葵雪(きせつ)さんちのご長男っ!〜キョウダイ同士で結婚できると発表された次の日から四姉妹のアプローチが凄い件について
第2話 変わろうとする葵雪家の日常
その日の夜。
夕食後の俺たちはテレビの前に集まっていた。理由は朝のニュースで言っていた会見を観るためだ。というか番組が全部これに移り変わってしまったため、これしか観るものがない。
「どんな法律なんだろうね〜?」
右に座っている秋奈ねぇが俺に腕を絡ませ、密着した状態でそう聞いてきた。こう密着されると柔らかいものが当たる。何とは言わないが。
秋奈ねぇは姉妹の中で一番甘えん坊だ。こうやってくっついてくるのは日常茶飯事。おかげで耐性がついた。
「でもいきなりだよね」
左にいるのは冬羽。秋奈ねぇの様に密着はしていないが、肩と肩がぶつかるくらいの距離にいる。
ちなみに夏々ねぇと千春ねぇは後ろに座っている。
「夏々ねぇ分かる?」
「うーん、検討もつかない。少なくとも教育に関してでは無いと思う」
確かに教育関係なら理事長である夏々ねぇの耳にも入っていいはずだ。
「千春ねぇは?何か知ってる?」
「夏々子が知らないなら私だって知らないわよ」
ですよねー。姉妹の中で一番物知りなのは夏々ねぇである。
そうこうしている内に会見が始まった。白衣を着た研究者らしき人が次々と研究の説明をしている。
『えー研究の結果、とある薬を摂取することでキョウダイ同士でも正常な赤ちゃんが高確率で産まれることが発覚しました』
その発言の中で気になったことがあったので、一番物知りな夏々ねぇに聞くことにした。
「そういえばキョウダイ同士って赤ちゃん産めるの?」
「産むことはできるけど、同じ血が多く含まれているから、産まれた子には高確率でなんならの後遺症や悪影響があるらしいの」
「へー」
聞きたいことは聞けたので再び会見に集中する。
『我が国は今、少子高齢化の危機にあります』
すると今度は総理大臣が話し始めた。
『少しでも少子高齢化社会が改善するよう我々は国会で話し合いある法律を新たに制定することを決定しました』
そして総理大臣は間を一拍開け、再び口を開いた。
『明日からにて、血の繋がったキョウダイ同士での結婚を認める法律を新たに制定します』
そう言われた瞬間、家の中がシーンと静まりかえった。
「へ、へー…キョウダイでも結婚できるんだー」
さすがの俺も動揺である。
今までキョウダイとして見てきた女の子と結婚ができるんだぞ?ということはこの状態はいわば美少女たちと同居しているもんだ。
「ビ、ビックリだよなー…って、えっ」
周りの反応を見ようと視線をずらすと千春ねぇ、夏々ねぇ、秋奈ねぇ、冬羽、みんなが泣いていた。
「えっ、えっ!?みんなどうしたの!?」
突然のことで掛ける声が見つからない。
「ち、千春ねぇ!?」
「ふっ…ひっぐっ…」
「夏々ねぇ!?」
「ずずっ…っ」
「秋奈ねぇ!?」
「ふえーん〜〜」
「冬羽!?」
「ぐずっ…ん…」
ど、どうして泣いてるんだ……?この会見によほど感動したのか?いや、ドラマじゃあるまいし……。この会見で何かがあったのは確かだ。
会見はここで終わったのだが、みんな泣いたままだ。数分後、やっと落ち着いた千春ねぇが口を開いた。
「き、葵雪家、姉妹会議を始めます……っ!」
「へっ?」
姉妹ってことは俺は含まれてないのか?
「に、兄さんは部屋に戻ってっ……!」
「うおっ!?と、冬羽っ!」
冬羽に背中を押され、俺はリビングを追い出されてしまった。
◆          ◆        ◆
「やっと……やっとなのね……!」
「ついに、この日が……」
「ふぇ〜ん、お姉ちゃん〜」
「よしよし冬羽ちゃん〜。秋奈ちゃんも嬉しいよ〜」
互いに抱きしめ合い、喜びを分かち合う四姉妹。
四季は気づいていないがこの四姉妹は四季のことが異性として大大大大好きなのだ。つまり重度のブラコン。
しかしそれも今日までだ。
「でも結婚出来るのは一人だけよ?」
「そこは前から言っている通り、恨みっこなしね」
「秋奈ちゃん、頑張る〜」
「わ、私もっ!」
今まで大好きな四季に対して、その気持ちに蓋をし、キョウダイとしてこれからも接すること決めていた四姉妹。
しかし、今日の会見によりキョウダイ同士の結婚が認められた。
しかしながらこの日本は一夫一妻。結婚するとしてもこの中の一人しかその座を勝ち取ることができない。
「ふぁー…、暇だしもう寝ようかな……」
四季は知らない。もうこの日から日常が変わり始めていることを。
【次回シリーズ予告】CM風
キョウダイ同士で結婚出来るっ!?
そう発表された次の日から姉妹たちの様子がおかしい!?
千春『弟として好きなんじゃなくて、一人男の子として好きなのっ!』
夏々子『四季以外の男の子なんて考えられない。お姉ちゃんのままでなんていられない』                  
秋奈『みんなのことは大好きだけど〜しー君のことだけは譲れないかな〜』
冬羽『お兄ちゃん、私はずっと——』
四季を巡って早くも壮絶バトル勃発!?
さらに…!
???『お兄ちゃんのことが好きなのは』
???『私たちもなんだからねっ!』
新たな美少女姉妹登場っ!?
加速する四季争奪戦!アプローチがどんどん激しくなる毎日!
そんな美少女たちに迫られる四季は一体誰を選ぶっ!?
次回シリーズ
【四季争奪戦〜これはまだ序章の序章】
お楽しみに。
夕食後の俺たちはテレビの前に集まっていた。理由は朝のニュースで言っていた会見を観るためだ。というか番組が全部これに移り変わってしまったため、これしか観るものがない。
「どんな法律なんだろうね〜?」
右に座っている秋奈ねぇが俺に腕を絡ませ、密着した状態でそう聞いてきた。こう密着されると柔らかいものが当たる。何とは言わないが。
秋奈ねぇは姉妹の中で一番甘えん坊だ。こうやってくっついてくるのは日常茶飯事。おかげで耐性がついた。
「でもいきなりだよね」
左にいるのは冬羽。秋奈ねぇの様に密着はしていないが、肩と肩がぶつかるくらいの距離にいる。
ちなみに夏々ねぇと千春ねぇは後ろに座っている。
「夏々ねぇ分かる?」
「うーん、検討もつかない。少なくとも教育に関してでは無いと思う」
確かに教育関係なら理事長である夏々ねぇの耳にも入っていいはずだ。
「千春ねぇは?何か知ってる?」
「夏々子が知らないなら私だって知らないわよ」
ですよねー。姉妹の中で一番物知りなのは夏々ねぇである。
そうこうしている内に会見が始まった。白衣を着た研究者らしき人が次々と研究の説明をしている。
『えー研究の結果、とある薬を摂取することでキョウダイ同士でも正常な赤ちゃんが高確率で産まれることが発覚しました』
その発言の中で気になったことがあったので、一番物知りな夏々ねぇに聞くことにした。
「そういえばキョウダイ同士って赤ちゃん産めるの?」
「産むことはできるけど、同じ血が多く含まれているから、産まれた子には高確率でなんならの後遺症や悪影響があるらしいの」
「へー」
聞きたいことは聞けたので再び会見に集中する。
『我が国は今、少子高齢化の危機にあります』
すると今度は総理大臣が話し始めた。
『少しでも少子高齢化社会が改善するよう我々は国会で話し合いある法律を新たに制定することを決定しました』
そして総理大臣は間を一拍開け、再び口を開いた。
『明日からにて、血の繋がったキョウダイ同士での結婚を認める法律を新たに制定します』
そう言われた瞬間、家の中がシーンと静まりかえった。
「へ、へー…キョウダイでも結婚できるんだー」
さすがの俺も動揺である。
今までキョウダイとして見てきた女の子と結婚ができるんだぞ?ということはこの状態はいわば美少女たちと同居しているもんだ。
「ビ、ビックリだよなー…って、えっ」
周りの反応を見ようと視線をずらすと千春ねぇ、夏々ねぇ、秋奈ねぇ、冬羽、みんなが泣いていた。
「えっ、えっ!?みんなどうしたの!?」
突然のことで掛ける声が見つからない。
「ち、千春ねぇ!?」
「ふっ…ひっぐっ…」
「夏々ねぇ!?」
「ずずっ…っ」
「秋奈ねぇ!?」
「ふえーん〜〜」
「冬羽!?」
「ぐずっ…ん…」
ど、どうして泣いてるんだ……?この会見によほど感動したのか?いや、ドラマじゃあるまいし……。この会見で何かがあったのは確かだ。
会見はここで終わったのだが、みんな泣いたままだ。数分後、やっと落ち着いた千春ねぇが口を開いた。
「き、葵雪家、姉妹会議を始めます……っ!」
「へっ?」
姉妹ってことは俺は含まれてないのか?
「に、兄さんは部屋に戻ってっ……!」
「うおっ!?と、冬羽っ!」
冬羽に背中を押され、俺はリビングを追い出されてしまった。
◆          ◆        ◆
「やっと……やっとなのね……!」
「ついに、この日が……」
「ふぇ〜ん、お姉ちゃん〜」
「よしよし冬羽ちゃん〜。秋奈ちゃんも嬉しいよ〜」
互いに抱きしめ合い、喜びを分かち合う四姉妹。
四季は気づいていないがこの四姉妹は四季のことが異性として大大大大好きなのだ。つまり重度のブラコン。
しかしそれも今日までだ。
「でも結婚出来るのは一人だけよ?」
「そこは前から言っている通り、恨みっこなしね」
「秋奈ちゃん、頑張る〜」
「わ、私もっ!」
今まで大好きな四季に対して、その気持ちに蓋をし、キョウダイとしてこれからも接すること決めていた四姉妹。
しかし、今日の会見によりキョウダイ同士の結婚が認められた。
しかしながらこの日本は一夫一妻。結婚するとしてもこの中の一人しかその座を勝ち取ることができない。
「ふぁー…、暇だしもう寝ようかな……」
四季は知らない。もうこの日から日常が変わり始めていることを。
【次回シリーズ予告】CM風
キョウダイ同士で結婚出来るっ!?
そう発表された次の日から姉妹たちの様子がおかしい!?
千春『弟として好きなんじゃなくて、一人男の子として好きなのっ!』
夏々子『四季以外の男の子なんて考えられない。お姉ちゃんのままでなんていられない』                  
秋奈『みんなのことは大好きだけど〜しー君のことだけは譲れないかな〜』
冬羽『お兄ちゃん、私はずっと——』
四季を巡って早くも壮絶バトル勃発!?
さらに…!
???『お兄ちゃんのことが好きなのは』
???『私たちもなんだからねっ!』
新たな美少女姉妹登場っ!?
加速する四季争奪戦!アプローチがどんどん激しくなる毎日!
そんな美少女たちに迫られる四季は一体誰を選ぶっ!?
次回シリーズ
【四季争奪戦〜これはまだ序章の序章】
お楽しみに。
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