その華の名は
(21)試合前の駆け引き
「お待たせしました」
「いえ、まだ集合時間前ですから大丈夫です。このままこちらで待機していてください」
「分かりました」
カテリーナが会場の隅に設置してある朝礼台の横に移動し、実行委員会のメンバー何人かと話し込んでいたナジェークに声をかけると、彼は素っ気なく指示を出した。それにカテリーナが素直に頷き、指示を受けた生徒が離れて一時的に側に他の生徒が居なくなった隙に、ナジェークが囁いてくる。
「体調は?」
「万全よ。空から時計とかが降ってこない限りは、バーナムを叩き潰してあげるわ」
「それは楽しみだ」
昨日の“あれ”は分かっているとの、皮肉まじりの彼女の台詞に苦笑してから、ナジェークは周囲に人影がない事を確認し、一層声を潜めて話を続けた。
「実は、今日偶々体調が悪かったなどと後から言い逃れできないように、観覧席の来賓の皆様には参加者全員の普段の授業での評価表を渡す事になっている」
その予想外の話に、カテリーナは思わず目を見開いて相手を凝視した。
「いつの間にそんな事を? それにどうやって?」
「たった今、エセリアとイズファインが出向いて、それらしい理由を付けて渡しているよ」
「本当に抜け目が無いわね……」
「お褒めいただき光栄の至り」
彼が目線で来賓席を示すと、カテリーナもそこで国王の側妃であるディオーネと近衛騎士団の面々に、名前が挙がった二人が何やら話しかけながら用紙の束を手渡しているのを認め、半ば呆れながら感想を延べた。それを受けた彼が、底意地が悪そうな笑みを浮かべながら提案してくる。
「そういう訳で君に余力があるなら、あっさり片を付けずに奴にきりきり舞をさせて散々いたぶってやれば、目の肥えている近衛騎士団の方々には余計に真実が伝わり易いと思うのだが」
それを聞いたカテリーナは、本気で呆れながら肩を竦めた。
「試合直前に、とんでもない事を唆してくれるわね……。それに言うのは簡単でしょうけど、実行するのは私なのよ?」
「君なら、そして相手が“あれ”なら、十分に可能と踏んでの事だ。どうだい?」
そこでにこやかに微笑みながら確認を入れてきたナジェークを、カテリーナは軽く睨み付ける。
「誰に言っているの?」
「麗しの女騎士様に」
「勝手に言ってなさい」
「もう一つだけ言っておくが……。怪我だけはしないように」
急に真顔になって言い聞かせてきた相手に、カテリーナは閉口した。
「万が一怪我をしても、乱入や投石は無しよ? 試合が台無しになるわ」
「努力するよ」
(これは間違っても、怪我なんかできないわね)
全く努力などする気が無さそうなナジェークの顔を見て、カテリーナは無言で溜め息を吐いた。ここで新たな人物が現れた事で、ナジェークはいつも通りの声で彼に応じる。
「来たぞ。どこで待てば良い?」
「ああ、バーナム、こちらで待機してくれ。それでは第一試合の対戦者は揃ったな。試合が開始する前には、第二試合の対戦者が来る筈だが……」
「ナジェークさん。審判を務められる教授方もお揃いです」
「分かった。ありがとう。それでは、全体の流れを確認しておくが……」
それからは入れ替わり立ち替わり複数の生徒達がナジェークの指示を貰いに来た為、放置されたカテリーナが何気なくバーナムの様子を横目で窺って、つい噴き出しそうになってしまった。
(あらあら、随分と険悪なお顔だこと。残念な事に、こんな人目のある所では私に危害を加えるのも脅すのも無理でしょうしね。それにしても……、エセリア様の深謀遠慮と行動力には、本当に恐れ入るわ)
そうこうしているうちに開会式予定時間になり、お飾りの実行委員会名誉会長を務めているグラディクトが、ナジェークと共に得意満面で朝礼台に上がった。
「それでは時間になりましたので、今大会実行委員会名誉会長であられるグラディクト殿下から、開会のお言葉を頂きます」
そう宣言したナジェークが前を譲ると、晴れがましい役割を担って上機嫌なグラディクトが、静まり返った会場全体に向かって、得意げに声を張り上げる。
「今回の剣術大会実行委員会、名誉会長のグラディクトだ。この大会は生徒によって企画、運営、開催される事になっているが、外部から来賓もお呼びしている。決して気の抜けた試合や運営をしないように心がけて、各自励んで貰いたい。……それで」
「それではここで、今大会優勝者にグラディクト殿下から贈られる事になる、記念品のマントを披露します。君達、前に出て」
「はい、こちらです!」
「皆様、ご覧下さい!」
「あ、おい! 私の話はまだ!」
グラディクトの話が一区切りついたところを見計らって、ナジェークがわざと声を張り上げて強引に挨拶に割り込み、更に後ろに控えていた女生徒二人を促した。すると彼女達はグラディクトを押し退けるようにして前に出て、二人がかりで広げたマントを掲げ持ち、彼の姿を半ば隠してしまう。
憤然とする彼を尻目に、刺繍係の力作である見事なマントに対して会場中の生徒達から歓声が上がり、その説明がなされてからなし崩し的に開会式が終了となる。
「それではこれで開会式を終了し、予選第一試合を執り行います。対戦者、バーナム・ヴァン・タスコー、カテリーナ・ヴァン・ガロア、審判、リバール教授。三名は会場中央へ進んでください」
半ば無視されてナジェークに悪態を吐いているグラディクトに失笑しながら、カテリーナは試合場中央に向かって歩き出した。その途中で来賓席のラドクリフと目が合い、互いに笑顔で小さく会釈する。
(観覧席にはラドクリフおじさまもいらしているし、益々下手な試合はできないわね)
後日、絶対に彼経由で今日の事が父親の耳に入るだろうと確信したカテリーナは、決意を新たにした。そこで一際高い、自分を呼び掛ける声に反応する。
「カテリーナ様――っ!」
そのサビーネの声に反射的に振り返ったカテリーナに向かって、友人達が陣取っている観覧席の一角から、歓声が湧き起こった。
「カテリーナさまぁぁあぁ――――っ!! 勝利はあなたの物ですわぁあぁぁ――――っ!!」
「え!? ちょっと、何事!?」
一斉に声を張り上げた女生徒達の頭上で、広げられた横断幕が高々と掲げられると同時に、色とりどりの放物線が弧を描き、派手な鈴の音が鳴り響く。
「カテリーナ様ぁあぁ――っ! 今日は一段と凛々しいお姿ですわぁあぁぁっ!」
「今日は何て素敵な日かしら! カテリーナ様の戦うお姿を、目の当たりにできるなんて!!」
「あなたの勇姿を、今日はしっかりとこの目に焼き付けておきますわ!」
「そんな方、ちゃっちゃと片付けておしまいになって――っ!」
第一声を合わせた後は、各自黄色い歓声をカテリーナに送り続け、その派手さと騒々しさに他の者達は唖然として静まり返った程だった。
「……凄い声援だな」
「人気者は辛いですわね」
明らかに笑いを堪えている表情のリバールに茶化すように囁かれたカテリーナは、正直頭痛を覚えたものの、傍目には平然と言葉を返した。それを聞いた彼が更に噴き出しそうになっていると、バーナムが苛立たしげに観覧席を指さしながら抗議してくる。
「…………っ! 審判! あの馬鹿騒ぎを何とかしろ! こんな状況で、まともに試合ができると思っているのか!?」
「まあ……、確かにそうですな」
(女生徒どころか男子生徒からも全く声援が飛んでこない、貴様が僻むのは分かるがな)
リバールがかなり辛辣な事を考えながらも一応バーナムに頷いてみせ、騒いでいる女生徒達に向けて警告を発しようとした瞬間、それまでの喧騒が嘘のように静まり返った。
「……止みましたわね」
「静かになったな」
あまりの豹変っぷりに二人は唖然となったが、すぐにリバールが落ち着き払ってバーナムの方に向き直りつつ、二人に指示を出す。
「これで文句は無いな? それでは双方、五歩分の距離を取れ」
「…………」
「分かりました」
バーナムは憮然としながら、カテリーナは淡々と移動し、試合場の中央で五歩分の距離を取って相対した。
(恐らく、バーナムがリバール教授に抗議したのを見て取って、マリーア様辺りが即座に静止させたのね。さすがの統率力だわ)
スラリと鞘から模擬剣を抜きながらカテリーナが推察していた通り、観覧席ではマリーアがきびきびと立て続けに指示を出していた。
「さあ、皆様。カテリーナ様が勝利した暁には、祝福の声がけを行いますから、先程と同様に号令のタイミングに遅れないようにお願いします。それから紙テープは、手元の芯の周りに巻き取りながら、急いで回収してください。カテリーナ様の勝利があっさり決まってしまったら、再度の投てきが間に合いませんわ」
「分かりました!」
「急いで巻き取ります!」
皆が一斉に手元に残っている方の芯に、先程投げた紙テープをスルスルと巻き取り始めると、他の女生徒達が数名恐る恐る、しかし興味津々な様子で近寄ってくる。
「あの……、先程の物は何ですか?」
「少し見せて貰って、宜しいでしょうか?」
そうお伺いを立ててきた彼女達を、マリーアは微笑んで迎え入れた。
「ええ、どうぞこちらに。宜しかったら使い方もご説明しますので、これから私達と一緒に応援もされませんか?」
「良いんですか!?」
「是非、お願いします!」
そんな嬉々としたやり取りが繰り広げられている一角で、ティナレアが益々項垂れていた。
「何か……、段々人が増えている気が……」
「ティナレア、気のせいだから!」
「そうそう! カテリーナの応援に集中しましょう!」
「ほら、試合が始まるわよ!」
そんな悲喜こもごもの出来事が試合場の内外で繰り広げられる中、いよいよカテリーナの試合が始まった。
「いえ、まだ集合時間前ですから大丈夫です。このままこちらで待機していてください」
「分かりました」
カテリーナが会場の隅に設置してある朝礼台の横に移動し、実行委員会のメンバー何人かと話し込んでいたナジェークに声をかけると、彼は素っ気なく指示を出した。それにカテリーナが素直に頷き、指示を受けた生徒が離れて一時的に側に他の生徒が居なくなった隙に、ナジェークが囁いてくる。
「体調は?」
「万全よ。空から時計とかが降ってこない限りは、バーナムを叩き潰してあげるわ」
「それは楽しみだ」
昨日の“あれ”は分かっているとの、皮肉まじりの彼女の台詞に苦笑してから、ナジェークは周囲に人影がない事を確認し、一層声を潜めて話を続けた。
「実は、今日偶々体調が悪かったなどと後から言い逃れできないように、観覧席の来賓の皆様には参加者全員の普段の授業での評価表を渡す事になっている」
その予想外の話に、カテリーナは思わず目を見開いて相手を凝視した。
「いつの間にそんな事を? それにどうやって?」
「たった今、エセリアとイズファインが出向いて、それらしい理由を付けて渡しているよ」
「本当に抜け目が無いわね……」
「お褒めいただき光栄の至り」
彼が目線で来賓席を示すと、カテリーナもそこで国王の側妃であるディオーネと近衛騎士団の面々に、名前が挙がった二人が何やら話しかけながら用紙の束を手渡しているのを認め、半ば呆れながら感想を延べた。それを受けた彼が、底意地が悪そうな笑みを浮かべながら提案してくる。
「そういう訳で君に余力があるなら、あっさり片を付けずに奴にきりきり舞をさせて散々いたぶってやれば、目の肥えている近衛騎士団の方々には余計に真実が伝わり易いと思うのだが」
それを聞いたカテリーナは、本気で呆れながら肩を竦めた。
「試合直前に、とんでもない事を唆してくれるわね……。それに言うのは簡単でしょうけど、実行するのは私なのよ?」
「君なら、そして相手が“あれ”なら、十分に可能と踏んでの事だ。どうだい?」
そこでにこやかに微笑みながら確認を入れてきたナジェークを、カテリーナは軽く睨み付ける。
「誰に言っているの?」
「麗しの女騎士様に」
「勝手に言ってなさい」
「もう一つだけ言っておくが……。怪我だけはしないように」
急に真顔になって言い聞かせてきた相手に、カテリーナは閉口した。
「万が一怪我をしても、乱入や投石は無しよ? 試合が台無しになるわ」
「努力するよ」
(これは間違っても、怪我なんかできないわね)
全く努力などする気が無さそうなナジェークの顔を見て、カテリーナは無言で溜め息を吐いた。ここで新たな人物が現れた事で、ナジェークはいつも通りの声で彼に応じる。
「来たぞ。どこで待てば良い?」
「ああ、バーナム、こちらで待機してくれ。それでは第一試合の対戦者は揃ったな。試合が開始する前には、第二試合の対戦者が来る筈だが……」
「ナジェークさん。審判を務められる教授方もお揃いです」
「分かった。ありがとう。それでは、全体の流れを確認しておくが……」
それからは入れ替わり立ち替わり複数の生徒達がナジェークの指示を貰いに来た為、放置されたカテリーナが何気なくバーナムの様子を横目で窺って、つい噴き出しそうになってしまった。
(あらあら、随分と険悪なお顔だこと。残念な事に、こんな人目のある所では私に危害を加えるのも脅すのも無理でしょうしね。それにしても……、エセリア様の深謀遠慮と行動力には、本当に恐れ入るわ)
そうこうしているうちに開会式予定時間になり、お飾りの実行委員会名誉会長を務めているグラディクトが、ナジェークと共に得意満面で朝礼台に上がった。
「それでは時間になりましたので、今大会実行委員会名誉会長であられるグラディクト殿下から、開会のお言葉を頂きます」
そう宣言したナジェークが前を譲ると、晴れがましい役割を担って上機嫌なグラディクトが、静まり返った会場全体に向かって、得意げに声を張り上げる。
「今回の剣術大会実行委員会、名誉会長のグラディクトだ。この大会は生徒によって企画、運営、開催される事になっているが、外部から来賓もお呼びしている。決して気の抜けた試合や運営をしないように心がけて、各自励んで貰いたい。……それで」
「それではここで、今大会優勝者にグラディクト殿下から贈られる事になる、記念品のマントを披露します。君達、前に出て」
「はい、こちらです!」
「皆様、ご覧下さい!」
「あ、おい! 私の話はまだ!」
グラディクトの話が一区切りついたところを見計らって、ナジェークがわざと声を張り上げて強引に挨拶に割り込み、更に後ろに控えていた女生徒二人を促した。すると彼女達はグラディクトを押し退けるようにして前に出て、二人がかりで広げたマントを掲げ持ち、彼の姿を半ば隠してしまう。
憤然とする彼を尻目に、刺繍係の力作である見事なマントに対して会場中の生徒達から歓声が上がり、その説明がなされてからなし崩し的に開会式が終了となる。
「それではこれで開会式を終了し、予選第一試合を執り行います。対戦者、バーナム・ヴァン・タスコー、カテリーナ・ヴァン・ガロア、審判、リバール教授。三名は会場中央へ進んでください」
半ば無視されてナジェークに悪態を吐いているグラディクトに失笑しながら、カテリーナは試合場中央に向かって歩き出した。その途中で来賓席のラドクリフと目が合い、互いに笑顔で小さく会釈する。
(観覧席にはラドクリフおじさまもいらしているし、益々下手な試合はできないわね)
後日、絶対に彼経由で今日の事が父親の耳に入るだろうと確信したカテリーナは、決意を新たにした。そこで一際高い、自分を呼び掛ける声に反応する。
「カテリーナ様――っ!」
そのサビーネの声に反射的に振り返ったカテリーナに向かって、友人達が陣取っている観覧席の一角から、歓声が湧き起こった。
「カテリーナさまぁぁあぁ――――っ!! 勝利はあなたの物ですわぁあぁぁ――――っ!!」
「え!? ちょっと、何事!?」
一斉に声を張り上げた女生徒達の頭上で、広げられた横断幕が高々と掲げられると同時に、色とりどりの放物線が弧を描き、派手な鈴の音が鳴り響く。
「カテリーナ様ぁあぁ――っ! 今日は一段と凛々しいお姿ですわぁあぁぁっ!」
「今日は何て素敵な日かしら! カテリーナ様の戦うお姿を、目の当たりにできるなんて!!」
「あなたの勇姿を、今日はしっかりとこの目に焼き付けておきますわ!」
「そんな方、ちゃっちゃと片付けておしまいになって――っ!」
第一声を合わせた後は、各自黄色い歓声をカテリーナに送り続け、その派手さと騒々しさに他の者達は唖然として静まり返った程だった。
「……凄い声援だな」
「人気者は辛いですわね」
明らかに笑いを堪えている表情のリバールに茶化すように囁かれたカテリーナは、正直頭痛を覚えたものの、傍目には平然と言葉を返した。それを聞いた彼が更に噴き出しそうになっていると、バーナムが苛立たしげに観覧席を指さしながら抗議してくる。
「…………っ! 審判! あの馬鹿騒ぎを何とかしろ! こんな状況で、まともに試合ができると思っているのか!?」
「まあ……、確かにそうですな」
(女生徒どころか男子生徒からも全く声援が飛んでこない、貴様が僻むのは分かるがな)
リバールがかなり辛辣な事を考えながらも一応バーナムに頷いてみせ、騒いでいる女生徒達に向けて警告を発しようとした瞬間、それまでの喧騒が嘘のように静まり返った。
「……止みましたわね」
「静かになったな」
あまりの豹変っぷりに二人は唖然となったが、すぐにリバールが落ち着き払ってバーナムの方に向き直りつつ、二人に指示を出す。
「これで文句は無いな? それでは双方、五歩分の距離を取れ」
「…………」
「分かりました」
バーナムは憮然としながら、カテリーナは淡々と移動し、試合場の中央で五歩分の距離を取って相対した。
(恐らく、バーナムがリバール教授に抗議したのを見て取って、マリーア様辺りが即座に静止させたのね。さすがの統率力だわ)
スラリと鞘から模擬剣を抜きながらカテリーナが推察していた通り、観覧席ではマリーアがきびきびと立て続けに指示を出していた。
「さあ、皆様。カテリーナ様が勝利した暁には、祝福の声がけを行いますから、先程と同様に号令のタイミングに遅れないようにお願いします。それから紙テープは、手元の芯の周りに巻き取りながら、急いで回収してください。カテリーナ様の勝利があっさり決まってしまったら、再度の投てきが間に合いませんわ」
「分かりました!」
「急いで巻き取ります!」
皆が一斉に手元に残っている方の芯に、先程投げた紙テープをスルスルと巻き取り始めると、他の女生徒達が数名恐る恐る、しかし興味津々な様子で近寄ってくる。
「あの……、先程の物は何ですか?」
「少し見せて貰って、宜しいでしょうか?」
そうお伺いを立ててきた彼女達を、マリーアは微笑んで迎え入れた。
「ええ、どうぞこちらに。宜しかったら使い方もご説明しますので、これから私達と一緒に応援もされませんか?」
「良いんですか!?」
「是非、お願いします!」
そんな嬉々としたやり取りが繰り広げられている一角で、ティナレアが益々項垂れていた。
「何か……、段々人が増えている気が……」
「ティナレア、気のせいだから!」
「そうそう! カテリーナの応援に集中しましょう!」
「ほら、試合が始まるわよ!」
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