裏腹なリアリスト

篠原皐月

第26話 選べないもの

 待ち合わせた時間の五分前に美野が指定されたカフェに出向くと、既に来店していた淳が、テーブル席から軽く手を振ってきた。


「やあ、美野ちゃん」
「お久しぶりです、小早川さん」
 席に着きながら挨拶をして、美野が注文を済ませてから、淳は改めて軽く頭を下げた。


「今日はわざわざ、ここまで出向いて貰って悪かったね」
「それ位、構いませんから。小早川さんはお仕事で忙しいでしょうし」
 そこでなんとなく双方が黙り込んでから、美野が慎重に問いを発した。


「それで美実姉さんと話し合ったって言う、『子供の父親としての責務を果たす資格と、力量を示して認めて貰う』件ですが……。小早川さんはどういう方向で条件を満たす事にするのか、もう具体的な方法や内容を決めましたか?」
 それを聞いた淳は、途端に難しい顔になって、力無く首を振った。


「いや……、未だに考えが纏まっていないんだ。何をどうすれば美実と美子さんを納得させられるか、決めかねていてね」
「そうですよね……」
 そこでウエイトレスが美野が注文した珈琲を持って来た為、話が一時中断した。そして気持ちを落ち着ける為、美野と淳が二人揃ってカップの中身を一口飲んでから、美野がゆっくりと口を開く。


「それで……、今回小早川さんをお呼び立てした理由なんですけど……。私、小さい頃、いじめられっ子だったんです。小学校に入学直後から、毎日の様に絡んでくる男の子がいまして」
 美野が真顔で言い出した内容を聞いて、淳は話題が飛んだ様に感じたものの、咄嗟に思い付いた事を口にしてみた。


「えっと……、それはひょっとして、その子は美野ちゃんの事を好きで、ちょっかいを出してただけじゃないのかな?」
「後から聞いたらそうみたいでしたが、当時はそんな事分かりませんし。毎日からかわれて泣きながら家に帰ってました」
「それで?」
 苦笑気味に応じた美野に、一見関係無さそうでも、自分の悩みに何らかの関係がある話だろうと推察しながら、淳は辛抱強く話の先を促した。すると美野が真顔のまま、更に話を続ける。


「その子には色々悪戯されたり、難癖を付けられたりしてたんですが、名前についてからかわれた事があったんです」
「名前で?」
「はい。『よしの』と言う名前が『苗字なのか名前なのか分かない、変な名前だ』と言われました」
 ここで淳は、はっきりと顔を顰めた。


「それはどう考えてもこじつけだろう。単にからかうネタを探しただけだろうな」
「今から思えばそうなんですが。他にも姉妹全員『美』と書いて『よし』と読ませる名前が付いていますから、『お前の親って凄い手抜きしてるな』とか、美幸の名前を『「よしゆき」だなんて男の名前じゃないか』とか、そもそも『「とうのみや」なんて普通に読めない苗字なんて、他人の迷惑だ』とか散々言われました」
「何だそれは……。幾ら子供の頃の話とは言え、どこまで失礼な奴だ」
 殆ど呆れ顔で感想を述べた淳に、美野が少し困った様に述べた。


「そんな風に散々からかわれて学校から帰った時に、母に文句を言ったんです。『お父さんとお母さんが適当に名前を決めたから、皆に笑われた。美野なんて名前は嫌』って大泣きしながら」
「それで? お母さんは何て答えたの?」
 少し興味を引かれた淳が尋ねると、美野が詳細について語り出した。


「母はちょっと困った顔をしてから、『適当に決めたわけじゃないわ。確かにこの家では代々『美』と書いて『よし』と読ませる名前を付けるけど、それはご先祖様が『自分の子孫から優秀で正しい行いをする者が出る様に』との願いを込めて付けた事に倣ったから』と言われました」
「……優れていて、正しい?」
 なんとなく意味を捉えかねた淳が無意識に呟くと、美野が解説を加えた。


「『美』と言う漢字は、当然『美しい』という意味が一般的ですが、その他にも『良い』とか『好ましい』とか『正しい』とか『優れている』とかの意味もあるんです。『美田』は土地が肥えた良い田畑の事ですし、『美風』は良い習慣とか、余所より良い気風の事を言うでしょう? 他にも『美徳』とか『美妙』とかの言葉の意味を考えて貰えば、納得して貰えると思いますが」
「ああ……、うん。なるほど。言われてみればそうだね」
 意味を理解して頷いた淳に向かって、美野は話を続けた。


「母はそれを一通り説明した上で、『本来『野』と言う漢字は、人の手が加わらないとか飾り気が無いとか下品だとか、そういう意味合いの物だけど、それに『美』を付ける事で、生まれて何も無い状態から少しずつ優れた物を身に付けて、実りある人生を築いていけます様にって、お父さんと二人で一生懸命考えたのよ』って教えてくれました」
「なるほど。ご両親は良い名前を付けてくれたね」
「はい」
 素直に感心してそう述べた淳に、美野は心の底から嬉しそうな笑顔を見せる。


「その説明をした後、母が言ったんです。『どんな人間でも、どうしてもできない事が二つだけあるの。何だか分かる?』って」
「どんな人間でも二つ? 何だろう?」
 少しの間、頭の中で色々と考えてみた淳だったが、確証を持てずに降参した。


「ごめん、分からない。職業とか生まれながらに制限はある人間はいるかもしれないけど、基本的に自由だし。誰でも二つって言うのは……」
「遺伝学上の親を選ぶ事と、自分の名前を決める事です。法律上の親は後で変える事はできますが。名前も成人後に然るべき事情があれば変更する事は不可能では有りませんが、極めて稀なケースです」
「……確かにそうだね」
 あまりにも単純過ぎて、逆に思いつけなかった淳は、軽く目を見開いて頷いたが、ここで美野の台詞が刺さった。


「そう言ってから母が『尤も子供を作っただけで、義務を果たしもしないで親でございますなんて顔をする輩は、犬以下だけど』なんて辛辣な事を言ってましたが」
「…………」
 途端に暗い顔でうなだれた淳を見て、自分の失言を悟った美野は慌てて謝罪した。


「あ、ああっ! すみません! あの、今のは別に小早川さんを当て擦ったわけではありませんので!?」
「うん、美野ちゃんに悪気はないのは分かってるから。それで?」
「ええと……、ですね。それで母が『生まれた子供の親として最初に果たすべき義務は、子供に名前を付ける事だと思うわ。自分で名前を選ぶ事ができない子供が、これから一生使うんだから、子供が気に入って愛着を持てる名前を付けてあげるのが親の義務なの。だから美野。あなたが大人になって母親になった時、自分の好き嫌いとか流行に流されないで、子供の成長を願った上で本人に喜んで貰える様な名前を付けなさいね』と言い聞かせてきたんです。私は素直に『名前が好きになったし、子供ができたらそうするね』と頷いて話は終わったんですが」
「…………」
 そこで美野は一旦母親との過去の話を終わらせたが、淳がそのまま黙っている為、慎重に自分の考えを付け加えた。


「その事を最近思い出して色々考えてみたんですが、美子姉さんも似た様な話を、お母さんとしていたんじゃないかと思うんです」
「美子さんが?」
「もしくは、私との話をお母さんから聞いているか。私達の名前って、初めての目にする人には、揃いも揃ってすんなり読めない名前ですし」
「確かにそうだね」
 淳が素直に頷いたのを見て、美野は更に真剣な顔付きになって考えを述べた。


「それに加えて、小早川さん達が揉めたそもそもの原因は、美実姉さんとの意志疎通が、思っていた程できていなかった事ですよね?」
「ああ……、そうだね」
「ですから子供の名前を付けるにしても、『俺は口出ししないから、そっちが気に入る好きな名前を付けて構わない』とか言うんじゃなくて、『将来子供が喜ぶ、お前も絶対に気に入る名前を考えて、父親としての最初の義務を果たしてみせるから、父親として認めて欲しい』なんて感じの話に持って行けば、美子姉さんも認めてくれるんじゃないかと思ったんですが」
「…………」
 考えていた事を言い切って相手の反応を待った美野だったが、淳が難しい顔で黙り込んでしまったのを見て、申し訳無さそうな顔で神妙に頭を下げた。


「あの……、本当にすみません。長々とつまらない話をして。よくよく考えたらあの美子姉さんが、子供の名前を考えた位で」
「美野ちゃん」
「はい?」
 しかし謝罪の言葉を遮られた美野が不思議に思って顔を上げると、これ以上は無いと言う位、真剣な顔で訴えてくる淳と目が合った。


「色々考えてくれて、ありがとう。恩に着るよ。もしもこの先、美野ちゃんが酷い男に騙された時には、俺が責任を持ってそいつの全財産を慰謝料として巻き上げた上で、誰がやったか分からない様に徹底的に陰でボコってから、二度と美野ちゃんの視界に入らないように、半径二百キロ以上の地域に追い出すから。約束するよ」
「……ありがとう、ございます」
 誓われた内容が内容なだけに、あまり素直に喜べずに美野が顔を引き攣らせていると、淳は生気を取り戻した様な顔付きで立ち上がった。


「じゃあ俺は、仕事があるからこれで。ここの支払いはこれでしてくれ。今日は本当にありがとう。それじゃあ」
「あ、あの? 小早川さん!?」
 最後は笑顔で財布から一万円札を抜き取り、それをテーブルに置いて颯爽と立ち去って行った淳を、美野は呆気に取られながら見送り、ボソッと独り言を漏らした。


「行っちゃった……。何か私が騙されるのが前提の話だから、素直にありがたいと思えなかったんだけど。でも……」
 そこで美野はすっかり冷めてしまった珈琲を一口飲んで、無意識に微笑んだ。


「頑張って下さい、小早川さん」
 その何年か後に、淳が先程誓った通り、自分の結婚相手に制裁を加えた挙げ句、身ぐるみ剥いで放逐する事になるなどとは、この時点で美野は夢にも思っていなかった。




 人知れず美野と淳が、顔を合わせた翌日の朝。いつも通りの時間に起き、着替えて出勤の支度をしていた秀明のスマホが、着信を知らせた。


「社長、朝早くから申し訳ありません」
「どうした。わざわざ電話してくる位だから、緊急の用件だろう?」
 相手の第一声で、桜査警公社の人間だと判明した為、話を促してみると、何故か電話の向こうから困惑気味の声が聞こえてくる。


「緊急と言えば緊急ですが……。そちらの門の前に、先程から男が一人立っています」
「うちの門の前にか? 不審者なら一々俺の判断を仰がず、さっさと排除しろ」
 それ位判断できないのかと、秀明は内心で苛ついたが、次の説明で相手が対応に迷った理由が分かった。


「それが……。その男は社長のご友人で、義妹さんの元彼で、今現在小野塚部長補佐が嫌がらせをしている人物だと思うのですが……」
 それを聞いた秀明は、思わず盛大な溜め息を吐いた。


「分かった……、そいつは俺が対応する。報告ご苦労だった」
「いえ、それでは失礼します」
 そうして通話を終わらせた秀明は、さっさと片を付けるべく、部屋を出て玄関へと向かった。


「おい、淳。そんな所で、朝っぱらから何をやってるんだ?」
 玄関を出て門に到達した秀明は、門の鍵を開けながら向こうにいる筈の淳に声をかけると、姿を見せた淳は少し驚いた様に問い返した。


「どうして分かった? インターホンで呼び出したりはしていないが」
「この家は今現在、桜査警公社の会長社長夫婦の自宅だからな」
「そうだったな」
「それで?」
 忘れていた事を思い出して苦笑いしてから、淳は真顔で申し出た。


「悪いが美子さんに話があるから、呼んできてくれないか? 電話が繋がらないから、直接出向かないと駄目だと思ったが、夜に許可無く押しかけたら、それだけで門前払いだと思ったから。朝の時間帯に誰かが出て来た時、話を通して貰おうと思ったんだ」
 それを聞いた秀明は、無意識に額を押さえて呻いた。


「何となく朝の方が、『この忙しい時に何をしに来た』と門前払いを食らいそうだが……。とにかく中に入れ。こんな所で突っ立ってたら、隣近所に何事かと思われる」
「すまん」
 渋面の秀明に促され、淳は敷地内に入り、玄関まで案内された。


「じゃあ、ここで待ってろ。美子を呼んでくる」
「頼む」
 そして淳が開け放たれた玄関の外で、待つ事数分。
 エプロンを着けた美子が、不気味な笑みを浮かべながら玄関の上がり口にやって来た。


「まあ、小早川さん、お久しぶりです」
「おはようございます。ご無沙汰しております」
「ところでこの朝の忙しい時に、一体どういったご用件でしょうか? わざわざ世迷い言を放言しに来たのなら、即刻主人に叩き出して貰いますから、そのおつもりで」
 挨拶を交わしながらも、にこやかに嫌味をぶつけられた淳は、気合いを入れて美子を見上げながら申し出た。


「いえ、くだらない話をお聞かせする為に、わざわざ朝の忙しい時間に押しかけたりはしません」
「そうですか。それではご用件をお伺いします」
「この前、美実と会った時に話した件ですが。私に子供の名前を考えさせて下さい」
「…………」
 唐突に言われた内容を聞いて、美子は無言で眉根を寄せ、一歩下がっていた秀明は、慌てて前に出ながら淳を窘めた。


「おい、淳。お前、いきなり何を厚かましい事を言ってるんだ?」
 しかし淳は、真剣な表情で美子を見据えながら言い募った。


「これは単なる俺の我が儘から出た、身勝手な要求ではありません。この間、どうすれば『子供の父親としての責務を果たす資格と力量を示す』事になるのかを考えていましたが、子供の親として最初に果たすべき義務は、どうしても自身で名前を選べない子供に、その成長を願い、喜んで貰える名前を付ける事だと思いました」
「…………」
「淳、お前……」
 美子は変わらず無表情のまま、秀明は少し驚いた様な顔付きで、淳の話に耳を傾けた。


「加えて、これまで美実との意志疎通が疎かになっていた事に対する償いとして、全面的に名前の決定を美実に任せる事も考えましたが、そうすると単なる責任の丸投げに過ぎません。ですから、必ず美実の意見や考えに合った名前を、俺自身で考えてみせますので、それで俺の父親としての資格と力量を認めて頂けないでしょうか?」
「…………」
 そう言って淳は頭を下げたが、相変わらず美子は無言のままだった。そのまま数秒経過した為、さすがに淳を不憫に思った秀明が、妻に声をかける。


「……美子?」
 すると美子は薄笑いを浮かべ、まだ頭を下げ続けている淳を見下ろしながら、冷静に言い返した。


「一応、言っておきますが、美実は結構こだわりが強いし、こうと決めたら引かない性格ですよ? あの子が気に入る名前をあなたが易々と考えつくとは、とても思えませんが」
 それを耳にした淳は、ゆっくりと上半身を起こしてから、落ち着き払って答えた。


「美実の性格については、分かっているつもりです」
「好みや人生観については、殆ど分かっていなかったみたいですけどね」
「…………」
「美子。それ位で」
 全く反論できずに黙り込んだ淳を見て、秀明は思わず口を挟んだ。しかしここで美子が、事務的に話を進める。


「良いでしょう。その条件、飲みましょう。あなたが、美実が納得する子供の名前を考える事ができたら、子供の父親と認めてあげるし、美実とも普通に会わせてあげます」
「ありがとうございます」
 何とも寛大な申し出に、淳は笑顔になって頭を下げたが、美子はすかさず釘を刺した。


「礼を言うのはまだ早いわ。それに下手な鉄砲も数打ちゃ当たる的に、手当たり次第に名前を出す様な無粋な真似はされたく無いので、毎週土曜日、男女の名前を一つずつFaxでうちに送って下さい。それの可否はこちらでお知らせしますが、期限は美実が出産するまでとします。この条件ではどうですか?」
「それで結構です。宜しくお願いします」
 淡々と話を進める美子に淳は反論する事無く、再度頭を下げる。


「それでは話は終わりですね。美実には私の方から伝えておきますので、お引き取り下さい」
「それでは失礼します。朝からお時間を頂き、ありがとうございました」
 そして淳があっさりその場を立ち去ってから、秀明がどこか納得しかねる顔つきで美子に尋ねた。


「美子。良いのか?」
 しかし彼女はそれに、機嫌良さげに応じる。
「構わないわ。本当にあの子が気に入る様な名前をあの男が考え付くか、見物だもの」


 そして不敵に笑いながら中断していた朝食の支度を再開するべく、美子は台所へと戻って行き、秀明は、(名前か……。ここで外す真似はしないでくれよ?)と、どうにも不安を拭えないまま、彼女を見送ったのだった。
 その顛末は早速朝食の席で、美子から藤宮家全員に披露される事となった。


「皆、ちょうど揃っているから聞いて頂戴。実はさっき、小早川さんが訪ねてみえたの」
「はぁ?」
「『さっき』って、いつ?」
「小早川さんが?」
「どうして?」
 さり気なく投下した爆弾発言に、秀明以外の全員が困惑した表情になったのを眺めながら、美子は如何にも楽しそうに笑いながら話を続けた。


「それがね? なかなか面白い申し出をされて……」
 そして静まり返った食堂で一通り説明した美子は、最後に美実に確認を入れた。


「……と言うわけで、これから毎週土曜日に、小早川さんが子供の名前を男女一つずつ考えてくるから、美実はそれが子供の名前に相応しいと思うかどうか判定して頂戴」
「分かったわ」
 硬い表情のまま美実が頷くと、美幸が戸惑いながら確認を入れた。


「あの……、美子姉さん? 本当にそんな事で良いの?」
「そんな事? 美幸にはこれが、そんなに簡単そうに思えるの?」
「え? だって……」
 不思議そうに切り返されて、美幸は益々困惑したが、そんな戸惑いなど美子は気にせずに、不気味な笑みを家族に向かって振り撒いた。


「小早川さんが、一体どんな名前を考えてくるのか楽しみね。早く土曜日にならないかしら」
「…………」
 満足げにそう告げてから、何事も無かったかの様に美子は食事を再開し、昌典と秀明も何か言いたげな顔をしていたものの、口には出さずに食べ続けた。一方で美実は真剣な顔で何やら考え込んでいたが、そんなカオスな空間と化した食堂内を見回しながら、美幸が隣の美野に囁く。


「なんか美子姉さんの笑顔が、黒くて怖いんだけど……」
 それについては激しく同感だった美野は、密かに淳にアドバイスした内容が間違いだったかと、若干不安になりながら囁き返した。


「本当ね。相変わらずこの件に関しては、お父さんとお義兄さんは口を出す気配は無いし、もう誰にも美子姉さんを止められないわ」
「うちのラスボスって、やっぱり美子姉さんだよね」
 そんな風にこそこそと囁き合っている二人の向かい側で、この間大人しく食事をしていた美樹が、「なまえ?」と不思議そうに小首を傾げていた。





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