仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
汚泥のサンプルの持ち帰り
勇者一行、魔王、各地の魔物のリーダーがゾロゾロと森から草原に向けて歩いて行く。端から見たら、とってもシュールな光景であろう。
勇者と魔物の一行は、やっと平野部に出て、とりあえず魔物たちは、一番大きな魔法陣の上に案内された。魔法陣魔力供給班はすかさず魔法陣に魔力を供給する。その隣には役人たちが整列している。その団体を見渡す形で二郎、アマズス・ゲロットス、魔王が並んだ。
『それでは、魔物のリーダーの皆様、それに人間の役人の皆様、両者の争いが無くなりますようにこの話し合いの場が設けられました。実行可能な、現実的な取り決めを行えるよう、皆様全力で取り組んで下さい。それでは会談スタート!』
まずは役人たちが動き始めた。魔物が魔法陣に乗っているときにしか会話ができない。魔物が魔法陣から離れれば都合が悪いのだ。役人たちがどこどこの担当かを魔物に聞いていき、役人との担当が合うとぞろぞろと椅子とテーブルのある会談スペースに散っていく。どうやらスムーズに担当分けができたようだ。
魔法陣魔力供給班も散っていき、それぞれのテーブルの下に敷かれた魔法陣に魔力を供給し始める。最後に残った魔王、アマズス・ゲロットス、二郎もテーブルに着き、二郎が魔力供給をしながら会談し始めるのであった。
*
アマブルグ。そこは、街道沿いの、王都にほど近い町で、王都に近すぎる故に街道を素通りされて、宿場町の機能を有していない。主産業は小麦の栽培。実にのどかな町であった。そこの1件の空き家に馬車が3台、馬車から空き家に数名の者が荷物を運び入れていた。そこに向かってキャンピングカーを走らせる薫。キャンピングカーが到着すると、例の汚泥のサンプルを渡し、キャンピングカーは王都へ向け走り出すのであった。
王城に到着した薫は、王に謁見の申し出をした。程なくして許可が通り、薫とダーリーは、謁見の間へと通されるのであった。
『ガーネルザロドロイスの森への探索、大義であった』
まずは王が、ねぎらいの言葉をかけてくれた。
『して、何か成果はあったか?』
『はい。例の汚泥のある場所への潜入に成功し、サンプルを取ることに成功しました。ただ今研究部会の者に調べさせております』
『おぉ。持ち帰ったか』
『それから、望遠鏡で遠くから見たときには作業員が2名、確認できたのですが、潜入した結果、周囲には住処らしきものは見つかりませんでした。そして、魔法陣がありました』
『魔法陣とな?』
『魔法陣は、人や物を運ぶ転移の魔法陣でして、どこと繋がっているのか探ってみたところ、イタブルグに繋がっていました』
『イタブルグとな?この近くの町ではないか。して、薫、詳しい場所は分るのか?』
『私がイタブルグへ向かえば、詳しい場所は分ります』
『あい分かった。後日調査隊を向かわせるので、薫はそれに同行するように。そこまで調査が進むとは思わなんだ。今日はゆっくり休むが良い』
『はっ。ありがとうございます』
薫とダーリーは謁見の間を出た。
『しかし薫様はさすが魔法に精通しておりますな。魔法陣がどこに繋がっているのか場所の特定ができるなんて』
『小さいときに興味本位でいろいろな書物を読みあさったからな。でも、実際に使えるようになったのは最近のことだぞ』
『薫様が同行されて助かりました。もし居なければここまで調査が進みませんでしたから』
そうして2人で話していると、
『それでは私は研究部会に顔を出してきます』
『それでは私は久々に子供たちに顔を見せようかしら』
薫は、キャンピングカーと馬車の切り離しを行い、馬車は片付けるように指示を出し、キャンピングカーでバーンクリット邸まで向かった。
『お帰りなさいませエリアリアーナお姉様』
『ただいまアヴァリン。やっと帰れたわよ』
アヴァリンの出迎えで、屋敷に入り、借りていた客間に入る。子供たちが近寄ってこようとするが、
『ごめんなさい。汚れてるかも知れないから先にお風呂に入るわね』
着ているものを洗濯に出し、風呂に入って念入りに体を洗って新しい服装に着替えて出ると、
「ママ-」
「ママ寂しかった」
子供たちが近寄ってきた。思えば魔王に会ってから、私は汚染の調査に、夫の二郎は会談の準備に忙しく、子供たちを構ってやれなかった。
「ごめんね2人とも。今日はもう用事がないから一緒に居られるわよ」
「わあい」
薫は久しぶりに子供とのスキンシップの時間を楽しむのであった。
勇者と魔物の一行は、やっと平野部に出て、とりあえず魔物たちは、一番大きな魔法陣の上に案内された。魔法陣魔力供給班はすかさず魔法陣に魔力を供給する。その隣には役人たちが整列している。その団体を見渡す形で二郎、アマズス・ゲロットス、魔王が並んだ。
『それでは、魔物のリーダーの皆様、それに人間の役人の皆様、両者の争いが無くなりますようにこの話し合いの場が設けられました。実行可能な、現実的な取り決めを行えるよう、皆様全力で取り組んで下さい。それでは会談スタート!』
まずは役人たちが動き始めた。魔物が魔法陣に乗っているときにしか会話ができない。魔物が魔法陣から離れれば都合が悪いのだ。役人たちがどこどこの担当かを魔物に聞いていき、役人との担当が合うとぞろぞろと椅子とテーブルのある会談スペースに散っていく。どうやらスムーズに担当分けができたようだ。
魔法陣魔力供給班も散っていき、それぞれのテーブルの下に敷かれた魔法陣に魔力を供給し始める。最後に残った魔王、アマズス・ゲロットス、二郎もテーブルに着き、二郎が魔力供給をしながら会談し始めるのであった。
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アマブルグ。そこは、街道沿いの、王都にほど近い町で、王都に近すぎる故に街道を素通りされて、宿場町の機能を有していない。主産業は小麦の栽培。実にのどかな町であった。そこの1件の空き家に馬車が3台、馬車から空き家に数名の者が荷物を運び入れていた。そこに向かってキャンピングカーを走らせる薫。キャンピングカーが到着すると、例の汚泥のサンプルを渡し、キャンピングカーは王都へ向け走り出すのであった。
王城に到着した薫は、王に謁見の申し出をした。程なくして許可が通り、薫とダーリーは、謁見の間へと通されるのであった。
『ガーネルザロドロイスの森への探索、大義であった』
まずは王が、ねぎらいの言葉をかけてくれた。
『して、何か成果はあったか?』
『はい。例の汚泥のある場所への潜入に成功し、サンプルを取ることに成功しました。ただ今研究部会の者に調べさせております』
『おぉ。持ち帰ったか』
『それから、望遠鏡で遠くから見たときには作業員が2名、確認できたのですが、潜入した結果、周囲には住処らしきものは見つかりませんでした。そして、魔法陣がありました』
『魔法陣とな?』
『魔法陣は、人や物を運ぶ転移の魔法陣でして、どこと繋がっているのか探ってみたところ、イタブルグに繋がっていました』
『イタブルグとな?この近くの町ではないか。して、薫、詳しい場所は分るのか?』
『私がイタブルグへ向かえば、詳しい場所は分ります』
『あい分かった。後日調査隊を向かわせるので、薫はそれに同行するように。そこまで調査が進むとは思わなんだ。今日はゆっくり休むが良い』
『はっ。ありがとうございます』
薫とダーリーは謁見の間を出た。
『しかし薫様はさすが魔法に精通しておりますな。魔法陣がどこに繋がっているのか場所の特定ができるなんて』
『小さいときに興味本位でいろいろな書物を読みあさったからな。でも、実際に使えるようになったのは最近のことだぞ』
『薫様が同行されて助かりました。もし居なければここまで調査が進みませんでしたから』
そうして2人で話していると、
『それでは私は研究部会に顔を出してきます』
『それでは私は久々に子供たちに顔を見せようかしら』
薫は、キャンピングカーと馬車の切り離しを行い、馬車は片付けるように指示を出し、キャンピングカーでバーンクリット邸まで向かった。
『お帰りなさいませエリアリアーナお姉様』
『ただいまアヴァリン。やっと帰れたわよ』
アヴァリンの出迎えで、屋敷に入り、借りていた客間に入る。子供たちが近寄ってこようとするが、
『ごめんなさい。汚れてるかも知れないから先にお風呂に入るわね』
着ているものを洗濯に出し、風呂に入って念入りに体を洗って新しい服装に着替えて出ると、
「ママ-」
「ママ寂しかった」
子供たちが近寄ってきた。思えば魔王に会ってから、私は汚染の調査に、夫の二郎は会談の準備に忙しく、子供たちを構ってやれなかった。
「ごめんね2人とも。今日はもう用事がないから一緒に居られるわよ」
「わあい」
薫は久しぶりに子供とのスキンシップの時間を楽しむのであった。
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