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聖獣として異世界召喚されました!?

ゆなか

47

ふっふっふー。か・ん・ぺ・き!!
私は目の前にある大きな鏡を覗き込みながら微笑んだ。


鏡に映る《《今の私》》は、どこをどう見てもミーシャ姫にしか見えない。


ユーリの残留思念にこの作戦がバレない様にする為に、ミーシャ姫の部屋と私に与えられている部屋の二つに結界を張った。
チートで万能な結界のお陰で、本物のミーシャ姫の気配は完全に消え失せ、《《偽物》》のミーシャ姫の気配だけが残っている状態だが……。
偽物だなんて悟らせないレベルに仕上げてある。
流石はチート。良い仕事をしてくれた。
これからもよろしくね?


因みに、ミーシャ姫が部屋から出てしまったらこの作戦は失敗してしまうので、その辺りは専属侍女のユーリアさんとジルとでこっそり打ち合わせ済みである。
ジルは終始渋い顔をしていたが、神ルーチェの事を話したらなんとか了承してくれた。チートさんの能力があるのにジルは心配性だなあ……。
今頃はミーシャ姫と兄妹仲を深めているはずだ。


今回の件はあくまでも《《聖獣》》としてのお仕事なので、ミーシャ姫には内緒にした。ミーシャ姫には怒られてしまうかもしれないが……終わってから報告をする予定だ。


***


――――時間は少し巻き戻って、今朝の事。


何やら視線を感じた私が重い重い瞼を無理矢理に開けると……
「やあ、おはよう」
キラキラとした爽やかな笑顔が目の前にあった。


私は三度目の朝チュンではないのを瞬時に理解し、そっと瞼を閉じた。
ジルじゃないなら大丈夫。寝よう…………。


「ええー!?その反応酷くない!?僕、これでも顔が良い神様だよ?!」
すると、閉じた瞼の向こう側から不満そうな声が上がった。


……やかましい。私はまだ眠いのだ。
しかも自分で顔が良いと言うのか……。確かにその通りだけども。
私はうっすら瞼を開けてジルを睨んだ。


「おはよう!」
……ついさっき不満そうな声を上げたくせに、もうニコニコと微笑んでいる。


「……おはよう」
私は不機嫌なままで挨拶を返した。
きちんと挨拶を返さないのは大人としてどうかと思ったのだが……
ルーチェは私よりも遙かに年上で大人のはずなのだが……この差は何だろう。
長生きし過ぎると、子供に返っていくという……アレ的な?


「唯って本当に失礼だよね!」
今度は頬を膨らませながらプリプリと怒り出した。


寝起きから付き合わされるこちらの身になって欲しいが……ルーチェは緊張しているのかもしれないと、ふとそう思った。
今夜の作戦を前に気分がそわそわして落ち着かないのだろう。


はあ……。しょうがないな。
ベットから起き上がった私は深い溜息を吐いた後に、大きく伸びをした。


《《元》》人間に心配させるような神様はどうかと思うが、私はルーチェの力にもなりたいと思ってしまったのだ。だから仕方ない。
最早これは性分か……。余計な事に首を突っ込み過ぎない様にしないと……。


「いつから起きていたのですか?」
「んー?僕は眠らなくても平気なんだ」
「…………」
つまり、なんだ……。その……ずっと寝顔を見られていたという事?
……って、何でやねん!
思わず関西出身でもないのに関西弁が出た。


……私の出身地風にツッコめば……『おめえ、何だべ!』的な?
地元の方言は嫌いじゃないけど、《《ツッコミ》》は『何でやねん!』が良いな。
うんうん。……ってそうじゃない。
寝ないなら帰りなさいよ!
確かに、ルーカと今の私の聖獣姿はいつまでも愛でたくなる位にモフモフで可愛いけどさ!


「せいっ!」
「ぐっ……!」
取り敢えず……鳩尾に一発拳を叩き込んでおいた。
ルーチェが鳩尾を押さえながら悶絶しているが、気にしない。
これでこの件と、寝坊したルーチェに悪戯が出来なかった件は水に流そう。


「寝顔の件は謝るけど、最後のは理不尽……!」
「はいはいはい」
「適当……!!」


さて……そろそろお腹が空いてきたな。
朝食をいただきながら変身の仕方を考えますか。


私はチラリとルーカを見た。
こんなに騒がしいというのに、私の可愛いルーカはぐっすりと眠っている。


「……無視!?」
「はいはい。ルーチェは食事はするのですか?」
「……僕は大丈夫。食べても食べなくても生きられるから」
ルーチェはしょんぼりと肩を落としながら上目遣いにこちらを見た。


……め・ん・ど・く・さ・い・奴だな!
「もう一発殴ります?」
「止めてー!」


『食べても食べなくても生きられる』という事は……食べられるという事だ。
私一人で食べても楽しくないし、ゆっくり今後の話もしたい。
という事で、ルーチェ達の食事も一緒に用意してもらって、みんなで一緒に朝食を食べた。


***


これが朝の話だ。


朝食後に、どうしたら変身が出来るかをルーチェに相談すると――――


「姫にれてみたら」
「……ミーシャ姫に……触れる?」
「そう。えーと、唯の世界のコピーっていう機械があったよね?あんな感じで、なりたいと思う対象者に触れてみたら良いんじゃないのかな」
ルーチェの口からコピー機の話が出たのは驚きだが……神様なのだから知っていてもおかしくない。


そうか。『コピー』か。


と、そんなこんなでルーチェの助言通りに実行してみたら完璧なコピーが出来たわけである。




……今夜で全て解決させる! 業は断ち切ってみせる!!
鏡の中に写る《《ミーシャ姫》》を見ながら気合いを入れた。


――さあ、作戦開始だ!

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