転移したのに人間じゃない!?

逢夢

第97話 この世界でのポジション 試験開始。

くそ、これが終わったら俺、絶対にギルドマスターに文句を言うんだ!
{それは死亡フラグです、主人様…}


そんな言葉をシオリから掛けられたが俺は気にせずにリングの上に向かった。


「それでは、冒険者実力試験を始める。」
ギルドマスターのその掛け声と当時にリーナから溢れる殺気。
それは全てが凍るのではないかと思うほどの、殺気。
しかし、それを浴びても俺は特に思う事はなかった。
それどころか
「ディノスが大口開けて襲ってきた方が怖かったな」
そんな昔の思い出が蘇ってきた。
“あれで恐怖していたのか?”
「怖かったけど?」
“全くそうは見えなかったな。”
“2人ともそんなのんびりしていると向こうが動くよ”


それは一瞬だった。
使用している剣がレイピア。
その突きの一撃が速攻で、襲ってきた。
これだけ速ければ何も出来ない。と周りは思っていた。


そして、リング外でレイピアのスピードが見切れていたのは、ギルドマスターと紅竜のみ。
しかし俺には
ほぼほぼ止まっているかの様にゆっくりと動いている様に見えていた。


“うん、ここまで感覚が鋭くできるとは驚いたね!”
“肉体はついてこれるのか?”
ディノスにそう言われたので、その意識のままで左腕を地面と水平に上げてみた。
俺にとっては普通だったが周りにその動きを見切れたのはギルドマスターと紅竜のみ。
他には一瞬にして腕が水平に上がったという風に見えていた。
そして、リーナは見切れてはいなかった。


だから、そのまま突っ込む事はせずに一旦引いた。


「おっ、引いてくれた。ラッキー」
“腕を上げただけだがな”
“ディノスそう言わないの、でも次はどうするの?ヒデヒデ?”


「それは考えてある。」


そして俺は純粋な魔力を全身から高密度で纏った。
皮膚から20センチ前後分膜を張る様に、全身に魔力を流した。
それは6匹の竜を生むよりも少ない量だったのが驚いたが
そこから純粋に魔力を動かすのが、大変そうだと悩んでいると


「なっ、君はそんなことが出来るのか!?」
リーナは驚きの声あげた。
「そんなこと?」
「今、魔力を均一に纏っていることだ、それも全身に均一にだ!」
「すぐに出来ますが…」
一旦、纏った魔力を解除して、また同じ様に纏った。
魔力を纏って、安定までのスピードは1秒も満たなかった。
「なんだ、その可笑しな魔力の使い方は!!」


うん、どうやらこの魔力の使い方は可笑しいらしい。





コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品