二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!
第247話 さあ追撃だ
さて、悪魔退治の時間だ。
ダンタリオンとかいったかな。
「叡智を司る悪魔の一体でぇー、まあ、ネルネルみたいなポジだよぉ」
相変わらず、てっきとうなサリエリの解説である。
俺みたいなポジションってなんだよ。
「んー、オカンー?」
「違う。そうじゃない」
「軍師てきなぁ」
「だから小細工してきたってことか」
うーむと腕を組む。
結果として人間側に損害は出ていない。
これを、お寒いと評することはできないだろう。策略を仕掛けたのが冒険者だったから、しかもガイリアの冒険者たちだったからこの結果を引き寄せることができたといえる。
『山猫』にしても『御意見無用』にしても無理な攻勢に出ることがなく、堅く守って援軍を待つという戦い方を貫いてくれた。
これだって並の冒険者にできることじゃないんだよ。
みんな、リントライト動乱とか、ダガン戦役とか、そういう厳しい戦いで鍛えられてきたからね。
実戦に勝る訓練なしとはよくいったもので、強敵と戦う心得はしっかり身についている。
これ他の街の……たとえばロンデン王国の王都マルスコイの冒険者とかだったら、損害は十人二十人ではきかなかっただろう。
悪い例として出しちゃって申し訳ありません。シュメイン陛下。でも、それだけマルスコイが平和で、戦乱の経験がないってことなんですよ。
あるいは、冒険者でなくて軍人が防衛戦を展開していたとしても、けっこう損害は出たと思う。
こっちにも、もちろん『固ゆで葬儀連合』にも。
軍隊の戦い方って、そういうものだからだ。
ある程度の損害を覚悟して、という部分が絶対にある。
俺たち冒険者みたいに、ゼロで勝てないなら無理に攻めないって発想はない。
どうしてかっていうと彼らは絶対に勝たないといけないから。あるいは絶対に守らないといけないから。
軍隊と冒険者ではスタンスが違うんだ。
あ、もちろん冒険者はどんなときでもすぐ逃げるチキン野郎って意味じゃないよ。命がけで戦う局面だってあるさ。
愛する人や街を守るときとかね。
記憶に新しいところだと『葬儀屋』が王国軍に追われている俺たちを助けにきてくれたりとか。
「つまり、ダンタリオンの戦略そのものは間違っていなかったってことですか? 母さん」
こてんとミリアリアが首をかしげる。
戦略が正しいのに結果が伴っていない、というのが不思議なんだろう。
でも、そういうケースも少なくないんだ。
「作戦が正しくても、状況次第で負けてしまうことはあるんだよ。戦術家泣かせの状況ってやつだな」
「でも母さんが負けたときって、作戦をミスったときだけじゃないですか」
「はうっ」
「ぐはっ」
容赦のない一言に、メグと俺が大ダメージを受けて胸を押さえた。
シュクケイどのに負けたときの話ね。
相手の戦力分析をちゃんとできていなかったってのが敗因だ。つまり、ちゃんと敗因のある敗北である。
「カイトス将軍と初めて会ったときの戦いが、近いかもしれないな」
なんとか体勢を立て直して説明した。
あのとき、数でも質でも作戦でもカイトス将軍は反乱軍を圧倒していた。でも反乱軍は勢いだけで将軍の至近まで迫ったのである。
反乱軍があそこまで狂躁状態になるなんて、百戦錬磨の将軍といえども読み切れなかった。
全滅覚悟で、一人でも多く道連れにするためだけに戦うなんて、ぶっちゃけ俺だって読めないよ。
「そういうことがあるんですねぇ」
「あるんですよ。戦は生き物っていわれるゆえんだな」
だからダンタリオンのケースは、運がなかっただけという身も蓋もない結論になってしまうのである。
その運の悪いダンタリオンをやっつけにいくメンバーは、厳正な話し合いの結果『希望』の七人に決まった。
「うん。そうなるような気がしていたよ」
「仕方ないだろうが。悪魔との戦いに人数をかけるのはバカのやることだぜ」
「俺としては『葬儀屋』の選抜メンバーで挑んでみたいって部分もあるんだけどな」
俺の嘆きに、ライノスとナザルがそれぞれの為人で応える。
大人数で挑むのは意味がない。
これはもう対悪魔戦の初歩中の初歩だ。
やつらは負の感情をエネルギーに換えることができるし、人間の生命力そのものを奪うこともできる。
つまり、戦っているときに怒りや恐怖を露わにするのは厳禁。戦えなくなった状態で戦域にとどまるのも厳禁ということ。
これって人数が多くなればなるほど難しくなってしまうんだよね。
悪神アエーシュマや邪神ガタノトーアとの戦いなんかでも、周囲の人たちが犠牲になってしまっている。
人数の多い『固ゆで野郎』としては、そういう事態は避けたいところだろう。
じゃあ全体の中から少人数を選んでいけば良いかっていうと、そう簡単な話でもないんだ。
『希望』『固ゆで野郎』『葬儀屋』の三クランから人を選んだらドリームチームが完成する。
完成はするけど連携力の問題がどどーんと横たわってしまう。
そりゃあみんな一流の冒険者だから、うまく相手に合わせることはできるよ? 並の敵ならまったく怖くないさ。
ただ、悪魔を相手に付け焼き刃の連携で戦えるのかって話。
『葬儀屋』の選りすぐりで挑むってプランは、わりと現実性が高いんだけどねー。
でも結局、慣れている俺たちが引き受けることになる。
なぜならば、一回の挑戦で確実に倒したいからだ。
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