仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ
2日目、弱い魔物
俺は麻宗二郎32才。家族で遊びに出かけた帰り、異世界から召還に遭い、家族ごと、車ごと、住み慣れた日本から連れ去られ、右も左も分らぬ異世界、サガンガ王国に連れ去られ、家族と絶賛パニック中のサラリーマンだ。週明け、出社も絶望的だよなぁ。
家族を紹介しよう。妻の薫、30才。基本的にはおしとやかで控えめであった。子育てをし始めてからどっしりと構え、俺への言葉遣いがぞんざいになった。
次に、長女花菜香10才。周りをよく見ている気遣いの子だ。弟の風雅ができてから、お姉ちゃんぶることを覚え、我慢強くなった。
最後に長男風雅、8才。何にでも興味を示し、じっとしていない。あちこち興味の向くままちょろちょろされてはこの世界では危なっかしいのではないかと思う。良く見張っておかなければ。
次に、サガンガ王国国王、アバン・ルイジアンヌにあてがわれたパーティーメンバーを紹介しよう。なお、国王から直々にあてがわれたメンバーのため、腕利きだと思われる。
剣士、ジョルダン・カーライル。全身鎧を纏い、大ぶりの剣と盾を持つ。多分実力至上主義者。家族全員、剣など持ったことがなく、素振りから始めたいと言ったらビックリされた。彼には弱味は見せない方がいいが、家族全員、今のところ強い面が思い当たらない。舐められないように注意せねば。
魔術師、カトリーナ・アンリエッタ。深い赤のローブを身に纏い、木の杖を持った女性。主に攻撃魔法担当。向上心が強く、自分の糧となるもののためなら努力を惜しまない人。好奇心が強いため、よそ見をさせないようにせねば。
治癒魔法師メリーア・メンドローサ。薄青色のローブに金属の杖を持った女性。治癒や解毒、補助魔法を得意とする。控えめで弱腰。他人の意見に良く乗っかろうとする気の弱い女性。
最後にマヤ・ステイン、メイド。高貴な身分のものに仕えた経験のある、よく気の利く女性。花菜香と風雅のお守りをしてもらう予定であてがわれた。メイドとはいえ、緊急時には身を挺して主を守る術も心得ているらしい。
以上がパーティーメンバーだ。質問は? …あぁ、ここはこちらから話す一方通行だったな。聞き流してくれ。
家族4人で、パーティーメンバーに見守られながら、午前中は宣言通り、素振りの練習をした。妻以外、初心者にしては筋がいいそうだ。
そして、初の魔物狩りをすべく、この辺りで一番弱い魔物を狩るため、徒歩で城下町を移動中だ。
『大通りはさすがに食べ物の店が多いな』
俺がそう話すと、カーライルは、
『そうですね。あと、服飾品など、衣装関係が多いです。一つ裏路地に入ると、武器屋、防具屋、道具屋、宿屋など、旅人に必要な店が並びます』
『へぇー』
城下町を眺めていると、大の大人が追いかけっこをしている。追われている男が捕まり、追う方は叫びだした。
『逃げるとはふてぇ野郎だ!使った分は払ってもらうからな!』
『ヒエェ、ご勘弁を』
すると、アンリエッタが耳打ちしてきた。
『あの者は、ここいらで悪名高い、アーホッグ商店の者です。あまり関わりにならないように』
グッダバ・アーホッグという人物が営むアーホッグ商店ね。よく覚えておこう。
物見高い人が集まりだしてきたが、関わらない方がいいだろう。全員素通りする。
しばらくすると、門が見えてきた。その門で城下町はお終いだそうだ。門を出ると、いつ魔物に襲われるか分らないそうだ。
門を出てしばし。のっそりのっそり歩く何とも危機感のない動物に出くわした。カーライルが教えてくれる。
『あれはナマケムーヌという魔獣です。子供でも狩れます。練習には打って付けでしょう』
「じゃぁ、まずは父さんが狩るからな!」
俺は飛び出し、ナマケムーヌを袈裟懸けににして切り伏せる。経験値と小銭を手に入れた。
「小銭が手に入ったが何でだろうな?魔物なんてお金、使わないだろうに」
次に出くわしたのはアトバルーン。アドバルーンではない。決して。周囲に関心がなく、ふわふわと上下に動くだけの危機感のない魔物だ。これを花菜香が仕留めた。
そして、家族全員で、見つけ次第、相談してナマケムーヌやらアトバルーンを剣で殺しまくった。うん。生き物を殺すなんて、ここは情操教育に良くない環境だな。全く。
今日の午後で、狩るための基礎の基礎が身についた。ほんのちょっとだけれど。まぁ、初日はこれで良しとしよう。
城に戻り、また、泊めてもらう。城を出る前に、泊めてもらっていいか聞いていたのだ。しばらくは初心者の練習だ。城からあまり離れることはないと思われる。聞いておいて良かった。環境はいいし、宿泊代を取られない。
家族以外のパーティーメンバーも城に泊めてもらえることになった。食後にでも会議をしよう。
まずは風呂だ。汗を流したい。家族4人いっぺんに入って、今日の汚れを落とした。
次に夕食だ。また、あの大広間に呼ばれて食事をする。他のパーティーメンバーも一緒の食卓を囲んだ。
その後は作戦会議だ。作戦会議とは言っても我々家族は初心者ばかりだ。簡単に済ませ、次は他の、もう少し強い魔物の出る他の門から出たところで討伐練習をすることになった。
会議が終わって、子供たちをベッドに上げ、寝かしつけると、我々夫婦はスマホを弄り始めた。
わぁお!記事が盛られてる!調べてみたら、ワイドショーでも取り上げられたようだ。日本、帰りたいけど帰りたくないなぁー。
次にツイッターをいじり始める。
”明日、仕事に行けそうにない。ここはどこだ?”
”先輩、まだ帰り道が分らないんですか?”
”周りの人曰く、俺が魔王退治をしてくれる勇者なんだそうだ”
”先輩、ふざけている場合じゃないですよね?”
”これが冗談ならどれだけ良かったことか”
”え!本当なんですか?新興宗教?その村ヤバいんじゃないですか?”
”抜け出したいけど抜け出し方が分らん”
”まぁ、とりあえず、頑張って下さい。社には適当に言っておきますので”
”すまん、頼む。”
妻はまだスマホを弄っている。連絡したい先は多いだろう。布団に入り、妻より先に眠ることにした。
*
次の日。朝。またあの天井。これが夢であったら良かったのにと常々思う。
しばらくすると、妻も起きてきた。揃ってスマホを弄る。夕刻の神隠し、マスコミもそうだが、ネットでも盛り上がっているようだ。尾ひれ背びれがついて来ている。
「おい、薫。そろそろスマホ、充電しておこうか?」
「あなた、頼める?」
「おぉ、任せとけ」
俺は着替えると、自分のキャンピングカーでスマホの充電を始める。これだから大きいバッテリーを積んだハイブリッドカーは便利だ。
部屋に戻ると子供2人も起き始めた。妻も既に着替えていた。
子供たちも着替えさせ、ベッドに腰掛けていると、ドアをノックされる音がした。
『はい、どうぞ』
すると、メイドが入ってきた。
『皆様起きられましたか。まずはお召し替えを。その後、朝食を摂って頂きます』
メイドの案内で、あの広い部屋で朝食だ。
『朝食の準備が整いました。どうぞお召し上がり下さい』
朝食を軽く摂る。他のパーティーメンバーも一緒だ。
昨日は西門を出たところで経験を積んだ。今度は南門だ。
『ここは、ナマケムーヌ、アトバルーンの他に、クロコモウコリにアバンギャースが出ます』
クロコモウコリは羽の生えたコウモリのような魔物で、アバンギャースは、サル系らしい。どちらも初心者向きで、ナマケムーヌやアトバルーンより、少しだけ難易度が高いらしい。
家族4人で狩りに狩りまくった。程良い疲労感がある。
木陰でちょっと一休み。休憩がてら、昼食を摂る。
『初心者向けとあって、まだ敵は弱いな。でも、高望みして、強い敵と敵対したら、危ないか?カーライル、どう思う?』
『ワンランク上を目指すかどうか、微妙なところですね』
『それでは、午前と一緒で、ここで狩りをすることにする。済まんなお前たち。暇だろう?』
『いえ、私たちのことは気にしないで下さい』
そして、午後も同じ所で狩りをした。経験値とお金がちょっとずつ貯まってきている。
城に戻り、スマホを回収し、また、泊めてもらう。食後はまた、パーティーメンバーも集めて会議をしよう。
今日は疲れた。まずは風呂だ。汗を流したい。
次に夕食だ。また、あの大広間に呼ばれて食事をする。
その後は作戦会議だ。明日はもう少し強い魔物の出る東門から出たところで討伐練習をすることになった。
会議が終わって、子供たちをベッドに上げ、寝かしつけると、我々夫婦はスマホを弄り始めた。
わぁお!昨日よりももっと記事が盛られてる!調べてみたら、ワイドショーでも盛り上がっているようだ。他にニュースがないのか、日本。
着信もあったようだ。でも、もう夜遅い。朝イチで連絡を入れてみよう。
「薫、お前もキリのいいところで済ませて、早めに寝なよ」
「うん、分ってる」
今日は一日討伐練習で疲れた。俺は、今日も妻より早めに眠ることにした。
家族を紹介しよう。妻の薫、30才。基本的にはおしとやかで控えめであった。子育てをし始めてからどっしりと構え、俺への言葉遣いがぞんざいになった。
次に、長女花菜香10才。周りをよく見ている気遣いの子だ。弟の風雅ができてから、お姉ちゃんぶることを覚え、我慢強くなった。
最後に長男風雅、8才。何にでも興味を示し、じっとしていない。あちこち興味の向くままちょろちょろされてはこの世界では危なっかしいのではないかと思う。良く見張っておかなければ。
次に、サガンガ王国国王、アバン・ルイジアンヌにあてがわれたパーティーメンバーを紹介しよう。なお、国王から直々にあてがわれたメンバーのため、腕利きだと思われる。
剣士、ジョルダン・カーライル。全身鎧を纏い、大ぶりの剣と盾を持つ。多分実力至上主義者。家族全員、剣など持ったことがなく、素振りから始めたいと言ったらビックリされた。彼には弱味は見せない方がいいが、家族全員、今のところ強い面が思い当たらない。舐められないように注意せねば。
魔術師、カトリーナ・アンリエッタ。深い赤のローブを身に纏い、木の杖を持った女性。主に攻撃魔法担当。向上心が強く、自分の糧となるもののためなら努力を惜しまない人。好奇心が強いため、よそ見をさせないようにせねば。
治癒魔法師メリーア・メンドローサ。薄青色のローブに金属の杖を持った女性。治癒や解毒、補助魔法を得意とする。控えめで弱腰。他人の意見に良く乗っかろうとする気の弱い女性。
最後にマヤ・ステイン、メイド。高貴な身分のものに仕えた経験のある、よく気の利く女性。花菜香と風雅のお守りをしてもらう予定であてがわれた。メイドとはいえ、緊急時には身を挺して主を守る術も心得ているらしい。
以上がパーティーメンバーだ。質問は? …あぁ、ここはこちらから話す一方通行だったな。聞き流してくれ。
家族4人で、パーティーメンバーに見守られながら、午前中は宣言通り、素振りの練習をした。妻以外、初心者にしては筋がいいそうだ。
そして、初の魔物狩りをすべく、この辺りで一番弱い魔物を狩るため、徒歩で城下町を移動中だ。
『大通りはさすがに食べ物の店が多いな』
俺がそう話すと、カーライルは、
『そうですね。あと、服飾品など、衣装関係が多いです。一つ裏路地に入ると、武器屋、防具屋、道具屋、宿屋など、旅人に必要な店が並びます』
『へぇー』
城下町を眺めていると、大の大人が追いかけっこをしている。追われている男が捕まり、追う方は叫びだした。
『逃げるとはふてぇ野郎だ!使った分は払ってもらうからな!』
『ヒエェ、ご勘弁を』
すると、アンリエッタが耳打ちしてきた。
『あの者は、ここいらで悪名高い、アーホッグ商店の者です。あまり関わりにならないように』
グッダバ・アーホッグという人物が営むアーホッグ商店ね。よく覚えておこう。
物見高い人が集まりだしてきたが、関わらない方がいいだろう。全員素通りする。
しばらくすると、門が見えてきた。その門で城下町はお終いだそうだ。門を出ると、いつ魔物に襲われるか分らないそうだ。
門を出てしばし。のっそりのっそり歩く何とも危機感のない動物に出くわした。カーライルが教えてくれる。
『あれはナマケムーヌという魔獣です。子供でも狩れます。練習には打って付けでしょう』
「じゃぁ、まずは父さんが狩るからな!」
俺は飛び出し、ナマケムーヌを袈裟懸けににして切り伏せる。経験値と小銭を手に入れた。
「小銭が手に入ったが何でだろうな?魔物なんてお金、使わないだろうに」
次に出くわしたのはアトバルーン。アドバルーンではない。決して。周囲に関心がなく、ふわふわと上下に動くだけの危機感のない魔物だ。これを花菜香が仕留めた。
そして、家族全員で、見つけ次第、相談してナマケムーヌやらアトバルーンを剣で殺しまくった。うん。生き物を殺すなんて、ここは情操教育に良くない環境だな。全く。
今日の午後で、狩るための基礎の基礎が身についた。ほんのちょっとだけれど。まぁ、初日はこれで良しとしよう。
城に戻り、また、泊めてもらう。城を出る前に、泊めてもらっていいか聞いていたのだ。しばらくは初心者の練習だ。城からあまり離れることはないと思われる。聞いておいて良かった。環境はいいし、宿泊代を取られない。
家族以外のパーティーメンバーも城に泊めてもらえることになった。食後にでも会議をしよう。
まずは風呂だ。汗を流したい。家族4人いっぺんに入って、今日の汚れを落とした。
次に夕食だ。また、あの大広間に呼ばれて食事をする。他のパーティーメンバーも一緒の食卓を囲んだ。
その後は作戦会議だ。作戦会議とは言っても我々家族は初心者ばかりだ。簡単に済ませ、次は他の、もう少し強い魔物の出る他の門から出たところで討伐練習をすることになった。
会議が終わって、子供たちをベッドに上げ、寝かしつけると、我々夫婦はスマホを弄り始めた。
わぁお!記事が盛られてる!調べてみたら、ワイドショーでも取り上げられたようだ。日本、帰りたいけど帰りたくないなぁー。
次にツイッターをいじり始める。
”明日、仕事に行けそうにない。ここはどこだ?”
”先輩、まだ帰り道が分らないんですか?”
”周りの人曰く、俺が魔王退治をしてくれる勇者なんだそうだ”
”先輩、ふざけている場合じゃないですよね?”
”これが冗談ならどれだけ良かったことか”
”え!本当なんですか?新興宗教?その村ヤバいんじゃないですか?”
”抜け出したいけど抜け出し方が分らん”
”まぁ、とりあえず、頑張って下さい。社には適当に言っておきますので”
”すまん、頼む。”
妻はまだスマホを弄っている。連絡したい先は多いだろう。布団に入り、妻より先に眠ることにした。
*
次の日。朝。またあの天井。これが夢であったら良かったのにと常々思う。
しばらくすると、妻も起きてきた。揃ってスマホを弄る。夕刻の神隠し、マスコミもそうだが、ネットでも盛り上がっているようだ。尾ひれ背びれがついて来ている。
「おい、薫。そろそろスマホ、充電しておこうか?」
「あなた、頼める?」
「おぉ、任せとけ」
俺は着替えると、自分のキャンピングカーでスマホの充電を始める。これだから大きいバッテリーを積んだハイブリッドカーは便利だ。
部屋に戻ると子供2人も起き始めた。妻も既に着替えていた。
子供たちも着替えさせ、ベッドに腰掛けていると、ドアをノックされる音がした。
『はい、どうぞ』
すると、メイドが入ってきた。
『皆様起きられましたか。まずはお召し替えを。その後、朝食を摂って頂きます』
メイドの案内で、あの広い部屋で朝食だ。
『朝食の準備が整いました。どうぞお召し上がり下さい』
朝食を軽く摂る。他のパーティーメンバーも一緒だ。
昨日は西門を出たところで経験を積んだ。今度は南門だ。
『ここは、ナマケムーヌ、アトバルーンの他に、クロコモウコリにアバンギャースが出ます』
クロコモウコリは羽の生えたコウモリのような魔物で、アバンギャースは、サル系らしい。どちらも初心者向きで、ナマケムーヌやアトバルーンより、少しだけ難易度が高いらしい。
家族4人で狩りに狩りまくった。程良い疲労感がある。
木陰でちょっと一休み。休憩がてら、昼食を摂る。
『初心者向けとあって、まだ敵は弱いな。でも、高望みして、強い敵と敵対したら、危ないか?カーライル、どう思う?』
『ワンランク上を目指すかどうか、微妙なところですね』
『それでは、午前と一緒で、ここで狩りをすることにする。済まんなお前たち。暇だろう?』
『いえ、私たちのことは気にしないで下さい』
そして、午後も同じ所で狩りをした。経験値とお金がちょっとずつ貯まってきている。
城に戻り、スマホを回収し、また、泊めてもらう。食後はまた、パーティーメンバーも集めて会議をしよう。
今日は疲れた。まずは風呂だ。汗を流したい。
次に夕食だ。また、あの大広間に呼ばれて食事をする。
その後は作戦会議だ。明日はもう少し強い魔物の出る東門から出たところで討伐練習をすることになった。
会議が終わって、子供たちをベッドに上げ、寝かしつけると、我々夫婦はスマホを弄り始めた。
わぁお!昨日よりももっと記事が盛られてる!調べてみたら、ワイドショーでも盛り上がっているようだ。他にニュースがないのか、日本。
着信もあったようだ。でも、もう夜遅い。朝イチで連絡を入れてみよう。
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