二度追放された冒険者、激レアスキル駆使して美少女軍団を育成中!
第50話 オカン温泉
たしかに川から汲んだ水を湧かした風呂とは、ひと味違った。
こうのんびりと足を伸ばして湯船に浸かるというのは、大変に良いものである。
あと、身体を洗ってくれる湯女は丁重にお断りしたよ。
さすがにね。
娘たちの手前もあるし、性的なサービスを享受するわけにはいかんでしょ。
ザックラントは王国が手配してくれた高級娼婦とよろしくやってるっぽいけどね。
いいなぁ。
「きもちよかったねー!」
廊下を歩いていると、宿が貸してくれた部屋着姿でアスカが抱きついてくる。
風呂上がりの良い匂いが鼻をくすぐり、胸がむにっと押しつけられた。
またかよ。
ちゃんと下着をつけなさい。
「ちゃんと乳バンドをつけなさいな。アスカ」
「サービスサービス!」
「いらんいらん」
きゃいきゃいと騒ぎながら自室に戻ると、すでにミリアリア、メイシャ、メグ、サリエリの四人がベッドに陣取っていた。
みんな部屋着姿で。
いいんだけどさ。ここで寝るなよ?
ちゃんと一人一人に部屋とベッドがあてがわれてるんだから。
「美女がこんなに揃っているのにその反応はぁ、ネルネルって不能な人なのぉ?」
そしてサリエリに、すごく失礼なことを言われた。
泣いちゃうぞ?
「子供に手を出すわけにいかないだろ」
「うちはぁ大人だよぉ?」
むふふーと笑ってるよ、このダークエルフは。
いくら成人(数え十八)に達していても、その態度では女性を感じないわよ。サリエリさん。
「へいへい。色っぽい色っぽい」
適当に流しながらライティングデスクに腰掛ける。
キングサイズのでかいベッドは娘たちに占領されているからね。
「王都到着は明日だ。魔王さまと面会することになるから、失礼のないようにな。みんな」
「カイトス将軍と会った時みたいに、ネル母さんのうしろで跪いてればいいんですよね? 失礼などしようがないと思いますけど」
こてんとミリアリアが小首をかしげた。
あのときは、俺の後ろに三人娘が控えていたって感じだけど、今回はそうじゃない。
俺たち個人の功績を、魔王イングラルが個人として称えたいって話だからね。
謁見の間で、文武百官に見られながら言葉をいただくみたいな形にはならないんだよ。そっちはザックラントだな。
俺たちは応接間とかそういう場所で、ソファとかに座った状態で話をするってこと。
「いやいやいや! そんなのきいてないし!」
慌てたようにアスカが両手を振り回す。
そんな格好で暴れない。
見えちゃうからね。いろいろと。
「言ってないからな。俺だって聞いたのは昨日だし」
肩をすくめてみせた。
普通に謁見の間で、遠くから声を掛けられておしまいだと思っていたのである。
けど、形としては俺たちは敵国人だから、公然と称揚することはできない。
言われてみればその通りで、俺としては判りましたとしか応えようがなかったよ。
「緊張いたしますわ。倒れてしまったらどうしましょう」
「オレ、あめ玉をいっぱい持っておくス」
メイシャとメグが謎の相談をしている。
魔王の目の前であめ玉をしゃぶるとは、なかなか剛の者たちだ。
まあ、子供のやることなんで、そんなに怒られないかもしれないけどね。
「受け答えは基本的に俺がやるけど、お前たちも質問とかされるかもしれないからな。そのときに失礼なことを言わないようにって話さ」
アスカに近づいて服を直してやる。
緊張しなくても大丈夫だからな、とか声をかけながら。
当たり前の話だけど、マスル王国の王都リーサンサンはでかかった。
王城も立派だった。
俺たちが知っているお城といえば、ガイリアにあるドロス伯爵の居城だけど、比べちゃったら伯爵が可哀想ってくらいの豪華絢爛さである。
「すごいお城ですね。ネル母さん」
右手を額にかざして見上げながらミリアリアが感心した。
「この城を見て、ミリアリアはどう思った?」
「マスル王国の国力はリントライト王国のそれより大きく、技術的にも水をあけられている、というところでしょうか」
「正解だ」
茶色い髪をなで回してやる。
小柄な魔法使いがくすぐったそうに目を細めた。
お城を大きくしたいんだい、と思ったとしても、そう簡単な話ではない。石を積み上げるにしても、木造だとしても、莫大な金と技術が必要なのだ。
これだけでかくて立派な城があるってことは、巨大な建造物をつくるだけの技術があり、それを支える資金力があるという証拠である。
そして同時に、そういう見栄の部分にお金を使う余裕もあるってこと。
王城ってのは国威の象徴だけど、国全体が貧困にあえいでいたら、外見を取り繕う余裕だってなくなるからね。
「ネル母さんと一緒にいたら、そのくらいは読めるようになりますよ」
「うんうん。俺がいなくなったら、ミリアリアが指揮を執るんだぞ」
「なんでそんなこというんですか!」
むきーってミリアリアが噛みついてくる。
「たとえばの話だって。不測の事態ってのがあるかもしれないんだから」
ちょっと剣幕にたじたじとしながら釈明した。
非常時の序列は決めておかないといけないだろって。
「私、そういうの嫌いです」
ぷいっと横を向いてしまう。
拗ねてしまった。
どうしよう。
「女の子の気持ちも判らないなんてぇ。へぼい軍師もいたもんだねぇ」
サリエリがニマニマと笑う。
くそう。
なんも言い返せねぇ。
こうのんびりと足を伸ばして湯船に浸かるというのは、大変に良いものである。
あと、身体を洗ってくれる湯女は丁重にお断りしたよ。
さすがにね。
娘たちの手前もあるし、性的なサービスを享受するわけにはいかんでしょ。
ザックラントは王国が手配してくれた高級娼婦とよろしくやってるっぽいけどね。
いいなぁ。
「きもちよかったねー!」
廊下を歩いていると、宿が貸してくれた部屋着姿でアスカが抱きついてくる。
風呂上がりの良い匂いが鼻をくすぐり、胸がむにっと押しつけられた。
またかよ。
ちゃんと下着をつけなさい。
「ちゃんと乳バンドをつけなさいな。アスカ」
「サービスサービス!」
「いらんいらん」
きゃいきゃいと騒ぎながら自室に戻ると、すでにミリアリア、メイシャ、メグ、サリエリの四人がベッドに陣取っていた。
みんな部屋着姿で。
いいんだけどさ。ここで寝るなよ?
ちゃんと一人一人に部屋とベッドがあてがわれてるんだから。
「美女がこんなに揃っているのにその反応はぁ、ネルネルって不能な人なのぉ?」
そしてサリエリに、すごく失礼なことを言われた。
泣いちゃうぞ?
「子供に手を出すわけにいかないだろ」
「うちはぁ大人だよぉ?」
むふふーと笑ってるよ、このダークエルフは。
いくら成人(数え十八)に達していても、その態度では女性を感じないわよ。サリエリさん。
「へいへい。色っぽい色っぽい」
適当に流しながらライティングデスクに腰掛ける。
キングサイズのでかいベッドは娘たちに占領されているからね。
「王都到着は明日だ。魔王さまと面会することになるから、失礼のないようにな。みんな」
「カイトス将軍と会った時みたいに、ネル母さんのうしろで跪いてればいいんですよね? 失礼などしようがないと思いますけど」
こてんとミリアリアが小首をかしげた。
あのときは、俺の後ろに三人娘が控えていたって感じだけど、今回はそうじゃない。
俺たち個人の功績を、魔王イングラルが個人として称えたいって話だからね。
謁見の間で、文武百官に見られながら言葉をいただくみたいな形にはならないんだよ。そっちはザックラントだな。
俺たちは応接間とかそういう場所で、ソファとかに座った状態で話をするってこと。
「いやいやいや! そんなのきいてないし!」
慌てたようにアスカが両手を振り回す。
そんな格好で暴れない。
見えちゃうからね。いろいろと。
「言ってないからな。俺だって聞いたのは昨日だし」
肩をすくめてみせた。
普通に謁見の間で、遠くから声を掛けられておしまいだと思っていたのである。
けど、形としては俺たちは敵国人だから、公然と称揚することはできない。
言われてみればその通りで、俺としては判りましたとしか応えようがなかったよ。
「緊張いたしますわ。倒れてしまったらどうしましょう」
「オレ、あめ玉をいっぱい持っておくス」
メイシャとメグが謎の相談をしている。
魔王の目の前であめ玉をしゃぶるとは、なかなか剛の者たちだ。
まあ、子供のやることなんで、そんなに怒られないかもしれないけどね。
「受け答えは基本的に俺がやるけど、お前たちも質問とかされるかもしれないからな。そのときに失礼なことを言わないようにって話さ」
アスカに近づいて服を直してやる。
緊張しなくても大丈夫だからな、とか声をかけながら。
当たり前の話だけど、マスル王国の王都リーサンサンはでかかった。
王城も立派だった。
俺たちが知っているお城といえば、ガイリアにあるドロス伯爵の居城だけど、比べちゃったら伯爵が可哀想ってくらいの豪華絢爛さである。
「すごいお城ですね。ネル母さん」
右手を額にかざして見上げながらミリアリアが感心した。
「この城を見て、ミリアリアはどう思った?」
「マスル王国の国力はリントライト王国のそれより大きく、技術的にも水をあけられている、というところでしょうか」
「正解だ」
茶色い髪をなで回してやる。
小柄な魔法使いがくすぐったそうに目を細めた。
お城を大きくしたいんだい、と思ったとしても、そう簡単な話ではない。石を積み上げるにしても、木造だとしても、莫大な金と技術が必要なのだ。
これだけでかくて立派な城があるってことは、巨大な建造物をつくるだけの技術があり、それを支える資金力があるという証拠である。
そして同時に、そういう見栄の部分にお金を使う余裕もあるってこと。
王城ってのは国威の象徴だけど、国全体が貧困にあえいでいたら、外見を取り繕う余裕だってなくなるからね。
「ネル母さんと一緒にいたら、そのくらいは読めるようになりますよ」
「うんうん。俺がいなくなったら、ミリアリアが指揮を執るんだぞ」
「なんでそんなこというんですか!」
むきーってミリアリアが噛みついてくる。
「たとえばの話だって。不測の事態ってのがあるかもしれないんだから」
ちょっと剣幕にたじたじとしながら釈明した。
非常時の序列は決めておかないといけないだろって。
「私、そういうの嫌いです」
ぷいっと横を向いてしまう。
拗ねてしまった。
どうしよう。
「女の子の気持ちも判らないなんてぇ。へぼい軍師もいたもんだねぇ」
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