その華の名は
(4)密偵との密談
「あら、ミリアーナ。ごめんなさい。挨拶がまだだったわね。待ちきれなくて、ここまで呼びに来てしまったのね?」
「うん。あそべる?」
「勿論、良いわよ? お父様、お母様。取り敢えずこの話はおしまいにして、ミリアーナと遊んでいても良いでしょうか?」
「ええ、構わないわよ?」
「ミリアーナ、一人で留守番をさせて悪かったな。カテリーナが遊んでくれるからな」
「はい!」
「それじゃあ、私の部屋に行きましょうか」
両親に断りを入れ、カテリーナは笑顔になったミリアーナの手を取った。
(本当にろくでもない……。でもこの話、密偵経由でナジェークの耳にも当然入っているはずよね? 何か対策を取っているのかしら? 万が一、何も手を打っていなかったら許さないわよ!?)
そして自室に向かって歩き出したカテリーナだったが、ミリアーナに付き従ってきたらしいメイドがドアの横に佇んでいるのを認めた。
「カテリーナ様、お帰りなさいませ」
恭しく頭を下げてきた彼女が、たった今頭に浮かんだナジェークの密偵だった事で、カテリーナの笑顔が些か強張ったものに変化した。
「あら……、ルイザ。今回はあなたが私に付いてくれるの?」
「はい、エリーゼ様から指示されております。取り敢えずお部屋に移動して、制服からお着替えを。それからミリアーナ様に、遊んでいただきましょう。……積もるお話は、それからでも遅くありません」
「そうね。お願いするわ」
笑顔で応じたルイザが最後は声を潜めて告げてきたため、心得たカテリーナは余計な事は言わずにそのまま自室に向かった。
「ミリアーナ、着替えるからちょっと待っていてね?」
「ミリアーナ様、こちらで遊ぶ準備をいたしましょう」
「はーい!」
(本当に……、私の縁談を画策する暇があったら、もう少しミリアーナやアイリーンと一緒に過ごしてあげなさいよ)
カテリーナが寝室で着替えを済ませると、隣室でミリアーナと共に何かをテーブルに広げていたルイザが、脱いだ服を片付けにやって来た。
「ルイザ。アイリーンはどうしているか分かる?」
もう一人の姪について尋ねてみると、手を動かしながらルイザが答える。
「ただいまはお部屋でお昼寝中かと。スザンナが見ている筈です。顔をご覧になりに行きますか?」
「聞いてみただけだから、大丈夫よ。起きているときに、様子を見に行くわ。……察するに、兄達は相変わらずなのかしら?」
娘二人に対して冷淡とも関心が薄いとも取れる長兄夫婦の、以前からの振る舞いについて言及してみると、ルイザは渋面になりながら頷く。
「ええ。あのお二人は、全くお変わりありませんね。あの年になってから人間的成長を望むのは、ご本人達にとっては酷かもしれませんが」
「相変わらず辛辣ね。でも幾ら年を重ねても、自己研鑽に励む方はおられると思うわ」
「そうでございますね。あの方達の場合は向上心が著しく欠如していると、訂正しておきましょう」
「本当に辛辣だわ」
淡々と応じるルイザに失笑してから隣室へと戻ったカテリーナは、椅子に座ったミリアーナの前に並べられていた物を見て、無意識に顔を綻ばせた。それは三か月ほど前、密かにナジェークと会った時に「君の姪はそろそろこういう物で遊び始める頃だと思うから、実家に戻る時に土産に持って行かないか?」と渡された、簡易画材だった。
受け取ったそれを持参し、帰宅した時にミリアーナに渡したものの、その時の彼女の反応は見慣れない物に対して不思議そうに首を傾げただけであり、ちょっと渡すのが早かったかと思っていたのだが、どうやらしばらく実家から足が遠のいていた間に、彼女のお気に入りになっていたらしかった。
「今日は簡易画材でお絵描きするのね。ミリアーナ、それで絵を描くのは好き?」
「すき! おばーさまと、いっぱいかいてる!」
「良かった、気に入って貰えて。持ってきた甲斐があったわ。それじゃあ、今日は何を描こうかしら?」
「おはな! いっぱい!」
「そうね。お花畑にしましょう」
「うん! きょうはカテリーナといっしょ!」
ミリアーナは嬉々として棒状のクーレ・ユオンを持ち上げ、画用紙の上を滑らせ始めた。幼児のすることであり綺麗な形の花は描けないものの、描くことに没頭している姪を見てカテリーナは微笑ましく思いながらも、微妙に引っかかりを覚えたことについて至近距離にいるルイザに小声で尋ねる。
「ルイザ。ミリアーナと一緒に絵を描いて遊んであげるのは、お母様だけなの?」
その問いに、ルイザはピクリと肩眉を上げてから、平坦な声で答える。
「……いえ、私達メイドがご一緒することもあります」
「因みに、お義姉様やジェスラン兄様は?」
「お二方はクーレ・ユオンに、触れたこともございません。『まともに画材を整えたり画法を習うことができない平民が使う、このような貧相な画材を用いて絵を描くなど、感性が鈍るだろうが』とか『子供だましとしか言えないような、こんな恥ずかしい代物を平気で持ち込むなんて、恥知らずと言われても文句は言えないわね』とか仰られていました」
それを聞いたカテリーナは、クーレ・ユオンを持っていた手の動きを止め、冷え冷えとした笑みをルイザに向けながら応じた。
「あらまあ……、それはそれは。感性の鈍い、恥知らずで申し訳ございませんでしたと、お兄様達にお詫びするべきかしら?」
「ご冗談を。クーレ・ユオンは売り出されて一年半程は経過しておりますが、この間平民に限らず貴族間でも愛好者が増えているともっぱらの評判です。聞くところによると、お嬢様が卒業されたクレランス学園でも、昨年から美術の授業でクーレ・ユオンが用いられているとか。高級な画材で描かれた物でなければ絵ではない、などと言わんばかりの主張は、却ってその方の感性の鈍さを表しているようなものです」
先程からルイザの物言いが辛辣すぎ、以前接した時の冷静な彼女の印象と異なる様子に、カテリーナは段々心配になってきた。
「ルイザ……。なんだか色々、不平不満が溜まっていそうね。それとも疲れているとか? 大丈夫?」
それを聞いたルイザが、即座に顔つきを改めて頭を下げる。
「……申し訳ございません。カテリーナ様にお気を遣わせてしまうなんて、使用人として失格です。ミリアーナ様やアイリーン様への接し方もそうですが、カテリーナ様の縁談に関するなりふり構わないやり口に、少々腹に据えかねておりまして」
「ルイザをこれ以上怒らせたくはないから、詳細は聞かないでおくわね。それでナジェークから、具体的な対策について聞いている?」
「詳細については伺ってはいませんが、婚約内定披露の午餐会で、ダマール殿と立ち合うように指示されています。そこで勝つようにと」
そこまで口にして溜め息を吐いたルイザを、カテリーナは呆然と見やってから疑問を呈した。
「はい? あの、ちょっと待って、ルイザ。『立ち合う』って、どこで、誰と誰が?」
「約半月後のカモスタット伯爵邸で開催される婚約内定披露の午餐会で、当事者のカテリーナ様とダマール殿がです。ご健闘をお祈りします」
真顔で断言したルイザだったが、それを聞いたカテリーナは思わず腰を浮かせて声を荒らげた。
「あっ、あのね!? そんな事、許されるわけないでしょう!? それに腐っても小隊長で、普段から部下をしごき倒しているような乱暴者とまともに相対して、私が勝てると本気で思っているわけ!?」
「カテリーナ様。落ち着いてください」
「カテリーナ?」
急に大声を上げた叔母に驚いたらしいミリアーナが、大きく目を見開いてカテリーナを見上げる。それに気が付いたカテリーナは、慌てて笑顔で椅子に座り直しながらミリアーナに声をかけた。
「ごめんなさいね、ミリアーナ。驚かせてしまって。あ、随分お花が描けたわね。空に虹も描きましょうか?」
「うん! おおきいにじ、かいて!」
「任せて」
それから少しの間、カテリーナはミリアーナの望むままに絵を描いて喜ばせてから、新しい画用紙を出した。それにミリアーナが笑顔で違う絵を描き始めてから、カテリーナが中断した話を再開する。
「さっきの話だけど、そんな場で立ち合いたいなどと言っても、誰にも聞く耳を持ってくれないわよ? 流石に両親だって激怒するわ」
「侯爵夫妻にはお話する必要はありません。寧ろ、ご内密になさっていてください。カテリーナ様が話を持ちかけるのは、ジェスラン様とエリーゼ様です」
それを聞いたカテリーナは、益々怪訝な顔になった。
「お兄様達に? それなら余計に認めて貰えないわよ?」
「勿論、そうでしょうね。ですから、事前に話をしておくだけです。却下されるのは計算の上です」
「全然、意味が分からないわ……。ナジェークったら、私に何をさせる気よ?」
「ナジェーク様曰く、お相手に『生き恥をさらさせてやる』だそうです」
「……穏やかな話ではないわね」
思わず呻くように呟いたカテリーナだったが、次のルイザの台詞ではっきりと顔を強張らせた。
「もしカテリーナ様が、どうしても立ち合いが無理と仰るなら、『その時は仕方がないから、婚約自体を解消するように、後腐れなく消す』と仰っておられました」
「『消す』って何!? 一気に物騒な話になったんだけど!? まさか、暗殺とかしないわよね!?」
「さあ……、どうでしょう? 実際に殺さないまでも、身体的か精神的に再起不能な状態に持ち込みそうですよね……。ですからカテリーナ様。生き恥をさらす程度なら、それより遥にマシでしょう。寧ろ、人助けといっても良い位だと思います」
語気強くそんな事を断言されて、カテリーナが困惑しながら問い返す。
「え、ええと……。そう、なの、かしら?」
「勿論です!」
「……努力してみるわ」
「はい、応援しております!」
それからカテリーナはミリアーナと共に絵を描きながらルイザからの報告を聞き、今後の打ち合わせを進めていった。
「うん。あそべる?」
「勿論、良いわよ? お父様、お母様。取り敢えずこの話はおしまいにして、ミリアーナと遊んでいても良いでしょうか?」
「ええ、構わないわよ?」
「ミリアーナ、一人で留守番をさせて悪かったな。カテリーナが遊んでくれるからな」
「はい!」
「それじゃあ、私の部屋に行きましょうか」
両親に断りを入れ、カテリーナは笑顔になったミリアーナの手を取った。
(本当にろくでもない……。でもこの話、密偵経由でナジェークの耳にも当然入っているはずよね? 何か対策を取っているのかしら? 万が一、何も手を打っていなかったら許さないわよ!?)
そして自室に向かって歩き出したカテリーナだったが、ミリアーナに付き従ってきたらしいメイドがドアの横に佇んでいるのを認めた。
「カテリーナ様、お帰りなさいませ」
恭しく頭を下げてきた彼女が、たった今頭に浮かんだナジェークの密偵だった事で、カテリーナの笑顔が些か強張ったものに変化した。
「あら……、ルイザ。今回はあなたが私に付いてくれるの?」
「はい、エリーゼ様から指示されております。取り敢えずお部屋に移動して、制服からお着替えを。それからミリアーナ様に、遊んでいただきましょう。……積もるお話は、それからでも遅くありません」
「そうね。お願いするわ」
笑顔で応じたルイザが最後は声を潜めて告げてきたため、心得たカテリーナは余計な事は言わずにそのまま自室に向かった。
「ミリアーナ、着替えるからちょっと待っていてね?」
「ミリアーナ様、こちらで遊ぶ準備をいたしましょう」
「はーい!」
(本当に……、私の縁談を画策する暇があったら、もう少しミリアーナやアイリーンと一緒に過ごしてあげなさいよ)
カテリーナが寝室で着替えを済ませると、隣室でミリアーナと共に何かをテーブルに広げていたルイザが、脱いだ服を片付けにやって来た。
「ルイザ。アイリーンはどうしているか分かる?」
もう一人の姪について尋ねてみると、手を動かしながらルイザが答える。
「ただいまはお部屋でお昼寝中かと。スザンナが見ている筈です。顔をご覧になりに行きますか?」
「聞いてみただけだから、大丈夫よ。起きているときに、様子を見に行くわ。……察するに、兄達は相変わらずなのかしら?」
娘二人に対して冷淡とも関心が薄いとも取れる長兄夫婦の、以前からの振る舞いについて言及してみると、ルイザは渋面になりながら頷く。
「ええ。あのお二人は、全くお変わりありませんね。あの年になってから人間的成長を望むのは、ご本人達にとっては酷かもしれませんが」
「相変わらず辛辣ね。でも幾ら年を重ねても、自己研鑽に励む方はおられると思うわ」
「そうでございますね。あの方達の場合は向上心が著しく欠如していると、訂正しておきましょう」
「本当に辛辣だわ」
淡々と応じるルイザに失笑してから隣室へと戻ったカテリーナは、椅子に座ったミリアーナの前に並べられていた物を見て、無意識に顔を綻ばせた。それは三か月ほど前、密かにナジェークと会った時に「君の姪はそろそろこういう物で遊び始める頃だと思うから、実家に戻る時に土産に持って行かないか?」と渡された、簡易画材だった。
受け取ったそれを持参し、帰宅した時にミリアーナに渡したものの、その時の彼女の反応は見慣れない物に対して不思議そうに首を傾げただけであり、ちょっと渡すのが早かったかと思っていたのだが、どうやらしばらく実家から足が遠のいていた間に、彼女のお気に入りになっていたらしかった。
「今日は簡易画材でお絵描きするのね。ミリアーナ、それで絵を描くのは好き?」
「すき! おばーさまと、いっぱいかいてる!」
「良かった、気に入って貰えて。持ってきた甲斐があったわ。それじゃあ、今日は何を描こうかしら?」
「おはな! いっぱい!」
「そうね。お花畑にしましょう」
「うん! きょうはカテリーナといっしょ!」
ミリアーナは嬉々として棒状のクーレ・ユオンを持ち上げ、画用紙の上を滑らせ始めた。幼児のすることであり綺麗な形の花は描けないものの、描くことに没頭している姪を見てカテリーナは微笑ましく思いながらも、微妙に引っかかりを覚えたことについて至近距離にいるルイザに小声で尋ねる。
「ルイザ。ミリアーナと一緒に絵を描いて遊んであげるのは、お母様だけなの?」
その問いに、ルイザはピクリと肩眉を上げてから、平坦な声で答える。
「……いえ、私達メイドがご一緒することもあります」
「因みに、お義姉様やジェスラン兄様は?」
「お二方はクーレ・ユオンに、触れたこともございません。『まともに画材を整えたり画法を習うことができない平民が使う、このような貧相な画材を用いて絵を描くなど、感性が鈍るだろうが』とか『子供だましとしか言えないような、こんな恥ずかしい代物を平気で持ち込むなんて、恥知らずと言われても文句は言えないわね』とか仰られていました」
それを聞いたカテリーナは、クーレ・ユオンを持っていた手の動きを止め、冷え冷えとした笑みをルイザに向けながら応じた。
「あらまあ……、それはそれは。感性の鈍い、恥知らずで申し訳ございませんでしたと、お兄様達にお詫びするべきかしら?」
「ご冗談を。クーレ・ユオンは売り出されて一年半程は経過しておりますが、この間平民に限らず貴族間でも愛好者が増えているともっぱらの評判です。聞くところによると、お嬢様が卒業されたクレランス学園でも、昨年から美術の授業でクーレ・ユオンが用いられているとか。高級な画材で描かれた物でなければ絵ではない、などと言わんばかりの主張は、却ってその方の感性の鈍さを表しているようなものです」
先程からルイザの物言いが辛辣すぎ、以前接した時の冷静な彼女の印象と異なる様子に、カテリーナは段々心配になってきた。
「ルイザ……。なんだか色々、不平不満が溜まっていそうね。それとも疲れているとか? 大丈夫?」
それを聞いたルイザが、即座に顔つきを改めて頭を下げる。
「……申し訳ございません。カテリーナ様にお気を遣わせてしまうなんて、使用人として失格です。ミリアーナ様やアイリーン様への接し方もそうですが、カテリーナ様の縁談に関するなりふり構わないやり口に、少々腹に据えかねておりまして」
「ルイザをこれ以上怒らせたくはないから、詳細は聞かないでおくわね。それでナジェークから、具体的な対策について聞いている?」
「詳細については伺ってはいませんが、婚約内定披露の午餐会で、ダマール殿と立ち合うように指示されています。そこで勝つようにと」
そこまで口にして溜め息を吐いたルイザを、カテリーナは呆然と見やってから疑問を呈した。
「はい? あの、ちょっと待って、ルイザ。『立ち合う』って、どこで、誰と誰が?」
「約半月後のカモスタット伯爵邸で開催される婚約内定披露の午餐会で、当事者のカテリーナ様とダマール殿がです。ご健闘をお祈りします」
真顔で断言したルイザだったが、それを聞いたカテリーナは思わず腰を浮かせて声を荒らげた。
「あっ、あのね!? そんな事、許されるわけないでしょう!? それに腐っても小隊長で、普段から部下をしごき倒しているような乱暴者とまともに相対して、私が勝てると本気で思っているわけ!?」
「カテリーナ様。落ち着いてください」
「カテリーナ?」
急に大声を上げた叔母に驚いたらしいミリアーナが、大きく目を見開いてカテリーナを見上げる。それに気が付いたカテリーナは、慌てて笑顔で椅子に座り直しながらミリアーナに声をかけた。
「ごめんなさいね、ミリアーナ。驚かせてしまって。あ、随分お花が描けたわね。空に虹も描きましょうか?」
「うん! おおきいにじ、かいて!」
「任せて」
それから少しの間、カテリーナはミリアーナの望むままに絵を描いて喜ばせてから、新しい画用紙を出した。それにミリアーナが笑顔で違う絵を描き始めてから、カテリーナが中断した話を再開する。
「さっきの話だけど、そんな場で立ち合いたいなどと言っても、誰にも聞く耳を持ってくれないわよ? 流石に両親だって激怒するわ」
「侯爵夫妻にはお話する必要はありません。寧ろ、ご内密になさっていてください。カテリーナ様が話を持ちかけるのは、ジェスラン様とエリーゼ様です」
それを聞いたカテリーナは、益々怪訝な顔になった。
「お兄様達に? それなら余計に認めて貰えないわよ?」
「勿論、そうでしょうね。ですから、事前に話をしておくだけです。却下されるのは計算の上です」
「全然、意味が分からないわ……。ナジェークったら、私に何をさせる気よ?」
「ナジェーク様曰く、お相手に『生き恥をさらさせてやる』だそうです」
「……穏やかな話ではないわね」
思わず呻くように呟いたカテリーナだったが、次のルイザの台詞ではっきりと顔を強張らせた。
「もしカテリーナ様が、どうしても立ち合いが無理と仰るなら、『その時は仕方がないから、婚約自体を解消するように、後腐れなく消す』と仰っておられました」
「『消す』って何!? 一気に物騒な話になったんだけど!? まさか、暗殺とかしないわよね!?」
「さあ……、どうでしょう? 実際に殺さないまでも、身体的か精神的に再起不能な状態に持ち込みそうですよね……。ですからカテリーナ様。生き恥をさらす程度なら、それより遥にマシでしょう。寧ろ、人助けといっても良い位だと思います」
語気強くそんな事を断言されて、カテリーナが困惑しながら問い返す。
「え、ええと……。そう、なの、かしら?」
「勿論です!」
「……努力してみるわ」
「はい、応援しております!」
それからカテリーナはミリアーナと共に絵を描きながらルイザからの報告を聞き、今後の打ち合わせを進めていった。
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