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葵雪(きせつ)さんちのご長男っ!〜キョウダイ同士で結婚できると発表された次の日から四姉妹のアプローチが凄い件について

柏木イズモ

第4話 学園での葵雪家〜主に長男(四季)

「昨日の会見、観たー?」

「めっちゃ驚いた。キョウダイ同士で結婚とか今更感あるよねー」

 教室に入るとクラスメイトたちの話題はやはり昨日の会見で持ちきりだ。
 ちなみに余談だが、会見が終わった後、あの制度に関してニュースでは専門家が批判し、ネットでは大炎上していた。
 結果をいえばキョウダイ同士の結婚に反対する人が多い。
「今更、キョウダイのことを異性として見れない」とか「変な意識を持つ」などだ。まぁ俺もそう思う一員だが。

「おいおい、四季っ!昨日の観たか……っ!」

 俺が窓際の自分の席につくなり、話し掛けてきたのは中学からの親友、妹口陸いもぐちりくだ。
 容姿は小麦色の髪に淡い茶色の瞳にしっかりとした身体付き。一言でいえば元気系イケメンだ。

「観たよ。というか観るものがそれしかなかったからな」

「おぉ!つか昨日、電話掛けたのになんで出なかったんだよっ!」

「悪い。気付いたら寝ていた」

 あの後、姉ちゃんたちの姉妹会議とやらが中々終わらなかった影響もあり、いつの間にか眠ってしまった。

「ところで妹ちゃんたち、元気?」

「おうよ!うみそらは天使だ!」

 天使とは聞いてないが……。

「それで、海ちゃんと空ちゃんはなんて?」

 どうせ会見のことだろうと思い、妹ちゃんたちの反応を聞く。

「海は相変わらずのツンデレだった。空は喜んでいたのか分からないが、それから一言も話してくれなかった」

「えっ、それ大丈夫なの?」

 陸の妹ちゃんたちとは二、三回しか会ったことがないが、美少女であることは確かだ。
 妹の空ちゃんは基本、おっとりしているが、姉の海ちゃんはやたらと陸に対して毒舌である。陸はポジティブ思考なので乗り切っているが今後が心配だ。

「にしてもキョウダイ同士で結婚できるとしても、結局一夫一妻なら少子高齢化対策にあんまり効果は無いと思う」

 確かに陸の言う通りだ。いくら少子化高齢化対策としてキョウダイ同士の結婚を認めたからといって、出産率が上がると思えない。それなら一夫多妻にした方がいいと思う。

「というか四季のところはどうなんだよ?お姉さん達の反応は?」

「えーと」

「おう」

「泣いてた」

「予想を超えたわ」

 なんの予想?

「で、実際のとこ、どうよ?」

「ん?」

「だからあの美少女四姉妹の中で誰か気になる人はいるのかって話」

「気になる人、ねー…。今まで姉ちゃんたちをそういう目で見たことがないから分からないや」

「だよな。じゃあ改めて振り返ってみるか」

「振り返る?」

 すると、陸が突然、キリッとした表情になった。悔しいが非常にイケメンである。

「男を魅惑する美ボディーの持ち主、美人養護教諭の長女、葵雪千春」

 いきなり何かが始まったが、面白そうなので続けさせる。 
 確かに美ボディーだなー。

「厳しさの中に愛がある、美人理事長の次女、葵雪夏々子」

 確かに普段何かと厳しいけど、なんだかんだで甘やかしてくれるなー。

「人懐っこくマイペース、完璧生徒会長の三女、葵雪秋奈」

 人懐っこいというかスキンシップが多いというかー。

「一年生にしてマドンナの呼び声が高い、才色兼備な四女、葵雪冬羽」

 文句なしの母性力。いつお嫁に出しても恥ずかしくない。

「そして全男子が嫉妬するほどの恵まれた環境もとい美少女四姉妹持つ長男、葵雪四季」

 その瞬間、背後から物凄い視線を感じた。慣れているのでもちろん無視する。
 そんな殺意が飛び交う賑やかな教室をくぐって俺たちの方に来る女子生徒がいた。

「おはよう四季くん、陸くん」

「おはよ、円華まどか

「おう、おはようっ!」

 そう挨拶したのは中学三年の時に初めて同じクラス、しかも隣の席になり仲良くなった小日向円華こひなたまどかだ。
 今はこのクラスの委員長を務めている。
 容姿はやわらかい橙色のショートカットに水色の瞳。今日は頭に黒色のリボンカチューシャをつけている。

「リボンカチューシャ、似合ってるよ」

「あ、ありがとう……」

 気付いてもらえたのが嬉しかったのか、頬を赤らめる円華。

「相変わらずこっちも煮え切らねえなー」

「も、もうーっ!四季くんの前で言わないでっ……!まだ四季くんは鈍感だからいいけど……」

 と言いつつ、円華は俺の隣の席に座った。ちなみに陸は俺の前の席。いつもこの3人のメンツでいる。
 そして円華さんや、今の鈍感は悪口かい?

「昨日の会見、驚いたよね」

「おう。俺と四季も今、その話題で話してだんだよ」

「キョウダイかぁ〜。私、一人っ子だからキョウダイには憧れるなー」

「円華にキョウダイがいたら間違いなくお姉ちゃんだよな」

 俺の言葉に陸も頷いた。

「ありがとう。確か陸くんには妹が二人、四季くんには四姉妹がいたよね?」

「おう」
「うん」

「陸くんは弟っぽいなー」

「あー分かる」
「マジかー」

「四季くんは……お兄ちゃんっぽいかな?」

「俺っ?」

 初めて言われたな。

「あの四姉妹に甘やかされてるのによくこんなしっかりした人間が生まれるよなー」

「あの美少女四姉妹との暮らしは正直、慣れたな」

「……お前、今日命日かもな」

「だな。視線が凄い。嫉妬という名の殺人予告だな」

「……そんなうまい事を言ってる場合なの?」

 眼だけで殺してしまえそうな視線を浴びる俺に対して本気で心配してくれる円華。

「まぁ四季なら大丈夫だろ?なんせコイツ、こんな状況にも関わらず、一年も生き延びたんだし」

 一年生の頃、それこそ入学式してまもない頃は酷かった。
 教室に来る人は全員俺目当て。というもの全部姉ちゃん達の情報が欲しいという人達だ。しかも情報欲しさに物で釣ったり、お金などを渡してきた先輩もいた。

「今では親衛隊に美少女四姉妹たちと繋がる最後の砦して見られてるもんな」

 一年間、色んな人達(ほぼ男)に迫られ、追いかけ回され、稀に恐喝されたが、全部乗り切った。まぁ二年生になってもう二、三件あったが。

「そういえばこの前、『どうかフユたんの連絡先、教えてください』って頼まれた。土下座で」

「ど、土下座っ!?」

「ははっ!そいつは勝負に出たな!で、なんで返したんだ?」

「『連絡先は教えられないですけど、少なくとも冬羽は簡単に土下座をするような男は嫌いだと思います』って返した」

「お、おー」
「くぅ〜〜!かっくいぃぃ〜〜!!」

 円華はパチパチと拍手をしてくれた。陸はなぜビールを飲み干した人みたいな反応になってるんだ?
 しかも複数のクラスメイトも称賛なのか拍手している。

 そんな拍手が巻き起こる教室に担任の先生が「何があったんだ」と驚きながら入ってきた。
 今日も騒がしい学園生活が始まりそうだ。

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