二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!
第183話 報酬ダンジョン
ガイリアの冒険者たちがよく潜るのは『ラクリス迷宮』ってダンジョンなんだけど、ここだって無料で潜れるわけじゃない。
ダンジョンの所有権はそこを領有している貴族、昔だったらドロス伯爵で今はロスカンドロス王にあるからね。
勝手に入ったらそりゃ怒られるさ。
たいていの場合は、冒険者ギルドが管理を委託されていて、そこに入場料と採掘権料を支払って潜るんだ。
これをやらないと不法侵入と盗掘になってしまう。
それらの金銭はけっして安くないし、潜ったからといってすげーお宝をトレジャーできるとは限らない。
丸三日も潜って、ちっちゃな宝石が一つだけ、なんてこともあるんだ。
反対に、数年も遊んで暮らせるような財宝をゲットすることだってある。
まさに伸るか反るかの大勝負だね。
で、『ミノーシル迷宮』に関しては、今回俺たちに協力してくれた二百人に、永久フリーパスを進呈することにした。
入場料も採掘権料もいらないよ。好きなときに潜って好きなだけ宝物を獲って良いよっていう権利だ。
ガイリアから遠いって事情はあるものの、なかなか魅力的な報酬だと思う。
冒険者にとってはね。
「俺とナザルにジョシュアとニコル、マリクレールとアンナコニー。それにシュクケイの旦那で臨時チームってのはどうだい?」
「え? なにそのドリームチーム。俺が入りたいんだけど」
ライノスの言葉に思わず反応しちゃったよ。
アンナコニーってのは元『金糸蝶』の魔法使いで、超一流といって良いくらいの腕がある。マリクレールは『固ゆで野郎』のプリースト。在野ながらにビショップの称号を得たっていう意味では、メイシャの先達にあたるね。
これに、ガイリア一の剛剣の使い手であるライノス。
剣士としても斥候としても一流のニコル。
近距離中距離自在で万能型の戦いができるナザルとジョシュア。
俺だって、こんな連中を率いて戦ってみたい。
「いいなぁ。シュクケイどのいいぁ」
「母上だって、最強の娘たちを率いてるじゃないか」
シュクケイが笑った。
そりゃね。英雄アスカに賢者ミリアリア、聖女メイシャに勇者サリエリ、韋駄天のメグに、弓士で霊媒のユウギリ。能力的にはそっちのチームに引けを取らないどころか、勝っているだろうさ。
けど、全員がうら若き女性なんだよ。
この苦労があんたに判るか? シュクケイさんよ。
「大丈夫。母上ならやれるさ」
親指を立てるな。キラリと無駄に白い歯を輝かせるな。
『ミノーシル迷宮』は、まったく調査されていないんだそうだ。
ルターニャには冒険者ギルドがないため冒険者がいないってのが最大の理由だ。
いままでずっとダガンや野盗に圧迫されてきたからね。
のんきに冒険なんかしていられなかったんだろう。
どこの町にでもいる何でも屋ていどじゃ、さすがにダンジョンには潜れない。
「未踏破のダンジョン! ワクワクするね!」
アスカさん大はしゃぎだ。
準備を終え、ダンジョンアタック初日である。
あ、月光はもちろん返してもらったよ。
刃こぼれとかしていなくて良かった。本当に良かった。
「わたし剣もう一本欲しいかも! なんか二刀流に目覚めちゃった!」
おやめなさいって、すぐに何にでも手を出そうとするのは。
サリエリみたいに勇者の天賦を持ってるなら、いろんなことに才能を発揮できるんで器用貧乏にはならないけどさ。
英雄って天賦はそんなに器用なもんじゃないのよ。
「左手は盾を持つか、あるいは右手の補助として剣に添えた方が良いと思うけどな」
「けど、母ちゃんのカタナを使ったとき効率が良くなったのも事実なんだよ!」
ふうむ。
守りながら戦うってより、攻撃のみを考えた方がアスカらしいともいえる。
かといって、グレートソートやグランドシャムシールみたいな両手持ちの大剣だと、彼女の速度が損なわれてしまうだろう。
なにか、左手で扱うような武器があればいいのだが。
「わかった。なんか考えてみる。今回のところは今まで通りのスタイルで行こう」
「えー? 母ちゃんのカタナをくれるって話はー?」
「そんな話はしていない」
月光は俺専用に打たれた一本なんだから、アスカといえどもあげられないんだよ。
きゃいきゃいと騒ぎながらダンジョンに足を踏み入れる。
なんというか、もう少し粛々といかないもんなのかね。うちのチームは。
回廊は広く、なんとか三人が並んで戦えそうだ。
余裕を持つなら二人かな。となるといつもどおりのフォーメーションだね。
アスカとサリエリが前衛で右翼左翼。俺がやや下がった位置で中央。
後衛は、左からメイシャ、ミリアリア、ユウギリ。
メグは遊撃として普段は俺の横。状況によっては隠形して前に出るし、後ろ三人の防衛に入ることもあるっていうユーティリティなポジションだ。
「光よ!」
「ウィルオウィスプたん~ きてぇ」
ミリアリアの杖の先に明かりが灯り、サリエリが呼び出した光の精霊がふわふわと遊弋する。
そして俺はランタンに火をつけた。
光源が三つあるってのは、相変わらず心強いね。
薄闇に目が慣れるのを待って歩き出す。
「ダンジョンの探索も久しぶりスね。ネルダンさん」
「ああ。自分が冒険者なんだと思い出すようだよ」
野帳にダンジョンの情報を記し始めたメグの手元を、ランタンをかざして照らしてやる。
まだ誰も潜ったことのないダンジョンだ。
当然のように地図だって存在しない。
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