葵雪(きせつ)さんちのご長男っ!〜キョウダイ同士で結婚できると発表された次の日から四姉妹のアプローチが凄い件について
第9話 円華との秘密のお出掛け
「ゴールデンウィーク…。四季を誘惑するには最高のイベントね』
「アプローチ合戦、てところかしら?」
「秋奈ちゃん、たくさんしー君と遊ぶ〜♪」
「そういえば兄さん、今日どうしたの?朝早く出かけたけど?」
「あーそれはね〜、円華ちゃんと出かけてくるーって言ってたよ〜」
「「「えっ!?」」」
「四季くん、準備はいい?」
「よいとも」
今日は円華と遊びに行くと約束していた日である。
葵雪家五箇条 その2【出かける際は必ず誰かに報告する】ということで、秋奈ねぇに伝えてあるから大丈夫だ。
「ここにくるのは久しぶりだな……」
円華の服装は全体的にラフな感じだが、それに加えて黒の帽子に丸い眼鏡となるべく顔が見えないよう変装している。
そういう俺も帽子に眼鏡を掛けている。
そして2人でとあるお店に入った。
「ふぁ〜〜!四季くん、四季くん見て見て!新作の漫画があんなにっ!あっ、あのゲーム会社の新しいソフトまで…っ!」
ここはアニメグッツ、小説、漫画、ゲームなどオタクに関するありとあらゆるものを扱う専門店『オタパラ』だ。
そしてこの反応から分かる通り、円華は生粋のオタクなのである。
円華とは、中学時代にこのお店で変装しているのを見つけたことがきっかけで仲良くなった。
「四季くん、四季くん!」
並べられている商品を見て、興奮気味に手招きする円華。
「落ち着け円華、聞いてるから」
オタクぐらいなら周囲にバレても問題ない?まぁ普通ならな。円華はちょっと特殊で……
「最近のエロゲーもいいよね。特にOPが魅力的〜」
エロゲにもハマってるらしいから言えないのだ。円華がオタクと知っているのは俺か冬羽ぐらいだ。
と、そろそろ興奮気味の円華を止めないとな。
「はいはい。円華、今回は何を買いに来たんだっけ?」
「うぅ、ラノベの新刊…」
「だったらそれ以外は関係ないよな?」
俺はそんな円華の爆買いを防ぐ見張り役だ。何回か繰り返していくうちにもう扱いにも慣れてきた。
「むぅ……」
オタクモードの円華はいつもより子供ぽくなる。今も頬を膨らませて商品の方を買いたそうにチラチラ見ている。
「ほら、早くラノベの新刊買って次の場所に行くぞ」
その後はゲームセンターや洋服屋などに行ったりして、あっという間のお昼になった。
昼食は円華が行きたいお店があると言ったのでそこに向うことにした。
まぁ多分、あのお店だろう。
「私、ここに来てみたかったんだ〜」
お店の垂れ幕には『ラーメン巨太郎』と書いてある。
円華はラーメンが大好きなのだ。にも関わらず抜群のプロポーションを維持している。身体の仕組みがどうなってるか知りたい。
店員に誘導され、まずは食券を買う。俺も円華お店一押しのチャーシュー麺にした。
そして席につき……
「ラーメンオオモリヤサイマシマシトッピングゼンブノセ、でお願いします」
トッピングを追加する円華。
最初、聞いた時は驚いたが今ではもう普通だなと思えるほどになった。
「嘘だろっ…あんな細い子が…」
「ここの店、普通サイズが大盛りだというのに……」
「しかもめちゃくちゃ可愛い…」
そして周りのお客さんの反応も慣れた。円華は騒がれることにまだ慣れていないらしく、恥ずかしそうに俯いる。
数分後、お待ちかねのチャーシュー麺が来た。
「あむあむ…。おいひぃです!」
「まだ野菜だけどな」
隣の円華のチャーシュー麺を見ると、麺どころか、肝心のチャーシューが見えないほどに野菜がてんこ盛りに積まれている。
「あむ、あむ。四季くんも早く食べないと麺がのびるよ」
野菜を次々パクパク口に入れながらそう促す。食べるスピードが早いにも関わらず、綺麗に食べるその姿に思わず見惚れてしまう。
 その後、円華のチャーシュー麺の麺が見えたくらいのところで話しかけられた。
「四季くん、ゴールデンウィーク誘ってくれてありがとうね。冬羽ちゃんから連絡もらったよ」
「予定が合ってよかったよ。冬羽も大喜びしてたし」
「冬羽ちゃん、ほんといい子だよね〜。そんな冬羽ちゃんを襲ったあの理科教師、許せない…」
キリッと鋭い視線でどこか遠いところを見つめる円華。
「まぁ俺も許したつもりないけどな」
俺の言葉に円華も「だよね」と言い、ウンウン頷いていた。
「あっ、冬羽ちゃんに現地の写真を送ってもらったんだけど、あんな豪華なところに連れて行ってもらっていいの?」
「なんでも夏々ねぇの知り合いがくれたものだから遠慮することはないぞ」
円華は「すごい知り合いだね」
と言った後、麺を一啜りし、また口を開いた。
「……ねぇ四季くん」
「ん?」
「あの会見以降、お姉さん達に変わった様子なかった…?」
「んー、割といつも通りだぞ?」
驚くほど変わったってほどじゃないしな。
「………じゃあこのゴールデンウィークに賭けてくるのか…」
何やら真剣な表情でボソリと呟いた円華。
「ん?なんて言った?」
「う、ううん…!なんでもない…っ!じゃあゴールデンウィーク楽しみにしてるね…!」
慌てるようにそう言うと再びラーメンを啜り始めた。
俺はまだ知らない。
このゴールデンウィークであんなことが起きるなんて。
「アプローチ合戦、てところかしら?」
「秋奈ちゃん、たくさんしー君と遊ぶ〜♪」
「そういえば兄さん、今日どうしたの?朝早く出かけたけど?」
「あーそれはね〜、円華ちゃんと出かけてくるーって言ってたよ〜」
「「「えっ!?」」」
「四季くん、準備はいい?」
「よいとも」
今日は円華と遊びに行くと約束していた日である。
葵雪家五箇条 その2【出かける際は必ず誰かに報告する】ということで、秋奈ねぇに伝えてあるから大丈夫だ。
「ここにくるのは久しぶりだな……」
円華の服装は全体的にラフな感じだが、それに加えて黒の帽子に丸い眼鏡となるべく顔が見えないよう変装している。
そういう俺も帽子に眼鏡を掛けている。
そして2人でとあるお店に入った。
「ふぁ〜〜!四季くん、四季くん見て見て!新作の漫画があんなにっ!あっ、あのゲーム会社の新しいソフトまで…っ!」
ここはアニメグッツ、小説、漫画、ゲームなどオタクに関するありとあらゆるものを扱う専門店『オタパラ』だ。
そしてこの反応から分かる通り、円華は生粋のオタクなのである。
円華とは、中学時代にこのお店で変装しているのを見つけたことがきっかけで仲良くなった。
「四季くん、四季くん!」
並べられている商品を見て、興奮気味に手招きする円華。
「落ち着け円華、聞いてるから」
オタクぐらいなら周囲にバレても問題ない?まぁ普通ならな。円華はちょっと特殊で……
「最近のエロゲーもいいよね。特にOPが魅力的〜」
エロゲにもハマってるらしいから言えないのだ。円華がオタクと知っているのは俺か冬羽ぐらいだ。
と、そろそろ興奮気味の円華を止めないとな。
「はいはい。円華、今回は何を買いに来たんだっけ?」
「うぅ、ラノベの新刊…」
「だったらそれ以外は関係ないよな?」
俺はそんな円華の爆買いを防ぐ見張り役だ。何回か繰り返していくうちにもう扱いにも慣れてきた。
「むぅ……」
オタクモードの円華はいつもより子供ぽくなる。今も頬を膨らませて商品の方を買いたそうにチラチラ見ている。
「ほら、早くラノベの新刊買って次の場所に行くぞ」
その後はゲームセンターや洋服屋などに行ったりして、あっという間のお昼になった。
昼食は円華が行きたいお店があると言ったのでそこに向うことにした。
まぁ多分、あのお店だろう。
「私、ここに来てみたかったんだ〜」
お店の垂れ幕には『ラーメン巨太郎』と書いてある。
円華はラーメンが大好きなのだ。にも関わらず抜群のプロポーションを維持している。身体の仕組みがどうなってるか知りたい。
店員に誘導され、まずは食券を買う。俺も円華お店一押しのチャーシュー麺にした。
そして席につき……
「ラーメンオオモリヤサイマシマシトッピングゼンブノセ、でお願いします」
トッピングを追加する円華。
最初、聞いた時は驚いたが今ではもう普通だなと思えるほどになった。
「嘘だろっ…あんな細い子が…」
「ここの店、普通サイズが大盛りだというのに……」
「しかもめちゃくちゃ可愛い…」
そして周りのお客さんの反応も慣れた。円華は騒がれることにまだ慣れていないらしく、恥ずかしそうに俯いる。
数分後、お待ちかねのチャーシュー麺が来た。
「あむあむ…。おいひぃです!」
「まだ野菜だけどな」
隣の円華のチャーシュー麺を見ると、麺どころか、肝心のチャーシューが見えないほどに野菜がてんこ盛りに積まれている。
「あむ、あむ。四季くんも早く食べないと麺がのびるよ」
野菜を次々パクパク口に入れながらそう促す。食べるスピードが早いにも関わらず、綺麗に食べるその姿に思わず見惚れてしまう。
 その後、円華のチャーシュー麺の麺が見えたくらいのところで話しかけられた。
「四季くん、ゴールデンウィーク誘ってくれてありがとうね。冬羽ちゃんから連絡もらったよ」
「予定が合ってよかったよ。冬羽も大喜びしてたし」
「冬羽ちゃん、ほんといい子だよね〜。そんな冬羽ちゃんを襲ったあの理科教師、許せない…」
キリッと鋭い視線でどこか遠いところを見つめる円華。
「まぁ俺も許したつもりないけどな」
俺の言葉に円華も「だよね」と言い、ウンウン頷いていた。
「あっ、冬羽ちゃんに現地の写真を送ってもらったんだけど、あんな豪華なところに連れて行ってもらっていいの?」
「なんでも夏々ねぇの知り合いがくれたものだから遠慮することはないぞ」
円華は「すごい知り合いだね」
と言った後、麺を一啜りし、また口を開いた。
「……ねぇ四季くん」
「ん?」
「あの会見以降、お姉さん達に変わった様子なかった…?」
「んー、割といつも通りだぞ?」
驚くほど変わったってほどじゃないしな。
「………じゃあこのゴールデンウィークに賭けてくるのか…」
何やら真剣な表情でボソリと呟いた円華。
「ん?なんて言った?」
「う、ううん…!なんでもない…っ!じゃあゴールデンウィーク楽しみにしてるね…!」
慌てるようにそう言うと再びラーメンを啜り始めた。
俺はまだ知らない。
このゴールデンウィークであんなことが起きるなんて。
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