた。
「…2人とも、タンク、持っているわね」
「じゃぁ、何故、魔法をいっぱい使ったら魔力切れを起こすのですか?」
「魔力タンクの配管が詰まっている、というか、うまく機能していないのよ。そこが通れば今まで以上に魔力を持てるわよ。これから指導するからその通りにやってね」
花菜香と風雅は薫に言われたとおり、配管の機能回復に取り組んだ。
「花菜香は順調ね。それを続けていけばタンクが使えるわ。風雅、全然進んでないわね」
「お母さんの課題が難しすぎるんだよ」
「仕方がないわね。二郎、風雅にちょっと魔力を流してやって」
「分った」
二郎は風雅に、ちょっとだけ魔力を分けてあげようとしたのだが、
ボン!
風雅は頭から大量に湯気を上げ、そのまま倒れてしまった。
「二郎!もう少し加減しなさいよ!」
薫は風雅をくまなく調べ、
「体には異常は無いわね。ついでに配管の詰まりも取れてる。結果オーライだけど二郎は魔力供給を練習しないとけないわね」
風雅も成長が必要だが、二郎も成長が必要であった。
そして、二郎、出発の日。
「あなたの領地なのだから、しっかり見てきなさいよ」
「あぁ。しっかり見てくるよ」
家族にも守られ、ゲートで王城へ。あれだけ結婚披露宴で通っていたのに二郎は下賜された王都邸も、領地の場所も知らないのであった。
「あぁオカツカ侯爵。いかがなされました?」
「国王に下賜された王都邸と領地を確認しようと思いましてね」
二郎は官僚と話し、領地の名前と王都邸の場所を聞き出し、アハントルト王国の地図をもらった。
「屋敷はここか。デカいな」
その屋敷はサガンガ王国の麻宗邸よりも大きかった。すると門番が、
「ここは侯爵様の屋敷だぞ。侯爵様に何か用か?用がなければ立ち去れ!」
ずいぶんな言いようである。二郎は身分を示すメダルを門番に見せ、
「旦那様でしたか。失礼しました。どうぞお通り下さい」
門から入り、庭を通り屋敷の中へ。するとメイドが
「アブラージモさーん、お客さん来たよー」
「はて。今日は面接も何も無かったはず。まぁいいでしょう。私はここの執事をやっているアブラージモ・デルラだ。で、何の用だ?」
ずいぶんと偉そうだなと二郎は思った。その偉いアブラージモさんに二郎は、
「すみません。ジロウ・アソウというしがない侯爵です。アブラージモ様のように偉い方と話すのは恐縮するのですが…」
とか言いながら、わざと卑屈になり、身分を示すメダルをアブラージモに見せると、アブラージモは顔面蒼白になり、
「ご主人様でしたか!失礼致しました!平に、平にご容赦を!」
アブラージモを許すと、執事、メイドが勢揃い。
「お帰りなさいませご主人様」
やっと主人らしくなるのであった。
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