仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
物資の補給と最後の中ボス
『あ、せっかくだから、薬草とかも分けてもらいましょう』
俺たちが城の武器庫を漁って、今の実力に合う装備をし終えたとき、薫がそんなことを言い出した。
この中では薫が一番薬学に精通している。カーライルが最も基本的な回復薬や解毒薬の作成、ステインが、その1ランク上の回復薬や解毒薬を、上級者のアンリエッタやメンドローサ。薫はその上をいく。
薫は、薬倉庫に案内され、「今必要な物は…」と言いながら、薬草を箱に詰めていく。続いて液状の薬品類もだ。そうして一通り集め終わり、
『さぁ、ここでの用は済んだことだし、バーンクリット邸へ行きましょ』
そう薫は言うのであった。
『まぁ、お姉様。お帰りなさいませ』
出迎えてくれたのはアヴァリンお嬢様。程なくしてリチャードお義父様とチャールズお義兄様が帰って来たので玄関ホールでお出迎えだ。
そしてその後、まだ他の部屋をお片付け中のブレンナお義母様と合流して夕飯となる。
『およそ1年、経験を積みに討伐を進めていたら、王への報告を忘れてしまっていて、今日、王様からお叱りを受けてしまいましたわ』
『そりゃぁ怒られるだろ』
薫は今日怒られたことを家族に話す。これ、食事時の会話だろうか?
夕食が終わり、風呂も済ませれば一時の勉強の時間だ。
薫は子供たちに魔法の基礎の本を読み聞かせる。
俺は薬学の本を読んだ。基本的な回復薬と、解毒薬の本だ。そこには薫が作って子供達に飲ませていた魔力の回復薬も載っていた。乾燥させたヨモーゲルの葉をすりこぎで粉々にしてスイスイモクの樹液と混ぜるだけのシンプルなものだった。これなら俺にも作れそうだ。
そうして、本を1冊読み切り、子供たちに読み聞かせていた本も一緒に預かり図書室に返してきてから今日は就寝した。
翌朝、俺は目が覚めた。やはり家族では一番早起きだった。またキャンピングカーのための油を回収に行き、満タンにした後、朝食を食べる。
『そう言えば、ここの図書室の本、借りられませんか?夜番のとき、何もすることがなくて暇なんですよ』
『魔術や薬学の基礎の本なら持ち出しは禁止していないから持って行くといい』
リチャードお義父様に許しを得たので本を10冊ほど借りていくことにした。
朝食の後、作戦会議をする。今日、どこで討伐訓練をするか決めていなかったのだ。
『城下町周辺は魔物が弱くて訓練にならないだろ?どこへ行く?』
『クロッドキューブの森も棄てがたい候補ではあるが、その隣のパンバンデーの森なんてどうですか?クロッドキューブの森よりも少し強い魔物が出ますよ』
と、いうわけで、パンバンデーの森。今日も今日とて討伐訓練なのであった。
そんなこんなで森に入ってから4日が過ぎ、訓練は順調に進んでいた。
『今日の訓練も順調ですね』
『それではもう少し奥まで行きましょうか』
カーライルとアンリエッタがそんなことを話ながら、一行は奥へ奥へと進んだ。
奥へ進んでしばし、視力を強化していたメンドローサが、
『前方に巨大な敵発見!敵に見つかりました。避けられません。こちらに向かってきます!』
前までなら、「皆、全力で逃げるぞ!退避-ー!!!」と逃げるところであるが、もう、皆、逃げない。
皆、剣や杖を手に持ち迎え受ける。
敵の進むスピードが速い。すぐにやって来た。
『中ボスのビッグドロリゴスだ。皆、気合い入れていけ!』
花菜香と風雅が「アイシクルアロー」で足下を凍らせ、動きを封じ込め、
『たあっ!』
『とお!』
俺とカーライルが剣をなぎ、両足を切断。その間、薫は呪文を詠唱している。
両足を失い、動けなくなったビッグドロリゴスに向かって、
『『エクストラ・サンダーボルト!』』
アンリエッタとメンドローサが同じ落雷の技を合わせる。
すると、ビッグドロリゴスに特大の雷が落ち、言葉通り、ビッグドロリゴスの巨体は体内に爆弾があり、それが爆発したかのように、バラバラに弾け飛んだ。
薫は、
『私の出番はなかったわねー。皆成長してるよ』
そんなねぎらいの言葉をかけるのであった。
息は上がってはいるが、前のように戦闘不能ということはない。少し休憩して息を整え、討伐訓練再開である。
もう中ボスを倒したし、訓練じゃなくて実践だよなー。
『中ボスは全て倒れた。残すは魔王のみ。気合い入れて討伐するぞ!』
『『『おぉーーー!』』』
そしてその後は通常の討伐となった。
そして、それから、各地を転々としながら戦闘経験を積む。
そして、また1年の月日が流れた。
…今度はちゃんと、王にも会いに行ったし、バーンクリット家にも顔を出したりしながら。
『もうそろそろ魔王と戦う戦力が付いた頃だと思うんです』
ある日のこと、夕食時にカーライルがそんなことを言い始めた。
『魔王はどこにいるかさえ分りません。そろそろ探し始めても良い頃合いじゃないですか?』
皆、静まりかえる。
魔王討伐。それがこのパーティーの最終目標だったはずだ。
『そうですね。いつ出会えるか分りませんし、もうすでに探す頃合いに来ていると思います』
アンリエッタも賛成の意見を出す。
『その意見はもっともだと思う。薫はどう思う?』
俺は薫の意見も聞きたい。
『そうね。そろそろ頃合いでしょう』
薫も賛成してくれた。
『それでは、魔王捜しの旅に切り替えますか』
そして、旅は経験を積むためから魔王捜しへと目的を変えるのであった。
俺たちが城の武器庫を漁って、今の実力に合う装備をし終えたとき、薫がそんなことを言い出した。
この中では薫が一番薬学に精通している。カーライルが最も基本的な回復薬や解毒薬の作成、ステインが、その1ランク上の回復薬や解毒薬を、上級者のアンリエッタやメンドローサ。薫はその上をいく。
薫は、薬倉庫に案内され、「今必要な物は…」と言いながら、薬草を箱に詰めていく。続いて液状の薬品類もだ。そうして一通り集め終わり、
『さぁ、ここでの用は済んだことだし、バーンクリット邸へ行きましょ』
そう薫は言うのであった。
『まぁ、お姉様。お帰りなさいませ』
出迎えてくれたのはアヴァリンお嬢様。程なくしてリチャードお義父様とチャールズお義兄様が帰って来たので玄関ホールでお出迎えだ。
そしてその後、まだ他の部屋をお片付け中のブレンナお義母様と合流して夕飯となる。
『およそ1年、経験を積みに討伐を進めていたら、王への報告を忘れてしまっていて、今日、王様からお叱りを受けてしまいましたわ』
『そりゃぁ怒られるだろ』
薫は今日怒られたことを家族に話す。これ、食事時の会話だろうか?
夕食が終わり、風呂も済ませれば一時の勉強の時間だ。
薫は子供たちに魔法の基礎の本を読み聞かせる。
俺は薬学の本を読んだ。基本的な回復薬と、解毒薬の本だ。そこには薫が作って子供達に飲ませていた魔力の回復薬も載っていた。乾燥させたヨモーゲルの葉をすりこぎで粉々にしてスイスイモクの樹液と混ぜるだけのシンプルなものだった。これなら俺にも作れそうだ。
そうして、本を1冊読み切り、子供たちに読み聞かせていた本も一緒に預かり図書室に返してきてから今日は就寝した。
翌朝、俺は目が覚めた。やはり家族では一番早起きだった。またキャンピングカーのための油を回収に行き、満タンにした後、朝食を食べる。
『そう言えば、ここの図書室の本、借りられませんか?夜番のとき、何もすることがなくて暇なんですよ』
『魔術や薬学の基礎の本なら持ち出しは禁止していないから持って行くといい』
リチャードお義父様に許しを得たので本を10冊ほど借りていくことにした。
朝食の後、作戦会議をする。今日、どこで討伐訓練をするか決めていなかったのだ。
『城下町周辺は魔物が弱くて訓練にならないだろ?どこへ行く?』
『クロッドキューブの森も棄てがたい候補ではあるが、その隣のパンバンデーの森なんてどうですか?クロッドキューブの森よりも少し強い魔物が出ますよ』
と、いうわけで、パンバンデーの森。今日も今日とて討伐訓練なのであった。
そんなこんなで森に入ってから4日が過ぎ、訓練は順調に進んでいた。
『今日の訓練も順調ですね』
『それではもう少し奥まで行きましょうか』
カーライルとアンリエッタがそんなことを話ながら、一行は奥へ奥へと進んだ。
奥へ進んでしばし、視力を強化していたメンドローサが、
『前方に巨大な敵発見!敵に見つかりました。避けられません。こちらに向かってきます!』
前までなら、「皆、全力で逃げるぞ!退避-ー!!!」と逃げるところであるが、もう、皆、逃げない。
皆、剣や杖を手に持ち迎え受ける。
敵の進むスピードが速い。すぐにやって来た。
『中ボスのビッグドロリゴスだ。皆、気合い入れていけ!』
花菜香と風雅が「アイシクルアロー」で足下を凍らせ、動きを封じ込め、
『たあっ!』
『とお!』
俺とカーライルが剣をなぎ、両足を切断。その間、薫は呪文を詠唱している。
両足を失い、動けなくなったビッグドロリゴスに向かって、
『『エクストラ・サンダーボルト!』』
アンリエッタとメンドローサが同じ落雷の技を合わせる。
すると、ビッグドロリゴスに特大の雷が落ち、言葉通り、ビッグドロリゴスの巨体は体内に爆弾があり、それが爆発したかのように、バラバラに弾け飛んだ。
薫は、
『私の出番はなかったわねー。皆成長してるよ』
そんなねぎらいの言葉をかけるのであった。
息は上がってはいるが、前のように戦闘不能ということはない。少し休憩して息を整え、討伐訓練再開である。
もう中ボスを倒したし、訓練じゃなくて実践だよなー。
『中ボスは全て倒れた。残すは魔王のみ。気合い入れて討伐するぞ!』
『『『おぉーーー!』』』
そしてその後は通常の討伐となった。
そして、それから、各地を転々としながら戦闘経験を積む。
そして、また1年の月日が流れた。
…今度はちゃんと、王にも会いに行ったし、バーンクリット家にも顔を出したりしながら。
『もうそろそろ魔王と戦う戦力が付いた頃だと思うんです』
ある日のこと、夕食時にカーライルがそんなことを言い始めた。
『魔王はどこにいるかさえ分りません。そろそろ探し始めても良い頃合いじゃないですか?』
皆、静まりかえる。
魔王討伐。それがこのパーティーの最終目標だったはずだ。
『そうですね。いつ出会えるか分りませんし、もうすでに探す頃合いに来ていると思います』
アンリエッタも賛成の意見を出す。
『その意見はもっともだと思う。薫はどう思う?』
俺は薫の意見も聞きたい。
『そうね。そろそろ頃合いでしょう』
薫も賛成してくれた。
『それでは、魔王捜しの旅に切り替えますか』
そして、旅は経験を積むためから魔王捜しへと目的を変えるのであった。
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