第114 楔として　新しい仲間。

「そして、改めてヒデアキよこれからは世界も頼む」
そうして、視界は白く広がり元の世界に戻ってきた。
戻り際に微かに聞こえたのは絶対神様の声。
「戻ったら、プレゼントが待ってるから楽しみに」

そうして、教会内部に風景が戻っていた。

他のシスター達は、おどおどしたままアルベルタに声をかけた。
「司祭様、女神像から光が発せられましたが今のは…？」
「あぁ、心配ないよ、安心しなさい。」

あちらの世界で長くいたはずだが
こちらの世界では一瞬にも満たない時間の流れだった。

「最後になんか、不安なこと言ってたけどなんなんだろうな？」
ヒデアキは紅竜、ウルスに声をかけたが
「多分、それじゃろ」
「多分、それですね」
「へっ？」

俺の足元にじゃれついてきている、一匹の白い犬。

「お前は？」
「ワン！」
｛主人様、この子は絶対神様の力から産まれた存在ですね｝
「そうなんだ…」
｛多分、これがプレゼントだと思います。｝

「正解、その子の事、よろしくね！」

微かに聞こえた、絶対神様の声。

俺の足元にじゃれついている、白い犬。
種族は天界狼てんかいろう
この世界ではネオフェンリルの呼ばれる伝説級の生き物。
この子犬サイズで竜種相手に単独でも対等に戦える存在。

情報がシオリから流れてくる。
「名前を付けないとな～」
と言いながら、わしゃわしゃしながら思い付いた。
絶対神様から産まれたから……
ゼウス。これがこの子の名前。
「ゼウス、これからよろしくな！」
「ワン！！」