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ストレインフルアーズ

霧花斬華

一話、フール(愚者)

二人の魔女は笑い合いながら話いる
互いに互いが大好きな人達の話をして幸せそうにして笑っている。
1人は帝国に縛り付けられた異常の軍人たちと魔女の絆の話。もう一人はカジノを営んでいた悲しき夢魔達の話。
亜麻色の短い髪をなびかせながら青い瞳の軍人が好きだと言ったレモンティーを潤んだ唇から飲み込む。
異常を知り、異常を宿す軍人たちや、苦しみの夜闇に蹲りながら月を求める星のマフィアたちも
生きる人外の彼は世界をどう見るか見守って欲しい。哀れな哀れな運命は生きながらにして悲しき運命に絡め取られでもなお笑っている彼等と希薄な私と共に。
「エレイン、私もね、お話したい人達が居るのよ。」
亜麻色の髪の魔女に楽しそうに話しかける。







帝国中心街の外れに属する和楼魅外(人外の街)から少し離れたところに位置するネオン街。この辺りでは唯一十二星士の管轄外であり、裏業が盛んなこの街を帝国軍もも含めて死んだ街(デッド・シティー)と呼んだ。そんな中に大きくそびえるカジノ「イデア」は街の名前に似つかわしくないほど生き生きしていた。
 
人々の賑わいの中を白ワインを銀のお盆に乗せてすり抜けるバーテン服の男。女性客は彼が通り過ぎる度に頬を赤らめ彼を見つめている。
彼の前に老けたタクシーどの男が人差し指を立てて、グラスに入ったワインを要求する。少し腰を落とし相手が取りやすいようにボールを向ける。相手が取ったのを確認してまた練り歩くそれを繰り返す。少ししてからポーカーテーブルがに人が集まってきた。
(なんだ?今日あたりの客でもいるのか?)
少しよって人と人の間を覗くと、浅黒い肌の少年が目の前にチップを山住に積んでいる。歳もまだ十代前後と思われる容姿と裏腹に大人びた顔でつまらなそうな表情で目の前の富豪たちから金を巻き上げている。
「オール。ベット。」
(ほう。随分乗ってる客だな。)
富豪たちの1人が少し素敵な笑みを浮かべて自分の全てのチップを前にずらす。
「私もオール。」
周りの野次馬がワキが上がる。浅黒い少年は静かに笑う。同じテーブルに着いている他の客は降りて2人のかけにした。金髪のディーラーが自分とアイコンタクトを取った。富豪の手札とテーブルの上のカードを見る。
(ストレート。この勝負、微妙だな。)
たしかに。ストレートは強い手だが、相手がそれ以上を持ってこない前提でかけている。まるで相手の手がわかっているようなかけ方だ。ディーラーを見ると卑しい顔をして首を振っている。
(は?!なんだよ!!)
困惑しているとディーラーは横に置いてある在庫チップの中で一番高い金額のチップに手をかけ上から二枚目のチップを弾いて落とした。俺はディーラーの意図にいずいて急ぎ足で野次馬を抜けた。
裏の事務所を抜けモニタールームに駆け込んだ。急いで防犯カメラを見る。特に変わったことは無い。すこし遡って見るが変わった様子はなくコマ送りにし再生するがこれといった変化はない、、、が違和感が自分を襲った。違和感に思ったところを何度も再生し目を懲らす。24:29:19、24:30:41、24:32:1
「あっ!1秒足りない。」
慣れた手つきでキーボードを打って
「えーとぉー消されたデータの復元はーここをこう押してー」
消された1秒程度の映像が映る。そこにはトランプを隔てて人差し指と親指で丸を作る富豪の客。
(合図?何対して?それこの位置であればここからじゃないと見えないはずなんだけど、、、内通者でもいるのかな??)
うーんと首を傾げる。すると後ろからうんざりしたように話しかけられた。
「二階席だよ。二階席からでも今の1秒適度の合図は見える。」
「あっ、そっか。ってライ、いつからいたんだ?」
「1秒足りないところを見つけたところから。」
「最初からだな。」
「今だ。対処するなら早くした方がいい。ヘルドレイドがだいぶ変な顔してこっちみてるからな。」
「あっやっべ。でもさーー対処するにしたってどうなってんだかよくわかんないんだもーーん!」
「お前なぁ。はぁ」
ライは大きくため息をついて5番モニターを指さす
「さっきの合図が見えるのはこの席からだ。そしてこの席からさっき魔法を感じた。ってことで行ってきて。」
「え?!俺パシリ!?」
「ちがうわ!おら!さっさと行ってこい!!」
ライに押されてモニター室から追い出された。
「えー」
隣の空き部屋から覗く。二階席B3の入口を2人の屈強な男がたっている。
(いや無理。筋肉系じゃないし、つか勝手にあんなん派遣すんなよ。)
うなだれていると、胸ポケットからプツッと音がし、まさぐってみると小型の通信機が入っていた。急いで耳に付けると向こうから聞きなれた声がした。
「あ〜あ〜聞こえる???」
ライだ。息を潜めて返事をする。
「そーなら良かった。どう?様子は。」
「出入口に黒スーツ姿の男が二人、仁王立ちしてるよ。多分そこそこに経験詰んでるんじゃないのかな?」
「まーじー?まぁまぁまぁお前なら大丈夫でしょ。」
「まさかの投げやり??可笑しくない??なんのための通信機?なんでライそこでラフボス感出してんの?」
「ん、俺がここにいるのは事後報告をすぐに伝えるためだよ。」
「まじかよ。手出しなしか。」
そんな会話をしていると壁の向こうの話し声が強くなった。
(、、、さん、ここの支配人に手を出す気ですかい。)
(そうだが?何か問題でも?)
(問題だらけですぜ。)
(おやおや、そんな弱音を吐くなんてあなたらしくありませんね。)
(らしくないことも言いたくなりますよ。何せここの支配人は夢魔って話だ)
(夢魔なんであなたの手にかかれば余裕でしょう。)
「チッ!」
(高く評価してもらうのは有難いですがぁ、今回ばかしは信頼を薄めてもらいたい。あ、もちろん金の分は仕事をしますがね。)
(ふうん。夢魔はそんなにお強い種族でしたっけ?私の記憶では低級種族だったような気がしますが。)
(強かぁ無いですが、厄介なんですよ。アイツらの持つ催淫が。それに低級なんて言ってますが上級系どもが使う催淫や、幻覚はものによっちゃァ死にますぜ。)
(おや怖い。けれど興味があそそりました。ご対面出来るのが楽しみですね。)
「ご対面?どういう事だ?」
ドアが開く音がして廊下を数人がの足音が響く。
「さっき準備の合図が出ましたから、もう一度出れば難なく遂行できるでしょう」
(遂行?テロでも起こす気か?だとしたらこの魔力の気配も納得が行く気がするが、、、。)
「ライ、支配人室がどうなってるかわかるか?」
「OK。支配人室にピッキングしてるね。どうする?入れる?それとも、、、」
遮るように低い声で
「入れろ。」
「ハイハイ。あ、大事な書類あるから暴れるななよー。」
「努力する。一応。」
「努力じゃなくて善処して。」
支配人室のまえにたつ。深呼吸をして、扉を開ける。
「お客様、こちらは支配人室となっております。ですので早急に、カジノルームへお戻りください。」
ドアを開け誘導するように抑えている。客はそんな事を気にせず口を開ける。
「私はここのオーナーと話がしたいのだが、叶うかね?」
少し考え込んで
「話、、、ですか?ご要件があるなら私共が伝えておきますので、、、」
「いや、そこまでの用じゃないんだ。これほどのカジノをこんな所に立てるような突飛なやつはどんな人間か知りたかったんだよ。」
「なるほど、わかりました。ですが、そんなことためにこんな高度なピッキングをしたんですか?」
優しくドアノブを指で撫でながら
口調はそのままに視線だけが鋭く見据える。
「ああ。そうだよ。私はどうにも欲しいものは手に入れる主義でね、多少の手間をかけても敵入れる。なので君の雇い主に会いたいと思ってこうするのは当然のことだろう?」
薄笑いで言う男に嫌悪感を抱きながら苛立ちを隠す。
「確かに当然のことかもしれません。ですが、この魔力を持ったままここにおられるつもりならば今すぐ。排除対象とみなします。なので今すぐカジノルームへお戻りください。」
男は聞いてないと言うように話をした。
「ここのカジノには誰もが魅了され、誰もここに手を出さない。ここが出来てから1度も襲撃された事がない。そして、それは全てオーナーの強大な力と統制能力にあるなんてくだらない噂があるのだが、その噂は本当かい?」
(んなわけねーだろ!!馬鹿か!!創立してから一回も襲撃された事ない?あるわ!バチバチにあるわ!表沙汰にならないように俺らが処理してんの!!わかる!!わかんないよねー!!!だから聞いてんだった。)
ため息とバレないように息を吐く。
「さぁ。それはどうでしょう。それは貴方がご判断なさってください。」
俺はうちで暴れつつ表をつくろった。
「おやおや、そんなに強気なら噂は本当なのかもしれませんね。」
「・・・」
(いや、はよ出ろよ。)
「ならば尚更、会いたくなりましたね。ねぇ?」
「はい。」
横の用心棒(であろう)男に問いかける。用心棒は薄く笑って同意する。そして、光の線が俺の首めがけて飛んでくる。
(だろうなー!絶対そうだと思ったもん!!)
俺は交わして男を投げ飛ばす。
「ッ、、、!(投げ飛ばされてる?!こんな細腕に?!)」
用心棒はそのまま着地し、武器を構え直す。
「我々のことを甘く見ないでいただきたい。たかがの用心棒程度などを相手になりません。こちらは穏便に済ませたいんです。なのでどうか、速やかにお引き取りください。」
そういった俺の足を床が掴む。床がどんどん沼のようになって俺の足を動かさないようにと沈めてゆく。
「たかが用心棒ですがァ、雇い主の思いのままにせにゃあならんのでねぇ。ちと、人質になってくだせぇ。バーテンダーさん。」
そのまま背中を押されうつ伏せに倒れる。そのまま体が沼と化した床に飲まれてゆく。
「クッ、、、、思いどうりにはなりませんよ。」
俺は苦し紛れに睨み上げる。用心棒と男は愉悦に笑って言う。
「「さぁ、どうでしょうねぇ。」」
俺の姿は完全に飲み込まれた。男は少しつまらなそうに、
「こんな程度でここを守っているんですかねぇ?」
「分かりません。そういえば、いい先程言い忘れていやしたがァ、」
用心棒が少し言いずらそうにした。男はそれを見て
「なんですか??」
と返答した。
「ここの主人の名前でして、確か、、、」
「フール。」
「はい、そうです。その、フールって名前に聞いたことがあるような、、、気がするんですよ。」
「ふむ。ですが、ここの主人なんですから、お名前が有名なのは当然なのでは??」
男のその言葉当たり前なのだが、何故か釈然としない用心棒はできる限りの記憶を辿りぼやけた部分をはっきりさせようと、口からいくつかの関連しそうな言葉を吐く。
「カジノ、デッドシティー、十二星士、和楼魅外、遊郭街、、、そうだ!」
「どうしました?」
「フール、遊郭街で唯一集団で足抜けした主犯格ですよ!」
「ほう、あの遊郭街から、、、足抜けなんてできるんですね。しかもしゅう、、だ、、、ゴフッ」
男の口から血が吹き出した。慌てて口で手を抑えると先程までなかった刃が自身の胸から突き出ている。
「なっ!!アギ、、、!」
用心棒が男に伸ばした手が切れている。認識と同時に激痛が襲う。うずくまり、腕を抑えようとするが、左足が消えていることに気づく。
「ーーーっ!!」
男が出入口のほうをみると、廊下で立たせていた黒服たちがうずくまっている。その前には細いパンツと革靴がある。
「んと、馬鹿だよなぁ俺らのことしっかり知ってんなら対策ぐらい立てとけよ。」
オートマチック銃を向けている手を辿ると、先程飲み込まれたバーテンダー服の男が目を猫のように光らせ、前髪をかけあげている。
「ああ、な、るほど、貴方が、、、ここの」
「うん。そう。あ、自己紹介一切してなかったね。これは申し訳ない。俺の名前はフール。このカジノの創立者であり、支配人。あんた達が下に見てる夢魔ですのでよろしくお願いします。まぁ次があればですが。」
オートマチック銃からたまが発射されると同時に酒瓶が割れる音が下のカジノルームに響く。二拍置いてルーム全体が沸きあがる。涼しい顔した浅黒い富豪が薄く微笑んでいる。その向かいで悔しそうに脂汗を流す富豪。富豪の完敗に終わった。
閉め切った窓からさしてくる月の光から、支配人室の明かりが強くなり、橙色と青白の光が混ざり合った光に血塗れの惨状が照らされ、フールはため息を吐いて指を鳴らす。血は光の粒となり消え見えるのは無傷の男ふたりが倒れているだけ。
少し余韻に浸っていると、耳に着けた通信機からライのうんざりした声が聞こえた。
「フール、少し嬲りすぎじゃない??傍から見てる限りなにおこってるか全然わかんなかったけど。」
フールはドアを開けて見張りのふたりに催眠をかけ、見張りは電気を流されたように倒れた。
「そう?俺は結構楽しかったよ。この客うぜぇし。ていうか言うほどなぶってないぞ。気絶程度だし。」
そう言いながら用心棒の方を持ち上げようとした時、用心棒が起き上がってナイフを向ける。
「うっと、まだ起きてたの?」
ナイフを避けて距離をとるフール。用心棒はフラフラとしながら立ち上がり、ナイフを構え直す。
「すいやせんねぇ、用心棒なんで、、、そう簡単に倒れらんないんですよォ。」
用心棒がナイフを持っていほうの手を広げ緑色に光る石がコロンと乗っていた。
(魔法石、、、なるほど。さっきのはこれのおかげね。)
先程飲み込まれた自分を思い返す。
そして用心棒の男が飲み込む。喉が勢いよくなって唾液がダラダラと口の端から出る。
「はぁ、バカじゃん。取り敢えず没収ね。」
用心棒の後ろにフールが立ち魔法石を部屋の明かりに照らして半透明の向こう側に映る窓の先の月は緑色に神々しく光っていた。
「な、に、、、?!」
用心棒の男が驚いていると、思い出したように人差し指を立て、
「そうそう、君が今飲み込んだのはコレだよ。」
人差し指を立てたてた手から緑のチップを落とした。
「いつ、、、から、気づい、て!!!」
「いつからって、魔法使ったあたりから?」
「なっ!」
「だってそうじゃん?お前自身からは一切の魔力を感じないのに魔法が使えてる時点でそう思うじゃん。魔法が使える的なのが売りだったら最初から飲み込んでおくのが得策だよ。じゃなきゃ取られもしないし、俺の目を欺けてたかも?だし。」
「くっ、、、!がっは!」
用心棒がももについているナイフに手をかけた時、手足が痺れ、先程のフールと同じようにうつ伏せに倒れた。喋ろうと口を開くと自分の脳みそが真空になったようにぼーっとし軽い耳鳴りがした。
「な、にが起きて、、、」
「あたまがぼーっとするでしょ?」
フールが用心棒の耳元で囁く。
フールの声が艶めかしく、そして、優しく響き、眠気を誘う。
「抗わなくていいんだよ。それはもう本能なんだ。当然のことなんだから。そのまま力を抜いて、委ねて。」
「ぐ、、、うぅ」
それでも抵抗しようとしてくる用心棒の背中を子供をあやす様に撫でる。
「ほら、怖くない、怖くない。」
そうの言葉と共に意識が闇へと引きずり込まれる用心棒。


ようこそ。
悪夢の世界へ。

誰にもみられないフールの笑みはどんな悪魔よりも邪悪だ。

別室のベッドの上に赤茶髪の男がムクリと起き上がった。一糸まとわぬ体からシーツがはらりと落ちて女性よりも白い陶器の肌が露になる。
ベッドからぼーっとした視線を外すとスーツに着替えるもう一人の男がいた。
「起きるの早いんですね。」
着替えてる途中の男に後ろからすり寄る。肩にシーツをかけた男はもの寂しげに背中を撫でる。
「まだ、遊び足りない。もう少し、、、」
言葉を続けようとすると、服を完全に来た男は肩を前後に振るわせて振り払うと、冷たく
「もういい。明日早いんだ。」
と。肌を見せたシーツをもう一度肩にかけ、少し俯いて、
「そう。また、来てね。」
「ああ。」
グリーンクリソプレーズの瞳で見つめれば男は物欲しそうと思い、掻き立てられる欲を抑えるように首を振る。
「また来るよ。だから今日は帰るんだ。」
頬を撫で鎖骨にかけて愛撫する。だが、すぐにやめてまとめられた荷物を持って部屋を出ていった。肩にかけたシーツを落として、脱ぎ捨てられた服を拾う。そこでドアが開いた。
「今日はもう客無いよ。ゆっくり休みな。」
見れば先程までカジノにいた金髪のディーラーが居た。
「分かった。」
人形のように素っ気なく答えると、アシンメトリーの髪を揺らして、ディーラーは言う。
「コール、辛かったら辞めていいんだぞ。わざわざ、、、」
「辛くない。」
ズボンを履き終え、シャツに手を通す。
「ヘルドレイド」
コールは手を広げ抱きしめるように前に突きだす。呼ばれたヘルドレイドは、部屋に入り、ワイシャツのボタンを一つ一つ閉めてゆく。
コールは何が面白いのか、少し笑いってヘルドレイドの頭を撫でる。
「何。コール。閉めずらいんだけど、、、。」
動きを止めて顔を上げると、楽しそうにしているコールがいた。
「ヘルドレイド。嫉妬。してる。珍しい。」
「珍しく笑ってると思ったら、、、してないよ。ただ辛くないのかなって、思っただけ。」
「辛くない。僕には。これぐらいしか。できない。ヘルドレイド。みたいに。頭。良くない。」
ヘルドレイドはため息をついて、チョーカーに鈴を付ける。コールは、眠そうに目を擦った。ヘルドレイドは辞めるように目をのけ、寝るように促すと、客の前ではパッチリと開いていた女性らしいくりんとしたグリーンクリソプレーズの目をは眠そうに半目にして頷く。
「うん。」
「あとはやっておくから、風呂はいってもう寝な。コール。」
背中を押してドアへ誘う。コールもうんと頷いて、そのままドアを開ける。半分出たあたりで何かを思い出したように振り向き、ヘルドレイドをみつめる。ヘルドレイドも不思議そうにコールを見る。
「ヘルドレイド。おやすみ。また明日。」
コールは少しほころばせた。ヘルドレイドは、納得したように笑い、
「うん。おやすみ、コール。」
と手を振った。コールは頷いて、ドアを閉めた。
のこされたヘルドレイドはため息ついて、掃除を始める。
掃除が終わり、部屋を出ると、フールがヘトヘトで歩いていた。
「フール、どうした?」
薄笑いを浮かべて聞くヘルドレイド。フールはそんなベルドレイドをじっとりした目で見て、ため息をつく。
「んふふ。ため息を着くと、その分幸せが逃げるぞ。」
「あー。俺確実に100回は逃してる。」
「そう?俺はそんなにのがしてないかな?」
「マウントか?え?全く。、、、そういえば、よく気づいたな。」
ふざけた口調から、真剣な眼に変わるフール。ヘルドレイドも気づいてからかうのを止める。
「まぁね。僕の観察眼に感謝してよ。」
「そうだな。だが、教えたのはあの浅黒の、、、リアーシャ・タルバナータ・レンフォックシュ様のおかげだろう?」
「あれ、バレてた?まぁそうだね。合図が出されたのを知ったのはリアーシャ様が教えてくれたからだね。ほんと良かったー。」
「リアーシャ様?随分と親しくなったんだな。」
「別に、そんなことは無いさ。常連客だし、何度か、御相手をさせて頂いたしね?」
人差し指を唇につけて首を傾げる。薄く笑った口も合わさって、見る人が見れば誘っているように見える。
「なるほど。ま、もうそろそろ閉めるし、上がっていいぞ。」
「了解。」
フールはヘルドレイドの肩を叩いてそのまま過ぎてた。

ヘルドレイドは1人バルコニーに出ると、電話を取った。
「はい。、、、わかっています。、、、必ず。」
電話の先の相手に、返事をする。
「はい。わかっています。必ず、必ず、

フールは僕が殺します。

だから、ご安心を。」
ヘルドレイドは、うんざりしながら電話を切った。
「絶対に、、、ーーーい。」
誰にも届かない声は何にも届かないままに風が連れ去った。

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