葵雪(きせつ)さんちのご長男っ!〜キョウダイ同士で結婚できると発表された次の日から四姉妹のアプローチが凄い件について
第8話 学園での葵雪家〜主に次女(夏々子)
「あの理科教師、許せない……。私の可愛い妹になんでことしたの……」
私は今日、冬羽が例の案件の犯人である理科教師に襲われてたとの報告を聞いてから帰ってきても気がおさまらなかった。
「そうね。私も同感だわ」
 千春も納得してない様子だ。
 秋奈はというと……
「冬羽ちゃん…ごめんね……」
ソファーに座っている冬羽の膝の上に寝込んで落ち込んでいた。帰ってきてからずっと落ち込んでいる。
情報を得ていたのに、それを冬羽に報告するのを怠った結果、被害が多発している理科室へと一人で向かわせてしまったからだ。
それで襲われたのが自分のせいだと、相当責任を感じているだろう。
「だ、大丈夫だよ、秋奈お姉ちゃん……っ!私はこの通り無事だから……!」
「でもしー君から聞いたよー…?身体弄れたって……」
「そんな弄られたってほどじゃ……」
「本当にー?」
「……ちょっとだけ、ほんとちょっとだけ弄られた」
「うぅ……」
「わっ!?な、泣かないで秋奈お姉ちゃん……!」
被害に遭った本人より相当傷ついてる……。そろそろ一言言わないと。
「秋奈、そんなメソメソ落ち込まないの。悪いのは全部あの教師。気にすることないわ」
私の意見に千春もウンウンと頷く。
「でも……」
「風呂上がったよー…って、秋奈ねぇまだその調子なの?」
リビングに入ってきた四季は濡れた髪を拭きながらソファーへと向かった。秋奈のお世話は四季が一番得意だ。
「しーくぅんー…。秋奈ちゃんは冬羽ちゃんに嫌われちゃうよー…」
「被害妄想が拡大している……。はいはい、冬羽は秋奈ねぇのこと大好きだから心配いらないよー。な、冬羽?」
「う、うん!私、秋奈お姉ちゃんのこと大好きだよ…っ!」
 年下の四季と冬羽に頭を撫でられている秋奈。秋奈は甘えん坊だから2人からしても末っ子ポジションである。
「ありがとう2人とも……。秋奈ちゃん元気になったよー。それにしても秋奈ちゃん、あの教師をビンタしたけど到底許せない……」
「同感。俺もぶん殴ったけどまだ殴り足りない。いっそのこのみんなで刑務所に乗り込む?」
「「「賛成」」」
「だ、大丈夫だよ……!私はこの通り平気だし!」
本気で乗り込む気の私達を慌てて止める冬羽。冬羽がこう言ってるから今回は特例中の特例で許してあげよう、表上は。
「で、寝る前に伝えときたい事って何?」
四季も揃った事だし、始めるとしよう。
私はみんなをテーブルに集めて説明を始める。
「来週からゴールデンウィークが始まるでしょ?知り合いからこれを貰ったから、ここに2泊3日過ごそうと思うの」
テーブルに置いたチケットには『大自然満喫!夢見コテージご招待券』と書いてある。
「ここは大自然の中にコテージがあって、すぐ側には透明度抜群の清流もあるわ」
「わーい♪水遊び出来るねー」
「さらに、BBQができるテラスサイドと道具付き」
「じゃあ持っていくのは材料と水着だけみたいだね」
「しかも貸切状態。どう?」
私がそう聞くとみんな「賛成ー!」と元気よく言った。
「じゃあ行き先は決定ね。でもこのチケットの最大定員が8名までなの。せっかくだし、誰か誘わない?」
賑やかな人数の方が盛り上がるし、そう提案してみる。誘うのはもちろん親しい人だ。
「えーと、千春ねぇと夏々ねぇと秋奈ねぇと冬羽と俺を合わせて5人か。あと3人誘えるね」
「はいはーい!秋奈ちゃん、頼ちゃん誘ってもいい〜?」
「笹城さんね。普段から生徒会でお世話になっているし、いいわよ。あの子も少しは労らないとね」
生徒会業務以外にも副会長としても友達としてもマイペースでおっちょこちょいな秋奈を支えてもらっているし、感謝しかない。
「私と夏々子は誘うとしたら大人だから、あとは冬羽と四季で誘う人決めなさい」
確かに大人がいたら寛げない。さすが千春、さりげない気遣いができる。
「あと2人かー。俺が誘うとしたら陸と円華だな」
「あっ、奇遇だね。私も円華さんを誘おうとしてたよ」
小日向さんは冬羽より一つ年上にも関わらず、冬羽が一番仲がいい人である。こちらもお世話になっているから誘うとしよう。
妹口くんは四季と一番仲が良い男友達である。四季も男1人じゃ肩身が狭いだろうし、まぁいいか。
「じゃあ残り3人は笹城さんと小日向さんと妹口くんで決定ね?」
私がそう言うとみんなコクコク頷いた。
四季は楽しみにしてるようね。
楽しみにしているのはもちろん私たち四姉妹もだけど、このゴールデンウィークには例年とは違って賭けるものがある。
四季争奪戦、私だって負けられない。
私は今日、冬羽が例の案件の犯人である理科教師に襲われてたとの報告を聞いてから帰ってきても気がおさまらなかった。
「そうね。私も同感だわ」
 千春も納得してない様子だ。
 秋奈はというと……
「冬羽ちゃん…ごめんね……」
ソファーに座っている冬羽の膝の上に寝込んで落ち込んでいた。帰ってきてからずっと落ち込んでいる。
情報を得ていたのに、それを冬羽に報告するのを怠った結果、被害が多発している理科室へと一人で向かわせてしまったからだ。
それで襲われたのが自分のせいだと、相当責任を感じているだろう。
「だ、大丈夫だよ、秋奈お姉ちゃん……っ!私はこの通り無事だから……!」
「でもしー君から聞いたよー…?身体弄れたって……」
「そんな弄られたってほどじゃ……」
「本当にー?」
「……ちょっとだけ、ほんとちょっとだけ弄られた」
「うぅ……」
「わっ!?な、泣かないで秋奈お姉ちゃん……!」
被害に遭った本人より相当傷ついてる……。そろそろ一言言わないと。
「秋奈、そんなメソメソ落ち込まないの。悪いのは全部あの教師。気にすることないわ」
私の意見に千春もウンウンと頷く。
「でも……」
「風呂上がったよー…って、秋奈ねぇまだその調子なの?」
リビングに入ってきた四季は濡れた髪を拭きながらソファーへと向かった。秋奈のお世話は四季が一番得意だ。
「しーくぅんー…。秋奈ちゃんは冬羽ちゃんに嫌われちゃうよー…」
「被害妄想が拡大している……。はいはい、冬羽は秋奈ねぇのこと大好きだから心配いらないよー。な、冬羽?」
「う、うん!私、秋奈お姉ちゃんのこと大好きだよ…っ!」
 年下の四季と冬羽に頭を撫でられている秋奈。秋奈は甘えん坊だから2人からしても末っ子ポジションである。
「ありがとう2人とも……。秋奈ちゃん元気になったよー。それにしても秋奈ちゃん、あの教師をビンタしたけど到底許せない……」
「同感。俺もぶん殴ったけどまだ殴り足りない。いっそのこのみんなで刑務所に乗り込む?」
「「「賛成」」」
「だ、大丈夫だよ……!私はこの通り平気だし!」
本気で乗り込む気の私達を慌てて止める冬羽。冬羽がこう言ってるから今回は特例中の特例で許してあげよう、表上は。
「で、寝る前に伝えときたい事って何?」
四季も揃った事だし、始めるとしよう。
私はみんなをテーブルに集めて説明を始める。
「来週からゴールデンウィークが始まるでしょ?知り合いからこれを貰ったから、ここに2泊3日過ごそうと思うの」
テーブルに置いたチケットには『大自然満喫!夢見コテージご招待券』と書いてある。
「ここは大自然の中にコテージがあって、すぐ側には透明度抜群の清流もあるわ」
「わーい♪水遊び出来るねー」
「さらに、BBQができるテラスサイドと道具付き」
「じゃあ持っていくのは材料と水着だけみたいだね」
「しかも貸切状態。どう?」
私がそう聞くとみんな「賛成ー!」と元気よく言った。
「じゃあ行き先は決定ね。でもこのチケットの最大定員が8名までなの。せっかくだし、誰か誘わない?」
賑やかな人数の方が盛り上がるし、そう提案してみる。誘うのはもちろん親しい人だ。
「えーと、千春ねぇと夏々ねぇと秋奈ねぇと冬羽と俺を合わせて5人か。あと3人誘えるね」
「はいはーい!秋奈ちゃん、頼ちゃん誘ってもいい〜?」
「笹城さんね。普段から生徒会でお世話になっているし、いいわよ。あの子も少しは労らないとね」
生徒会業務以外にも副会長としても友達としてもマイペースでおっちょこちょいな秋奈を支えてもらっているし、感謝しかない。
「私と夏々子は誘うとしたら大人だから、あとは冬羽と四季で誘う人決めなさい」
確かに大人がいたら寛げない。さすが千春、さりげない気遣いができる。
「あと2人かー。俺が誘うとしたら陸と円華だな」
「あっ、奇遇だね。私も円華さんを誘おうとしてたよ」
小日向さんは冬羽より一つ年上にも関わらず、冬羽が一番仲がいい人である。こちらもお世話になっているから誘うとしよう。
妹口くんは四季と一番仲が良い男友達である。四季も男1人じゃ肩身が狭いだろうし、まぁいいか。
「じゃあ残り3人は笹城さんと小日向さんと妹口くんで決定ね?」
私がそう言うとみんなコクコク頷いた。
四季は楽しみにしてるようね。
楽しみにしているのはもちろん私たち四姉妹もだけど、このゴールデンウィークには例年とは違って賭けるものがある。
四季争奪戦、私だって負けられない。
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