異世界転生って、まだ死なせてくれないんですか?〜老衰から誕生へ〜

真木 輝

第1章 第4話 士官学校

《魔法歴638年》
あの魔法属性鑑定の事件から10年がたち15歳となった両親の特訓にさらに熱が入った
今となっては魔力量は七帝国王クラスになり、8属性全ての上級魔法、少しの王級魔法を使うことができるようになった
やっと母さんを倒せるようになってきた
その他に家庭環境にも変化が現れた
3歳下の妹ができたのだ
名前はアイラ・ラインハルト12歳だ
魔法属性は氷のみ
しかしアリスに匹敵する魔力量を持っていて将来魔法士として有望だとか
まぁしかし思春期のせいかツンツンしている
昔はお兄ちゃんお兄ちゃんと寄ってきていたのに悲しいものだ

「アース!鍛錬中悪いが少しいいか?」

「あいよー、父さん」

呼ばれるがままに家のリビングに向かう
リビングではアリスとアークが机に座っていた

「どうしたの改まって」

そういうと2人は顔を見合わせて
口を開いた

「実はな、八帝国全ての士官学校から推薦状が届いているんだ」

「そこでどの学校を選ぶかって話なんだが」

なるほどそういうことか
長い人生を生きてきたが推薦なんてもらったのは初めてだ

「なるほどウィングブルクの学校からもきてるの?」

「ああもちろんだ」

そうか今のところこの家は居心地がいい
できれば楽にこの家から通える距離の学校に通いたいものだ

「それなんだがアース」

「なに?」

なんだなんか嫌な予感がするぞ

「光の国の士官学校に留学しないか?」

やっぱりか出ていけということか俺は悲しいぞアークよ

「ひ、光の国は遠すぎないか?ウィングブルクと真逆じゃないか」

出ていきたくない
というか一人暮らしは面倒だ

「光の国の士官学校は俺の旧友がいる、腕も確かで信頼もできる」

「それにお前に教えられることはもうここにはない、お前は強くなりすぎた」

たしかに俺はこの家では魔法にかんしては敵なしだ、剣術ではアークに勝てないが

「そうね、もう私にも教えられるものはないわ」

「それとあともう一つ光の国の士官学校を進める理由があるのよ」

なんだ?
美少女が多いとかなら大歓迎だが

「ああ、実は光の国の士官学校は八帝国の中ではトップクラスにレベルが高い」

なるほど
たしかに強くなりたいという欲が強い俺にはもってこいなのかもしれない
ところで
美少女はいるのか?

「なるほどすこし考えるよ」

「わかった、だがお前のためだ明日までに結論を出してくれ」

「了解」

その日は鍛錬を打ちやめ1人部屋に籠ることにした

「・・・・」

ここウィングブルクを離れるのはかなり辛いことだ
地元のみんなとも会えなくなるし何より家族と離れることになる
けど魔法鑑定から今日まで両親は真剣に剣や魔法を教えてくれた
俺も強くなりたいと心から願った
けど・・・



「・・・い、おい、おい起きろ若造」

誰かに話しかけられ目が覚めた
考え込んでいるうちに寝てしまったのだろうか

「無視とは相変わらず気に食わん若造だ」

家族の声ではない

「誰だ?」

「忘れたのか?10年前に一度会っていると思うが?」

10年前?
そうか教会の

「あの時のやつか、今度はなんのようだ」

「本当に生意気なガキだな」

知らないやつにそこまで言われるなんて余計なお世話だ

「ふん、まぁあの頃に比べたら強くなったじゃねぇか」

「だがまだ足りねぇ、お前はまだ足りてねぇ」

「どういうことだ、何が言いたい」

「お前はまだ弱すぎるって言いたいんだよ」

「なに?」

俺はこの10年でかなり強くなった
それこそ家族では負けなしになるくらいに

「家族?笑わせるな、家族ごときがどうした?俺がついているというのに家族の枠内で収めているとはくだらん」

「お前、俺の家族を馬鹿にしているのか?」

「馬鹿にしてるさ、魔力の少ないただの剣士、一級程度の魔法士、馬鹿馬鹿しいじゃないか」

ふざけやがって

「訂正しろ・・・」

「訂正はしない、そもそもお前に俺は扱えん、そんなひ弱なお前じゃな」

「何様のつもりだ!お前が強いとでも言いたいのか?」

ふっと鼻で笑われる

「強いもなにも魔法の根源は俺だ、お前は俺の生み出した一部を使っているにすぎない」

なにを言ってるんだこいつは?

「まぁいまの弱いお前では理解できん、もっと強くなれば心創世界での会話機会も増やしてやるよ、じゃあなガキ」

「おい、まてどういうことだ、お前の名前はなんだ?」

「俺はヘイロン、その胸にこの名を刻め、未熟な若造よ」





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