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ストレインフルアーズ

霧花斬華

最悪な男 下

「みゃー」
黒猫が鳴く。
ベディが連れ去られたあと、髪から落ちた黄色いヘヤピンを咥えて、半開きになっているカジノの扉へ入って行く。

支配人室
「ふぁー」
フールが眠そうに欠伸をする。目を擦って資料に目を通す。自分なりにベディについて調べていたのだ。オークションで売られていることから見えなくて当然なのは分かってはいるが、しかし、ベディの情報自体はある。オークション会場でまとめられていた情報と若干の違いを探していた。
「みゃー。」
猫がひと鳴き
鳴き声の聞こえた方を見ると、ローテブルの上にチョコンと座ってベディにあげたヘヤピンを前に出していた。
「みゃー。」
フールは資料を置いてヘヤピンを手に取り、黒猫に聞く。
「なぁ、ベディのヘヤピンだよな?」
「みゃー。」
「連れ去られたのか?」
「みゃー。」
「そうか、ありがとう。」
そう言って黒猫を撫で、急いで部屋を出た。
ーーーーーーーーーーーーーーー
唇に紅を塗っている女性が一人。
華やかな着物を着て、美しい顔立ちがよく映える髪飾りをつけて、虚しそうにため息を着く。
赤色ばかりの部屋の電話がけたたましくなる。
「あい。」
古いかたちをした固定電話の受話器をとる。
電話の向こうからうんざりするほどよく聞いた、ひねくれ口調が聞こえた。
《あ、もしもーし。姐さん?フールなんだけどちょっといい?》
「はぁ。」
フールのこのノリというか、なんというか、外面だけがいいこの感じが相手をする気分にならない。
(昔はもっと静かな子だったのに、、、何処で育て方を間違えたのやら。)
そう考えるも、無意味なことに気づきまたため息がこぼれる。
《声聞いてすぐにため息つかれるのは、さすがに傷つくよ?》
「なんでありんしょう。」
《うーん。時間が無いかもだから率直に言うわ。》
フールの声がひとつ落ちて
《ベディが連れ去られた。》
その言葉と様子的におおよその察しが着いたバルゴはそばにあった紙を取って、万年筆で字を書いた。小さなベルを鳴らして、雪菜に紙を渡すと雪菜は急いで出ていった。
「なるほど。わかりんした。何を調べて欲しいんでありんす?」
《お!相変わらず話が早い!さっすが姐さん!》
「何をたわけたことを、、、」
(あんなに真剣に言っておいて。全く。)
《姐さん、ベディのとも主人に対してなんかやろうとしてたからさ、それ聞きたくて。》
「嗚呼。なるほど、わかりんした。どうせカジノで厄介をやっているんでありんしょ?うちにきなさんし。そしたら、詳しく説明するでありんす。」
《了解。》
そう言って電話が切れた。
バルゴは戻ってきた雪菜と共に部屋に入って来ていた薄紫髪の人物に一礼してた。
「アル、少々話がありんす。」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「落ち着いた?」
瓦礫の上に座るフールにライが呼びかける。
「いいや全く。」
「ありゃりゃ。」
フールの座る瓦礫は先程まで家だった物で家主は拘束して、転がしてあった。
フールはその転がっている家主に話しかける。
「なぁ、いい加減話したらどうだ?ベディは何処へやった。」
フールの目が猫よりも鋭く蛇よりも執着に光る。
家主は首を振って答えようとしない。
フールは頭を感情任せに掻きむしると、そばにあったコンクリート片を投げて大声を出す。
「あーーーー!ウザ!!ほんっと!最悪!!」
「まぁまぁ、落ち着いて。ベディはきっと無事だよ。」
「当たり前だ。無事じゃなくなる前に助ける。」
「お、ヘタレなフールが珍しい。そんな事、あんまり断言しなかったのに。」
フールが家主を担いで瓦礫を上がる。
「そんな事ねーよ。言う理由が無かっただけで。」
「そうかもね。でも、ベディのことで本気になってるってことで良いのかな?」
フールの後ろについて行くライが嬉しそうにした。
「そうだな。認めなくないけど。」
「ふふ、素直じゃないんだから。」

和楼魅外街、
十二星士の本拠地摩天楼の上、最上階の一つ下にある宴の間。そこで向かい合って座っていた。
アルとバルゴ、そして天秤のトルが学生着で正座していた。
フール、コール、コールが担いで持ってきたフールに家を粉々にされた事が家主。
少しの沈黙を得て、アルが家主を指さして
「まず、そいつはなんなんだ?」
と聞く。フールは頭を持って
「ベディを連れ去った家族の一人。」
「人攫いの家族か、他のは??」
「二人の息子はカジノで拘束して空き部屋にぶち込んでる。」
バルゴが家主に話しかける。
「しかし、災難でありんしたね。たまたま連れ去った娘が上級夢魔の番候補だったなんて、、、」
家主は必死にもがいて何かを伝えようとするが、口に巻かれたタオルがそれを許さない。
バルゴがフールに視線で合図すると指を鳴らしてタオルを切る。口が自由になった家主は必死抗議する。
「違うんです!!私は脅されているんです!娘が、娘が人質にされているんです!!」
バルゴは優しく
「そうでありんすか、、、なればわっちらに誰に脅されているか」
「それは、、、」
躊躇う家主にバルゴは言う、
「大丈夫でありんす。必ず捕まえ、、、」
家主がどんどん脹れてゆく。
「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
中で泡でもたっているように肌がうねって体全体が膨張して、
パン!!
風船が割れたように、死んだ。
豪華な金の装飾がされた部屋に血が飛び散り、ボトボト残った胃腸と肝臓と胃と肺の欠片が落ちた。バルゴは血だらけで、綺麗な服が赤一色に染まった。
その場にいた全員に血が付き、残った内蔵に目を向けている。
バルゴは泣きそうになって固まっていた。
「わ、わっちがはなさ、、、」
「姐さん。違いますよ。元から仕組まれていたんですよ。」
フールがバルゴに言う。それでもバルゴは苦しそうに顔を歪める。
コールがバルゴに駆け寄り肩をさする。
「よし。よし。痛く。ない。痛く。ない。」
三つ程の人形がどこからともなく出てきて、臓器や部屋に着いた血を拭き始めた。フールはそんなふたりを横目に話を始めた。
「手が掛かりが消えたな。しらみ潰しに当たってみるしかないか、、、」
(心当たりが無いわけじゃないし。)
アルが
「まぁ待てよ。この手の呪術師はそう簡単にいるもんじゃねー調べればすぐに見つかる。」
「んじゃ、お願いしても??」
「ハイハイ。」
「所で、ベディの元主人に関しての情報が欲しいんだけど、、、」
「わかってるよ。ホレ。」
アルが大きな封筒を渡してきた。
ボタンから紐をとると、中の20枚程度の報告書に目を通す。
「、、、これは、、、」
フールは絶句した。何とか言葉を絞り出して、出た言葉がそれだった。
報告書の内容はジョセフの城周辺で起こっている少女と双子の失踪事件。状況証拠は完全に揃ってるのに名家の城とあって誰も捜査に入れないこと、もう三つの村から完全に少女と双子が消えている事、その数がおおよそ二千人は超えていること、そして、その全員が見つかっていないこと。
読んでいるだけで気が思いやられる報告書だった。
苦虫を噛み潰したような顔をしているフールにアルが
「そんな報告が来てるのがベディの元主人だ。」
「なるほど。最悪な男だな。」
疲れたように呟いた。
「だな。お前の所のベディはこいつのイタズラな拷問に数年耐えた。そしたら、、、ああなるよな。」
 正直、フールはベディの状態を甘く見ていた。いや、甘く、と言うのは言い方が違う。予想を遥かに超えて悲惨だった。そしてこの最悪が塗り替えられる予想がたっているからなお、苛立ちと憎悪が加速した。
「コール。」
「何。」
「ベディが死なない以外の最悪な状況を想像しとけ。」
コールは少し口をニヤつかせた。
「ベディが死なないなら最悪なんて無いよ。」
コールの言葉に乾いた笑いを出して、
「心強いこって、、、。コール、二人に好きに暴れていいって言っとけ。あと、今言ったことと同じ事も。」
「了解。」
二人の会話を聞いて、トルが
「皆さんとても仲がいいんですね。その中にいられるベディちゃんはとっても幸せだろうね。」
「「・・・」」
「ベディちゃんを助けるならジョセフとか言うクソ男を法的に裁くのが手っ取り早い。という訳で、提案です。」
手を叩いて楽しそうに言う。フールはトルの提案に身構えた。
「提案??」
「はい。」
薄い閉じられたような瞼がひらかれ、ラピスラズリのような夜空を映したような目が現れる。
「帝国軍人、基、警察に今日協力してもらうことです。」
「はぁ!!」
フールは声を上げて嫌がる。
「おイヤですか?」
「すっごく!!やだ!!」
「おやおや。」
「だいたいお前らマフィアだろ!!なのに警察に協力を仰ぐなんて、、、」
「まぁまぁ。あなた達こそ、違法カジノでもやってるんですか??」
「何でそうなる!!うちに飛び火するな!全部合法だ!!」
「何でそんなに嫌がるんですか、、、?」
「元から警察が嫌いなだけだ。」
「何故??」
「別にそんなんどうでもいいだろ!」
話を切り上げ、本題に戻す。
「警察に協力を仰ぐんだろ。その事自体に批判は持ってないよ。」
「ありがとうございます。無理とか言われたらどうしようと思いました。まぁそんなこと言ったってもう遅いんですけどね。」
「は?」
「もう来てもらってるので!」
ちょっとトルにイラついた。
襖が開かれそこには軍服姿の背の高い黒髪、青眼の青年と、レッドオレンジのポニーテールの少女がたっていた。
「ガルーラ・クチサイトだ。ガルでいい。」
「ナルー。ナルーシャルル・フェース。帝国本部の軍医長よ。一応、第一戦闘部隊隊長だから、変な真似したら、、、殺すわよ?」
(医者が殺すって言ったよ、、、。この国終わってんじゃね??)
フールは内心思いつつ、呆れながら挨拶した。
「変な真似なんてしませんよ。どうも。俺はフール。横の赤いのがコール。」
「どうも。」
コールも少し頭を下げる。
何時ものひねくれを入れる。
「しかし、まさかこんな事にストレインレッドの方が起こしになるなんて、、、案外、暇なんですか??」
「うっさいわね。暇じゃないわよ!」
全く、、、。そう言って子供のようにそっぽを向くルナー。ガルが
「はぁ。アル、手がかりが掴めたとは本当なのか?」
アルは両手を振って肩を竦めた。
「ああ、本当さ。だが、たった今死んだ。」
ナルーが激高する。
「死んだ?!なにしてんのよ!!」
「ほれ、俺の一張羅にこんなに血がついてんだろ?今さっき爆発した。」
「爆発したって、、、」
「さっきまで臓物もあったんだが、人形共が片付けちまった。」
「何よそれ。じゃあ証拠は無いじゃない!」
苦言をていするナルーにフールがSBカードを投げる。
「そこにはベディを連れ去った車のナンバーが映ってる。その車追ってバートリエル邸には向かってれば少なからず人攫いの罪で令状取れないか?」
「無理ね。まだ証拠が薄い。それに、他のところで車を取り替えてる可能性があるわ。その後を追跡するのは至難の技よ。」
先程とは打って変わって冷静に言うナルーにフールは少し驚きつつ、言う。
「それでも、車が置き去りにされていたら何が見つかるかもしれないだろ。」
「そうね。イシアに言ってみる。」
携帯を出して電話をしに行く。
ガルが突然フールの肩に手を置く。

フールが暗闇に一人。
状牢屋に閉じ込められていた。
伸びきった髪の隙間から見るのは木の格子の先にいる少女。楽しそうに話をしている。
フールも心無しか楽しそうにしてた。

「おい。」
フールがガルの手首を握り上げている。
「なんだ。」
フールの掴んでいる手に力が入り、ギチギチと音が鳴る。
「何勝手に過去を見てんだよ。」
「別に。」
「別にじゃねーだろ。」
「身辺調査の手間を省きたくてな。」
「クソが。」
「夢魔も恋をするんだな。驚きだ。」
無表情で言うガルにイラついた。
「死ね。」
乱暴に腕を話すとガルは手首をさする。
「悪かった。素直に身辺調査する。」
素直に謝ってくるガルに驚きはするももいらだちは抑えきれないので強い口調のまま返事をする。
「最初からそうしろよ。」
「嗚呼。そうだな。上手く使い切れないな。これ。」
フールはガルに聞く。
「お前、異常者か?」
ガルは頷いた。
「ああ。そうだ。」
フールは内心で焦りを感じた。
異常。
端的に言えば、人間にのみ備わっている異能力。
帝国部隊部隊長組織、呼び名をストレインレッド
異常を操り部隊長まで急速に駆け上がったもののみしか入ることが出来ない幻の組織だ。
存在していることは知っていたが、本当に噂としか思ってなかった。先程適当におチョくった自分が少し憎い。
(コイツが本当にストレインレッドならあの、ポニテのガキも同じか、、、メンド。)
「なぁ」
「なんだ?」
フールのがガルに質問をなげかける。
「なんで、お前ら戦闘部隊がこの事件おってんだ?下のやつらに任せておけばいいじゃないか。」
ガルはフールから顔を逸らすと、一言
「消えた。」

「は?」
さすがに唖然とする。
(消えた?今消えたつったか?)
「消えたって、、、どういうことだよ。」
ガルは平然と答える。
「そのままだ。捜査している女性調査員全員消えた。ペアで行動していても姿がくらむか、もう一人の調査員が死体で見つかるか、どちらかだからだ。」
ガルに少しゾッとした。自分の同僚が死んでるか、死ぬより苦しい思いをしてるかもしれないのに平然としていて気持ちが悪くてしょうがない。人間でないフールだとしても、少しの同情くらいはあるつもりだ。
完全に感情の一部が抜け落ちているガルにベディよりも哀れに思った。
「可哀想だな。お前の同僚。」
少しフールをタンザナイトの目が見ると、直ぐに戻って、瞬きをした。
「そうだな。」
沈黙が続いて、
ナルーが戻ってきた。
「見つけたって。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「何が至難の業だよ!!秒じゃねーか!!」
乗り捨てられた車を蹴りあげる。
頬を膨らましたナルーが
「しょうがないじゃない!!すごく難しいと思ってたんだから!!」
フールをポカポカと痛くもない力で殴る。ナルー
「お前が機械音痴なだけだろ!!」
図星をつかれたようで、
「うっ!そ、そんなことないもん!!」
ほぼほぼ涙目。先程までの戦闘部隊隊長としての面影は消え、子供のように歯向かってくるナルーがいた。
「お前、カッコつけてただけだろ。本当は厳しい性格とかじゃねーだろ。やめとけ、あとから自分の首を絞めるだけだぞ。」
優しさにも似たフールの言葉がよりナルーの心をえぐる。
「そんなことないもーーーん!!私はお姉ちゃんだもん!!うぅ」
「はぁ?何言ってんだおめぇ。」
フールの肩にガルが手を置き、
「やめてやれ、そこは新しい傷なんだ。触れてやるな。」
「やめてガル!!うわぁーーーん!」
痛くもないパンチがガルに行く。
「お前ら遊んでないで調べてくんねーかな!!」
アルが車の中からアルが出てくる。
「あ、調べ終わった?」
フールがアルにおつかれの意を込めて肩を叩く。
「俺はお前らのパシリじゃねーかんな!!
はぁ、ねーな。強いて言うならやけに足元に血痕が多いくらいだ。」
「血痕?」
フールが車の中に入って中を見ると足元のジュータンが赤くなっていた。指を出してなぞってみるとアルの言った通り血のようで固まっていた。
「みゃー」
猫がフールの上に乗って椅子を引っ掻く。出てきたわたが少し固まっているのを見て、
(まさか、、、)
いつも持ってる折りたたみナイフを出して後ろの二人席を引き裂く。
「ちょちょ!何してんの!?」
ナルーが驚いて止めようとするも遅く、座席の腰掛け部分を剥がしていた。
「嘘だろ。」
フールの肩から顔を出すナルーも息を飲んだ。
赤く染った綿を恐る恐るどかす。
「「ッ!!」」
二人とも体が退いた。
「おい、大丈夫か?」
アルが二人を心配していると猫が爪とぎをした。
赤とも黒とも言えない色で染ったワタが出てきて
「ひぃ、、、!」
ナルーは無意識にフールの袖を掴んでしまう。
アルが見に行こうとするとフールが服を掴んで制止する。
「本当にどうした?一体何を見た!」
アルが問いただすように言う。
フールが怒りと嫌悪に満ちた顔で言う。
「足と腕があった。人間の。」
ガルが車の中を覗く。フールがめくった椅子の中に細い腕と足が二つ。生気のない青白い腐った手にはブレスレッドとロケットペンダントが付いていて、ロケットには仲睦まじい家主の家族の姿が映っていた。
ガルが言う。
「これ、あの男が乗ってたな。ロケットの中の子供が着けてるブレスレッドとお同じだな。」
「やめろ!!理解しないようにしてんのに!!」
フールが堪らず叫んでしまう。
「そんなに、取り乱す程か。」
ガルの胸ぐらを掴んでいる言う。
「そうだよ!取り乱す程だ!!確かにお前からしたら人外で悪魔だ。でも、それなれなにり感情はあるつもりだ!だから信じたくないんだよ!``娘の死体が入ってたシートに座って子供誘拐してましたなんて!!´ ´ 」
肩で息をして、ガルを離す。先程椅子を切った折りたたみナイフをまた椅子に突き立てシートを全て剥がしてゆく。
赤黒い色が染み込んだ綿を乱雑にとると、体のあちら事ちらの部位が出てきた。それを見せつけるようにドアからどくと、
「いいか、よく覚えておけ。俺ら悪魔よりよっぽど残酷で醜いのは人間なんだよ!」
車の屋根を力強く殴った。
ガルとアルは示し合わせたように言う。
「「知ってる。ずっど前からな。」」
その場の全員が知ってる事だ。
ナルーだってわかってる。つい先日実感したばかりだ。
だが、悪魔にこうやって言葉にして言われると救いようが無いのかもしれないと思ってしまう。
皆、一番突きつけられたくない言葉だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
食堂の机に突っ伏しているフールにライが飲み物をおく。
「で、その後どうしたの?」
「その後、応援のヤツらが来て、現場検証少しして、その車を逆追跡してバートリエル家から出てることがわかったからそこで令状取るってさ。明日突入するから準備しとけ〜だと。」
「行く?」
「あり前。」
「それは良かった。」
そう言ってフールの背中をさする。
「なんだよ。」
何時もより弱々しいフールの声。
「お疲れ様。オーナー。お前はよく頑張ってるよ。」
「嗚呼。」
「大丈夫だよ、ベディは必ず助けるから。助かるから。」
「わかってる。」
「少し、疲れたな。」
「大分だ。大分疲れた。」
「そうだな。」
「なぁ、ライ。」
「何?」
少し間が置かれ、フールが言う。
「間違えて良かったって思ったことあるか?」
突然の質問に少し驚くものの、うーん、と唸りながら答える。
「ないよ。全部後悔してきた。あんな選択しなきゃ良かったって。そうしたら何か変わることが出来たかもしれないって。」
「・・・」
「でも、``今そう考えたって行きたかった未来へ行けるわけじゃない´ ´ 過去は過去、今は今。踏ん切りは付けてるつもりだよ。」
「強いな、お前。」
ライは、悲しそうに笑顔を作ると、
「そんなことないよ。強いと思うならきっとフールのおかげだよ。」
「そんな事ねーよ。第一、俺は強くない。力ばっかで心が追いついてる気がしない。」
「違うよ。俺は、、、間違えても今満足してるからいいって思ってるだけだよ。何回も違えた先で、フール達に会えて今ここにいれること、居れている``俺´ ´ である事が誇らしいんだよ。」
伏していた顔を上げ、両手で叩く。
「そうだな。今に満足してる。」
「うん。」
「辛い過去なら繰り返さなきゃいい話だ。ライ、」
「何?」
「ありがとう。今を誇れるように頑張ってみる。」
「うん。頑張れ。」
互いの拳をぶつける。
「おう。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日。
皆、何時ものディーラー服ではなくて、銃やナイフをしまうようベルトのベストや、くろい服で身を包んでいた。
ガルとナルーが来て、バートリエル邸に連れていってもらうことになったのだ。
道中車の中でナルーが話しかけてきた。
「随分気合いが入ってるのね。」
「まぁな。」
フールが得意げに答えた。ナルーはつづける。
「それは、、、良い事ね。」
「そういえば、よく取れたな。」
「何が?」
「令状。」
「え?」
「いや、昨日の現場もそうだけど、結局状況証拠しか無かったわけだろ?家紋があったって言っても、そんなんいくらでも置けるし、、、」
考え込んでしまうと、ナルーが
「それ以上触れない方がいいわよ?ふふ」
黒く笑う。
「お前、まさか、、、」
「なんの事かしら?私はただ、幻の限定餡蜜を持って行っただけよ?悪いことなんてしてないわ。」

ナルーが餡蜜に夢中になっている上司のスキをついて決定を押したのが目に浮かんだ。
(ていやー!)

「ガバガバじゃねーか。」
「令状が取れたんだからいいでしょ?」
「まぁ。そうだけど、、、」
「安心して、ほかの事件ではやらないから。冤罪うみたくないしね。」
「当たり前だ。」
ナルーが思い出したように言う
「そうそう!いちお言っとくわ!」
「あ?」
「あっち大分武装してるから、好きなように暴れていいわよ。」 
「そりゃどうも。」
「それと、」
「なんだ?」
「なんでフール以外寝てるの?」
他3人の寝息が静かになった車内に聞こえる。
「しらね。」

バートリエル邸の私有地の前に車が止まる。
車を降りると、アルとトルがいた。
「あれ?アル、トル?どうでしてここに?」
フールが聞くとトルが言う。
「酷いなー疑問符を付けないでくれよ。いい情報持ってきたのに。」
「いい情報?」
「ウン。」
「なんだよ。」
「ジョゼフは日程の感覚がない。」
「は?」
「彼は障害持ちでね。これだけでないのだけれど、おそらく、彼は昨日ベディを連れてきたことに気づいてない。それどころか昨日を今日と勘違いしている。」
「はぁ?聞けば聞くほどわかんねーな。」
「彼は複数の障害と性格と環境が合わさってこの殺戮をやっているわけだから色々特殊なんだよ。彼自身も、体もね。」
より疑問符が浮く。
アルがトルとコールに呼びかける。
「トル、そろそろエリザベート・バートリーの説明しろ。」
トルはおっと、と言ってフールに向き直した。
「そうだった。このお城の中には妹に罪を着せられたお姫様がいるんだよ。彼女が第一継承者だから、その子に訴えてもらう。」
「おいおい、大丈夫なのか?第一継承者ってことはクソ野郎の娘ってことだろ?」
「大丈夫。だって彼女、あの家だと異例の子だから。」
「お、おう。」
「そこで!作戦!」

コールがバートリエル邸の巨大な門を殴り飛ばす。土煙がたち、その煙の中から八人の影。
「これ、このチンチクリンの本気、、、なのか、」
唖然としながら言うアル。
殴り飛ばされた門を見てみれば豪華な装飾が拳の形に曲がり、門自体がコールの拳が触れたところからひしゃげていた。それを見て、トルとガル、ナルーも冷や汗をかいた。
「先、行ってるわよ。」
ナルーがそう言うと、トルと姿が消えた。
フールが声を上げる。
「お前ら、派手にやれ。
フールの名においてここに宣言。
愚者の行為を、
許可する」
『アルカディアナイトメア(理想郷の悪夢)』
刹那、全体の動きが遅くなる。
風も、舞い落ちる葉っぱも砂埃もこちらに向かってくる人間も、何もかもがゆくっりとなって、

フールの標的となる。

指を鳴らすと、
全ての動きが元に戻った。
「はい。あとよろしく。」
そう言ってフールは消えた。
「相変わらずすごいよな。これ。」
ライが襲ってきた人間をあしらって言う。
「本当。こういうところ見ると、格が違うって思い知らされるよ。」
ヘルドレイドとライの会話に首を傾げるガル。
「どういうことだ?今、フールは何をしたんだ?」
足蹴りをかましたヘルドレイドが、ガルを見てなにか納得したように手を叩くと、
「そっか!ガル君は知らないんだっけ!」
「?」
「俺らが上級なのは知ってるよね?」
「嗚呼」
「フールが一番俺らの中で上級なんだよ。だから魔力量も俺らと比にならない。」
「嗚呼。」
「で、今やったのが一定の範囲の内側を不特定多数に幻惑をかけて認識させないものなんだよ。
低級なら20畳の部屋で限界なんだけど、、、この範囲は、格が違う。
おそらく、地下含め、この私有地全体に広がってる。
こんなん芸当を安安やってのけるから怖いよね。」

説明している後ろからナイフを持った男が襲いかかってきた。横から同じ服を着た男が飛んできて、一緒に飛んいく。
ヘルドレイドが「あー。」横を見ると、コールが目を光らさせてていた。周りを見れば人がゴロゴロ転がっていて、肩で呼吸していた。
「コール??落ち着け?」
「うん。」
そう言ってコールは城へ走り始めた。
「あ!ちょ待って!!」
それに続いて、ヘルドレイドとライ、ガルも走り出す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フローラが血の混じった池から這い上がる。
「ゲボっ!ゲボっゲボっ!ベディ、どうして、、、」
「ベディがどうしたって?」
聞き覚えのある声に上を見上げれば空中に立つように浮いているフールの姿があった。
「あ、貴方!!ベディの、、、!!」
降りてくるフールに
フローラは警戒した。そばにあった拳より少し大きい岩を握る。

『・・・。分かんない。でも、助けてくれるかもしれない。』

脳裏に過ぎる先程の光景。握った岩を手放し、フールに聞く。
「何しに来たの?」
「ベディを助けに来た。」
即答された。あっさりと。当然のように。
フールは、フローラの薄いワンピースをつまみ上げて、肩に乗せて担ぎあげる。
「ふぇ!!ちょ、な、何!!」
「なんか知ってそうだから、途中まででいい。ベディのところまで案内しろ。とりあえず城の中に行けばいいか?」
「う、うん。」
戸惑いつつも頷けば、視界が明るくなりいつの間にか中の大広間にいた。
「ぇぇぇぇ!!」
「いちいち驚くな。うるっさ。」
フローラを下ろすと、フールは痛かったのか、耳を触る。
城の奥から汚れたヘルドレイド達が出てきた。
「あれ?まだ外にいたの??てっきり黒幕に会ってるのかと思った。」
「コイツ拾ってた。てか、みんな、なんでそんな汚れてんの??」
ヘルドレイドが後ろを指さして、
「コールが吹き飛ばした巻き添えくらった。」
後ろを見て、半壊された入口を見て、何となく察した。
影からほか三人も出てきて、ライが
「あれ?その子、ベディが言ってたフローラちゃんじゃない?」
「ん?うん。」
「君、城内詳しいよね?案内してもらえる?」
フローラは固まって動けなかった。
「あ、貴方たち、全員で来たの??」
「ん?そうだけど、、、それがどうしたの?」
フールもライも当たり前のように答え、後ろの二人も何が分からないのかと首をおっている。
そうか、そうなのか。ベディがいるのはこんなに強くて優しいところなのか。
フローラの目から涙がこぼれ、肩を揺らし始めた。
(そっか。ベディ、良かった。)
嗚咽を漏らしながら言う。
「うぅ、助けて、、、っ、ベディを、助けて、、エリザを助けて、、、ジョゼフは、彼女を殺すつもりよ!!」
ライはフローラの頭を撫でて、
「わかった。二人の場所、わかる??」
「ゔん、、、ベディは、地下の拷問室だと思う。」
フールがガルの肩を掴んで消えた。
「ベディはフールに任せて、エリザの方に行こう。」
「エリザは、多分、王座の間だと思う。」
フローラを先頭にして走り出す。

地下牢
ガルとフールが現れ、地下牢に居たアルが二人を見た。
「おお、大分遅かったな。」
「お前いきなり居なくなるなよ!上にいなくてびっくりしたぞ!!」
「わりぃわりぃ。」
静かなアルに違和感を覚える。
「どうした??」
「ん」と首で指す牢屋を見てみると、『豚』『蛇』
と書いてある札の牢屋だった。人の影はほかの牢屋と比べてないように思う。
「なんだ?」
「よく見ろよ。お前、夜目効くだろ。」
フールが目を光らせて見れば「っ!!!」と、息を飲んだ。
「な、なぁ、これ、人間だよな??」
「だろうな。夢見がち野郎は何処までもお子様だからいけねぇや。」
疲れたように言うアルの気持ちが痛いほどわかる。
膝肘上四肢を切られた人間と、足首から下を切られ、縫い付けられて、腕を肩から切られた人間、
『豚』『蛇』
その記載が腹立たしくてしょうがない。ほんとに人間を人間として見てない。人権ってものを傍から無視してる。フールは自分が慈悲深いように思えてしまう。
(あぁ、ほんとに殺したくなる。これはっ!!!ダメだろ!!こんな事は、ダメだろ、、、)
悔しく無いのに、苦しくなる。眉間にシワを作って、恨みに近いような感情が表情に出る。
「行こう。」
静かに言えば
「そうだな。」
アルも静かに返す。
「はっれぇ、、、」
急いで振りかえれば豚、と『豚』はられた、、、少女?がフール達に呼びかける。
「はっへぇ、、、はふへへぇ、、、」
舌が動かせないようになっているのか、なんて言ってるか分からない。
ガルが膝をついて、四肢のない少女達に優しい声で言う。
「安心しろ。必ず助ける。だからもう少し待っててくれ。」
少女は涙を流して、
「ほほふひぃ?」
「本当だ。」
格子の間に手を入れ、頭を撫でる。少女は嬉しそうに笑って、目を閉じた。
起き上がれない体は何かを掴むように少しもがいて、動かなくなった。

王座の間でアイアン・メイデンが作動し、中に入っているエリザを串刺しにしようとしていた。
エリザは抵抗せず、黒ヤギ達がとむらいと、喜びの拍手をしている。クララは斜め前で姉の死を今か今かと待っている。
王座の間にふさわしい大きく、豪華な装飾の施された扉が先代当主の肖像画に突き刺さる。
黒ヤギ達は後ろを振り返ると、三人の姿があった。
「いや、壊すだけでいいって。誰が突き刺せと、、、はぁ。」
ヘルドレイドがため息混じりに言う。ライは「まぁまぁ」と言いながら銃に玉を込めている。
「あなた達!!なんなんですの!!ワタクシはお姉様の晴れ舞台をご覧になっているのに!!」
クララが怒りの表情で剣幕を飛ばしてくる。
「晴れ。舞台。」
コールはその辺に居た黒ヤギを掴むと、クララに投げつけた。
それを合図に黒ヤギ達が一斉に飛んで来る。

フローラはそんな混乱の中、壁つたいに走り、アイアン・メイデンを止めようとするも
できない。停止ボタンがない。
入る直前に渡されたリボルバーで機械を撃つも、アイアン・メイデンは止まらない。
「嘘!!どうして!」
無意味だと分かりつつ閉まるアイアン・メイデンに体を入れ、華奢な腕で必死に突っ張っている。
「フローラ、やめて。お願い。もう誰かが死ぬところなんて見たくないの!!」
涙を流しながら訴える。
「嫌だ!!貴方は、優しい人。私だって、もう、、、」
頭の中によぎるのは、
遊びに殺された少女達の笑顔。
自分を助けようとしたベディ。
「親友を失いたくない!!」
また力を入れる。
後ろでヘルドレイドが的確に黒ヤギ達の頭を撃ち抜く。
「黒山羊なんて、、、僕らと相性がいいに決まってるじゃないか。」
「こーら!軽口叩いてないでさっさと片付けてよ!!量はいるんだから。」
蓋の空いたフラスコをヤギ投げつける。
中の液体が出て、ヤギ達の肌が溶かされていく。悶えるヤギの隙間を縫う様に駆け抜け、小さいナイフで確実に致命傷をおわしていいる。
撃たれ切られしたヤギ達はドロドロに溶けて液体になって凄いスピードで蒸発している。

「ふぐぐぐぐ!!」
「フローラ!!無茶よ!!あなたも死んでしまうわ!!」
フローラの腕も限界を迎えていた。少しエラーが起きたようなガッタン、という音は数回聞こえているのに、それ以外、変わらずエリザの命を奪おうとしている。
(ここで、諦めてたら、、、)
「ふぐぐぐぐ!!!!」
エリザの肌に針が刺さりる。
「フローラ、、、」
フローラの後ろから手が伸び安安とアイアン・メイデンを壊す。
「へ?」
驚いているうちにアイアン・メイデンの方片羽を取り去った。
エリザの装飾されたドレスを掴んで引っ張り出す。
取り出されたエリザはそのまま転んでしまう。
(え?何が起きたの??え??)
右横を見ればとった片羽でアイアン・メイデンを壊す赤髪。
「あ、貴方は??」
エリザのといに小さく答える。
「ごめん。それ。後で。」
コールはクララを見る。
「なぁ。なんで。こんな事を。する。」
腰に付いている伸縮する鉄棒を出す。
「はぁ?なんで?モルモットを殺そうが生かそうが私の勝手でしょう!!なんであんた達に責められなきゃいけないわけ!!おかしいじゃない!!!」
かん高い声がコールの耳を痛くする。
「私はここの女王よ!!??どうしてこんな目に遭わなきゃいけないの?!おかしいわよ!!」
数匹のヤギがコールに襲いかかる。
手に持つ縮小する棒を横に一振しただけで、切れてしまった。
煙のように消え、ヘルドレイドとライ達が戦っていたのも煙とかしてしまった。
「何が。モルモット。だ。何が。好きに。使って。いいだ。」
コールの頭の中にずっと張り付いている初めて会った時のベディ。
虚ろな目で、ボサボサな髪で、傷だらけの体で、人形よりも壊れていた。
だから、ほんとちょっとしかない良心が動いたのかもしれない。
(``俺´ ´ が思ってることは、正しくはなくても、間違っちゃいねーだろ。少なからず、この嫌悪は、怒りは、間違ってない!)
コールの顔はきっと、今までで一番怒りに満ちている。
「人の。命を。もて。遊んで。いい。奴 。なんて。いるわけ。ない。だろ。」
足りないことがわかってる頭でも、動かなくなった脳髄でもわかること。
「軽すぎ。ても。価値。が。無く。ても。遊んで。いいわけ。無い。だろ!!」
誰かが言ってた。誰だっけ?
ノイズが走って、誰かが映る。
そう言った誰かが。
足元にヒビが大きくはいる。
「っ!!!」
仰け反るように退くと、下からナルーとトルが出てきた。
「ていやぁぁぁあぁ!!!」
ナルーは元気に着地すると、クララに向き合う。
トルは飛ばされて隅の方に煙を立てた。
「貴方がクララね!誘拐及び大量殺人の罪で令嬢が出ている!逮捕します!!」
クララの腕に手錠をはめる。
「そして!!エリザベートバートリー!!」
「はい!!」
元気よく呼ばれてしまいつられて声を上げてしまう。
「エリザベートバートリー。貴方に当主のジョゼフを訴えてください。そうすれば強制的に逮捕できます。」

フール様。
ライ様。
ヘルドレイド様。
コール様。
(聞こえる。どこからか分からないでも、ずっと俺たちを呼んでる。)
でも、拷問室が多すぎて、どれだけ飛んでも、胸糞悪い絵面しか見れない。
(近くに感じるのに、、、見えないのはなんでだ??)
愛して。
視界の端に、黒いローブを着た女?が見えた。
「どうした?」
ガルはフールが一点を見つめているのに気付いて、声けるが、フールは黙ってローブの女性に近づく。
アルもフールを押さえようとするが手が届かない。
「フール、どうした。おい!」
一切聞く耳を持たない。
フールの目に映る、女?はローブが顔を隠しているのかと思ったが、黒い、薔薇の刺繍がほどこされた長いベールを被っていた。
女?が歩き出すと、フールも後に続いた。
アルとガルも仕方なく``フール´ ´ に続いた。
フール様。
コール様。
ライ様。
ヘルドレイド様。
声がどんどん強くなる。
城の外に出て、エリザの隔離されていた塔を横切って、小さな小屋があった。
(どんだけ広いんだよ。)
中に入ってみれば、物置のように見えるが、所々血飛沫が付いていて、痛々しい。
隅の方に地下へずっと続く階段があった。
痛い。
フールが突然二人の肩を握り、部屋地下の部屋へ消えた。
「うお!!」
「っ、ぁ!」
二人とも硬い石畳の床に叩きつけられる。
鼻につく新しい血の匂い。濃く、強く、生々しい。
「助けになど来ない。お前の夢だけで終わらせておけ。」
(嗚呼、そういうこと。じゃあ僕は怖がっちゃダメだな。俺なんだから。)
光る蝶が舞う。人の形を消して、ベディを連れ去った。

「確かに、夢魔らしくベディの夢で終わったら理想的だなァ。」
いつも通りに。
そして、腹の底からの怒りを、証明しろ!!

フール(愚者)らしく!!

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