異世界転生って、まだ死なせてくれないんですか?〜老衰から誕生へ〜

真木 輝

第1章 第5話 旅立ち

ヘイロン
あいつはたしかにこう名乗った
生前の日本の神話で聞いたことがある
黒竜、闇を司る神竜か

「アース、ご飯よー」



アリスに呼ばれそのままリビングへ降りた

「それでアース、少しは考えがまとまったか?」

夕飯の最中にアークはそう言った

「ああ・・・」

"ひ弱なガキ"か・・・
たしかにこの環境では強くはなれない
あのヘイロンとかいうやつをぶっ倒すにはもっと力がいる
もっと強力な力が

「父さん、母さん、俺光の国へ留学しようと思う」

そういうとアークとアリスは目を合わせて笑い合った

「そうか!なら早速手続きをしておく!!」

「旅立ちは6ヶ月後だ、それまでに準備しておけ!!!」

「わかった・・・」

家族を馬鹿にされた、足りないと言われた
あいつを見返す
そのためにもまずは士官学校でのランキング1位を狙う
そして皇帝をも超える当面の目標はこれだ
そうと決まれば
明日からも鍛錬だ



《魔法歴639年》4月 ウィングブルク
あれから時はすぎついに光の国の士官学校への入学式が目前となっていた

「いよいよ旅立ちねアース」

「お前も立派になったな」

「はやく行っちゃいなー」

父さん、母さん、アイラに見送られ俺は家の玄関の前に立っていた

「大袈裟なすぐに帰って来れるじゃないか」

「帰ってくなくていいよーだ」

相変わらず冷たい妹だ

「本当はアイラは寂しいもんね」

母さんがそう言うと
アイラは頬をあかめて別にと言い張った

「体調には気をつけなさい、あと女の子にも気をつけなさい」

「わかってるよ母さん」

本当に心配性だ

「強くなれアース」

「どうせ私の方が強くなるわ」

この2人も相変わらずだ
愛着の沸いたこの地ともしばらくおさらばか・・・
絶対に強くなってこの国に帰ってくる
「それじゃあ行ってくるよ!!」

「「「いってらっしゃい」」」

「『転移魔法』!」

虹色のゲートが目の前に出現する
家族に見送られながら光の国へ旅立った


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