転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第98話 この世界でのポジション 試験続行。

「すぐに出来ますが…」
一旦、纏った魔力を解除して、また同じ様に纏った。
魔力を纏って、安定までのスピードは1秒も満たなかった。
「なんだ、その可笑しな魔力の使い方は!!」
「可笑しいと言われても、これしか出来ないので…」
“お前は魔法がまだだからな”
「俺って魔法使えるのかな?」
“ヒデヒデは魔法は使えると思うけど、普通のでも
  規模が可笑しくなるから、オススメはしないかな!
  こういう使い方が一番相性が良いよ”
「可笑しいって言われたんですけど?」
“それはご愛嬌かな!”


「先ほどから1人でブツブツ言ってるのもなんとかしろ!」
リーナに指摘されて気づいた。
「あっ、なんかすいません…」


「君は本当にペースが掴めないな」
なんとなく諦めモードに入った感じが伝わってきた。
「なんか、すいません…」
「それよりも、悪いが速攻で終わらせてもらうよ」
リーナは改めて目の前にレイピアを構えてこちらを見据えた。


そして、俺の魔力の膜を突き破る様にレイピアで連続で攻撃を始めた。


最初は魔力の密度でレイピアが膜に触れた瞬間に止まる様にしか見えない。
しかし、連撃が進むにつれて、レイピアが止まる位置は近づいてきている。


“流石だな、これだけの魔力の密度を物理で削るとは”
“これは驚きだね!”
「大丈夫なのか?これは?」
“今は大丈夫だがな”
“今の内に何か手があれば試してみれば良いと思うよ”


「なら、試してみるか」


俺にはレイピアの動きは全て見切れている。
だからこそ、全身に纏う必要はない。
魔力を全身に流しているが同じ量をレイピアが当たる部分付近に
高密度にして展開した。
それは魔力を流動的に動かす事に繋がった。


リーナはそれに驚きを隠せなかった。
彼の魔力がまるで、スライムの様に流動的に動き出し
自身の攻撃が当たる部分のみに展開されている事に。


「おぉ〜これはこの世界に来た時に魔力を感じた時に似てるな
 やっぱり、こういう感じに魔力を動かすのが相性がいいな。」
“それが分かれば今後はそうすれば良い”
「そうだな」
“うん、それが良いよ
  それは魔力を直接制御する事だからこの世界では
  失われた魔法に匹敵する技術だから良いと思うよ!”


あぁ〜それなら可笑しいって言われてもしょうがないな。

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